最新の観てきた!クチコミ一覧

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燃える花嫁

燃える花嫁

名取事務所

吉祥寺シアター(東京都)

2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

 今の世界の社会状況を的確に反映している作品。
笑いの部分はいまいちな気がするが、最小限の説明で時間軸を操る
ところもあり、この作者はクリストファー・ノーランの信奉者か。
また、三年ほど前に青年座に書き下ろした『燐光のイルカたち』より
戯曲のクオリティー全体が向上している感あり。

 別の形で外国人労働者問題の底流に迫り、民族としての
日本人の未熟さというかむしろその上をゆく海千山千の外国人の
したたかさを垣間見せてくれた、北川大輔 作『未開の議場』とは、
ある意味、好対照。

燃える花嫁

燃える花嫁

名取事務所

吉祥寺シアター(東京都)

2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★

昨年、この作家の『日曜日のクジラ』を観てイマイチだった。今回も前半はハマらずこの作家とは相性悪いなと感じたが最後まで観ると本物。もっと受け狙いの兄ちゃんかと思っていたがガチガチのマジの人。本気で真剣に世界と取っ組み合おうとしている。今、2025年だぜ。ああ本気なんだな、この人。名取事務所がオファーする訳だ。
実はもの凄く古典的な物語。余りにオールドスクールで驚く程。ポル・ポト、チェ・ゲバラ、毛沢東、金日成、ウラジーミル・レーニンにカール・マルクス···、PUNK ROCKでも構わない。とにかく今の自分の思考回路を支配する鉄の掟のような価値観から自由に導いてくれる風であるならば。

凄いのは構成。『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の『DEATH』編を思わせる。これはTVシリーズ24話の総集編なのだが初見の人には全く解らない作り。各登場人物が死ぬ間際に見る走馬灯のようなスタンス。解らなくてもいいから感じてくれ、みたいな作風。勿論今作はきちんと解るようにしっかり作られている。逆にこの構成にした作家の意図こそがミステリー、その謎を観客が頭の中で解いていく作品。

MVPは鬼頭典子さん。この人のキャパシティは想像を絶する程大きい。有り得ない役を振れば振る程開花する。
そして森尾舞さん。この役を女性にしたことが大きい。
更に平体まひろさんは流石に凄い。時系列でルックスを変えてみせる。本当に心が生き生きと生命を謳歌し羽根を天空に開いてみせた時の美しさ。

テーマは『移民と差別』。もろクルド人の物語として受け止めた。正解のない世界でせめてもの擦り合わせで作る、よりマシな答。ラストのタイトルロールは鮮烈。
是非観に行って頂きたい。

大谷ひかるのシンデレラ 尼寺修行編

大谷ひかるのシンデレラ 尼寺修行編

三条会

アトリエ春風舎(東京都)

2025/05/29 (木) ~ 2025/06/01 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/05/31 (土) 14:00

初めての三条会。一人芝居なのかと思っていたら、大谷ひかるさんに、伊藤紫央里さん/関美能留さんの三人による、そう、シンデレラも王子さまも現れ、大谷ひかるさんの曹洞宗の尼僧の修行の途に雑念を抱く、あの千葉なのに東京の名を冠する夢の世界との繋がりを描いた演劇であった。
脚下照顧、この言葉に裏付けられた大谷ひかるの僧侶としての在り様が示される後編と、それに先立つシンデレラとの繋がりの話。禅と大谷ひかるの身体性の融合。
只管打坐、作務、その日常の在り様を修行する姿が在って、法衣の着付け、修行の在り方、壁/樹に向かい合う座禅のすっと背筋通った在り様、解脱への道、そんな法話の様なと思っていると、シンデレラ然とした正に我々が知っているシンデレラが現れてと、俗世と修行が混然と溶け合う、日々が在る 85分だった。
大谷ひかるさんがシンデレラにお茶を点てるシーンがあった。以前、映画「日日是好日」を見た時に勧められた、映画の原作の森下典子さんの「日日是好日 ー『お茶』が教えてくれた15のしあわせー」を読んでいた。劇中だけど、実際にお点前を拝見したのは初めて、で、ずずっってのも。なるほど、これがお茶なんだなと。

産声が聴こえない。

産声が聴こえない。

“STRAYDOG”

サンモールスタジオ(東京都)

2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

一言、圧巻。先日観た『Brother~another father~』も圧巻でしたが、今回の『産声が聴こえない。』はそれに輪をかけて圧巻でした。これはすべての高校生と大学生に観させたいですね。とくに笑いをとるような脚本でも演技でもなく、作品のテーマを愚直なほどストレートに伝えようとしているのがよかったです。役者の演技もすばらしかったし脚本も最高です。心に刺さるセリフも随所にあり私の周りの女性客からはすすり泣く声が終始していました。名作ですね。ロングランで公園していいレベルの作品です。

昭和から騒ぎ

昭和から騒ぎ

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2025/05/25 (日) ~ 2025/06/16 (月)上演中

実演鑑賞

 小津作品の雰囲気漂う鳴門家の居間に掛かっている額の書
「翁莎惟恩感」
は、翻案・演出者のさりげない、原作者、翻訳者等へのリスペクト
の表れか(例えば、役名の付け方一つとってみても)。
 六、七割ほどそのまま原作翻訳の台詞を残して台本を構成している感触あり。
 ちなみに、翻訳者の方が、自らの新訳・作・演出で上演する公演活動
Kawai ProjectのVol.1で取り上げたのが、今回の原作『から騒ぎ』。

LAZARUS

LAZARUS

イープラス/キョードー東京/KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2025/05/31 (土) ~ 2025/06/14 (土)上演中

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/06/12 (木) 18:00

120分。休憩なし。

北斎ばあさん

北斎ばあさん

劇団扉座

座・高円寺1(東京都)

2025/06/11 (水) ~ 2025/06/22 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

6/11ミナクル公演(初日のみ3500円で見られる公演)を観劇。さすがの老舗劇団!
脚本、演出、役者どれを取っても間違い無い。特に今回は、代表の横内さんが、劇団員=今回のW主演の看板女優さん2人のために、生前贈与のつもりで書いた脚本(←当日配布物より)というだけあって、根底に人生と愛情を感じた。W主演を務めた女優さんお二人の魅力も存分に発揮されていた。
この生前贈与シリーズ、次回があれば、是非見に行きたい。ミナクル公演しか行けないけど…

黄昏のリストランテ

黄昏のリストランテ

熱海五郎一座

新橋演舞場(東京都)

2025/06/02 (月) ~ 2025/06/27 (金)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/06/12 (木) 11:30

座席1階

伊東四朗を継いで毎年この時期に行われている「熱海五郎一座」。毎回見に来るファンはたくさんいて(年配者が多いが)、あの広い新橋演舞場はほぼ満席だ。

大笑いのポイントはまず、自称高齢者軍団の三宅裕司らレギュラーがどこでせりふを詰まらせ、それをどうカバーするのかという点。ファンはせりふをかまずにそつなく美しくこなすことを期待していない。舞台と客席が一緒になって笑う局面にこそ、満足度は高まる。
そして、この「ザ・喜劇」に参加するゲスト俳優と高齢者軍団とのやりとりだ。今作は羽田美智子と剛力彩芽。タイプの全く違うこの2人を招いたところに、今回の成功の第一歩がある。そして、レギュラーがカーテンコールで口々に言及したゲスト2人の一座への溶け込みぶり。この2人の力が、喜劇のクオリティーを高めたのは間違いない。
三宅裕司曰く、シリーズも第11弾となり、おもしろい場面が作れるテーマはだいたいやりつくしてしまったという。しかし、「まだ、食の分野が残っている」ということで、今作はイタリアン・レストランが舞台だ。羽田美智子は、このレストランのオーナーシェフ(ラサール石井)に復讐をしようと胸に秘めている副料理長の役。剛力彩芽は、コメの転売グループを調べている農水省の役人。それぞれレギュラーにうまく絡んで、重要な役柄をこなしている。

期間中の上演回数が多いため、おそらくレギュラーがミスをする場所も毎回違うだろう。この日のマチネは冒頭でいきなりあった。三宅裕司がメンバーのミスを何とかカバーして笑いにつなげるというのがお決まりなのだが、天然キャラクターを割り当てられた羽田美智子が客席と一緒に笑い続け、次のせりふがしばらくストップするという場面もあったようだ(羽田は客席に見えないように背を向けて笑い続けていたらしい)
ハプニングをハプニングで終わらせず笑いの種に変えてしまうのが、一座の最大の面白さ。この点で今作もとても満足できた。
また、「国民的美少女」剛力彩芽もデビューからは結構年月を重ねているが、何と言っても一座の中ではとても若い。切れのいいダンス、派手な立ち回りはとても見応えがあった。

もう一つ、カーテンコールのメンバーのひと言は、これを聞かずには帰れないという面白さで、今作も健在であった。2人のゲスト女優がとびっきりのドレスでカーテンコールに登場したのも、特筆だ。

煙が目にしみる(脚本・演出|堤泰之)

煙が目にしみる(脚本・演出|堤泰之)

ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/25 (日) 13:00

たぶん二桁回数観てはいるものの気が付いたらここ10年以上観ていなかったがやはり名作。
熟知しているだけに先が読めたりもするが「あー、そうだったなぁ」などと思いながら観るのも一興。「極私的好きな戯曲TOP10」のうちの1本の地位は揺るがずといったところ。
来月観る他団体での上演に対する期待もさらに高まる♪

セザンヌによろしく!

セザンヌによろしく!

バストリオ

調布市せんがわ劇場(東京都)

2025/06/01 (日) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

なるほど!
全く何も知らなかった事が観て判った(というのも変だが)ユニット。多分野融合の舞台というもの自体は初めてではないが、棘がなく、深さはあり、技量は高く、恐らく細部が効いてるのだろう心地よいながらも感覚を刺激し揺さぶるものがある。新鮮。

燃える花嫁

燃える花嫁

名取事務所

吉祥寺シアター(東京都)

2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

秀作。
名取事務所の新たな試み、中規模劇場で普段より規模拡大したキャスティングと期待の劇作家ピンク地底人3号の新作は2時間超えの濃密な時間。人物たちが胸に刻まれる観劇の時間だった。拍手。

ガマ

ガマ

劇団チョコレートケーキ

吉祥寺シアター(東京都)

2025/05/31 (土) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

実演の劇団チョコレートケーキ、久々に拝んだ気がする(二つ前の「白き山」が久々であったが「戻って来た」感はやはり今作のような骨太社会派劇である)。戦争六篇の内「ガマ」は沖縄を扱った新作との事でこれだけでも観たかったが叶わなかったので、今回の再演は朗報。一も二も無く観に行った。
脚本、演出とも優れた舞台であった事は(幸なことに)言うまでもなかった。沖縄の戦争や戦後史を扱った舞台はあるけれど、実際の「ガマ」(洞窟)を舞台にした芝居は初めてであり、新鮮であった。後刻加筆。

オーガッタジャ!

オーガッタジャ!

発条ロールシアター

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
終演後、何人かが異口同音に 大人の演劇だ と話していた。そう言えば、説明にも「大人たちの 青春真っ只中な群像劇」と記していた。何が大人の演劇だか解らないが、廃墟という役目を終えた建物を通して、人生の応援を謳った、一見 矛盾した観せ方の物語だ。そこには発条ロールシアターらしい、硬派な中にも優しい思いが観て取れる。

表層的には面白可笑しく描いているが、奥底にあるのは、諦念とは真逆の再生・再起と言った前向きな姿勢だ。滅びの美、ましてや頽落のダンディズムなんてこれっぽっちもない。あるのは男の それも中年男性の悲哀、それは仕事=生き甲斐、遣り甲斐を失(喪)った後の人生をどう生き残(遺)るかが…。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は暗幕で囲い、上手に何か隠されているような幕、下手に壁に見立てた衝立があり、その一部が簀子(窓枠)のような板が打ち付けられている。この暗がりが廃墟内であり、簀子を外して中へ侵入する。上演前から照明を諧調させ、闇に輝く外灯もしくは星空を表しているよう。実は暗幕の奥には紗幕がある。下手での会話は廃墟ビルの階数を説明しており、同じ舞台であるが空間の違いを表す。

登場人物は、リストラ(クビに)された中年男・環が、廃墟ビルに忍び込んで一時的に寝泊りしようとしている。そこへ着物を着た〈男〉、一見どこかのご隠居のような飄々とした佇まいを醸し出ている。また廃墟マニア・白河清澄やフリーライター・西まごめ、そしてスリの一団…拝島・是政・美園が偶然に出会う。さらに ふらふらと侵入してきた男・津田沼と中年男・環が知り合いだった。廃墟という“不思議な力”によって集められたかのよう。訳ありの人々の人生模様を描きながら、この廃墟に現れる 霊 の話が交錯する。

終盤は怒涛のような展開…廃墟ビルが建つ近くに江戸時代の刑場跡がある。着物姿の〈男〉、実は斬首の役人・山田浅右衛門であり、明治時代になってその斬首刑が廃止になって、生活の糧を失う。会社を馘にされた男と斬首してた人の<クビ>繋がりが、過去と現在を結ぶ。実はふらふらと侵入してきた津田沼は、環を解雇した会社の社長である。社内で人望のあった環を解雇したことで 社員が次々に辞め、会社は倒産寸前の危機に瀕している。それぞれの人の人生模様に各人の思惑を絡め 味わい深い話になっていく。
因みに、登場人物の名前は駅名だが、山手線のように知られた駅名ではない。そこに名も無き一般人…特別ではない人々を表している。

スリの一団は、師匠と男女の弟子といった関係のよう。過去回想、美園の幼少期に師匠・拝島と会話する場面は、その立ち位置(向き合わない)で場景を描いているが、ここは想像力を膨らませないと分り難いだろう。スリだが、美園には仕事?をさせたくない。訳アリの人物ばかりだが、真の悪人は登場しない。廃墟という役に立たなくなった建物の中に、役に立たなくなった人々を集めるが、そこには やり直せるという強いメッセージが込められている。浅右衛門の余生は俳句短歌を詠でいたのだろうか。ラスト 紗幕の奥は大木であろうか、若しくは短冊の山かもしれない そんな余韻を残す。

ラスト、ほんの僅かなシーンに〈女〉役で 則末チエさんが登場する。みすぼらしい着物姿で這いずるような姿、浅右衛門に腕をつかまれ、次のシーンでは斬首される。浅右衛門が最後に斬首した女という説明から、有名な 高橋お伝 ということが分る。一瞬のうちに憐憫を表す演技は見事だ。則末さんは悲哀だけだが、他の役者陣はコミカルに演じながらも、その奥底に滋味ある人柄を忍ばせている。初演は観ていないが、この公演でのキャストは見事な演技力であった。
次回公演も楽しみにしております。
産声が聴こえない。

産声が聴こえない。

“STRAYDOG”

サンモールスタジオ(東京都)

2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

余韻の残る素晴らしい舞台でした!

登場人物のつながりなどの構成も見事でした。1人1人の心情を思うと苦しくなりましたが、感情移入するくらい役者さんの演技も素晴らしかったです。

ネタバレBOX

特にみほさんの表情にやられました。
どうにか出産まで至ってほしかったですが、それもみほさんを守るための胎児が選んだ流産だったのでしょうか。

ドクターが言っていたという流産は母親を守るため。という言葉に涙が出ました。
神秘的である妊娠、命、本当に尊いです。
六道追分(ろくどうおいわけ)~第四期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第四期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/05/28 (水) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やっぱりくりもんは最高に面白かった
頻発するギャグも(千穐楽ゆえ多かったらしい)「なんだつまらん」とはならずに大いに笑って楽しめた
いつもながらのくりもんダンサーズのダンスも上手く溶け込み、ポンポン進んでともかく飽きさせない
セットもシンプルながら必要十分だし、音響、照明ともツボを押さえている
まさに笑いとペーソスの人情噺
磔になった義賊清吉に槍が刺さる瞬間、花魁お菊がそこに飛び込むラストは涙出たよ
しかしわずか70席の小劇場での4ヶ月8期に及ぶロングラン公演は凄い‼️
4期の千穐楽に立ち会えて幸せ
トリプルコールに手拍子スタオベ、キャスト全員のひと言挨拶も
第一期から走り続けた山田拓未の清吉はこれにておしまい
みんな身体に気を付けてね
第五期も楽しみ

ソファー

ソファー

小松台東

ザ・スズナリ(東京都)

2025/05/10 (土) ~ 2025/05/18 (日)公演終了

実演鑑賞

小松台東の新作。大きなソファーを巡る物語。110分。5月18日までスズナリ。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/06/post-071cb7.html

トイ

トイ

muro式

森ノ宮ピロティホール(大阪府)

2025/05/25 (日) ~ 2025/06/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

このテーマを喜劇にそして誠実に落とし込んでくれてありがとう!喜劇で感動させる舞台が1番すごいと思う!とんかつのコントめっちゃ好きだった!狂気と面白のバランス。
最後直前の井上陽水をなんで陽水だけで言ってたのか自分には十分に伝わった。スーパーラブ舞台。

叙情詩劇【失楽園】第一部「ゲットー」

叙情詩劇【失楽園】第一部「ゲットー」

エンギ シャ

テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)

2025/05/04 (日) ~ 2025/05/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

入場無料投げ銭制。
この公演は、叙情詩劇【失楽園】として第一部「ゲットー」第二部「mother」第三部「天国の朴」の三部作を3か月連続で上演し、8月には三部作の通し公演を予定しているという。謳い文句は「命を冒涜する生き方へ問いかける」と言ったところ。

物語は、時代や場所を錯綜させ 人間と社会の関わりを重層的に描き出す。人間の無知や傲慢等といった愚かしさ、その結果 社会は混乱・混沌とし世界は滅んでいく、そんな警鐘を鳴らす。一見、アングラ演劇のような 反体制運動や反商業主義が根底にあるような錯覚に陥る。何もない空間に 壮大にして独特な世界観を創り上げている。それは絵空事ごとではなく過去の悲惨な出来事を出発点にしている。

全体として 描き伝えたいことは解かる。場面と場面の繋がりは断続し、しかも入れ子のようであり劇中劇といった観せ方で、脈略を捉える(追う)ことが難しい。しかし逆に言えば、物語の混沌とした世界観は、舞台ならではの面白さとして感じることが出来る。少しネタバレするが、素舞台(丸椅子3つ)で役者4人(女優3人、男優1人)がその演技力で幾つもの世界を築いていく。しかも女優のうち1人は、交代で舞台技術(音響や照明)を担当する。世界(物語)の違いを表すために舞台上で瞬時に着替え、違和感なく次の場面へ、そして新たな人物像を立ち上げていく。その演技力は見事!
(上演時間2時間 休憩なし) 

ネタバレBOX

無政府状態に等しい混沌とした風景を切り取り、或る社会の裏面史を生活者の目線から見た批判・感覚劇。場景を断続しながら紡ぎ、不思議な構図 その階層を築いていくようだ。

時は近未来。ランとスーは「motherの後継者」として無限の次元を冒険している。今の次元は2人で演劇活動を行っている。生と死を消費している世界において、市民1人ひとりの人生は社会に適応出来なければ隠遁しろと迫る。現実を見れば、mee too運動やコロナ禍 騒動など、全体正義の同調圧力に苛まれている。スキャンダルやハラスメントの告発は、それ自体深刻な問題であるが、それがSNSやメディアにかかれば正義というエンターテイメントによって陳腐なものになる。ハラスメントの告発は正しくても、セカンドハラスメントは卑猥で好奇に晒される。

一方、富士山の裾野に広がる青木ヶ原の樹海では、政府の人間再生施設「ゲットー」が開発され、人々は 社会で生きるか、死のどちらかを選択する「再生プログラム」を受けていた。そこに居るMとラン、スーとの出会いを通して生とは何かを考える。究極の選択は、ある意味 戦時中であり倫理感の欠けた自己中心的な考えであり行為。生きる者は強者であり 死を選ぶ者は弱者、まさに資本主義社会の構図に近い。ここでは反転した世界を描こうとしているようだ。争いの果てにある「核」は全てを滅ぼすといった警鐘を鳴らす。

物語が展開するとメタメッセージのような。場景を交錯というか入れ子のように描くため、何を訴えているかを考えながら筋を追うことになる。いや 逆に筋を追いながら考えている。鮮やかに区切られていく時間と情景ー今の次元 2人の演劇活動では、劇中劇のような様相の中で 社会の問題を点描している。ハラスメント・me too運動そして倫理感の欠如などの連鎖と拡散、その先の見えない不気味さ 怖さ。その言い表し方が難しい世界観、それを役者4人が熱演していた。
次回公演も楽しみにしております。
『流浪樹~The Wanderer Tree~』

『流浪樹~The Wanderer Tree~』

ゴツプロ!

本多劇場(東京都)

2025/06/02 (月) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても暖かさを感じる舞台だった。
台湾出身のお二人の日本語を交えた熱演。カーテンコールでウルウル来てしまいました。
役者陣が皆素晴らしく、中でも林田麻里さんが印象に残った。
中津留氏主宰のトラッシュマスターズでよく見る「長台詞による議論」とは趣の異なる、役者の会話のやり取りや細かな演技が良かった(トラッシュでも無いわけではないが…)。
カーテンコールでもお話があったが、この舞台が日台友好につながると素敵だと感じた。

あさがお企画『楽屋』

あさがお企画『楽屋』

あさがお企画

六本木ストライプスペース(東京都)

2025/05/22 (木) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/24 (土) 14:00

昨年の初演も観ていたが終盤の「ある時点」まで女優A・Bの顔を見せない演出が特色にして秀逸。そしてその後に展開される「アレ」も楽しい。
この会場、1年間延命との噂も耳にしたのでもしそれが事実なら来年もう1回観たいなぁ。

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