最新の観てきた!クチコミ一覧

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「スイートホーム」/「千に晴れて」

「スイートホーム」/「千に晴れて」

制作「山口ちはる」プロデュース

本多劇場(東京都)

2025/12/18 (木) ~ 2025/12/21 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

今年一心に残る、心躍る作品に出会えて幸せでした!脚本、DVDなど是非作ってほしいです!

『末原拓馬奇譚庫-其之弐-』

『末原拓馬奇譚庫-其之弐-』

末原拓馬

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/23 (火)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/12/17 (水) 19:00

1月の末原拓馬奇譚庫に引き続き、其之弐も参加しました。
短編をオムニバス形式で上演していく形。
Twitterでちょいちょい上演作品を紹介していた中に、1月に上演したお話もあったのですが、演者さんによってこんなにも空気が変わるんだなと見てて楽しかったです

『Dive』/『海ではないから』

『Dive』/『海ではないから』

公益社団法人日本劇団協議会

舞台芸術学院(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

何を観るか十の中から二つ厳選するべく直前まで迷った週末。一つは決め、残る一つ、既に予約不可になった芝居を外したりで残った二つからこちらを選んだ。「日本の劇」戯曲賞は大きな賞とは言いつつ大賞に至らなかった「佳作」のリーディング、どんなものか期待は抑えめに観劇した。初の舞台芸術学院。来期から「学校」ではなくなるとの事。渡辺えり子(当時)、モダンスイマーズ創立メンバーの顔が浮かぶ。全て不景気に手を打てなかった政治のせい、という気がしてくる。
さて文学座座員を中心としたキャストでの「海ではないから」の演出は五戸女史。上演時間二時間、流石リーディングである事を忘れさせ没入させた。解説にはロシア人の母と日本人の父の間に生まれた青年セルゲイ、その恋人、母の再婚相手とその娘、などとあり、今なぜ「ロシア」か、何か実在の人物のモデルがあるのかと訝ったが、正にウ露戦争でのロシアバッシングを背景として書かれた芝居である事が見えて来る。不知の作者で来歴も知らないが思いの外骨太な作品で、見応え聴き応えある台詞に胸を掴まれた。役者も配置もピッタシであった。

養生

養生

ゆうめい

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/28 (日)上演中

実演鑑賞

自分の中でゆうめいの舞台に共通するのが不思議なバランスで成立している感覚。実も蓋も無いような爆発場面が首の皮一枚で繋がって物語内にとどまる。ヘタをすればコケかねないその瞬間というのがこの作者の特徴だとすれば、それはドラマ叙述が当然備える所の「美化」の真逆。人間のどこまでも醜い横顔を暴露して尚この人間というものを愛せるか?と問う感性、と規定してしまうとまたその逆をやられそうである。
本作のスズナリでの初演を思い出してそんな考えを巡らしたが、一回り大きな空間(KAAT)での上演にも十分耐える作品であったのだなと、まずそれを思った(元々強度のある作品だったか、作品も一回り大きくなったか...)。記憶のあやふやさかも知れぬが所々書き改めた痕跡を認める。より分かりやすくなり、その分皮肉や破壊の力も増したに感じるが、作品の核は変わらない。芝居は語り手の橋本(本橋)の卒製(卒論ならぬ美大の卒業製作)紹介に始まり、脚立を組み合わせた巨大オブジェと養生テープで作られた床と壁という大きな作品が、そのまま深夜の装飾作業の現場となり、学生バイト時代の相棒と共にエスカレーター式に本採用が決まった期間と、相変わらず同じ仕事をやっているが何らかの変化を経た十年後の二人を描く。+一名は学生バイト時代では上司(先輩)、十年後はそれによく似た後輩として登場する。三人芝居の各人の芝居上の比重は等しく、最後に絵に描いたような(奇想天外な)それぞれの破滅が訪れ、撤去作業がままならず「詰んだ」ラストを迎える。美大系とは言え作業自体は第三次産業の悲哀と、ガテン系の無味乾燥さが綯い交ぜになった「いかにもバイト」な仕事のサンプルとも見える。カスタマーとして楽しむ一般人(お客)を傍目にこっちはそのお膳立ての作業をやるが特にリスペクトされる訳でもなく単純作業をこなすだけの範疇。このお客と「対面」するのでない、お客と「近接」しながら立場が真逆である関係、すなわち楽しむ客(貴族)の下僕的立ち位置を間近で思い知らされながらやる仕事独特の空気というものが、この舞台では如実に表れている。そしてこの仕事の対極にあるのは元美大生は本来目指していたであろう「クリエイティブな」仕事である。芝居が終ってみればここには敗北者しかいないのだが、この事実(あるいはそういう判定をする尺度)は現場風景の描写の中に紛れて見えない。そしてそれは現実においてもそうであるに違いなく、作業現場では誰も自分が負け組である事を表明する事はもちろん体から滲み出す事もしない。それをやる事は同じ現場で働く相手をそのように評価する事でもあるから。やらない。観客も登場人物たちの「働く者」目線で彼らの動向を追うが、最後にはそれらが露呈するのである。とは言え、この芝居が現代の階級制の暴露を目的としたものである訳でもなければ、何がしかの意図が仮にあったとしても悟られる下手は打たない。現代文明社会の一隅で健気に生きる(時に間違えた方向に進む)姿をただ描写しているだけである。勿論あるべき演劇とは算術や等式の当て嵌めで答えを得られるものではない、と、これは「断定」しても許される事だろうと思う。

ゴツプロ!Presents / ブロッケンver.3  『さよなら挽歌』

ゴツプロ!Presents / ブロッケンver.3 『さよなら挽歌』

ゴツプロ!

新宿シアタートップス(東京都)

2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

「さよなら挽歌」のタイトルの意味が身に沁みます。

ネタバレBOX

サラリーマン、劇作家、ロッカールームの中年男、3人の人生のどことなくせつなさに、エール送りたくなるのです。それは、別れがテーマであるものの、それは終わりではなく、未来へ進むための選択だからでしょうか。1つの舞台が、2つにも、3つにもなる。その絡みかたがとても心地よいです。妊活、闇バイトなどの問題を取り上げ、いっそう興味を引き付けられる内容でした。オムライスと鍋がとてもおいしそうでした。
舞台「ノンレムの窓」

舞台「ノンレムの窓」

日本テレビ

IMM THEATER(東京都)

2025/12/07 (日) ~ 2025/12/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

超満員
スゲ笑った
お薦め

ゴツプロ!Presents / ブロッケンver.3  『さよなら挽歌』

ゴツプロ!Presents / ブロッケンver.3 『さよなら挽歌』

ゴツプロ!

新宿シアタートップス(東京都)

2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★

良かったです。色々考えさせられるお話でした。

ネタバレBOX

何となく伊坂幸太郎を彷彿とさせました。群像劇な感じとか。ドナドナおじさんとかバイバイブラックバードを思い出した。
そして、コインロッカーに泊まっているシュールさ。好きですね。
月

TinT!

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

ゼロ戦にまつわる史実からインスピレーションを働かせて個人的な逸話のような味わい深い物語を創作しており、歴史の陰に隠れた個々人の生や思いを見ているようで興味深い。小さい劇場ゆえにその個人性の雰囲気がますます伝わる。よくこんな材料を見つけてきて一つの演劇作品として構成できるものだと感心する。

イキル(タ)アカシ

イキル(タ)アカシ

はらぺこペンギン!

新宿眼科画廊(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/12/20 (土) 16:00

A『日還り帰宅券とカリスマ案内人』を観劇。
可笑しさに包まれた素敵な話をありがとうございました。
役者さんの演技に引き込まれた。

『青の鳥 レテの森』『レテの霧 蒼の檻』

『青の鳥 レテの森』『レテの霧 蒼の檻』

ハグハグ共和国

萬劇場(東京都)

2025/12/18 (木) ~ 2025/12/21 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/12/20 (土) 19:00

『青の鳥 レテの森』105分。休憩なし。

LAST SONG

LAST SONG

演劇軍団ユニットCongrazie

Therter Cafe 信天翁(大阪府)

2025/12/13 (土) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

感想遅くなりました。夢を追いかける教訓みたいな、アドバイスみたいなものをいただいた感じですね。楽しくお芝居をやられてる感じ良かったですね

to R mansion 新作公演『あらしのよるに』

to R mansion 新作公演『あらしのよるに』

新開地アートひろば

新開地アートひろば(兵庫県)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/21 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

土曜日夜の回拝見しました。アフタートークも聞きましたが、そこにあった話通り思ったのとは違いましたが良くできていて面白かったです。お子さんも楽しそうだったので、すごいと思います。夏に拝見して今回も、見せていただきましたが、会場を巻き込んで楽しくしようとする感じ良いですね。また、次回も期待ですね。ABCホールでも公演なさるとのこと。応援してます❗

Wish of Witch

Wish of Witch

RTC project

ABCホール (大阪府)

2025/12/13 (土) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

感想とても遅くなりました。超大作で時間的に長いかなと思いましたが、そんなことはなくとても面白かったです。皆さんが元気にそして楽しそうに演じていて、殺陣も良かったです。楽しい時間を過ごせました。

そのマンションは海底に建っていた

そのマンションは海底に建っていた

マシュマロテント

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/22 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

近未来の世界で繰り広げられるコントありミュージカルありシリアスあり感動ありの劇中登場する鍋で言うと正に寄せ鍋のような美味しいとこ取り演劇でした🍲🎵更に叙述トリックの手法で観客を良い意味で翻弄する素晴らしい作品でした🎶
どこか「クズリの目から」を彷彿させるな☆と思ってたら当パンでの作・演出武田操美さんのごあいさつを読んで納得しました☆僕も両親は他界してますがそれぞれの別れにドラマがありました☆武田さんらが創造する作品に元気もらって今があります🎵改めてありがとうございますm(_ _)m

そのマンションは海底に建っていた

そのマンションは海底に建っていた

マシュマロテント

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/22 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

笑った、泣いた、思い出した、そして、考えてさせられた。
家族とは?生きるのとは?
自分自身のことを思い出して、号泣しかけました。
お芝居観られてありがとうございます🤟

ハナイトナデシコ Vol.15

ハナイトナデシコ Vol.15

ハナイトナデシコ

ギャラリーサイズ(東京都)

2025/12/12 (金) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ハナイトナデシコ久しぶりの観劇。『キャッチライト』は視覚障害者と画家との交流劇。以前に視覚障害者の美術鑑賞について記事を読んだことがあるけど、具体的にはこういう説明になるんですかね。いずれにせよ言語化は大事ですね。『愛のあーる記憶2』は喫茶店での不思議な体験記。自分も亡き家人に逢いたいものです。『遠隔操作は未知の味』はなかなかに笑えるコメディ。3作品とも楽しめました。

今さら綻ばれても

今さら綻ばれても

江古田ぐるぐる

アルネ543(東京都)

2025/12/11 (木) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/12/12 (金) 14:00

100年ぶりに雪が降った町で有力者が金を使って作らせた大きな雪だるまが壊されたことで人々に広がる波紋。
実力者に酷い仕打ちを受けた男が行ったとされるがそれは冤罪で……な展開から事実を明らかにすると別の人物が傷つくと予想される時にあなたはどうしますか?と問われているようであれこれ考えながら観る。
が、シリアス一辺倒ではなく、微妙に噛み合わない会話などで程よく緊張感を緩和するのがイイ。
また、例えばあることを伝えに行こうとする場の次が伝えたことによりどうなったかを見せる場であるなど、省略のしかたが絶妙。
こんな良作がたった6ステージなんてもったいない。

怪物の家

怪物の家

日本映画大学 身体表現・俳優コース

サンモールスタジオ(東京都)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★

面白い、超満席。舞台と通常の客席との間にミニ椅子、さらに その前に座布団席。そして何故か大物芸能人も観劇していた。

説明にもあるが 笑いを交えた風刺劇。現代の政治を 或る政治家一家の跡目争いに絡めて描いているが、物語も面白いが、その舞台美術の造り込みが見事。この劇場で ここまで造り込んで、さらに変形させるという驚き。政界では「怪物」と呼ばれる大物政治家(88歳)が梗塞で緊急入院。留守の間に孫たちが跡目(地盤)争いをして立候補を画策。大物政治家の息子は自死し、その子供(孫)3人が虎視眈々と…。と言っても全員が政治家志望ではないようだが、その腹の内は分からない。

物語は どす黒くなりそうな設定だが、今 政治ネタを巧く取り 入れ分かり易い。偶然であろうか、高市総理(発言)を彷彿とさせるような場面などは、その現実と相まって迫力がある。もっとも右翼・左翼・中道といった分かり易い色分け(主張)が、その人物の性格や立場として描かれているが…。
(上演時間1時間20分 休憩なし) 追記予定

舞台「1995117546」

舞台「1995117546」

シーエイティプロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2025/12/18 (木) ~ 2025/12/27 (土)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/12/20 (土) 13:00

座席1階

タイトルは、30年前の阪神大震災の発生日・時刻だ。この名の通り、舞台は作・演出のウォーリー木下の体験を創造性の高い舞台作品として昇華させるという試みになっている。あの地震を目撃した日本国民なら、友人・知人の体験談やあるいは本人・家族の被災体験などでそれぞれの物語が強烈に胸に息づいているはずだ。本作はこうした個人的な体験を映し出すかのような異例の取り組みともいえる。

開演前の舞台は、いかにも震災直後のがれきの山という舞台美術になっている。ここで、震災に直面した人たちの複数の物語が進行する。特に、字幕などの映像表現も交えた演出はとてもビジュアル的で分かりやすい。特に、地震前後の時間経緯、あるいは震災の何年か前の人間関係などとても立体的に表現されているのが新鮮な感じがする。
あの時、倒壊した建物の下敷きになり、時間経緯で助からなかった人たちは多い。そうした立場に置かれた人や、通りがかった人たちの行動など、当時を少しながらも知る身としては「そんな人間物語もあっただろうな」と容易に想像できる。架空の物語なのだがリアリティーを持って迫ってくるのはきっと、演出の妙もあるだろうが、6000人余の犠牲者が出た大震災に影響を受けた命一つ一つに注がれた作家の視線があるからだと思う。
強烈な光を用いた発災時の表現には若干の違和感があるが(地震はまだ暗い時刻に起きたというイメージがあるので)、それは受け取り方の問題かも。それよりも締めくくりに使われた言葉が心に残る。客席は30年前の震災を知らないか、覚えていない世代も多くいて、そういう人たちが阪神大震災をどのように受け継いだのか、とても興味深い。

『青の鳥 レテの森』『レテの霧 蒼の檻』

『青の鳥 レテの森』『レテの霧 蒼の檻』

ハグハグ共和国

萬劇場(東京都)

2025/12/18 (木) ~ 2025/12/21 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。【青の鳥 レテの森】観劇
ハグハグ共和国の独特の世界観を堪能。表層的にはダーク・ファンタジーといった雰囲気だが、その内容は骨太で滋味に溢れるもの。物語の展開に惹かれ、段々と前のめりになる。森に立ち込める濃い霧 それが少しずつ晴れ 見渡せるようになる、そんな神秘性を醸し出す。良い意味での中毒性から ハグハグ公演から抜け出(観逃)せない。

物語は 撮影という劇中劇のようにも思えたが、その枠の構造よりも そこで描かれている「生きる」「繋がる」といった人の「思(想)い」が強く感じられる。劇中の台詞にもあるが「思い」を「繋ぐ」ことによって、段々それが「重く」なる。そこに生きているという実感が込み上げてくる。今年は戦後80年、この公演も反戦劇の1つだろう。
(上演時間1時間45分 休憩なし)㊟ネタバレ

ネタバレBOX

舞台は、中央に階段があり 上った先に緑の網幕に囲われた枠。舞台の上手/下手に木々、全体が緑色に囲まれた森といったイメージ。枠の下は石垣で覆われた洞窟(or防空壕)のよう。
物語は、知らぬ間に「レテの森」に連れて来られた人々が、そこに居る妖(アヤカシ)からコロニー〈レテの川(通称:ゼロ地点)を渡った先〉に行くよう命ぜられる。何のために行くのか、そこに何があるのか教えてもらえない。訳も解らず武器を持たされ、森の中を進むことになる。ただ辿り着けるのは1人で、その者が望んだものは何でも手に入るという。

森に居る黒ずくめの妖は、この中を彷徨う魂…魂魄であることが明かされる。森は此岸と彼岸の境、黄泉の世界といったところ。レテ川はさしずめ”三途の川”といったところであろう。「ゼロ地点」そこは”始まりであり終わり”という台詞が劇中で繰り返される。それは冒頭の独白のような台詞が物語を支配しているかのようだ。宇宙が誕生し人類が生まれる、そこには「生」と「死」の繰り返しを象徴する。しかし、この世は不条理極まりない。森の魂魄は戦争によって命が奪われた者たち。コロニーへ行って(記憶が消え)戻った者はいないと、何となく輪廻転生といった感じだ。妖の黒衣裳は焼け焦げを表し、ラストは もんぺ姿で笑顔。

森に連れて来られた人々は、交通事故で生死を彷徨っている。死の淵にあって、現世ではそれぞれの人生に悩み、苦しみ生きる術(すべ)を見失っている。そんな人々がゼロ地点で見て感じることは…。生きることは「思い」であり それを受け継ぐことで「重く」くなっていく。それを感じることが生きる勇気になる。本筋に挿話として「オズの魔法使い」「桃太郎伝説」(少し緩すぎた笑い)等を取り込んでいるが、それは寓意を意識させる。現実と黄泉のような世界を ダイナミックに結びつけるアナグラムのような奇知。

テーマは「生きる」であり、合せ鏡として「反戦」である。敢えて森に連れて来た人々に殺し合いをさせ、憎悪・復讐という負の連鎖を通じて愚かさを悟らせるのか、もしくは自己犠牲を主張。一方、悩み苦しみに中に生きる勇気が備わってくる。迷えば それだけ地図が大きくなる。それは人間としての器量の大きさを意味する。他人任せのような”祈り”ではなく、自らが考え行動する、その先に”希望”が見えてくると…胸に迫る台詞の数々が、両手の指先から零れ落ちてしまうのが勿体ない。

骨太い脚本、それを重層的に構成して観せる。役者はそれぞれのキャラを立ち上げて物語の世界に引き入れる。もちろん演技同様、ダンスパフォーマンス(アンサンブル)も魅力的であった。ラストは 白衣裳の雫(月野原りんサン)が羽ばたくような、そこに<希望>が見える。「ハグハグ共和国」らしい印象付けと余韻…堪能した。
次回公演を楽しみにしております。

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