新しい等高線 公演情報 ユニークポイント「新しい等高線」の観てきた!クチコミとコメント

  • 地図に賭ける想い
    休憩なし1時間50分。
    膨大だろう量の調査と、そこから紡ぎ出された緻密な舞台だった。

    色彩堂社長・小林清治の『地図』に対する想い、情熱、誇りがよく伝わってくる作品。
    いや、想いとか情熱とか誇りとか、そんな簡単な言葉では表しきることはできない。
    当時の時代背景、そこに生きていた人々の思い・考えを明確に提示し、その中に在ってなお揺るがない信念。それは地図職人としての誇り故、そして“地図が読める”故。
    当日パンフレットの年表と連動しており、親切な冊子でした。

    舞台上の柱に備えつけられた一輪挿しが、この家の空気というか、雰囲気というか、そういうものを全部表しているのも良い演出でした。

    役者さん達がとても美味そうに酒を酌み交わすので、私もお酒を買って帰ったほどでした。

    ネタバレBOX

    一番印象に残るシーンはやはり、清治と政府官僚の三浦が会話する第四場でしょう。
    それそれが、それまで周囲に明かしてこなかった本音を吐露し合う。それまで静かで穏やかだった清治が声を荒げるシーンもここ。
    本当、良かったです、清治役・佐藤さん。

    色彩堂社員森田役・植村さん。見慣れれば問題ないのだけれど、最初はキャラが浮きすぎでした。これは周囲にも問題があるのかなぁ?

    第五場で純子が机で寝てしまう、というのは、それだけ清治との距離が近づいたというのを表したいためだと思うのだが、私には受け入れられず。
    ここまで台詞が無いのに、よく表現してくれました。

    もう一つ、社員山下は大日本帝国軍の兵士になれなかったのをもっと前面に出して欲しかった。今の状態だと、本当に「普通の人」。若い男達は皆戦地に行っている訳で、兵役に就いていない男なんて有り得ない。見るからにガリガリだとか瓶底眼鏡でも舐めるように見る、とかあっても良かったのでは。

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    2014/03/13 19:18

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