ニジンスキー
ニッポン放送
天王洲 銀河劇場(東京都)
2012/04/01 (日) ~ 2012/04/08 (日)公演終了
満足度★★★
東山ニジンスキーの舞踊は堪能しました
バレエは、昔、ローザンヌ国際バレエコンクールに出場した同級生の舞台を観たぐらいで、全く知識がないに等しいのですが、先日、息子の同級生が在籍しているバレエ団の劇場中継で、ニジンスキー振り付けの「牧神の午後」を観たお陰で、何となく、彼に対するイメージができていて、観劇の参考になりました。
で、素人目で観る限り、東山さんの踊りは素晴らしかったと思います。
ただ、萩田演出の舞台は、いつも大変幻想的で、こういう作品には、特に、それなりの一定水準のキャストが揃ってこそ、味わいが出るのではと思うのですが、今回、残念ながら、かなり演技が未熟なお二人が、主要キャストで、その上、台詞をとちって言い直したり、素人劇みたいな芝居をされるので、せっかくの東山さんと岡さんの好演がぶち壊しになった気がしました。
それと、余談ですが、8日から、西武池袋線中村橋駅にある、練馬区立美術館で開催中の「バルビエ×ラブルール展」で、バルビエが描いたニジンスキーの絵や、ニジンスキー本人の舞台写真等が、展示されています。6月3日まで。ご興味ある方は是非に。鹿島茂さんのコレクション展です。
「ドリアングレイの肖像」の絵等もあり、何かと興味深い展示会でした。
TEA AT FIVE キャサリン・ヘプバーン~五時のお茶~
博品館劇場
博品館劇場(東京都)
2012/03/28 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
大好きなお二人なので観て来ました
十朱さんは「バス通り裏」から、もうかれこれ50年ぐらい大好きな女優さん、鵜山さんも、私の好きな演出家ベスト5に入る方なので、お二人のお仕事ぶりを拝見したくて、行って来ました。
ですから、キャサリン・ヘップバーンについての知識はあまりなくて、話に付いて行けるか、やや不安でしたが、たとえ彼女を知らない人でも、十分楽しめる内容の芝居で、安堵しました。
一人芝居と言うより、一人語りといった趣の芝居で、ヘップバーンと十朱さんの女優人生も重なる部分があって、見応えある舞台でした。
十朱さんの初舞台から拝見している身として、十朱さんも、自分も、ずいぶん長く年月を経て来たことに、より感慨深い思いがしました。(それにしても、十朱さんは、私よりかなり年長なのに、いつまでもお若くて、お茶目で、素敵!)
客席に空席が目立ったのがとても残念です。
微笑ましく、笑える要素も盛りだくさんの素敵な舞台でした。
十朱さんやヘップバーンファンの方には、必見舞台だと思います。
「黄昏」の演技しか印象がないので、今度、若い頃の映画も観てみたくなりました。
きら星のごとく【YoutubeにてPV動画公開中!!ご来場誠にありがとうございました!!】
蜂寅企画
王子小劇場(東京都)
2012/03/29 (木) ~ 2012/04/02 (月)公演終了
満足度★★★★
戯曲と殺陣は完成度抜群
蜂寅企画は、ご縁あって、旗揚げから拝見していますが、中尾さんの戯曲には、いつも泣かされ、これは、商業演劇の大劇場でも、十分通用する才気だと観る度、感心します。珠玉の台詞がたくさんあって、観る度、心の琴線を刺激されています。
今回の舞台は、今まで以上に、殺陣も本格的で、近くで観ても安心できるレベルの高さに息を呑みました。
ただ、今回、やや演出の間の悪さを感じる点があり、いつか中尾作品を別の演出家で観てみたいと思わされたりもしました。
幻蝶
東宝
シアタークリエ(東京都)
2012/03/12 (月) ~ 2012/04/04 (水)公演終了
満足度★★★★★
田中圭さんの好演に戦慄が走った
内容を全く知らずに観に行ったので、予想に反して、リアルなセットや、笑いもある舞台進行に最初は戸惑いつつ、観ていましたが、期待以上の田中圭さんの素晴らしい演技に魅了されて、50年以上演劇を愛してやまない自分には、贅沢過ぎる喜びを頂きました。
作られた人気アイドルが、いきなり舞台の主役をして、登場した途端、台詞を忘れ、一同ひっくり返りそうになった舞台など、枚挙にいとまがないほど、演劇ファンとして、臍を咬む思いを経験してきましたが、今日の田中さんのような、実力ある若手役者さんの台頭は、まだまだ日本の演劇も捨てたものじゃないなと感涙します。
内野さんとのコンビネーションもバッチリで、あまり期待していなかった分、余計、満足度の高い公演でした。
脚本の古沢さんに対する知識は皆無でしたが、「ALWAYS3丁目の夕日」や「キサラギ」の脚本を担当されたのですね。
さもありなん、2作とも、人間描写とストーリー構成が卓越していました。
気になる脚本家さんが、またお一人増えました。
満ちる
MODE
座・高円寺1(東京都)
2012/03/22 (木) ~ 2012/03/31 (土)公演終了
満足度★★★
前半、新劇調
久しぶりに、すまけいさんの舞台を拝見したくて、行って来ました。
相変わらず、落ち着いて観られない劇場に不満は残るものの、最後まで観ると、行って良かったかなと思える舞台でした。
ただ、すまけいさんが登場されるまでは、どうも演技が押しなべて、新劇調で、あまり世界に入って行けないもどかしさがありました。
竹内銃一郎さんの脚本は、台詞を途中で切るのが特徴なのか、役者が喋る台詞がそこまでしか書いていないから、仕方ないのですが、相手が被せて自分の台詞を言う構成でないため、その度、芝居が止まり、変な間が空くので、違和感を感じました。
小説ならこれでも良いでしょうが、演劇だと不自然に感じます。
マイワン・アンド・オンリー
東京グローブ座
青山劇場(東京都)
2012/03/10 (土) ~ 2012/03/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
極上の愛の賛歌
観る前は、かなり迷いましたが、行って本当に良かった!
素直に感動しました。
単なる、お気楽な、ボーイ・ミーツ・ガールの良くあるミュージカルかと、高をくくっていたのですが、してやられっぱなし。
久しぶりに、日本の上演ミュージカルで、プロの仕事ぶりを見せて頂きました。
主役の坂本さんは、所属事務所のイメージからか、真のミュージカルファンには敬遠される向きがあるのかもしれませんが、四半世紀も、ミュージカルを観ている自分的には、今や、日本の10本の指に入る、名エンタティナーのお一人ではと感じます。
大和田美帆さんも、同様で、彼女も初舞台から拝見しているので、最近の実力を観るにつけ、如何に努力されたかが、推量できます。
お二人が踊るシーンは、古き良き、アメリカミュージカル映画を観るようでした。
他のキャストも、それぞれ、役を楽しく演じられ、久々、観ているだけで、幸せになれる、素敵な作品でした。
最近、翻訳ミュージカルを観る度、違和感ある訳詞にゲンナリすることが多かったのですが、この訳詞は、グッドフィットでした。
ガーシュインの音楽が良いのはもちろんですが、訳詞がしっくりしているので、素直に舞台に酔いしれることができて、満足でした。
最後のカーテンコールで、ミュージシャンの挨拶を、映像で済ませたのも、奥ゆかしくて、好印象でした。
最近、やたら、出演者以上に、目立とうとして、最後に、我が物顔で挨拶するある指揮者に辟易しているので、この奥ゆかしさには、敬意さえ感じました。
昔から、何千という演劇を観て来ましたし、たくさんの演劇人や業界人にも会いましたが、とかく、プロ中のプロ程、出しゃばらず、謙虚なものですね。
平成中村座 三月大歌舞伎
松竹
隅田公園内 仮設会場(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/27 (火)公演終了
満足度★★★★
口上は、身内意識で、涙涙でした
先代勘三郎さんの時から、中村屋さんと我家は親交が深かったため、勘太郎君が勘九郎を襲名するなんて、何だか、身内の襲名のようで、楽しい口上なのに、ずっとウルウルしてしまいました。
まず初めは、通称、吃又。仁左衛門さんと勘三郎さんで、この演目というのは意外です。仁左衛門さんは、本当に何を演じられても秀逸極まりなく、それを観ているだけで、幸せになれます。
たまたま今日の「徹子の部屋」のゲストでしたが、「役者には、褒め言葉が大敵。自信は必要だけど、自惚れはダメ」というようなお話をされていて、でも、私が知る限り、仁左衛門さんは、幾ら褒めそやされても、奢るところのない、常に進化を続けれている稀有な歌舞伎役者さんだと尊敬します。
勘三郎さんとは、信頼して連れ添う夫婦の愛情が滲み出て、素敵な夫婦ぶりでした。
夜の部は、この演目があったので、格調が保たれた気がします。
勘九郎襲名の口上は、何と笹野さんまで列座するフランクな口上で、大変和やかで、観ていて気持ちのよい口上でした。勘三郎さんの親心が心に沁みました。
御所五郎蔵は、やはり、現段階では、勘九郎さんには、向かない役のように感じました。
彼の生真面目さが、芸にも役作りにも不向きな印象。まだ、型に拘って、硬さが出てしまいました。一方、海老蔵さんは、いつでも自己流だなあと、ある意味、役者の器なのかな?という感想を抱きました。
しかし、何度も観ている演目ですが、ここに登場する逢州さんは、あまりにもお気の毒。いつも、彼女の死には、泣かされます。だって、ただただ善意の人なのに。親切が仇になる見本のような役柄ですよね。七之助さんの逢州、なかなか味わいがあって素敵でした。
元禄花見踊は、ついこの間まで、子役だった5人の競演。中でも、橋之助さんの三男、宣生さんは、踊りの素質がずば抜けていて、将来が楽しみでした。
最後に、スカイツリーが舞台後方に見える趣向だったようですが、私の席からは見ること叶わず、残念でした。(座席の表記が弾かれて、何度もエラーが出るので、正確に書けませんが、本当は、右1列ですので)
ジキル&ハイド
東宝
日生劇場(東京都)
2012/03/06 (火) ~ 2012/03/28 (水)公演終了
満足度★★★
ジキルは適任なれど…
チラシを拝見した時から、危惧していた石丸ハイドは、やはり、あまり悪の象徴のようには見えず、ジキルが素晴らしいだけに、ちょっと残念。
でも、私的にはほぼ理想に近いキャスト陣で、初演より、ずっと、このストーリーが、心情的に納得できる舞台になっていたと感じます。
更に磨きを掛けて、石丸さんの持ち役の一つに定着するといいなと思います。
「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2012/03/02 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
初体験ですが
北村想作品、初体験。
「ザ・シェルター」は、一種、大人の寓話のような趣で、好感の持てる舞台でした。
「寿歌」の方は、いろいろな作家の持ち味をないまぜにした感じで、イマイチ、私にはよく掴めない作品でした。
とは言え、今回の2作品、共に、加藤さんの魅力満載で、加藤建一事務所の作品選びとしては、大成功だろうと感じました。
ジレンマジレンマ
ワンツーワークス
ザ・ポケット(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
まさにジレンマの観劇
ここの紹介文から想像したのとは、ずいぶん趣の違う演劇でした。
三つの部屋で進行する、3つの取調べが、演劇的な効果を生んで、巧みな構成で描かれて行くので、観ていて、ある種、ワクワクする感覚が宿るのですが、描かれる題材は、震災後の現実社会に根ざしているので、演劇として、舞台を楽しむ感情と、現実社会の現状を憂える気持ちが相反し、何となく、居心地が悪い心境で観てしまいました。
出演者全員の役者力が優れ、小劇場では珍しく、華のある若手も揃っていて、一跡二跳の時より、遙かに、劇団力もアップした印象。
東京新聞社会部の、実際、震災現場に何度も取材に赴いている片山記者と、古城さんのアフタートークは、大変、考えることの多い、実のある時間でした。
雪やこんこん
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2012/02/19 (日) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★
井上作品にしては中身が薄い
この作品、何度か再演しているようですが、私は初見でした。
旅芝居の楽屋モノでは、「化粧」という傑作があるだけに、こちらは、戯曲としては、かなりレベル落ちという印象でした。
それに、ある新劇のベテラン俳優さんが、ミスキャストなのが、この作品を更に絵空事にするための拍車を掛けた気がして、如何にも残念!
逆に、若手の役者さんは、なかなか好演。
新井さんは、元ずーとるびなんて、思えない、得難い素敵な役者さんになられて、舞台を拝見する度、感無量です。
大好きな二人の女優さんの競演は、緑子さんに軍配かな?
ハムレット
東宝
シアタークリエ(東京都)
2012/02/01 (水) ~ 2012/02/22 (水)公演終了
満足度★
やけに大味の「ハムレット」
先に観た友人から、かなりネガティブな情報を入手していたので、相当覚悟して行ったのですが、それをも超越して、あまりにも大味なストーリー展開に、驚いてしまいました。
これでは、映画の予告編だけ見せられたみたいな気分。
昔の「夜のヒットスタジオ」の歌謡ドラマ並みの端折り方。
「ハムレット」の内容を熟知している人でも、たぶん、この舞台からは、何の共感も感動も享受できないだろうと思いました。
キャストのせいではむろんなく、演出のせいでもない。
この作品自体が、大味すぎるのです。
RICHARD O'BRIEN'S『ロッキー・ホラー・ショー』
パルコ・プロデュース
サンシャイン劇場(東京都)
2012/01/27 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
映画より、上品で、娯楽に徹していた
昔観た映画版は、もっと猥雑で、毒気のあるエロチシズムに満ちていましたが、この舞台は、フリークのための娯楽に徹した、ライブショーといった趣でした。
映画では、虐げられた人々の悲痛な叫びのようなものを、内有している雰囲気があって、時々、心の奥が疼く瞬間を感じたのですが、今回の舞台は、難しいことは抜きにして、とにかく、出演者も、観客も一丸となって、楽しもうぜ!って感じでしたね。
ロッキー・ホラー役の辛源さんが、素晴らしい役作りで、将来楽しみな役者さんだと思いました。
城田さん、伊礼さんに次いで、また楽しみなハーフミュージカル俳優さんが現れたのだなあと嬉しくなりました。
舞台そのものには、取り立てて不満はありませんでしたが、開演前に、客席で、ポップコーンが売れる度に、「お買い上げ頂きました」とキャストが叫び、拍手を強要するのも、趣向の一つとは言え、せめて、注意事項アナウンス中は、控えるべきではと感じました。
最近、また地震も多く、避難の場合の注意等もあるわけですし…。
金閣寺 The Temple of the Golden Pavilion
パルコ・プロデュース
赤坂ACTシアター(東京都)
2012/01/27 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
観られて良かったと思う舞台でした
今日の2階席は、私の列以外は、全て、男子高校生の団体。
行った時には、あれ、大変な日に来ちゃった!と正直、思いました。
クラスの男子の名前を覚えてしまうくらい、開幕前は、大声で私語が飛び交っていました。後ろの子は、「ヘッドフォンで、音楽聴いてようかな」「うん、バレないんじゃん」とか言ってるし、どうなることかと思いました。
ところが、これが始まってみると、皆が集中して、舞台に見入っているんです。これには、ビックリ!
完全に、亜門さんの演出勝ちでしょう。
この手の演出舞台は、過去に何度か観ていますが、これだけの大きな舞台で、空間のあそびを感じさせずに、物語の進行を観客に無理なく浸透させた演出舞台には、たぶん初めて出会いました。
遙か昔の若かった時に読んだだけの記憶で、どこまで原作と同じで、違うか、よくわかりませんが、あの当時、よく理解できなかった主人公の想いが、この舞台のお陰で、体感として、感じることができました。
高岡蒼甫さんの存在感が、群を抜いていました。
カラミティ・ジェーン
梅田芸術劇場
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2012/02/04 (土) ~ 2012/02/11 (土)公演終了
満足度★
いろいろと興味深い観劇でした
湖月さんの演技は、比較的好きなのと、個人的に、ある興味があって、観劇してきました。
うーん、なるほど!何となく予想したとおりの会場の空気でした。
今、あるベストセラー作家の、何故か、あまり世間に知られていない、ある団体をモデルにした小説を読んでいて、今日のこの会場の空気にも似た描写があって、大変興味深いものがありました。
湖月さんのジェーンには、やはり、魅力がありました。
ですが、共演者のレベルに、かなり疑問を感じます。
これ、無料公演なら、満足度2ぐらいですが、この値段では、マイナス2ぐらいの満足度ですね。
CHESS in Concert
梅田芸術劇場
青山劇場(東京都)
2012/01/26 (木) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★
訳詞が悪いのが難点
きっと誰もが、「へえ?こういう話だったのね」という第一印象だったろうという、内容でした。
チェス選手権を、政治的に利用する国家対国家のお話。
だから、歌詞も、ホンワカと、誰もが理解しやすい内容ではなく、聴きながら、理解しなければならない要素をたくさん含有してるにも関わらず、訳詞が、字余りで、歌詞の内容をほぼ理解できなかった冒頭が大変残念でした。
キャストは、皆、概ね歌唱力のある方ばかりで、石井さんも、大人の演技をされていて、いつものように熱すぎず、好感が持てました。
アナトリーの妻役のAKANE LIVさんが、初めて拝見した女優さんながら、大変歌唱力もあり、魅力的な佇まいで、注目しました。
Koji YAMAMOTO 35th Anniversary Live
シーエイティプロデュース
赤坂BLITZ(東京都)
2012/01/24 (火) ~ 2012/01/25 (水)公演終了
満足度★★★★★
待ち望んだ好企画公演に感涙
山本耕史さんは、私が長く大ファンでい続けている役者さんのお一人です。
その山本さんが、彼に人生の大きな転機を与えてくれたジョナサン・ラーソンの命日に、アニバーサリーライブを実現して下さいました。
もう十数年、こういうコンサートを待望していましたが、行ってみると、思いがけない曲まで聴けて、本当に感無量でした。
彼らの「RENT」を今一度、観たくなりました。
平成中村座 壽初春大歌舞伎
松竹
隅田公園内 特設会場(東京都)
2012/01/02 (月) ~ 2012/01/26 (木)公演終了
満足度★★★
8年後の七之助さんのお六に期待します
昔、息子が、曽我五郎を、自分が、久松を踊ったことがあり、そういう懐かしさも手伝って、楽しみに雪の隅田川に初芝居を観に参りました。
「お染の七役」の方は、芝居のストーリーに重きを置くよりは、七役早替わりの趣向を楽しむ芝居だと思うのですが、それでも、芝居の核として、土手のお六と鬼門の喜兵衛夫妻の場の高揚感は、大事な要素です。
その点において、まだ今の七之助さんの若さでは、体現しきれない部分がありました。
8年後か10年後あたりの彼の再演に期待してしまいました。
それと、これは余談ですが、足元がお寒い方にと案内係りの勧めるブランケットが有料なのには驚きました。500円ですと購買を勧めていましたが、あれほど、当日その場で必要なだけで、持ち帰るには、荷物になるし、無用の長物になるものはないと思うのですが。
これは、来て頂いたお客様の居心地のために、無料で貸し出すべき物だと思いました。
ラ☆カージュ・オ・フォール
東宝
日生劇場(東京都)
2012/01/07 (土) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★★
佳作度は不変
市村ザザは初役の頃に比べて、見た目の情感は薄れてしまったように感じますが、鹿賀ジョルジュとの長年の夫婦カップルとしてのしっくり感は増して来たように感じられました。
ラカージュオフォールの踊り子達は、観る度、レベルアップしていて、各人に存在感があり、レビューのシーンも、このストーリーとは分離しても、大いに楽しめる場面になりました。
ダンドンの今井さんが、数年前より、演技力が出て、嬉しい役作りをされていました。
原田さんは、好感度高い息子役でした。
後ろの席の女の子が、「あー、面白かった!何にも考えずに楽しく観れた。そしてちょっと泣けた」と感想を漏らしていましたが、私も同感!
このお二人のこの舞台はさすがに、今回が最後でしょうが、また、演技派カップルで再演を続けてほしい作品です。
GOLD~カミーユとロダン~
東宝
シアタークリエ(東京都)
2011/12/08 (木) ~ 2011/12/28 (水)公演終了
満足度★★★★★
クローデル姉弟の演技力に感嘆します
新妻さんの評判は漏れ聞こえておりましたが、またしても、伊礼彼方さんの演技の幅を実感し、大変感嘆致しました。
白井さんの演出舞台は、いつも、世界観が明白で、統一感があり、大好きです。全てにおいて、感情の起伏が、見事に表出された舞台で、その調和の美しさに酔いしれました。
演技派揃いのステージで、安心して観られたのですが、カミーユの父役の西岡さんのソロナンバーがかなりあるので、ちょっとハラハラしました。
古谷さんの代役だから致し方ありませんが、実力派のミュージカル俳優さんばかりなので、演技が素晴らしいだけに、そこだけがやや気になってしまって…。