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ヴィンランド・サガ

ヴィンランド・サガ

舞台『ヴィンランド・サガ』2024製作委員会

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2024/04/19 (金) ~ 2024/04/29 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/04/19 (金) 18:00

約1000年前の北ヨーロッパを舞台史にした戦争絵巻。時代の設定は、本当の歴史でいうと、ノルマンディー公ウィリアムがイングランドを征服する少し前くらいか。アメリカ発見もからめ、激動の世界史をおさらいしておくとさらに楽しめる作品でした。主人公がまだまだ成長する余地があるので、後半の上演される英雄復活編も楽しみです。原作に接したことはないので、英雄が誰のことをさしてるのか、私にはまだわからない。

「あぁ、自殺生活。」

「あぁ、自殺生活。」

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/04/19 (金) 14:00

演じる側も見る側も恐らく自殺とは無縁の人であることが前提?
少なくとも、自殺よりもお芝居を選んでるからね。
後半に出てきたボケを苦にした尊厳死のほうが、今後、切実な問題になりそうです。
メメントモリの1時間半。

ネタバレBOX

階段を降りていくと駅員の制服を着た人が受付を担当。
主人公がなんだかんだ言いながらも頑張って生きていくことを選んだ(?)エンディングにホッとしました。
鴨川ホルモー、ワンスモア

鴨川ホルモー、ワンスモア

ニッポン放送

サンシャイン劇場(東京都)

2024/04/12 (金) ~ 2024/04/29 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

普通に面白い。変な内輪ネタもなく、ストーリーも演技も完成度高い。

「あぁ、自殺生活。」

「あぁ、自殺生活。」

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

面白かったです。

演劇を考察してみよう!

演劇を考察してみよう!

無限のネコ定理

王子小劇場(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2024/04/19 (金) 18:00

価格3,000円

挑戦的ではあったと思う。
演劇って超コスパ悪いけど、なんだかんだ「やっぱ演劇っていいよね」っていう演劇賛美的なものを勝手にイメージしてたが全然違った。
脚本or演技力のどこに問題があるか分からないが、つまらなくて、本当に帰りたくなった。

「あぁ、自殺生活。」

「あぁ、自殺生活。」

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。夢現舎さんの舞台はこれで2回目ですが、前回同様圧巻でした。演技をみていて、ほんと、役者さん演劇が好きなんだなーと感じます。最前列で観させていただきましたが、眼の前に線路があるような錯覚に陥ることが何度もありました。ほんと素晴らしい舞台でした。

箱の中の4人

箱の中の4人

B.LET’S

小劇場 楽園(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/04/19 (金) 19:00

Aキャスト。85分。休憩なし。

映画のパロディ

映画のパロディ

コンプソンズ

下北沢 スターダスト(東京都)

2024/04/18 (木) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/04/19 (金) 16:00

80分。休憩なし。

Ulster American

Ulster American

本多劇場グループ

「劇」小劇場(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/04/19 (金) 14:00

85分。休憩なし。

ろりえの復讐

ろりえの復讐

ろりえ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/04/18 (木) ~ 2024/04/24 (水)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★

「ろりえ」って初めてで傾向が分からず、復讐のための伏線をバンバン張って最後に怒涛の回収という流れかと思いきや、全く違って大勢の若者が大はしゃぎするだけのお話だった。何の見どころもないのだけれど、最後の最後に突発する製作委員会3人衆の特大の悪あがきにノックアウトされた。そしてその後の娘の一言がツボで久しぶりに腹の皮がよじれるという感覚を思い出した。そこだけは☆4つ。

鴨川ホルモー、ワンスモア

鴨川ホルモー、ワンスモア

ニッポン放送

サンシャイン劇場(東京都)

2024/04/12 (金) ~ 2024/04/29 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

普通におもろい

「あぁ、自殺生活。」

「あぁ、自殺生活。」

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

 自死というテーマで様々なことを思考させてくれる作品、その行為が成功してしまえば二度と再びこの世には戻ってこれない事象だけに、いくらでも深堀りすることができ、様々に微妙なユーモアを紛れ込ませることもできる処が今作の強みだろう。役者陣の演技もグー。

ネタバレBOX

 頂いたパンフの中には令和4年の我が国の自殺者数他、令和5年の自殺手段、理由、曜日、月、県などが上位3位迄記されていたりする。
 実際に演じられるシーンは圧倒的に鉄道への飛び込み関連が多いのは、それだけ他者への影響力も大きく、賠償請求額も高額になるということがあろう。
 ところで自分の好みでは自殺という言葉より自死を選びたいので、以下の表記では自死を用いさせて頂く。病死、事故死、自死、衰弱死等々死に方は様々だが現在までの処人間も生まれた以上必ず死を免れることは無い。掛かるが故に総ての哲学的思考は死すべき定めを自覚することに原点があると考えられる。その可成り純粋な形が自死の形を採って現れる場合があろう。このようなケースが最も論理的に自死の軌跡を追いやすいケースではないだろうか? 今作では、呆けてしまい醜態を晒すことを恐れて。そのような醜態を晒す前に自ら命を絶つケースである。実際、このようにして亡くなった方がいらした。極めて優秀な研究者であり、ユニークな研究者でもあった方である。業績も大きかった。継承者も育てた上で自死を選んだ背景は、矢張りお歳を召してそれ迄確かであると信じてきた生活の中での認識が、視聴覚の衰えやレスポンスの遅れ等でそれ迄通りにはゆかなくなったという自覚が、自ら築いてきた実績を汚すと考え、矜りを傷つけられたということだと愚生は考えている。無論、今作の別の部分でたくさん描かれているように会社の同僚や上司等から散々いびられ、貶された結果追い詰められて死を選ぶケースも多かろうが、このケースでは様々な要素が入り込む為社会的要因や力関係、時代や生きている場所のその時点での価値観等要素が多い為中々自死という不可逆的で自分自身では自ら認識し他者に伝えることが出来ない自分の死について客観的な視座を持つことは不可能であること、また先に述べたように要素が多すぎて分析せねばならぬことが多岐に及ぶ為焦点が呆けてしまい易いことなどからアプローチしない。このような思考もあって自分は自死という言葉を選び如何なる場合にも自死は個々人の権利であるとも考える次第である。今作を拝見して以上のようなことを考えた。
底ん処をよろしく

底ん処をよろしく

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/23 (火)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/04/19 (金) 16:00

演劇『底ん処をよろしく』Bチームを観劇。大衆食堂底ん処の皆さんの物語。演じる役者さんが異なるA,B両チームを観劇できてよかったです。

「あぁ、自殺生活。」

「あぁ、自殺生活。」

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

淡々としたストーリーの中に吸い込まれる
人は一回しか死ぬない…確かに
理不尽な言葉に傷ついたり、他の人と違う感覚や考えが違う中で傷つき、疲れ、時に消えたいと思う事は誰にもある
生きるのも死ぬのも勇気や行動が必要だよなぁと思いながら鑑賞
自身の老いに脅える気持ちよく分かる
自分が自分でなくなる事を考えたら…消えくなる

若い社員の会話が面白かった、ある意味宇宙語で意味わからなかった…もっと知りたかった笑
昨年に続いて良い時間を過ごさせて頂き
穏やかに帰路に向かってます

Ulster American

Ulster American

本多劇場グループ

「劇」小劇場(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

怒涛の会話の応酬。
自分の信念・信条がNO.1で他人の思考には「配慮できるよ」と思っている3人が
本音と建て前を行き来して、他人が折れるのを誘導する。
SNSでのやり取りが目の前で展開されているように感じました。
こうやって、諍いが大きくなっていくんだろうな、と感じられた作品。
演者のお三方、素晴らしかった。

底ん処をよろしく

底ん処をよろしく

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/23 (火)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/04/19 (金) 11:00

演劇『底ん処をよろしく』Aチームを観劇。大衆食堂底ん処の皆さんに再びお逢いできました。

演劇を考察してみよう!

演劇を考察してみよう!

無限のネコ定理

王子小劇場(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/04/18 (木) 18:00

初見のユニット。演劇を続けることの苦しさと楽しさ、ということか。(前説3分)75分(16分休み)74分。
 とある学生上がりの男4人と女1人の劇団。辞めるという劇団員が出るが、…の物語。いくつかの「演劇は○○に勝てない」というタイトルで章立てするのだが、演劇を続けることへの若い世代の感触を綴っていると思う。苦しさもあるが、楽しさもある、という感じかと。劇団が演劇の芝居をすると自己肯定的になるという傾向があるのだが、ややそれは見られるものの嫌な感じではない。ただし長い。思いの丈をひたすら綴ったということだろうか。桐朋の卒業生の劇団だそうだが、登場人物全てが若い。「メタ演劇」という評もあったが、メタとは思わない。

さるすべり

さるすべり

オフィス3〇〇

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/04/06 (土) ~ 2024/04/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

異色作。2022年に前哨戦をやっていたのか。殆ど書き上げたばかりのをやったかの空気感だった。(大幅に書き直して、とあるのでそれはそうだったかも。)
昨年の「ガラスの動物園」で見事なアンサンブルを俳優との間で形作った生演奏の川本悠自(b)と鈴木崇朗(バンドネオン)が付くというので、全幅の信をおいてチケット購入。千秋楽であった。
ヘルメットを被ってトンカンやってるイベント準備の中、二人が入って来る(トンカンやってるのは演奏者二人と踊り手(松井夢)だったらしい)。渡辺が客席語りをしながら、高畑女史に過去の話題作の演技を再現させたりのサービスの時間。そこから、渡辺えり節全開な支離滅スレスレ(否ほぼ支離滅か)の展開へ。ピースを後付けで力技で繋いでいた。華麗な台詞回しと展開があるかと思えば、弾けないもどかしい場面も。「死ぬまでにやりたい事やる」宣言を「した公演」を含めて三つ目を数えたが、まだまだ随分続きそうな勢いでもあり、通常ペースで見守る事にするか・・。

ネタバレBOX

導入はコロナ禍の「コロナ」を思い出せず、「何で私たちは4年間も自粛してるんだけ」と思い出そうとするやり取りから。「八月の鯨」をモチーフに、老いた二人の姉妹がどうにかこうにか生きてる風景だ。駄弁りが芝居の基調でちょっと笑える会話や風情に客席からはドヨと笑い声が起きる。八月の鯨のベティ・デイビスとリリアン・ギッシュを舞台で演じたいと思っている二人の稽古風景でもあり、即ちもっと老いた渡辺と高畑の未来予想図、といった趣きもある。だから二人が八月の鯨を抜けて、別の物語を生きる場面も点々とある。
「これはアングラなんだから」と序盤で渡辺が高畑に言う。戸惑う新人に宣告するニュアンスは、アングラ組から新劇組への宣告というより、「際物」から「普通」、「貧乏家庭」から「恵まれた家庭」への妬み半分の宣告にも聞こえる。カテゴリーにこだわるつもりはないが、小劇場演劇(遊眠社や第三舞台、劇団3○○(元2○○)、第三エロチカといったあたり・・見れば三の付くのが多いな)は確かに、アングラの延長と言って差し支えなさそうであり、「アングラ」と自称するのに何ら不自然はない。
物語らしきものはある。途中「種明かし」的に伏線を回収する体で、二人の共通の知人らしい「みつお」に言及される。「忘れようとしてた」から話題にもしなかったが、思い出した、と。二人の弟である彼は窓からさるすべりに飛び移ったり、平らになった枝にひもをかけてブランコを揺らしたりした思い出。ところが実は「みつお」は高畑の息子であり、高校時代に出会って感化された大学生との間に出来たが逃げられ、一人で生んだ。そして「みつお」は高畑の夫でもあった・・。そんな相の変化が断りもなく起きるので、台詞から人物関係図を完成させようとする脳では、到底追いつかない。「男」の持つ位相を「みつお」に代弁させたものと強引に解釈して観劇を続けた。
最終的には楽曲で締められる。パンチのある渡辺氏の声が歌の時である事を告げると効力覿面、終幕へと船は動き出す。無事進水すれば大団円、不思議な旅は終わりを告げる。このとき涙を拭う仕草を前の客席に認めるが、私はと言えば「夢の泪」の珠玉の歌を観た後である。そう簡単に騙されんぞと、肩肘を張る。だが席を立つまでがお芝居。舞台を終えた渡辺えりの語りに会場が沸く。手練れであるな・・ここは降参とするか。
「八月の鯨」に寄せた家族の物語の「みつお」を巡る悲劇は彼がさるすべきの木で首を吊った事。「果実のように」と表現し黒人の自殺に重ねている。八月の鯨の稽古を抜け出て、機動隊と対峙した全学連時代を潜り、爆撃のある戦時下を潜り抜ける。渡辺女史の社会派がほぼぶち込まれている。
第37回公演『ライダー』

第37回公演『ライダー』

激団リジョロ

シアターシャイン(東京都)

2024/04/12 (金) ~ 2024/04/21 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

二度目の観劇。公演情報を入手したのがそれ以来なので久々の東京公演か、と勝手な想像をしていたが、劇団否激団の拠点は東京であり(旗揚げ2年後には関西から上京し、経緯あって東京にて改めて旗揚げした模様だが、それでも20年経っている)、また前回と今回の間に既に2公演やられている。前回観たのは2021年であった。
激団の名が表わす体は「熱い」。ただし前回は日韓の歴史を遡った(植民地時代から現代)リアル基調の劇で、尖った切っ先の熱とは異なり人情部分の熱(だから上がっても40℃位?)。だが今作は相当に現実離れしたフィクション。時空を飛ぶ。エッジの効いた鋭い「熱」にはこちらの方が親和的。で、これが中々面白かった。
過去公演の履歴を改めて眺めるとゾンビが登場する話もある。基本「激烈」な、啖呵を飛ばし合う劇の様相が浮かぶ解説文だったりするが、今回、作・演出の主宰は壮年期、他俳優が若手なのでこの「激しさ」「熱」を仕込む指南役とその弟子といった空気がやや舞台においても流れる。
おや?と思わせるのが冒頭、5、6歳位と見える女の子が登場し、最後も締める。普段っぽい表情で客席を眺めつつ動いたり台詞も言う。これが主人公の女性役の子供時代の設定で、何だろう?と目を引く。ツーリストと呼ばれる、操縦桿(一本のバーを床に据えて左右前後に動かす)一つで宇宙を旅するいかつい男(主宰・金光仁三)が現われ、女の子にこう告げる。「そうだと思った事が本当になる。何がしたい?」「宇宙に行きたい」「ならそう願えばいい。」大きくなったこの女の子は、AIと人間のハイブリッドこそ新たな時代の理想だと語る国のリーダーの下、潜在的な敵対関係を持つ事となり、「戦い」が徐々に始まっていく。
ディストピアな未来を生きる彼女は「そう願う」「そう信じる」いや「そう思っている(だけ)」でそれが実現するというそれが一つの「能力」である事を、自ら知る。かのツーリストが彼女を再発見し、これを告げた。彼は彼女の誘導役となるが、やがて前線から退場し、最後に彼女一人で戦う段階が来る。
AIと人間とのハイブリッドを高らかに歌う国のリーダー(女)のバックには、化け物的な、人間の肉体という宿を持ったAIの存在があった。だが、人間とAIの融合の実態とは、脳にチップを埋め込み、情報処理能力は高めるものの、指示者に対し従属的となるような代物。主人公の父はこれを悟って従わず、抹殺されるが、事が一巡りした後、国のリーダーも「理想」が欺瞞であった事に気づき、対抗勢力となる。だがその時点で主人公は先行してAIとの対決と撤収を繰り返し、逃れる過程で彼女はツーリストに紹介された避難先として訪れた星で、それぞれに個性的な存在たちと出会う。彼らに助けられ、また助け、学んで行く。
これはスターウォーズの構図だな、と途中から思い始める。「本当にそうなる」と心から信じていないならば、その力(映画ではforce=理力と言ったっけ)は生じて来ない。
彼女は旅の中で、この力を使いこなすコツを習得していくのだが、ラスボスであるダースベーダーと決定的な対決を行なうまでに、人間力を高める修行の中に様々な星の住人との出会いがある、という構図は、古典的だが力強い。

この荒唐無稽なSF物語が、ストーリー完結の辻褄合せに付き合わせるだけに止まらず、心が広がるような感覚を持たせたのは、ユニークな各星人たちを始めとしたキャラの魅力。
こういうタイプの芝居はそういえばあまり観ていないが、キャラ創出の才は中々ではなかろうか。最後まで「熱力」で押すドラマに相応しい精神論(根性論?)だが、スポ根とは異なり、最後には静かな心を希求している。
とは言え、その心を勝ち取るために、激烈な戦いを戦わねばならない物語の宿命は矛盾と言えば矛盾なのだが。
いずれにせよ、かような舞台を疲れず面白く観られた自分に気を良くして、帰路についたものであった。

S高原から

S高原から

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/04/05 (金) ~ 2024/04/22 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

アゴラ劇場での最後の青年団公演である。満席の入場待ちの人々が階下のロビーに張り出された劇場のセット図面や台本などをスマホで撮影しているいかにも送別公演らしい賑やかさである。といっても観客数は百名足らずだから十分もあれば始末できる。そこが、良くも悪くも、平田オリザという劇作家の存在理由であった。
サヨナラ公演四公演から「S高原から」を見た。見ている内に過去に見ていたことを思いだした。初演が91年暮れ。せいぜい三十年余前だが、部分は思い出すが人物のキャラやプロットはほとんど忘れている。今回の再演はほとんど手を入れていない(例えば、台詞に頻出する「風立ちぬ」の解釈論は,その後のジブリ映画のタイトルに使われて人口に膾炙したが、初演通り、それがなかった時代で上演している)。新しい現在のキャストもかつての公演をなぞっている感じがする。サヨナラ公演だからそれもアリだろう。それで解ることもある。
平田オリザは,80年代までに演劇界を席巻したエネルギッシュに新しい世界を作る新しい演劇に対抗して出てきた。当時、唐、つか、鈴木忠志、太田省吾らの先行世代,蜷川、佐藤信、野田秀樹らの続く世代、一見おとなしく見える井上ひさしや串田和美ですら、今思えば十分に破壊力があリ戦闘的だった。その疾風怒濤の中から平田オリザはこの小さな駒場の小劇場を足場に出てきた。平田オリザは当時,日常生活の台詞、演技の上にドラマを見る「静かな演劇」として、ジャーナリスチックにもてはやされる時期もあったが、致命傷は大きな観客を集められる作品に向かうことがなかったことである。青年団はこの小さなアゴラから数多くの後継劇団を生み出したが、身近な日常の生活を基板として、それに甘えて仲間褒めで満足している劇団群で、既製劇団に対抗できる力がなかった。アゴラの閉館は静かな演劇衰退による閉館ではないと明らかになっているが、時代の流れは変わっている。現在は、最近見た舞台では,た組の加藤拓也やエポックマンの小沢道成などには、平田オリザの日常の上にドラマを構築する現代劇を受け継いでいることがうかがえる。
今「S高原から」を見ると、昔の流行り物を見る哀感も感じるが、演劇はこのようにして時代を超えていくものでもある。

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