満足度★★★★
目を見開いておこう
取材に基づく重厚(役者の演技も見事)な内容で、最後まで見応えがあった。1941年から1945年8月18日までの約5年の民間地図会社(色彩堂)における人間模様。戦時下における地図作成の重要性について、考えもしなかった。今では考えられない切り口で、とても新鮮味が持ったと同時に深い感銘を受けた。
国家による地図の塗り変え、民間地図会社の統合などの問題は、現代でも情報隠蔽・規制に繋がる重要な提起だと感じた。そんなことを考えさせる好作品だ。
なお、特高警察が来訪してあのようなことを語るかどうか…。(ネタばれか?)
満足度★★
平凡すぎたかなぁ
今回で3作品目になりますが、以前と比べてしまうとなんか 平凡に終わってしまったように思えます。
戦時中の再現 ということでは よいのかもですが なんとなく 平凡になりすぎたように思えます。
想像の世界なんですから、もう少し なにかが ほしかったなぁと
満足度★★★★
書き足されていく、喜びと悲しみ。
地図なんて今では100円ショップでも買えるしアプリで見放題だけど、どこかに行くのもいつも必需品です。月日によって変わっていく風景も今その瞬間だけが書き記されている。考えてみれば、ものすごくドラマなんだと再認識しました。以下
満足度★★★★★
覚えておきたいこと
戦時中の地図会社社員を要所要所で区切ったドキュメンタリー風な作品。俳優さんのすばらしい演技にまずは拍手です!そして一輪挿しが飾られなくなる瞬間や衣装の展開などの演出もとてもよかったです。ストーリーにぐいぐい引き込まれました。日本がたどった戦争の歴史と国民の感情をぎゅっと濃縮させた、とても丁寧に創られた作品だと思います。
偶然が幾重にも重なって今ここにいる。必然なのか偶然なのかわからないが、過去に起きた事実は忘れてはならない。そんなメッセージが込められているように感じました。
無題1039(14-078)
19:30の回(晴)。18:50受付(整理番号付)。19:10開場(整理番号10ずつ)。「色彩堂」社長の自宅兼事務所のリビングであり応接室でもある部屋、中央に大きな机、下手にコート掛け、正面は庭、カーテン。上手に柱があり、各話ごとに花が差し替えられる。
座席が変わって初めての公演。昭和15年秋〜20年夏までの5場。車の音、110分、19:32前説(アナウンス)、開演〜21:19終演。
カラーの当パンを開くと「SENTIO」閉鎖に触れている箇所がありました。稽古の様子を写した写真…SENTIOですね。そのSENTIOの「白痴」からの5作目。
満足度★★★★★
そういえば、そうでした。
地図をよく見ます。
といってもそれはスマホの地図アプリのことであって、
見たいのは道順を確認するための道路地図であって。
その向こうに地図を作る人たちの思いがあることをすっかり忘れていました。
以前の地図には、そういう思いが溢れていたのでしょうね。
静かな演技でも、静かな演技だからこそ、しっかり届くいい作品でした。
地図に賭ける想い
休憩なし1時間50分。
膨大だろう量の調査と、そこから紡ぎ出された緻密な舞台だった。
色彩堂社長・小林清治の『地図』に対する想い、情熱、誇りがよく伝わってくる作品。
いや、想いとか情熱とか誇りとか、そんな簡単な言葉では表しきることはできない。
当時の時代背景、そこに生きていた人々の思い・考えを明確に提示し、その中に在ってなお揺るがない信念。それは地図職人としての誇り故、そして“地図が読める”故。
当日パンフレットの年表と連動しており、親切な冊子でした。
舞台上の柱に備えつけられた一輪挿しが、この家の空気というか、雰囲気というか、そういうものを全部表しているのも良い演出でした。
役者さん達がとても美味そうに酒を酌み交わすので、私もお酒を買って帰ったほどでした。
満足度★★★★
地図屋の抵抗
東京にある地図会社の、昭和15年から終戦の20年夏までの5年間を描いた作品。
戦争中、国力を示す地図は国策の名の下、いとも簡単に書き変えを命じられた。
ユニークポイントらしい史実に基づいたストーリーに市井の人々のエピソードが絡む。
そのエピソードのバランスが、観ている私の興味と微妙にずれているように感じた。
私の知りたい事はひと言の説明で終わってしまい、
逆に会話のテンポが滞るように感じる場面があった。
時代とリンクした説得力あるテーマの選択はまさにユニークで新鮮。