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引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2021/04/21 (水) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

公演は「紬」と「結」の2チーム。自分は「結」(大千穐楽)を観劇したが、終演後の挨拶で主宰・星宏美さんが落涙、それにつられて自分も涙腺が緩む。
さて芝居は、コロナ禍の状況を物語に重ねるような、そこにこの公演(演劇に対する思い)の真骨頂をみる。
(上演時間1時間50分)

ネタバレBOX

舞台セットはシンプルで、下手側に机とパソコンが置かれているのみ。正面には色とりどりの三角形をした羽目(硝子?)板のような造作。舞台がシンプルゆえに、逆に人物描写の深掘りが求められる。

梗概…物語は某劇団の公演中の受付。そこに現れたのが星乃美桜(星宏美)。入団希望者としてやってきた美桜は、劇団主宰者・佐藤慶大や主演女優兼制作の北郷春(中山ヤスカ)の養成所時代の恩師の娘。一方、父の星乃真咲は、娘が弱視というハンディを負っていることから、女優になるのは難しいと反対する。しかし、美桜の決意の固さと彼女の母親で元女優の故・星乃いぶきの事を思う劇団員達の理解や協力もあって劇団員として舞台に上がることになるが…。

美桜は弱視で、その世界(視野)は5円玉の穴から見るようなものだと表現している。先がボヤけ見難さは、まさにコロナ禍における先行き不透明で不安な状況そのもの。美桜がどう生き世間とどう関わっていくのか、別の観方をすれば、コロナ禍においてこの状態とどう向き合い、その状況と関わっていくのか。まさに今の状況に通じる重要なテーマが横たわる。その危うい状況を誰かのせいにするわけではなく、何かを成し遂げるためには自分で障害(物語では弱視を障がいと表現)を乗り越えようと努力する。

「演劇」は、稽古から本番まですべて人との関りで進んでいく。それが当たり前だと思うが、状況は一変する。今は劇場での実演、ライブ配信、アーカイブ配信など色々な手段を通して観客と関わる。本公演も上演するまでには相当な困難(感極まって星さんの涙)があったと思われるが、それでも舞台という芸術の必要性を訴える、そんな気概を思わせる内容であった。舞台は毎回異なる、その公演を行う者、それを観ようとする者、まさに一期一会、それこそがタイトルの”引き結び”ではなかろうか。

次回公演も楽しみにしております。
お後がよろしくありますように

お後がよろしくありますように

大人の麦茶

ザ・スズナリ(東京都)

2021/04/14 (水) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

映像鑑賞

医療従事者です。配信を見ました。

ネタバレBOX

ほぼ毎日、陽性患者と接してる人間からすると、あまりに新型コロナウイルスに対しての認識が自分とは違いすぎて正直最後まで見れませんでした。私たちが陽性者や濃厚接触者にどれだけ神経使って接してるのかなど全く分かってないと感じ、フィクションだと思っても楽しめなかったです。
職場と家の往復だけの生活のなかで久しぶりの観劇と楽しみにしていただけに、Twitterなどで他の方のレビュー見て一般の方はこの内容で楽しいと思えることがショックでした。
最後まで見れば感想は変わるかもですが、自分の毎日の仕事を否定された気がして続きを見る気が起きなかったです。
医療従事者や身近に感染で亡くなった方がいるような方には楽しめない作品だと思います。
アンティゴネ

アンティゴネ

SPAC・静岡県舞台芸術センター

駿府城公園(静岡県)

2021/05/02 (日) ~ 2021/05/05 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

丸一年お預けを食ったSPAC訪問。休日の小旅行を兼ねた久々の観劇にほくほく。目当ての『アンティゴネ』は2019年NY公演からの凱旋上演が1年越しで実現した舞台(とは前説で知った。何しろ昨年はそれどころではなかった)。
夕刻辿り着いた広大な駿府城公園内の特設舞台は、西向きの客席の前に横広に広がるステージを挟んだ向かいに荘厳な高い壁(足場に網を張ったもの)がそびえ、薄い残照に骨組みが透けている。目の前のステージは全面に水が張られ、下手、中央、上手に石が組まれ、クリーム色の布をまとった者らが火をともしたガラスの器を手にうごめいている。衣裳は一枚物のドレスにターバン、顔の下半分に薄布を垂らした形で、顔が見えないのはもどかしかったが、本編に入って(話者=スピーカーでない方の)演者=ムーバーはいつの間にかマスクを取り素顔を見せていた。アンティゴネの演者を初め若手の新人と見ていたら、終盤漸く美加里氏と認め、驚いた。

開演の合図は鳴り物。団扇太鼓等を手に上手・下手奥からプールサイドの畔を通って6名が道化よろしく登場、観客に向かってフレンドリーに「アンティゴネ」をかみ砕いて概説。だがラスト手前までをほぼほぼ説明し、「さてどうなる事やら」で去ったので、ごっそり省略して終盤をどんな上演に?と見ると、物語はやはり最初からやられていた。

宮城總によるギリシャ悲劇演出の肝は、音楽にあった。もっとも宮城舞台の殆どに棚川女史の打楽器主体の音楽は欠かせないので、言うなれば我々の耳馴染みのある「和」の音を橋掛かりに、翻案されていた。それが明白になるのは吉植氏が日本の盆踊り風の音頭で謡いをやった時。開演時の火入り器の縁をなぞって音を出す導入から、筏を漕いで出る僧侶、彼がラストに水面に流す燈籠と、「弔い」を介在して和洋を取り結ぶ舞台となっていた。

この物語での「悪役」である王クレオンは、アンティゴネ、及びイスメネの二人の兄の死(差し違えによる)に際し、国家への貢献と叛逆それぞれに報いる扱いをする。即ち弟エテオクレスには天に送る弔いを、逆賊の兄ポリュネイケスは遺体を放置し、弔った者を死罪にするとのお触れを出す。見せしめの処置である。これについてクレオンは政道に従ったのみと自らの哲学を語る場面がある。
だがアンティゴネはお触れに背き、兄ポリュネイケスを土に埋葬し、三度水を垂らす正式な儀式で天に送る。妹イスメネは姉の身を案じ、自分も死んではならない、姉が行くなら自分も行くと説得しようとするが、アンティゴネは決意揺るがず妹をこれに加担してはならぬと制止する。
王の死とその息子兄弟の死により王位を継承する事となったクレオンは、アンティゴネら兄妹の叔父に当たる人物だが、アンティゴネはクレオンの息子、ハイモンの許婚でもある。アンティゴネの所行により、クレオンは息子の許婚を処刑せざるを得ない巡り合わせとなるが、父は「政策の一貫性」にこだわり、庶民の間にアンティゴネの所行を賛美する声もあると聞いても曲げようとしない。
この父に対するハイモンの説得場面が「歌う」ギリシャ悲劇のリズムを逸して、現代的な高速台詞での議論となる。政策の失敗を認めないためだけに「政策の一貫性」にひたすらこだわり続ける様は、日本の現政府の態度そのものだが、その愚かしさをこの場面はあぶり出す。弁の立つ議員とそれに答えようとする大臣が居れば、このようであろう国会質疑を見る感覚である。

ハイモンの必死の説得の後、クレオンはアンティゴネを洞穴に閉じ込める(これは餓死に導く死罪に当るのか本人の努力次第で生き延びる余地がある措置なのか不明)。ただ物語は、アンティゴネの自死とその後を追ったハイモンの自害が「事件」としてもたらされ、王は初めて悔い己を死をもって罰せよと天に叫ぶ。(二人の死がまとめて事件として伝えられるので、ハイモンの死だけが予期しなかった事件なのか、アンティゴネの死も事件の範疇なのか不明、作者はうまくぼかしている?)
クレオン「気づくの遅いよ」と、突っ込みが入りそうになる。
じつは解決法は簡単で、現代の我々ならこう整理する。
アンティゴネの「弔い」は肉親の情愛からのもので「個」に属し、クレオンの処置は国家としての処置であってそれはそれで成り立つ。個人は弔い、国家は死者に罰を与えた、で終われば良い。つまり「奴を弔った者は死罪」が余計なんである。
逆賊を他者が弔うならそれは政治的な叛逆の姿勢の表明になるが、肉親が弔っても世人の理解も得られる(王への叛逆とは考えない)。お触れの出し方がまずかったんでしょ、で収まってしまうと言えば収まる。

それでもこのお話、見始めて暫くは、以前新国立研修所の『アンチゴーヌ』を観て今一つであった事を思い出したが、時間を追うごとに普遍性の土台をもって迫ってきた。

ネタバレBOX

アンティゴネの哲学とクレオンの哲学、この二つは一見、政治論としてはどちらが正しいとも言えない気がする。

だが、「死者は弔われるべきだ」とのアンティゴネの思想は、生前その者が何をしようと、生を全うした者に敬意を払うべきだ、と翻訳できるだろうか。
ポリュネイケスが叛逆した「国家」とはその時点での国家でありポリュネイケスは本来あるべき国家を望む故にその時点での国家に叛逆したのかも知れない。(その辺の事情は出て来ないが、死者を冒涜するだけの正邪の確かな審判など人間には出来ない、との含意は認め得る。)
この点でのアンティゴネの(直感的な)正しさに対置されるクレオンの思想は、実は対置するようなものではなく、他者の言葉をもはや聞き入れない自己絶対化に陥った愚者の「行為」であり、議論の成立しない関係とみるのが正解ではないか。

ありきたりな結論ではあるが、これを今に振り向けると、国会の議論がこのサンプルになり、これを我々は追認しているのではないか。
つまり・・野党が「議論に値する相手だ」との想定で与党へ質疑を試み、時に「共同して」成立させてきた法案が、どれも不正解に思える。問題を解決するどころか山積する問題を積み上げた政権には、クレオンに対するハイモンのように「対決」こそ必要なんでないの?という事だ。
「政治」に参与している実績を積みたいためだろうか、野党は愚か者を「相手にしている」。これでは公明党と同じ、「最悪の法案を通されるよりは少しでもマシなものにする事で貢献する」の論理に埋もれてしまい、「野党も与党も違いが判らない」状態にまたぞろ近づくだけではないか。
コロナ特措法、デジタル法案、問題ありの法案になぜ賛成してしまうのか。それは議論する相手でもないクレオンに対決せず、譲歩を引き出すためだと(傍から見れば)政権にすり寄り、ありもしないメリットを得ようとしているからではないか。。私には自民側が譲歩できる余地を残し、野党に「参加意識」「やってる感」を与え、ガス抜きしてるだけでないかと思える。まんまと手玉に取られている。

話がだ~いぶ逸れたが、古今東西人の過ちというものは変わらぬ。そして人々は「見えて」いても、無力。だから物語を見ようとする。自分を持ちこたえようとする。
ビルマの竪琴

ビルマの竪琴

劇団文化座

俳優座劇場(東京都)

2021/04/15 (木) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

映像で鑑賞。劇場に行かれず大そう悔んだが映像配信と聞いて一も二もなく視聴券購入。時間のある日曜夜ゆったりと鑑賞した。
小説も読まず映画も観ていなかった自分には、シンプルな物語素材と構成による本作は新鮮で、シンプルである事の強さに感じ入った。歌われる唱歌もシンプルな旋律のものばかりだが素朴に琴線を叩いて来る強さがある。
演劇のカテゴリー的には新劇の範疇になろう演目、冒頭流れるインストの旋律だけの音楽が、一気に「現代」の時間へと物語を引き寄せた。
舞台はニッパの葉で織った小屋と、薄茶けた兵隊服、背後は恐らく映写でもって和紙を刷毛で汚したような肌合いに、遠く高山の頂き付近と見える稜線がさっと墨で描かれ、全体で見事に調和した絵となり自然の広大さも感じさせる。既に終戦と間もなく知らされる時期、兵士らは長引く駐屯の殺伐を合唱で和ませている・・やや浮世離れした閉じた世界と、外界との対照がいい。
水島上等兵という特異な一人の存在の投げかけるものを、受け止める余地が隊員たちにある。これらの人間像は「戦後文学」(と言われるカテゴリー)の中で、あるいは現実の日本人においても一つのモデルであり、平和憲法を頂く日本の戦後レジーム(安倍が用いたネガティブな意味でなく)の平和思想を象徴するようにも思う。
水島は「目にしてきたもの」を心の内に秘め持つようだが、具体的なエピソードとしては語らず思想の問題として孤独に乗り越えようとし、仏教へ傾斜する。そして彼を遠い人のように眺める凡人らは、しかしビルマに残るという水島を「忘れない」という決意をする。
戦争の惨禍に見合う決意を、今描くとするなら、「水島を忘れない」ではなく「水島が何をどう見たか」を忘れないと言わせたい。だが捕虜生活を終えた兵士らには彼を忘れないという宣言が精一杯の良心の発露であったと想像する。
戦争はそれが終わった時、生存者に様々な恩恵も与えた。だが日本はその恩恵を使い果たしてしまった。

堕天使は薄い本を閉じて

堕天使は薄い本を閉じて

E-Stage Topia

上野ストアハウス(東京都)

2021/04/29 (木) ~ 2021/05/09 (日)公演終了

映像鑑賞

鑑賞日2021/05/09 (日) 13:00

価格3,000円

チーム内回り千穐楽を配信で観劇。
ぶっとんだ内容を大真面目にやることに意義がある。
セリフに含まれる大量の駅名の全てを把握しきれないところはもどかしい。ちょいちょい差し挟まれるので、台本が欲しいくらいである

舞台『菅生ゼミ休講のお知らせ-再々演-』

舞台『菅生ゼミ休講のお知らせ-再々演-』

【菅生ゼミ休講のお知らせ】製作委員会

新宿スターフィールド(東京都)

2021/03/31 (水) ~ 2021/04/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。Cチームを観劇。
再再演ということで題名に「3期」がつきました。持田さんは再演の前回では桃瀬役でしたが、今回は青木役。まったく違う性格、どちらも良かったですが、青木役のほうが合っているように思いました。
今回の桃瀬役は花梨さん。いわゆる不思議ちゃんの役、予想通り、ぴったりでした。
Cチームは計6公演で、1,2,3,6回目の計4公演を観劇しました。毎回楽しかったです。

ネタバレBOX

演者の皆さんは靴裏に絵の具をつけて演技します。基本的に各自を象徴する色で、青木役は青、黄田役は黄色、という感じです。
床に敷かれた大きな2枚の布には、演目が進むにつれて靴によってさまざまな色が付けられていきます。赤、黄、橙、緑、青、桃、紫の7色かな。
茶色と黒は特別で、最後の仕上げのときにだけ使われました。茶色は木の根元の土を表現、黒は全体のサイン「Sugaizemi」の文字として。
そして2枚の布をつなげて、ひとつの絵が完成します。公演ごとにできあがる作品はお見事でした。
青と紫の手形は、蝶を表現していると解釈しました。

電気のビリビリペンのシーン、1回くらい本物でやって欲しかったです。盛り上がったと思います。
みんなが手をつないで電気ショックを受けるシーン。電気が波のように伝わってショックを受ける演技でしたが、残念ながら不自然でした。本当に電気ならば同時なので。これも1回本物でやったら良かったと思います。とても盛り上がったに違いありません。

Cチーム2回目の公演だったと思いますが、桃瀬役の花梨さん「名古屋でネイルサロン」に対して紫水役の詩えりさん「なんで神戸?」という、変なところがありました。台本では神戸ですが、なぜかこの回だけ名古屋と。
お後がよろしくありますように

お後がよろしくありますように

大人の麦茶

ザ・スズナリ(東京都)

2021/04/14 (水) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

ほのぼのチラシで名のみ知る劇団を「配信」で観劇。舞台は舞台として、まず劇団の持ち味を知りたい自分は「いつもと少し違ってた」らしいレビューも参考に探ってみる。若手のインディペンデント色の強い劇団と勝手に想像していたのだが、俳優が割と容姿的に粒揃いでハードボイルドやっていたのは意外。その意味で(年齢の問題でなく)「若手」という印象ではない。後で調べてみると15年前あたりに第十二回公演とあるので実は20年選手、紀伊國屋ホールでやってたりしたと知れば益々印象は変わる。
「カッコ良さ」を演出する石澤氏のギター生演奏は今回の趣向でなく、過去からお馴染みのものらしく、チラシが醸すほのぼのイメージはほぼ消えた。

ネタバレBOX

舞台の方は「探偵」「裏社会」をコロナの現在を時代設定にうまくフィクション化していたが、ストーリー的に突っ込みどころは多々ある。ただそこを脇へ置いて見ている自分がいる。何を見ているかと言えば、役者の放つ魅力?というよりやはり容姿力だったように振り返る(今の)自分がいる。ぶすが泣いても石投げられるが美少女の涙はそのストーリーに入りたいと男に思わせるというベタなアレであるが、作者は役者陣を当て込んで作劇をしている模様。
新型コロナの世情ならではのエピソードが考えられているのは特徴と言える。夫が職場で事故に遭っても濃厚接触者なので搬送先の病院に入れない、と訴えに来た妻(看護師)に、「探偵」グループは妻を女性弁護士に変装させ「非合法に」夫に合わせる措置を取る。そこには過剰な警戒が人権を損ねている現状への批判的眼差しがある。
ただ、「go-toも五輪もやめちまえ」と言う台詞は少々芸がなく感じる。

go-toも五輪も利権の産物であるのは共通であるが、経済政策としてのgo-toは、実施を前倒しした事、県境を越えさせた事は全くの「コロナ無視」。その事をもって利権性が露呈した。が、産業へのテコ入れは必要だ。
五輪については運営のまずさをもっと反省すべきだが五輪そのものに罪はない。「コロナ拡大イベント」にならない開催方法が探られて良く、「どうせ利権だ」と全否定すべきでないと個人的には思う。
否定論の理由の一つに日本人のワクチン接種率の低さが挙げられているが、6万人の選手と関係者分のワクチン接種で「感染イベント化」は防止できるのでは?と思う。 (接触する人の片方が「隔離人口」に含まれていればそこでは感染は起きない、という単純な理屈が忘れられている。)
欧米に比べて2桁も低い感染率の日本の現状で大騒ぎしてるのは、殆ど医療体制の問題だ。この医療体制・検査体制の問題に殆ど手が付けらておらず、しかもそれへの批判が見られない事は、私には人々が「本気」でこの病気を克服しようとは考えていない証ではないかと思える。病気より、自分が「悪」の側に認定される事の方を恐れている・・?

大きい話になるが、感染弱者(重症化しやすい人)を「感染から保護する」という観点が語られないのももどかしい。
もっとも日本の高齢者は人口の三分の一近いので「隔離」という言葉のイメージにはそぐわないが、感染弱者の行動の自由を確保するために、未来を担う若者が貴重な「行動」「体験」の機会を奪われ、全体の活動を制限することで経済は停滞し、結果日本全体を損ねている事が、このコロナ禍下の「厳しい現実」でもある。(1年余で1万人超のコロナ死者数は、交通事故死3千人やインフルエンザの数千人より多いが、元々高かった自殺者2.1万人は減少傾向から上昇に転じた)。
これが「感染防止」という価値最優先社会の帰結だとすればどうだろう。。
経済についても、停滞にコロナが追い打ちをかけている今、根本策に踏み出す時ではないか、と考える所だ。
たとえばオンラインであれオフラインであれ、回せる経済を回すには、人々がその場その場で泉から汲んだ水(=モノ・金・サービス)を経済の回路に注ぎ込むあらゆる機会を可能にする事だ。それには手近な所に泉があり、そこに色んな所から水が流れている事。大元の供給者は政府である。「格差の固定化」にこだわる狭量な人間を無視できるなら、「サービス使用権(通貨)」を全体(個人や個人に近い単位である中小企業)に振りまく政策が最も有効ではないかと考える所以である。

関連して、感染弱者(重症化しやすい人)は「出歩かない」事で身を守る選択肢が与えられるべきで、個人が「出歩く」選択をして感染すればそれは自己責任だ、という考えに到達できるかがカギだと思う。
この論は「医療逼迫」への処方箋ではないが、逆に、医療現場は過重な労働を強いられない自由がある、と考えるべきだ。
残る問題は行政の領域になる。お上頼み、ではなく私たちが真摯にそれを求めて行く必要がある。行政は医療の受け皿を縮小してきた方針を見直し、再編を試みるべきだが、この時、各個病院・施設が馴染みある働き方や地位を保証されてきた過去と決別し、公共機関としての使命の下に(消防士と同じく)再編に応じる覚悟ができるか、ここは大きな障壁になる。
医師会を票田に持つ自民党に抜本的な改革は無理、だからどうでもいい時短要請、緊急事態宣言(言葉だけは仰々しい)しかやれていない、との勘繰りにも合理性がある。

ただし、検査体制の方は「増やす」という話なので進められるのではないかと考えるが、これが一向に進まないのはお金を渋っているからだろう。民間の検査機関を含めれば隣国や欧米諸国と遜色ない検査数の分母が用意できるのに、やらないのは無料PCR検査に民間を絡めると業者に払う金が要るから、という単純な話。「お金の使いどころ」で五輪を批判するのは大いに賛成だ。(そもそも復興五輪だったのに五輪の恩恵がないばかりか被災者に優しくない政策ばかりやって来た。)
検査の話、歯科医や薬剤師にも技術を習得させ、検査拡大しようという話が出ているが政府は相手にもしていないようだ。「本気」でコロナと対峙しようとしていないのが判る。
なぜ検査拡大が必要か。発症前感染者(最も感染力が強い)を把捉するためだ。これができないから感染防止は一向に進まない。

でもこの状況はあの原発事故を起こしてさえ原発利権構造を解体できなかった日本では、自然な光景なのだろう。従前のあり方が「成功」だと思い込んでいる日本人に、従前の形を手放す勇気などなく、ゆでがえるのように凋落の時を待つしかできない。

・・・つまり、「五輪」は汚れた利権構造の象徴だが、これを叩くだけではコロナ状況の根本問題は解決しない。
以上、「少々芸がない」、と書いた理由。
三国志〜たった二人の赤壁の戦い〜

三国志〜たった二人の赤壁の戦い〜

国産本マグロ

高田馬場ラビネスト(東京都)

2021/01/02 (土) ~ 2021/01/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

三国志は学生時代に読んだ。公演の前説では横山光輝氏の「三国志」(漫画)を紹介していたが…。映画「レッドクリフ」(partⅠ、partⅡ)も観ているから、内容の面白さは十分理解しているつもりだ。2人だけで三国志の主要人物を演じ、特に「赤壁の戦い」はその中でも有名な人物が登場し、よく知られた8場面を持って分かり易く展開していく。2人だけと記したが、正確には案内役2人と舞い手(ダンサー)2人がおり、物語を立体的に構成していく。芝居だけではなくコント的要素も取り入れ笑いを誘い、観客を飽きさせない工夫もある。なにより2人だけで三国志という時代絵巻の壮大なスケール感を出そうと試みているところが魅力的だ。
(上演時間2時間 途中 換気の休憩あり)

ネタバレBOX

セットは可動式の衝立2つ、箱馬2つというシンプルなもの。もっとも合戦劇であるからアクションスペースを確保する必要があるため理に適っている。物語は西暦180年~280年頃の中国ということで、中国歴史に詳しい人でなければ背景・状況が理解し難い。その分かり難さを補うために案内役(雰囲気ある衣装と髪型)が適宜登場し、上手・下手側にそれぞれ立ち第1場から第8場を要領よく説明していく。
またダンサー2人が合戦時における雑兵役を担うが、赤壁に因んだのだろうか、真っ赤な衣装を纏っている。そして音響はもちろん照明も凝らしている。例えば第3場で諸葛孔明が曹操軍から闇夜に10万本の矢を奪うシーンでは暗転しレーザービームライトで矢を射ているような効果で観(魅)せる。

基本的には2人だけで演じるから会話劇にならざるを得ないが、身体を回転させることで人物が変わったイメージを持たせる。オーソドックスな方法であるが、そこに人物風貌を面白可笑しく加え説明することで取りあえず物語を進める。物語に登場する人物はもちろん、本公演の副題ーたった2人の赤壁の戦いーというキャッチコピーからすると、役者2人もアヴァンギャルドな漢(おとこ)という印象を持った。

最後に、物語を知っているか否かで観客の興味・理解度合いも異なると思うが、時々に入るコント的な妙味とダンスパフォーマンスが公演を盛り上げる。新年早々とても面白い「三国志」を観ることが出来た。
次回公演も楽しみにしております。
ナイト・クラブ

ナイト・クラブ

黄色団

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2021/04/16 (金) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽を観劇。
劇団の4つのオムニバス公演?!

■演劇部
高校演劇の大会が…、人は案外良く見てるよね。

■社員の彼女
社員の仕事は大変で、楽なアルバイトは…

■女難と幼馴染み
結婚だけが幸せじゃ…、再開した幼馴染みからの猛烈アプローチは…

■修理工場の男女
楽しさ寂しさは人其々、幸せって何だろう?
での寂しさは辛いよね…

4つのオムニバス、家族や友、様々な感情が!
故郷の友を思いだしつつ、不義理な自分が悲しすぎる。

波高けれども晴天なり

波高けれども晴天なり

無名劇団

大阪市中央公会堂(大阪府)

2021/04/17 (土) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽日観劇。
やはり尾形大吾さんは存在感ありましたね。
そして今回も泉侃生さんの個性が爆発してました!
女性がまだまだ生き辛い大正の時代。
画家とアトリエオーナー、そして女優、己が道を信じ生きた人達。
芸術って何なんでしょうね?
不要不急って何なんでしょうね?
でもこの公演で、私は元気と生きる活力を貰えたよ。
演劇って良いよね、胸張って頑張って信じる道を進んで行こう!

産声は挽歌の如く

産声は挽歌の如く

大陸窃盗団

EARTH DIVER(大阪府)

2021/04/17 (土) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇
暗黒街のヒーロー爆誕!
男装の奇人・変人・怪人…
若き日の明智小五郎と、友人、遊女、恩師の物語が垣間見れ、且つ怪事件も飄々と解決!

いつもの男優さんに、妖艶でお綺麗な女優さん、そして颯爽とした越境者さん!
あっと言う間の100分、楽しく観入った。

主演の一二三礼は前回公演から雰囲気をガラリと変えて面白かった。
友人役:福塚すみれさんは前回拝見したピノキオと、こちらもガラリと雰囲気を違え、艶やかな感じでビックリ。
前回公演に引き続き後出演のC-maさんや綾子さん、そして芯の通った感じの彩歌さん、異色の優子さん等々、とんでもない女優陣に対して、だるままどかさんの公演には欠かせない岡田さんと、血だらけ勇人さんが参戦し、とても面白くて異色な明智小五郎シリーズが始まり始まり♪

追伸、会場のEARTH DIVER Cafe & Diningさんで、観劇前にチキンカレー900円を頂きました。
とてもスパイシーなのに、それほど辛くなく食べやすいカレーでした。美味しかったです。
ごちそうさま。

ボイルド・シュリンプ&クラブ

ボイルド・シュリンプ&クラブ

劇団6番シード

シアターKASSAI(東京都)

2021/04/29 (木) ~ 2021/05/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やっぱり生で見なくちゃ!!と思った2時間ちょっと。アフターイベントも楽しかったです。

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

青年団

江原河畔劇場(兵庫県)

2021/04/16 (金) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

平田オリザさん作の銀河鉄道は2度目の観劇。
本やアニメ、想稿より台詞が直接伝わって、ジョバンニやカンパネルラの子供らしいさが、とても良かった。

妻も観たいと言うので2人で遠出。
来れないと思ってた念願の江原河畔劇場に来られて感激!

『無表情な日常、感情的な毎秒』4月公演

『無表情な日常、感情的な毎秒』4月公演

エンニュイ

飯島商店(神奈川県)

2021/04/24 (土) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/04/24 (土) 14:00

2月、3月とは会場を変え、日本間での上演。しかも2階で表の道にも面しているので途中で演者が階段を下りて外で演技をする(観客は開けた窓越しに観る)という大胆な演出あり、小屋主さんによる民族楽器等の生演奏ありと大きく変貌。
1年がかりの「主題と11の変奏」、第2変奏でここまで変わるとはオドロキ。
さて、あと9つの変奏はどうなる?そしてどこに行き着く?

パンドラの鐘【4月25日~5月4日の東京公演中止】

パンドラの鐘【4月25日~5月4日の東京公演中止】

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/04/14 (水) ~ 2021/05/04 (火)公演終了

実演鑑賞

 上演時間は、約1時間50分(途中休憩無)。

 あまり奇をてらわず、真正面から戯曲に向き合う
姿勢に徹した演出が印象的な舞台作品。
 各々の役者が、戦争直前の日本と古代とをまたいで
ほぼ対応する役を交互に演じ分けながら話を進行させる
趣向は、二つの時代の単なる直線的な往来とは違い、
物語に時間的渦のようなものを作り出し、観る者を
スパイラルにその中へ引き込み呑みこんでゆく作用
があるようで、観ていておもしろいが、演じる側は
負荷がかかり相当大変。

 初演時野田版でヒイバア役の野田さんも語り手として、
声のみだが出演。

ドップラー

ドップラー

KOKOO

シアター風姿花伝(東京都)

2021/04/20 (火) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

重なり合う物語の断片を繋いでいくのは、躍動する人々の息遣いだ。

浦島太郎。うさぎと亀。月の上の足跡。お弁当箱。

積み上げられていく断片がしだいにひとつの出来事を形作っていく。

クセになりそうな疾走感とそこからにじみ出る切なさ。

不思議で楽しい時間だった。

てくてくと【4月28日~4月30日公演中止】

てくてくと【4月28日~4月30日公演中止】

青年団リンク やしゃご

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/04/17 (土) ~ 2021/04/30 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇中に登場する障害者と呼ばれる人もそうでない人もそれぞれの「困ったこと」や歪みなどを抱えていて、能力も特性もさまざまだ。

(じゃあ普通って何?)という問いは当然浮かぶけれど、そういう一般論に落とし込むよりまずは劇中の彼ら・彼女らに気持ちが寄り添う。

細やかな感情表現、会話のリアルさ、ゆるやかなユーモアと切実さのバランスなど、脚本を存分に活かす俳優陣の演技の誠実さも印象に残る。

今回も何ていうか、一つひとつの場面が明日も明後日もここで繰り返されるのだということが信じられないくらいリアルで切実な時間だった。

斬られの仙太【4月25日公演中止】

斬られの仙太【4月25日公演中止】

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/04/06 (火) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

4時間20分という長丁場にじっくり浸る。

『楽屋』で言及されていたのでタイトルだけは知っていたけど、そうか三好十郎氏の戯曲なのか、と改めて。上村聡史氏の演出の切れ味が冴え、オーディションで選ばれたキャスト陣も手練れ揃いで見応えがあった。

1934年初演の戯曲が今もなお時代の矛盾を抉り出す。観客の集中力も途切れず、充実した時間と空間。カーテンコールはトリプルとなった。緊急事態宣言により急遽翌日は休演となりこの日が実質的に千秋楽となった。

ボイルド・シュリンプ&クラブ

ボイルド・シュリンプ&クラブ

劇団6番シード

シアターKASSAI(東京都)

2021/04/29 (木) ~ 2021/05/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

4話を一気に上演した回のため全体の熱量というかいい意味でのお祭り感が他の公演とは違うのかもしれないが。テンポ感が自分にはしっくりいって終わってみて振り返ると一瞬だった印象

パークビューライフ【4月25日大阪公演中止】

パークビューライフ【4月25日大阪公演中止】

エイベックス・エンタテインメント

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/04/07 (水) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/04/16 (金) 18:00

素敵な舞台だった。観終わって帰るときハッピーになれる、そんな作品だった。観るべし!
 瀬戸内海の島から東京に出て来た幼馴染みの3人娘たまえ(倉科カナ)・かなえ(中川翔子)・のぞみ(前田亜希)は、それぞれ何かとうまくいかず、3人で島に帰ろうという最後の夜に、屋上庭園に忍びこもうとする。しかし、屋上に登ってみると、そこはペントハウス。留守と思って家の中に入り、希望通り屋上に上がって取りとめもない話をしていると、家の住人よう(風間俊介)と出会うが、よう、は人とうまくやっていくことができず親の遺産で一人暮らしをして絵を描いているだけの日々だと言う。3人の話を聞いてて「一緒に住もう」とようが言い出し、…という物語。
 4人芝居で岡田惠和の脚本が光る。ちょっとありえないけど、あったらいいな、的なファンタジーとして丁寧に作られている。また、4人の演技も素晴らしい。冒頭の3人娘の会話で3人のキャラクターがしっかり示されるだけでなく、20分ほどセリフなしで登場する中で本人のキャラクターを提示する風間が特に巧いと思った。ONEOR8の田村孝裕の演出も、岡田の脚本を活かし、細かい部分もしっかり作られている。どなたかの感想に「プロの仕事」というのがあったが、確かに、と思う。この素晴らしい芝居が、平日夜とは言え、半分ほどしか入っていないのは勿体ないとしか言いようがない。

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