メンバー ハンダラ

かつて、海外で生活していたことがある。フランスとギニア・ビサウ、セネガルの3カ国だ。日本と日本人の内向き指向が気懸り。
　ある程度、作品を拝見し、レビューを書かせてもらう中で、自分自身の傾向がはっきりしてきたように思う。作品は、密接に作品の生まれてきた世界、世相と向き合い、そこで生きる個々人とその個々人が置かれている状況に対してバイアスなしに対置されていなければならないと考えているようである。従って、為政者のプロパガンダに乗ってしまったものや、それを補完するものに対しては厳しい評価を下す。一方、キチンとこの状況を批評できる目をもって作られた作品、バイアスを排除した視点で作られている作品に対しては好意的であるようだ。
　ところで、今2011年3月11日、原発人災以降、自分が最も中心的な問題に据えているのが、核である。核廃棄物を制御できない以上、核廃棄を目指す他地球上に暮らすバクテリアから人間迄安全はないのが明らかであるにも関わらず、そのことに気付けない、気付いているがゆえに問題に触れたがらない食物連鎖最上位の人間という生き物は、いったい何なのだ？　呪われた存在というしかないではないか？地球上のありとある生物に責任を負えないというのであれば。
　”ハンダラ”は永遠の10歳。その名は知る人ぞ知る。意味はアラビア語で「苦しみ」。ハンダラ生みの親は、ナジ　アル　アリ。イスラエルの占領政策を批判したパレスチナ人漫画家だ。何時も後ろ向きの姿勢で描かれるのは、追い出された故郷を見ているから。何が起こっているかを。後ろ手にした手は拒絶を象徴している。初出は1969年。因みにアリは1987年モサドのエージェントにロンドンで暗殺された。
　最近、公共空間Xいう所へ寄稿し始めた。ちょっと長めのレビューを掲載している。興味のある方はどうぞ。http://pubspace-x.net/pubspace/ペンネームはハンダラ。