コウセイネン
演劇集団円
吉祥寺シアター(東京都)
2024/11/14 (木) ~ 2024/11/24 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
みな直さなければと解っているのに、放置されていることは現実にたくさんある。丁度選挙の時期で、今のネット時代を背景に、大小の困ったことでさまざまの議論が起きた。演劇にとってはテーマに困らない絶好の時期ではあるのだが、もちろん、演劇で解決できるわけではない。しかし、社会の問題解決を考えさせるきっかけになれば、という提案の社会ネタの演劇は一つのジャンルにもなっている。
中津留、中村ノブアキ、シライケイタ,歴史ネタになると古川健、と今世紀になってから、このジャンルは現実再現から次第に現実社会の切り込み方も深くなって、自分の周囲だけで満足の小劇場や歌って踊ればコワくないの若者演劇を駆逐してきた。一方で、便宜的な筋書きで無難な結論や「推奨マーク」をつけてきた運動体の旧新劇団は、数少ない絶滅危惧種、ほぼ宗教団体になっている。松本哲也もその流れに連なって頭角を現してきた小劇場の作者だが、今回は円の発註で,犯罪更生者と一般社会とのズレをテーマにしている。現実に更正のための保護司が殺害される事件が起きた背景もあるだろうが,このドラマは、結論を急がないで幾つかの現実社会にありそうな事例を舞台化している(このジャンルでは桑原裕子「ひとよ」(KAKUTA)という秀作があった)。
多様化している現代の社会問題との取組みは、現代演劇の一つの旗印でもあるので,新劇団は時代をキャッチアップしてテーマを深化させてほしいものだ。
この舞台は、社会が個人の犯罪に向き合うシステムの難しさを問うている。犯罪に向き合う社会もそれぞれ個人(保護司のシステムや家族の自助)を立てているので、犯罪をきっかけに向き合わざる得なくなった個人の領域に踏み込んでいる。無理な「推奨」的なストーリーを組んでいないので、最近、上手くなったなぁと思わせる「ドキュメンタリー劇」の世界が生きている。スジや解決に動かされると言うより、そこに居る人のありようで思わず、心打たれるシーンがあった。それは観客それぞれの生きている世界にもよるだろう。
まずは成功作で、2時間10分休憩なしの長さを持たせている。
どうかと思うのは,劇が終わった後、無理矢理直結で見せられる、5分と限定したアフタートークで、これが、なんと、内容とは関係ない出演者のウラ芸集。重苦しい話なので、これで客を帰しては,と言う配慮だろうが,折角の舞台を自ら崩壊させてしまっている。旧新劇の無神経が図らずも露呈したというところか。
ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix
waqu:iraz
スタジオ空洞(東京都)
2024/11/12 (火) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/11/12 (火) 19:00
勝手にキャッチコピーを付ければ「浮世に喝」か? とかく生き辛いイマの世のあれこれを指摘し時には対応策を提示したり。それを17曲に及ぶ楽曲にのせての90分、リズミカルで観易い。
楽曲にはラップも多く、そんなあたりが「シン・waqu:iraz」みたいな?(笑)
また、事前情報にあった waqu:iraz 3人のみによるパート、内容、表現とも圧巻。使用許可などに尽力された武井さんに賞賛を惜しまず。
ノーサプライズ
劇団SOFT GEAR
上之町會舘(岡山県)
2024/11/16 (土) ~ 2024/11/24 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
・・・何を書けばいいのだろう。
何と、纏めればいいんだろう。
何を説明すれば、この舞台を観ていない人に、届くのだろう。
いやぁ、私は観れたもんね~~~けけけ。(喜びのダンス)
ただ・・・大好評のデジタルパンフレット、
アナログ派には、上手いことプリント出来ないんで星ひとつ減~~~。
ロボット
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2024/11/16 (土) ~ 2024/12/01 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
100年前の戯曲とは思えない、現代と近未来を予見したところがいくつもある。
「一番役立つ労働者は?」…「安い労働者さ。給料上げろとか、疲れたとか言わない」と言うところで、まず資本主義批判と階級闘争のテーマがある。そんなロボットに何もかもやらせて人間は「好きなことだけする」と無能化していくのは「主人と奴隷」の弁証法そのものだ。
科学、進歩が人間を幸福にするのかと言う問題提起もそこに重なっている。ロボットが反乱を起こすのは「2001年宇宙の旅」のHALに繋がり、現在のAIの進化の行き着く先の暗示のようでもある。人類絶滅に直面するのは、核戦争の隠喩のように見える。
ロボットの反乱が新しい未来を切り開かないのは、視野の狭い革命への揶揄のようにも取れて、作者の複雑な社会主義観が垣間見える。
人類が子供を産まなくなる、という展開は絵現代の少子化を予見したように見える。
ということで、非常に知的思索的な芝居なのだが、ヒロインのヘレナをめぐる男たちの滑稽ぶりや、何かが起きそうな不穏な空気、ロボットに包囲されて生き残りのために死に物狂いになる姿など、見ていて面白いシーンもタップリある。メリハリつけて上演台本・演出と、渡辺いっけいのユーモアある芸達者がとくに笑いを産んでいた。
5、6年前に戯曲を読んだのだが、ロボット工場にインテリたちが見学に行くんだというおぼろな記憶しかなかった。それも誤りで、ヘレナ(朝夏まこと)が孤島のロボット工場に行き、案内されながら、人間そっくりのロボットに驚き、工場幹部の男たちに歓迎され、という出だしだった。ヘレナはどこかの社長令嬢で、実は人権擁護協会の代表で、ロボットの酷使、心を作らないことを批判している。この孤島の工場の人間たちの右往左往に限定したところが、芝居としては上手くて、成功している。
タビのウタ
ボラ☆ボラ
吹田市文化会館 メイシアター・小ホール(大阪府)
2024/11/20 (水) ~ 2024/11/23 (土)上演中
満足度★★★
舞台美術(大道具?)に金かけてんな〰️とまず 次に演劇と音楽のコラボということで、プライスにあった内容かなと期待したのですが…
演劇内容が使いふるされた感じ満載で、舞台美術や演奏とバランスが… 少し期待ハズレで、コスパ感に不満 あの豪華な舞台美術いる内容かな?もっと戯曲を濃くして欲しかったです…
ガラクタ
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2021/11/19 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2024年11月の再演、上野ストアハウスで。
見逃していたので再演はありがたい。原発の「ゴミ」、高線量の放射性廃棄物の地層処分がテーマ。文献調査に手を挙げた北海道の自治体を舞台に、原発マネーで賛成派と反対派に分かれて街が分断される様子を描いた。
NUMO(ニューモ)が実名で出てくるのがおもしろい。地震国の日本に地層処分の適地があるとは常識的に考えられないが、適地を日本地図に落として自治体の手上げを待つなどというやり方で核のゴミを処分するのを「将来世代への責任だ」と言い張るニューモの担当者のせりふが利いている。
スナックと料理店という、地元の人が集まる場所に勤める人たちを登場人物にしたのがとてもいい。日ごろは同じ地元住民として仲良くやっているのに、放射能は怖いかもしれないがとにかく賛成、こんなものを地元に作らせたら破滅だと考える反対派に分かれ、「反対派の店」「賛成派の店」に分かれてしまう。原発マネーの罪深さをうまく浮き彫りにしている。
期待通りの切れ味で、再演を観られてよかった。トラッシュのファンでない人も、日本の原子力政策のいいかげんさを分かりやすく知ることができる。ぜひ見てほしい。
逃奔政走
フジテレビジョン
三越劇場(東京都)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/16 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』観劇。
冨坂さんの書いた本で、鈴木保奈美さん、相島さん、佐藤B作さんとがっぷり四つのアガリスクエンターテイメントの皆さんが見れました。
カーテンコールのときの笑顔が良かったなあ。笑ったし、終わったあとも気持ち良い作品でした。
なかなか失われない30年
Aga-risk Entertainment
新宿シアタートップス(東京都)
2024/04/27 (土) ~ 2024/05/06 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
『なかなか失われない30年』観劇。
複数の時代それぞれにストーリーがしっかりあって、かつそれぞれが絡み合って破茶滅茶になりそうだけど、しっかりと面白いコメディに仕上げるのは、やっぱアガリスクだなあと。
堪能しました。
つきかげ
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/08 (金) 14:00
前作「白き山」の5年後、晩年の斎藤茂吉と妻や息子・娘たち、編集者を参考にしたフィクション。一言で表現すれば「ハード&ビターなホームドラマ」で認知傾向が出始めた茂吉の姿が痛々しいが彼を支える家族らの姿(家族愛的なもの)や漂うユーモアに救われる。
それにしても茂吉役の緒方さんを筆頭に配役/役作りが的確でリアリティを感じるというか引き込まれるというか。
また、中学生時代にどくとるマンボウシリーズを読んでいたためある場面で頷くことしきり。
線引き~死者に囲まれる夜~
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2024/11/14 (木) ~ 2024/11/21 (木)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
面白かったです。ワンツーワークスさんでこんなに笑ったことはなかったと思います。
思うところあって、星は4です。
思うところはQRコードからアンケートに書こうと思っています。
宙浮くカルト
中央大学第二演劇研究会
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2024/11/14 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
実際に大きな事件を起こしたカルトをベースに入信した信者、教団幹部、入信者家族や教師等関係者を中心に描いた作品。最初の事件発生から既にほぼ1ジェネレーション。事件は我が国の不健全性の陰画と見ることもできる。
Day Dream Dance D.C.
空想実現集団TOY'sBOX
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
αcrux(アクルックス)チーム観劇
ダンスチーム五人と
事務所側三人が綺麗に
色分けされていて
ミュージカルしてて
分かりやすくて楽しめた舞台でした
敵役の雰囲気が
何か手塚治虫さんの配役風に
思えて面白かった
明るくて元気の貰えた作品でした
霞晴れたら
劇団かに座
横浜関内ホール(神奈川県)
2024/11/15 (金) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
説明通りの話ながら
舞台セットも衣装や小道具なども
丁寧に表現されてて
物語に説得力を持たせてました
個性的な登場人物らも
なかなか楽しかった
ただー病室の窓から見える
煙突って終末処理場のだよなぁ
入院中には見たく無いかも
とかは思ったが
現実では病院のすぐ隣に
あるとこもあったようでー
まぁ ですかね~って
栗原課長の秘密基地
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
宙浮くカルト
中央大学第二演劇研究会
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2024/11/14 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白かったです。
不思議な怪しさで、明るい印象で観やすいと思いました。
ストーリーは、シリアスかコメディか分からない微妙な場面や、いきなり大団円?という感じもしましたが、良く出来ていると思いました。
一生懸命さの詰まった舞台、良かったです!
※チケットが素敵でした。
できないなんていわないで。
TOKYOハンバーグ
サンモールスタジオ(東京都)
2024/11/15 (金) ~ 2024/11/24 (日)上演中
予約受付中実演鑑賞
満足度★★★★★
この所は2回に一度程の頻度で観ているハンバーグだが、前作がこども食堂と養護施設を取り上げたように、社会問題の集約する場所を題材に取る姿勢が今作でも明快だ(相変わらずチラシでは題材は不明だが)。
敬意を表してここでも題材は伏せておくが、テーマの要諦を外さずにいながらポップで半ばファンタジック、そしてリアルの凝縮する瞬間がちりばめられる。私には「美味しい」場面が幾つもあった。
中心的な役を担う福寿奈央がよく、メンバーが増えたハンバーグ劇団員が舞台の柱を支え、客演たちのキャラは炸裂、温度の高い劇空間があった。公演が終わったらネタバレを気にせず色々と記したい。
宙浮くカルト
中央大学第二演劇研究会
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2024/11/14 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
深呼吸する惑星
サードステージ
キャナルシティ劇場(福岡県)
2012/01/15 (日) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
草葉の陰でネタを書く。
劇団アグレッシブですけど、何か?!
広島ホームテレビ多目的ホール(広島県)
2012/01/07 (土) ~ 2012/01/10 (火)公演終了
Day Dream Dance D.C.
空想実現集団TOY'sBOX
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了