えのきぃの観てきた!クチコミ一覧

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かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

初・かもめ
Bチームを観劇。
実はチェーホフの「かもめ」を全く知らずに観劇した。
登場人物達を『中二病』と括ってしまう解釈が斬新。
いやまさにそうなんだけど。

しにたがり狂騒曲

しにたがり狂騒曲

演劇ユニットちょもらんま

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/10/29 (水) ~ 2014/11/02 (日)公演終了

着想は面白い
まず「外編(45分)」で、とある雑居ビルのトイレ(の前)を舞台として見せる。
休憩15分を挟み、「内編(45分)」で、「外編」の時トイレの中では何が起こっていたかを見せる。
従って観る順番としては、劇団が提供する順番そのままに、「外編→内編」が鉄則。

外編・内編と続けて観られること、話がリンクしあっていることは、プラスの評価。

しかしながら…残念なのは、役者陣に熱量と距離感がない。
距離感がないから、トイレの内と外で「それ聞こえてるのに、これ聞こえないの!?」と心の中で、一人突っ込むことになる。
そして、登場人物一人一人、もっと掘り下げて演じてもらいたい。

私は内編の方がスピード感もあって好き。
死にたがり青年“さくちゃん”の遺書第一稿は面白い。中二病全開・炸裂。
祖父と妹には全否定されていたけれど、自殺する理由としては、十分すぎるくらいだろう。私は支持するが、これは私が中二病であるということなのかしら。

外編・内編ともに、主役は「死にたがりの青年」ではないことも面白い趣向。

スタッフさんの対応も、良かった。

サラエヴォの黒い手【ご来場ありがとうございました!!】

サラエヴォの黒い手【ご来場ありがとうございました!!】

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

やはり劇チョコは好きだ
2時間15分弱。休憩なし。
しかし、そんな長丁場にも関わらず、一度も時計を確認しなかった程、観入った。

「統一か死か(通称黒手組)」「青年ボスニア」「ロシア」それぞれの立場、思想、思惑、考え方、生き方を丁寧に描き、それぞれが主役とも言える程に表現され、だからこそそれぞれに感情移入できる。
ドアの閉め方開け方一つとっても、その人物の状況が伝わる。

それぞれの思惑が乱れ入る、事の全貌が明らかになって思い返すと「あれはそういうことだったのか」と腑に落ちる。

「大人になりたかったんだ」「もうたくさんだ」「届いたぞ!」印象に残る言葉は沢山ある。

第一次世界対戦の勃発を、劇チョコがこのように描くなら、太平洋戦争の勃発を描いた作品も是非観てみたい。
そんな題材を扱ったら、このご時世何て言われるか分かったもんではないけれど。

手を握る事すらできない

手を握る事すらできない

劇団時間制作

明石スタジオ(東京都)

2014/12/17 (水) ~ 2014/12/21 (日)公演終了

若い才能に出会った
下手(しもて)チームを観劇。

良かった。本当に。
こんなにも深いテーマを、こんなにも深く、かつ淀みなく、描ききってくれた舞台は観たことがない。
この作品を観て、次回作も是非観たい、過去作品も観てみたい、と思った。
聞いた話によると、作・演出はまだ23歳とのこと。そんな青年がこの作品を書き上げたことに驚いた。これからが楽しみな才能だ。

いじめをテーマにした作品。
いじめなんだけど、いじめの内容はあまり出して来ない。それよりも、いじめる側、いじめられる側、クラスメート、教師、学校管理者の立場や関わりを丁寧に描く。
あんなに登場人物がいるのに、全くごちゃごちゃにならずに描いてくれた。あんなに登場人物がいるのに、無駄な人物がほぼいない。
それぞれの人物にとっての起承転結がはっきりしている。

いじめる側からいじめられる側への変換、いじめられていた側からいじめる側への変換、問題生徒、正論を振りかざすが何も出来ない教師の葛藤、いじめを認める訳にはいかない教頭、夢を抱いてやってきた教育実習生が懐柔されていく様、殺さなければならなかった理由ーーーこれらが自然に、鮮やかに描かれた。
1時間40分しか経っていないのが信じられない。

現在から回想を挟み(その中にちょくちょく現在からのモノローグが入る)現在に戻る構成。
上演開始直後は固かった演技も、回想に入った辺りから自然になった。
自然と言えば、生徒達のテンポの良さは素晴らしい。コメディパートも全然わざとらしくなく、タイミングによる勘違いなどもとても自然だった。

女子生徒を殺すシーンは暗転するかと思いましたが、逃げませんでした。
そういう演出にした決断、それに応えた役者に拍手。

最高の台詞、最低な使い方

最高の台詞、最低な使い方

試験管ベビー

千種文化小劇場(愛知県)

2014/03/14 (金) ~ 2014/03/16 (日)公演終了

期待を裏切らない
本当、期待を裏切らない試験管ベビーさん。
名古屋で今勢いのある他劇団「劇団あおきりみかん」の鹿目さんや「オイスターズ」の平塚さんまで名前出しちゃって…乗っかりすぎですからw
いやでも試験管ベビーさんがやると、全て開き直りに見えて、それがまた面白いのだが。

今回は舞台に対し、正面・上手・下手の三方向に客席があり、面白い作りの会場でした。

作中の劇団「春夏秋冬」(←このネーミングもw)が初めにやったヘンゼルとグレーテルでの、台詞とシチュエーションのちぐはぐ具合から、後にやった新ヘンゼルとグレーテル、あそこまで変わるとは…さすがです。
劇団員の“言いたい台詞”をデカデカと襷にして掲げているので視覚的にも分かりやすく、「いつ言うのかな?」→「そこかぁーっ!!」と思いながら観ていました。

新ヘンゼルとグレーテルを創る過程も面白かったです。
台詞には、それに合ったシチュエーションがあって、ただ“言いたい台詞”を言うだけでは駄目なのだと、その台詞を言うに相応しい場を創らねばならないのだと、観客にもご教授頂きました。

一番面白かった台詞は「俺について来い!」ですね。
犬のぬいぐるみのシチュエーションは彼にぴったり。
何故ぬいぐるみを引っ張る紐を、テグス等にせず白い紐にしたのか首を傾げますが、彼のぬいぐるみの扱いは一級品wでした。

人皮の本と舞い天狗

人皮の本と舞い天狗

劇団回転磁石

シアターシャイン(東京都)

2014/03/28 (金) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

自分たちはこういうことがしたいんだ!ということが伝わってくる
舞台は、本棚に収められた本でいっぱい。
これを初めとして、美術関連はとても素晴らしい。
映像や照明を駆使して魅せてくれた。
選曲も、場面に合っており、舞台を盛り上げる。
衣装は和洋折衷の明治あたりなイメージ。
役者は舞台上で激しく動くので着崩れするのだが、一度袖に下がって再び登場するときには、きちんと衣装を整えて来る。これが徹底されていて好感が持てた。

役者は、狭い舞台を所狭しと動き回る。激しく。
だが、それにばかり気をとられているのか、台詞が会話になっていないというか、言っているだけというか、そんな感じがする。
それを動きでカバーしているように映ってしまった、私の目には。

私には、物語がほとんど分からず。
理解力の乏しい私だからなのかも知れませんが…
結局、ウツロって何なの?天狗って何なの?あれはどういうこと?これは?って色んなことが分からないまま物語が進行し終了してしまった。

ただ、冒頭で触れた映像を駆使した美術や、出演者の半数以上が心得のあるであろうダンスや日舞様の所作など、「自分たちはこういうことがしたいんだ!」ということが伝わってくる舞台だった。

龍馬疾風録

龍馬疾風録

オフィスワンダーランド・(一社)演劇集団ワンダーランド

新宿村LIVE(東京都)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/08 (日)公演終了

頑張って。そしてお疲れ様。
Aチームを観劇。約2時間。休憩なし。
開演時間になってから諸注意を言うのはどうなのか。
「お手洗いはお早めに」って、もう開演時間過ぎてます(^^;)
遅れ10分弱。

さて本編。
前半は説明に終始してしまった感があります。
私がおぉ盛り上がってきた!と思ったのはラスト30分でしょうか。
(共に観劇していた幕末好きの方曰わく「幕末好きには堪んない」内容だったようです)

当日パンフレットのコメントにもあったとおり、史実の中にありながら「んなわけないやろ」という内容になっています。
しかし、だからこそ楽しめたと思います。観劇しながら「えぇー!?ないない(^-^)」みたいな。

印象に残るのは千葉重太郎、東徳之進。

堀川蓮之丞はすごくおいしい役なのにもったいない。何だか一貫性のない人物に映ってしまった、私には。
茜太夫はもっと“格上の女”感が欲しい。

時代劇って、本当に難しいですね。
所作ね。着付けとか着崩れ直すのとかね。

ゴールド

ゴールド

金曜の夜の集会

荻窪小劇場(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

私の理解力不足であることを祈ろう
内容が難解。訳が分からない。

宮沢賢治の「よだかの星」「銀河鉄道の夜」をベースにしているのは分かる。
一つ一つのシーンも理解できる。

……が。
例えばシーンA、シーンB、シーンA’、シーンB’があるとする。
それぞれのシーンは理解できるのだが、これらがリンクし合う時、シーンAに於けるCというものが、シーンBでは何なのか何を表しているか、それが分からない。
それが分からないから、シーンがリンクし合わず、結果、物語全体を通しての展開や言いたいことが「?」になる。
結局、事の顛末は?金糸雀さんは?カンパネルラは……?

ただ、役者の台詞のテンポの良さや、照明の美しさ、白い布の使い方は素晴らしかった。
青・緑系の美しさと、蛍光塗料を散らした白い布はため息が出るほどの美しさでした。

心の中、翼ひろげて

心の中、翼ひろげて

夏色プリズム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/02/27 (木) ~ 2014/03/03 (月)公演終了

衝撃作
1時間40分弱。休憩なし。
これは見る人を選ぶ作品。実際、途中退席された方もいらっしゃった(それが退席の本当の理由かは分かりかねますが)。賛否両論であろうことが予測できる作品。
しかし、これがきちんとした取材をした上での作品であるならば、そうであるならば、うん…衝撃的な作品である。
劇作家が、何故そこを舞台に脚本を書こうとしたのかはわからないが、なかなか他の誰かが取り扱おうとしないだろう題材を取り上げたことを評価したい。
小劇場の舞台だからできる題材であり、だからこそ許さ
れる表現も散見される(昨今のTVでやったらご意見が沢山来そうなちょっとツッコミたい訂正したい部分がある)。

それぞれの登場人物の立場、そこから派生する「普通の」考え方。
健常者と障害者・孕んだ者と子を宿せない者と流れてしまった者・入居者と従業員、それぞれの意志や考え方は、立場が違えば考え方も異なるのだが、各々きちんと筋が通っていて、それぞれに共感できる。
それだけ役者各人がキャラクターを作り込んで演じてくれた。

観劇後、今改めてチラシを見ると、なかなか思う所がある。
「アナタを想えば想うほど
 アナタの真っ直ぐな気持ちが痛い
 …大切なヒトはいますか?
 …大切なヒトを理解していますか?
 …大切なヒトをどこまで理解しようと思いますか?」

中身の濃い1時間40分を過ごさせて頂いた。
受け付けない、拒否反応が出る方でないのなら、是非最後まで観てほしい。

ネタバレBOX

障害者の入居する施設が舞台。
入居者達は四肢に障害があるだけで、その他は健常者と変わらない。人を好きになる気持ちも、性欲も。キーワードは「性介助」。
この施設で働いていた従業員の兄が、施設の責任者に詰め寄っているところから物語は始まる。
施設を運営する拓郎&久美子夫婦、上記兄松井、入居者の青年明人、従業員裕子&由香&健二(隻腕)、新しく働き始めた女性従業員聡子とその婚約者隆司、そして舞台上に姿は見せないが、松井の妹ハルカによって物語は紡がれる。

脚本は起承転結がはっきりしている。実際、作品全体が四部に別れており、間に暗転を挟む。
物語全体はきれいにまとまっている。
承ラスト~結の聡子&隆司の展開はベタといえばベタであり、この施設が舞台である必要はないような気はする。
自分としてはもっと泣きたかったが、客席からは鼻をすする音も聞こえてきた。
自分が一番泣いたのは明人が由香に誤解されるシーンでした。

車椅子の青年二人は、本当にそういう人みたいだった。
車椅子の扱い方や、あの足の置き方!すっかり騙されました(誉め言葉ですw)
終演の挨拶で普通に歩いていらっしゃってびっくり(・д・)

個人的にもう少し掘り下げて欲しかったのは、裕子の職業に対するプライドと、聡子がこの施設で働くことを選んだ理由。
ブラウニング バージョン

ブラウニング バージョン

雷ストレンジャーズ

シアターサンモール(東京都)

2014/03/05 (水) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

そこで終わるのか!
一時間半。暗転なし。休憩なし。

チケットプレゼントで観劇。
プレゼントして頂いたことに感謝します。
一時間半、濃い時間をありがとうございます。

客席側に迫り出した六角形を模した舞台。
明日の学年末で退職する古典教師の、前日2時間を追う。
暗転から開演する作品が多いが、この作品では開演も暗転しない。暗転したのは終演時のみ。この方法は初めて観ました。
古典教師がおもむろに舞台に現れ、読書をはじめる。庭にももう一人。さらにその人物と肩を寄せ合うもう一人が現れる。一旦三人が捌けて、物語がスタートする。

箇条書きで失礼。書き殴りで申し訳ない、順不同。

ネタバレBOX

*生徒が本をプレゼントしたシーンはもうボロ泣き。

*台詞が結構な量かつややこしいので、理解するのに必死でした。

*この古典教師という人間の、底知れぬ気味悪さ。すごい。

*「あまり生徒に好かれていなかった先生が、退職前日に、生徒から、授業の内容を反映させた素晴らしいプレゼントをもらいました。先生は号泣しました」なんてチープなハッピーエンドで終わらない。ここからがじわじわ来る静かな盛り上がり第二部。やられちゃいました。

*何故妻は古典教師と夫婦を続けているのかよく分からない。多分ラストで教師が語ったのだと思うのだが、理解力不足の私には消化しきれず。

*妻が古典教師に嘘をつかない理由も同じく理解不能。

*年老いた人物が主役なので終始声は張らない(いや数回張ったか)が、ボソボソしている訳じゃなく、きちんと聞こえる。私は最前列だったのですが、客席最後列まで聞こえているなら「流石」の一言。

*自然科学教師が客席から舞台に上がった時は、役者と気づかず本気で「えっ!?ダメだよ勝手に舞台上がっちゃ(;゜O゜)」と思った。というのも、スーツの後ろがシワシワヨレヨレだったから。彼が“そういう人物”な訳ではないので、それが狙いでないのならピシッとお願いします。

*年収200ポンドというのが、どういう生活水準になるのか想像できない。かなり切り詰めないと無理そうだが…

*生徒は下心があった訳じゃない。それを観客に明確に示しているからこそ、妻の一言からの後半が凄みを増している。

*翌日の学年末の式典はどうなるんだ!?という所で終わる。本当に「そこで終わるのか!」というラスト。翌日の様子も是非観てみたいと思わせる。
新しい等高線

新しい等高線

ユニークポイント

シアター711(東京都)

2014/03/11 (火) ~ 2014/03/18 (火)公演終了

地図に賭ける想い
休憩なし1時間50分。
膨大だろう量の調査と、そこから紡ぎ出された緻密な舞台だった。

色彩堂社長・小林清治の『地図』に対する想い、情熱、誇りがよく伝わってくる作品。
いや、想いとか情熱とか誇りとか、そんな簡単な言葉では表しきることはできない。
当時の時代背景、そこに生きていた人々の思い・考えを明確に提示し、その中に在ってなお揺るがない信念。それは地図職人としての誇り故、そして“地図が読める”故。
当日パンフレットの年表と連動しており、親切な冊子でした。

舞台上の柱に備えつけられた一輪挿しが、この家の空気というか、雰囲気というか、そういうものを全部表しているのも良い演出でした。

役者さん達がとても美味そうに酒を酌み交わすので、私もお酒を買って帰ったほどでした。

ネタバレBOX

一番印象に残るシーンはやはり、清治と政府官僚の三浦が会話する第四場でしょう。
それそれが、それまで周囲に明かしてこなかった本音を吐露し合う。それまで静かで穏やかだった清治が声を荒げるシーンもここ。
本当、良かったです、清治役・佐藤さん。

色彩堂社員森田役・植村さん。見慣れれば問題ないのだけれど、最初はキャラが浮きすぎでした。これは周囲にも問題があるのかなぁ?

第五場で純子が机で寝てしまう、というのは、それだけ清治との距離が近づいたというのを表したいためだと思うのだが、私には受け入れられず。
ここまで台詞が無いのに、よく表現してくれました。

もう一つ、社員山下は大日本帝国軍の兵士になれなかったのをもっと前面に出して欲しかった。今の状態だと、本当に「普通の人」。若い男達は皆戦地に行っている訳で、兵役に就いていない男なんて有り得ない。見るからにガリガリだとか瓶底眼鏡でも舐めるように見る、とかあっても良かったのでは。
Touch~孤独から愛へ

Touch~孤独から愛へ

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2013/12/23 (月) ~ 2013/12/25 (水)公演終了

中高生対象…?
この劇団さんの、代表作らしい。1999年初演、上演回数は拠点劇場および全国巡回公演で900を越えるとか。
このたびは、九州地区の中高生対象の巡回公演後の、凱旋公演なのだそうだ。
そんな歴史ある公演…なのだが…うーん(-_- )。。。

これは、現代日本に生きる中高生に理解できるのか?という所からして疑問。
孤児とか、暮らしていくために窃盗やかっぱらい(まず中高生にこの言葉が分かるのか?)で小銭を稼ぐ生活とか、文字を読めない教養レベルとか、度数の高いアルコールを一気飲みしたらどうなるのか、とか。
まず舞台の設定から理解できない(ピンと来ない)のではないだろうか。

調べてみたら、アメリカでの初演は1983年だった。ちょうど30年前だ。私が生まれる前。

私はピンと来なかった。だからあまり入り込めなかった。
素直に受け入れることができないという点では、私はトリートに似ているのかも…

役者達は熱演。文字通り、熱演。演技は本当に素晴らしい。
しかし、所々、テンポが悪い(特に第一部)…のかな?
ハロルドと知り合う前、小さな小さな世界しか知らなかった兄弟の生活と、ハロルドと出会うまでが第一部。
ハロルドと生活を始めた第二部。
第一部の汚い部屋と、きれいに整えられた第二部の部屋、これだけで二人の生活の変化が全て分かるのが面白い。

知らないということは、こんなにも生き方を狭めるのか、と感じた。
逆に知る・学ぶということはこんなにも無限で自由なのだということも。

ラストの、亡くしたものの大きさに気づくシーン、もっと欲しかった。
泣きたかったけど、泣く前に終演してしまった印象(>_<)

『ギア-GEAR-』Ver.3.70

『ギア-GEAR-』Ver.3.70

「ギア」事務局

ART COMPLEX 1928(京都府)

2013/11/01 (金) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

これは「ギア」という名のジャンル
ついに!念願の!ギア観てきましたぁっ!!(≧∇≦)b
良かった、京都まで見に行って。その為だけに京都行って。

あらすじはホームページに出ている通り。
余すことなく且つ簡潔に示されています。

会場(トイレや客席含む)も本当にこだわった造りで、入った瞬間にギアの世界に入り込んでしまいました。
紙吹雪の紙一枚にすらそのこだわりが見受けられたのは感動しました。

今回が、3万人目来場の回だったそうで、公演の後に演者と観客で記念撮影もありました。
ただ、その回の最初の受付だった私の受付の際、すごくモタモタされて、後から受付されて私より先に入場された他のお客様が3万人目だったので、「これ受付スムーズにしてくれてたら私だったんじゃ…?」ってことでちょっと不満。ま、やっかみですけど。

ネタバレBOX

開演直後から、劇場が誇る最新技術を惜しげもなく披露。
登場人物は白(ドール、天真爛漫)・赤(マイム、リーダー格)・緑(ジャグリング)・青(マジック、キザ担当)・黄(ブレイクダンス、おバカ担当)と色分けされており、また各人に担当があるのが分かりやすい。

登場人物は作中、言葉を発しないが、それでもこんなに伝わるものなのかと感心しながら観ていた。
唯一、ラストにドールが声(言葉ではない)を発するのだが、それが悲痛で、そこが唯一の場面なのでとても引き立つ。

ホームページを見てみると、各人が得意とする演目が異なっているようなので、全く同じ公演を観ることはないと思われる。

ラストはいかにも日本的で、見当はつくのだが、別にそれでがっかりすることはない。
子どもが観ても楽しめる物語と言えよう。
櫻ふぶき日本の心中

櫻ふぶき日本の心中

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

ラスト30秒の心意気、しかと受け取りました。
終演後挨拶での、「ラスト30秒に命賭けてますから!」
はい、その通りです。
舞台装置は本当に素晴らしいです。
三方を囲む黒、日本の“日”とも読めそうな月、赤い舞台。
そして白の世界。
すっかり心奪われてしまいました。

時代はめぐる。「ゆう」と共に。

椿組は昨年夏の花園神社野外劇以来、二回目の観劇。
理解力の乏しい私には、「何でこうなったの?」「どうしてこうなるの?」って所が多々あるのは今回も同じ。
一つ例を挙げると、終盤の座頭三人が斬り合う理由とか。

しかし、全体のストーリーとしては楽しめた。
色々な時代の、様々な男女模様の、心中。
その時代でなかったら、そこに生まれていなければ、知らなければ、幸せになれたはずの男と女。
泣きたかったなぁ。何故泣けなかったのか…

表面的になってしまったからなぁ…?
各パートとも、相手を殺すほどの狂気はなかったのは確か。

江戸から始まり、時代をめぐり、また江戸に戻る。
時代劇の中に、「(当初の時代からの)未来の回想」という劇中劇が入る、何とも複雑な構成。
劇中劇の中に、今がいつといった正確な説明はないものの、大体の時代やその背景は理解できる。
そしてそんな複雑な構成でも、こちらは混乱せずに観られる。

ギターの生演奏が舞台を盛り上げてくれた。
時代劇にギター?と思って観始めたが、これが合う!

Day By Day

Day By Day

劇団かさぶた

OFF OFFシアター(東京都)

2014/01/23 (木) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

後半盛り返した
豚チーム観劇。

前半は登場人物の設定やその場にいる理由が普通じゃなくて、テンポ・展開も悪い。
前半で面白かったのは隣人の美鈴が登場したシーンくらい。
後半に盛り返し、劇場を後にして「あれ!?まだ1時間半しか経ってない!」と思う程楽しめた。

当日パンフレットからは、劇団の「お客様をおもてなししたい!」という心意気が伝わった。
一枚一枚、生写真が可愛らしいテープでとめてある。
こんな当日パンフレットは初めて見た。

ネタバレBOX

前半。
正直、いつまで「TVが映らない」ネタ引きずるんだろうと思った。
スマホあるならワンセグ見れば良いじゃん。パソコンあるならネットでも何でも勝敗くらい調べれば良いじゃん。(妻・詩織風に言ってみる)
そういう手段が転がっているのに、ねちねちと粘着質なクレーマーだな、というのが夫・照之の前半の印象。
妻たる者が絆創膏の有る無し、引いては場所も知らないとかあり得ない。
TVが映らなくて、「ウチTV映らないんですが、お宅は如何ですか」とアパートの両隣の部屋を訪ねるのは、普通だろう。だが、隣人が歯科医院で働いているからといって、歯痛だと勝手に上がり込むとか非常識すぎる。普段近所付き合いもないのに。

後半。
二人で料理する隣人の彼氏・祐次と詩織の仲の良さや、(後に詩織の妹・あずみの作り話と判明するが)詩織が妊娠していることを言ってくれないことにやきもきしたり、妻に内緒でベビーグッズを友人・関根から調達し必死になって隠したりする夫、好演。
前半の印象から、妻を愛する優しい夫へ印象の変換。
これが盛り返しの大部分。

しかし、こんな大騒動に発展する嘘をついたあずみには共感できない。役者魂といえば聞こえが良いかもしれないが、悪びれる様子もないのは、他人である私でさえ怒りがこみ上げた。
なのに、当事者の詩織はそんな様子もなく「(照之に)謝った方が良いんじゃない?」って……何だそりゃ!?(゜Д゜)
あずみが役作りのために泊まり込むと聞いた時は、「陰毛」連呼しながらあんなに反対したのに?

書き殴り失礼。
でも、楽しめたのは事実です。念のため。
幸福レコード

幸福レコード

Bobjack Theater

シアターKASSAI(東京都)

2014/02/06 (木) ~ 2014/02/17 (月)公演終了

コメントがまとめられない…
Bチームを観劇。休憩なし、約2時間15分。

自分の文章構成能力の低さに嫌気がするほど、コメントがまとめられない。
コメントがまとめられない、これは誉め言葉です。もうお腹いっぱいで。
とりあえず言えるのは、観劇して良かったということ。
笑った。泣いた。ボロ泣きした。
客席はすすり泣く声に包まれた。

2時間15分、全然長くなかった。
その中に、これでもかというほどの内容が詰め込まれ、しかし全く駆け足ではなく丁寧に描かれている。
展開はポンポンと速いのだが、忙しくなく、すこぶるテンポが良い。
起承転結がハッキリしていて分かりやすい。
一冊の本(宮坂が作中で出版したもの)を軸に、とても練られた脚本。
モノローグが多かったのだが、良い意味で印象的、そして効果的。

舞台美術は、舞台上の空間をすごく有効に使っている。

Bobjack theaterのホームページによれば、主役は今回が初主演らしいのだが、そんな空気は一切ない。
最初はやはり少し固かったけれども。
前半の謎めいた部分と、後半のせつなに出会って変わっていく部分と、とても良かった。
涙のストックがないと話していた彼が大号泣しながら懇願したシーン、失ったものの大きさに気づいて号泣するシーン、今まで泣けずに貯まっていた涙を一気に出し尽くすようだった。
またラストにせつなのボイスレコーダーで、せつなと同じように幸せを集めるラストも泣ける。
印象に残るのは主役池内、編集者真野、作家宮坂、その妻すみれ。
宮坂夫妻の気持ちや関係性の変化は、見ていて本当に切ない。

幸せとは何か、何をもって幸せというのか、考えさせられる作品。

ピノキオショー

ピノキオショー

CAPTAIN CHIMPANZEE

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/24 (月)公演終了

ロボットには人間の夢が詰め込まれている
ロボットが知能・感情・思考を持つほど技術が向上した世界。
訳ありのロボットサーカスを中心に物語は進む。
2時間5分、休憩なし。

当日パンフレットの中に「ひまつぶ紙」なる心理テストやちょっとしたクイズが記載された用紙が挟み込まれる。
用紙はクリアケースに入れられ、「アンケートが書きにくい」という声に応えた形。
こういった心遣い、嬉しいですね。

さて本編はというと、うーん…(-_- )
ちょっと話がとっちらかってしまった印象。
何を伝えたいのかが明確でないかな。
だから内容が雑多で2時間強は正直長い。

ラストの絵を、登場人物に演じさせたのは面白い。
舞台中ほどにあるもう一つの幕を上手く使っていた。

ネタバレBOX

ピノキオショーとは「ピノキオのshow」であり、「ピノキオの賞」。

作中に、それぞれのロボットの過去を挟む。
彼らは程度の違いはあれど人間に憎しみを持っている設定になっているのだが、その理由を明らかにするべき過去編で語られる理由では、正直「人間(人類)に対する憎しみ」は生まれないのではないかと思う。
カストルであれば赤城を、シンディやマイルダーZならマスターである子供を憎むのは理解できるが、そこから「人間(人類)全体」を憎むのは無理があるような…

冒頭で、サーカスを訪ねてきた子供が見たがった「ピノキオショー」。タクトはその子供に、手伝ってくれるなら見せると言って始まる本編。
ラストで子供は「面白かった」と答えるが…この台詞はハテナがいっぱい(*_*;???
まずこの内容がサーカスの演目「ピノキオショー」と言えるかという点、そしてこの人間とロボットの関係を見て「面白かった」…?

終盤の、博士の長台詞「あんなこと出来たらいいな、そういう夢を見る気持ちからロボットは作られている」という趣旨の言葉は深く頷くばかりだ。
今後、この夢を保ったまま、ロボット工学が発達していって欲しいものだ。
笑エナイ!いないいないばあ

笑エナイ!いないいないばあ

劇団フリースマイル

シアターシャイン(東京都)

2014/02/28 (金) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

指摘したい部分は多い
1時間40分ちょい。休憩なし。

何でも屋を舞台に、結婚とは、夫婦とは、家族とは何かを問う作品。
前半は、笑わそうとしているのだけど全っ然笑えず。
物語が進むにつれてだんだん笑えるようになった。
顔芸や一発芸のようなものではなく、おかしなシチュエーションで笑わせる方向に転換していったからかしら。

笑いに関しては、こういう方向に持って行きたいんだなというのが早々にわかってしまうのがイタい。

ネタバレBOX

とある何でも屋に、過去働いていた従業員が妻と6ヶ月の赤ちゃんを伴ってやって来る。
久し振りに呑みに繰り出す男達。離婚した所長小笠原・過去働いていた矢ヶ崎・デキ婚で新婚でまだ子供は生まれていない高嶺・従業員同士で交際中の弓削、立場のそれぞれ違う男達が、酒の力も手伝い、ぶっちゃけトークを繰り広げる。
矢ヶ崎は妻を思い、色々気を回すのだが、空回りばかり。矢ヶ崎が息子を風呂に入れようとした際に息子の頭をぶつけてしまったことから、過保護気味な妻菜緒と大喧嘩になってしまう。
結局は子はかすがい、仲直りして去る。
弓削と交際中の芽衣はこの一件により、より強い絆で結ばれる。

とにかく色々荒い。雑。詰めが甘い。(言葉が優しすぎかしら)
台詞を噛む、相手の台詞を喰う、というのがちょっと多い印象。
猫の毛を一本残さずに掃除するなら、ほうきではなく掃除機やコロコロの粘着シートでしょ。
赤ちゃんの泣き声がワンパターンしかなく、音量もずっと同じだから平坦。あやしたりして泣き止む際にピタッと声が止まり不自然。
不自然といえば、子供が泣き出した理由として、「おむつ」が全く入っていないのはおかしい。
所長小笠原が病院に行くのに車を出す、と言い出した時、一番に言わなきゃいけないのは「所長!飲酒運転ですから!」的なことなのでは…?あの下りでは頭のことばかり言っており、誰もそこに突っ込まないことにすごい違和感を覚えた。
居酒屋での呑みの場面に消え物を使わなかったのは面白いが、するならもっと磨きをかけてほしい。
居酒屋のバックの音は、その場面の時間録音出来なかったのか?もしくはもっと上手く繋げられなかったのか?

何でも屋の面々は菜緒のことを売れない芸人矢ヶ崎を支える「できた妻」と絶賛しているが、私はまったくそうは思わない。むしろ、嫌な女だ。「女はありがとうって言ってもらいたいんだよ」と被害者面して言っているが、それは男だって同じこと。
結局仲直りした際にも、矢ヶ崎が折れた形になったのが納得いかない。夫婦なのに上下関係ができていて、夫婦にその自覚がないのが更にイヤだ。

呑みの席でのぶっちゃけトークは、見る人の立場によって違う感想が生まれるだろう。そこがまた面白い所なのだが、まだ未婚の私としては苦笑いするしかない。
犯行予告

犯行予告

劇団肋骨蜜柑同好会

サブテレニアン(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

現実と妄想が入り混じる
何故、この劇団名にしたのだろう?
このサイトで、初めてこの劇団を目にした時の印象。

クールビューティー(テンション低い&突然吹き出す)山田と、ちょいお馬鹿&いい人御手洗の会話は面白い。
山田曰わく「御手洗さんって、ほんと御手洗さんですよね。」
この二人、仲良い。(山田は「嫌です」と即答しそう)
ツンツンしつつも、ちゃんと御手洗の会話レベルまで降りて会話するところとか、何か良いね。

一つ注文つけるとしたら、御手洗の起こし方かなぁ。
何故お茶っぱの缶?

所々に笑える場面(爆笑でなく、ふふっと笑わせる)も散りばめられている。
そしてラストの展開には驚かされました。
「そう来たか!」と。

ネタバレBOX

終電もなくなった時間の、出版会社。
山田と御手洗は会社に泊まることになる。
その中で、ターゲットの大切なものを盗む「怪盗キース」について話す。
山田と御手洗の“妄想”という形で、キースのある怪盗劇が展開される。
キースは誰なのか?何を盗もうとしているのか?

しかし、これは妄想ではなく、実際に起こった事件だった。

夜が明け、山田と分かれた後、御手洗が山田の「メイクボックス」を開ける。
そこに入っていたものは……。そこに響く神田川警部の声。
そこで観客はすべての真実を知る。

「誰がキースなのか」と考えていた私がいかに浅はかだったのかということを思い知らされた。

その人にとって、一番大切なもの。
時価一億は下らない宝石よりも、大切なもの。
観ながら、自分にとっての「大切なもの」って何だろう?と考えさせられる。
あだちンち

あだちンち

東京ジャンクZ

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

今後が楽しみな団体ではある(今日最終日なのでネタbox使いません)
まず。観客全てが早稲田大学構内を知っている訳ではない。
初めて足を踏み入れる私には、迷路のようだった。
実際、早稲田大学には着いているのに、構内及び周辺をさまよい、一時間弱会場にたどり着けなかった(地図の読めない女でご迷惑おかけします)。もうこの時点で帰りたくなった。
正門と会場前にしか看板がないのは、外部の人間に不親切。矢印の一つも欲しい。
スモークを客席の後ろに設置するのは初めてのケース。気持ちの良いものではない。吹き出し口直前に座ってしまったので、喘息患者としては、本当に席変わりたかった。観客に向かってスモーク射出するって、ありなの?

さて、本題。「あだちンち」というタイトルであるが、そこに行き着くまでの珍道中という感じ。

まず舞台。いやー気合い入ってます。
舞台の上に更に円形舞台(中心部以外が人力で回せる)が乗っており、その他の舞台上も使用する。
この残ったスペースと照明を使った場転は良かった!

次に脚本。
多少話の展開が強引ではあるが、良いタイミングで笑いを入れていた。笑わせて頂きました。
横浜~東京の地理を知っておくと、すみれがどういう経路でどこまで進んでいるか分かって更に楽しめるかも。
ただ、点在するすみれや西宮が騒ぐシーンは一つ一つがちょっと長いかな。
そしてキャラが生きていない(共感できない部分がちらほらある)
一つ例を挙げると、しばけん。軽い気持ちとはいえ、あだちの不幸を願ってしまい、本当にそうなってしまったら、普通自分を責めないか?すみれでさえフリーズして呆然としているのに、結構スルーだったのでびっくり。そのすみれを心配する気持ちが勝ったとしても、人としてどうなの? というような。

そして役者陣。
言葉を「話そう」。「会話」しよう。言葉を「垂れ流す」のと、「会話する」のは大きく違う。
すみれ、発声練習しよう。これは脚本のせいもあるかもしれないけど、息切らしてる場合じゃないよ。早口の部分は上記のことも含めて。

そして最後に。
アンケートを書いてもらうなら、上演後だけでも、もっと客席を明るくしないといけないと思う。

何か上から目線の内容になってしまったような気がする。
読まれた方、お気を悪くなさらずに。

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