SEMICONの観てきた!クチコミ一覧

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ルドルフ

ルドルフ

東宝

帝国劇場(東京都)

2008/05/06 (火) ~ 2008/06/01 (日)公演終了

満足度★★★

大爆笑なトークショー
2回目の観劇。1回目よりも余裕を持って観劇できたので、
曲の深さ、歌詞に含まれた意味をかみ締めることが出来た。
でもやっぱり芝居としてはB級、ドラマで言えば、昼メロ、ソープドラマ、
決して月9や金ドラのようなゴールデン枠、ましてや映画レベルでは、
ありません。
そんなでもリピートしたのはチケット代の殆どが、この意味と
言ってもいい、アフタートークショーがあったから。
Wルドルフの会話って聞いてみたいじゃないですか。
(初代ルドルフの香寿たーたん入れたらトリプルルドルフだ!)

「この作品への思い入れは?」と聞かれた井上芳雄は、
「何も考えていません、仕事ですから。社会人なんですから」と
訳のわからない回答をしている。
井上芳雄は、どにかく浦井に対し攻撃的、トークショーの中で
唯一優等生的な回答や発言をする浦井へ、揚げ足はとるわ、
いちゃもんはつけるわ、完全ないじめ、やりたい放題。
それだけでなく出演者に「河童」呼ばわりされている浦井、
衣装も芝居も好き放題な岡、
よく言えば役者の個性が活かされた芝居である、自由な雰囲気な
作品と言えますが、
「なんだ、適当にやってんだ」って、納得しました。

40分以上におよぶトークショー、ミュージカルの裏話、
ルドルフの裏話、
なにより素顔の役者達が、帝劇の舞台の上にもかかわらず、
キャピキャピって、
おいおいここは飲み屋かよ!つっこみたくなるほど、
楽しく、芝居よりもイキイキしている姿が見れたのが面白い。

あぁ今週のレディストークショーも、行きてぇ、でも大阪遠征・・・残念

ガンまげ

ガンまげ

TV TOKYO

紀伊國屋ホール(東京都)

2008/05/21 (水) ~ 2008/05/28 (水)公演終了

満足度★★

もっと面白くなってもいいはずなのに
この手の、いわばバックステージものって、
お約束のイライラするような勘違いや、結末は綺麗に締めようって大団円に
向けた感動が入り混じって、ワンパターンだけど、それほど間違いのない、
それなりに楽しめる作品になるはずなのに・・・・
後半は、やや盛り返すにしても、どうにも退屈な前半のダメージは
覆せず、全体としては残念ながらテンポの悪い、まとまりのない
作品という印象といわざる得ない。
見応えがあったのはAAAの若い男の子だけ。
彼のラストの独白は、ちょっぽりホロっときました。
小劇場の中では、人気者を集めた企画のようですが、
塵は積もっても塵は塵、山にはなりません。
目立ったのは、原知宏くらいで、あとは見事に華がない。
にもかかわらず、見ていて不快感があったのは、
それぞれの劇団の中では、
人気者なんでしょうか???誰も知らないけど、どいつもこいつも、
自分を押し出す芝居ばかりして酔いしれた芝居をしているのが
鼻につく。
だから芝居のカラーに統一感がない。
芝居は演出家のものだから、自分の劇団ではどういう解釈で芝居を
するのであれ、演出家の強いリーダーシップで作品を
作り上げなくちゃ、と思っていたら、
演出家も交代していたんですね。
これじゃ支離滅裂になるはずだ。

しかし、舞台の上以上に、酷かったのが客席。
20代の女性を中心に、帽子はとらない、頭の高い位置にポニーテール
をする、大きな花飾りを頭につける、と
これわざと後ろの人の邪魔しているのかって身だしなみ。
ペチャクチャしょっちゅう隣同士にしゃべる、携帯のバックライトを利用すると、
まぁ本当に芝居見る時間があったら品格の本でも
読んだほうがいいんじゃないかって思います。

後ろにいた20代の男の子4人組は、ギャグ漫画のように、
「ガーガー」っていびきかいて寝てましたよ。ビックリしました、
4人とも寝てるから仲間うちでは誰も注意しない、
係員も注意しない。
寝るのは仕方ないにしても、いびきが目立った時点で、ねぇ。
こういう人が多くなるから
上演前の注意事項が、電車のマナー同様、
どんどん、どんどん、どんどん、増えていくんだなぁ。

瞼の母

瞼の母

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2008/05/10 (土) ~ 2008/06/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ホロっと涙してしまいました。
厳しい意見もありますが、公演回数を重ねたせいか、
とても締まっており、不覚にも!3回もホロっとですが涙してしまいました。

「現代っ子でモヤシっ子な草なぎが、ヤクザ風情なんて、マンガだな」と、
思って見に行ったら、いやいや、なかなか逞しいではないですか。
高橋一生のアニキ分としての風格がありました。
彼は実はマッチョなんですね。
殺陣も、そこそこ決まっており、大きな芝居が出来ておりました。
あえて90分にまとめたのだとは思いますが、
キャスト陣も豪華だし、こういう作品こそ、明治座や新橋演舞場で
上演すべきでは。
おしいのは、まず出演者を揃えることから始めたせいか・・・
(ネタばれに)

スマップ草なぎ一人でも、十分に観客動員できるだろうに、
「これでもか!」と言わんばかりに揃えたキャスト。
顔見世興行や記念興行でもないのに、
揃う作品には、揃うんですね。

テレビ的な印象も確かに残りますし、
大衆演劇がベースですから、安っぽさ、下世話さも感じますが、
劇場いっぱいにオーラが広がり、充実感がありました。
非常にわかりやすい、親しみやすい、お芝居って、
やっぱり大事ですねぇ。

ネタバレBOX

高橋一生の母親が、三田和代で、
草なぎの母親が大竹しのぶって、ちょっとアンバランス。
昔の人は子供を早く産んだとは言え、
ちょっと違和感が・・・

どうでもいい役で高橋克実が出ています、もうすっかり御馴染みの人なのに、出てきて「あ!」と僕も含め客席から声が出てしまいました。

せっかくの豪華キャストだから、
いろんな絡みを増やしてほしかったなぁ。
「喪服を着たエレクトラ」の時のような、
三田和代と大竹しのぶの、ピリピリした演技合戦は、
芝居を超えて、なんだかアトラクションのように楽しかった。
あれを再び!って期待したけど、全く絡みがなくて残念。
二人の芝居をもっと見たかったなぁ。

出演者の人数が多いせいか、
高橋一生はエリザベートのルドルフなみに少なければ、
篠井の女形シーンも2-3分。
いやいや、贅沢に起用して・・・
芝居の制作費のうちの役者の出演料って、
そんなに占めてないんだなぁ。

そうそう、
一番泣いたのは、三田和代に字を書いてもらう(手ならいしてもらう)シーン。
なんていうか、男はいつまでたってもマザコンなんす。

やぶさかではありますが、
広いお江戸で、よく母親が見つかりましたなぁ。

リュウの歌

リュウの歌

新宿梁山泊

紀伊國屋ホール(東京都)

2008/05/09 (金) ~ 2008/05/18 (日)公演終了

満足度

なんじゃ、こりゃ・・・
初めて梁山泊の芝居を見ましたが、僕と相性が合わない。
好き嫌いはともかくとして、作品の良いところを見つけよう、
作品を理解しようと努力をしましたが
「なんじゃ、こりゃ」と鼻くそほじりたくなるほど退屈な作品だった。

初日だったせいか、
台詞は棒読み、芝居は大げさでクサく、歌は下手、
15年位前の作品の再演のようで当然物語は古臭く、
舞台の上の役者陣は汚く見苦しい。

紀伊国屋で10日間も興行を打つほどですから、
こういうのがいいっていう人や固定客がいるんだろうな。
まぁいろんな芝居が上演されるのはいいけど、
向かいのモリエールあたりで3日間位の興行で十分じゃないか?
もしくは東中野の自前の劇場で、
人知れず公演を打って、人知れず幕を閉じて欲しい・・・・。

ネタバレBOX

汚いジジイが、ふんどし姿で舞台の上を歩いている姿が
ブラブラ出てきて、なんだか吐き気がしてきた。
チラシによると主催の一人らしく、元ホームレス。
どんな人が後援会についているんだろう????
玉つき屋の千代さん

玉つき屋の千代さん

コマ・プロダクション

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2008/05/09 (金) ~ 2008/05/25 (日)公演終了

満足度★★★

安心して楽しめる熟練の技
知り合いのオバ様(72歳)を連れて行ってきました。
こういう縁でもなければ見る事のない系列の作品ですが、
楽しかったですよ。
全ての役者さんが、非常に余裕を持って演じてられる。
台詞を忘れようが、芝居を間違えようが、みんな自由自在に切り返して、
ちゃんと本筋に戻し、場の雰囲気に緊張感が沸かないようにしている。
そして泣いて笑って、と娯楽の殿堂のツボをしっかり押さえた作品でした。
東宝の作品と思ったらコマ劇場の制作でした。
大女優、浜木綿子は、香川照之なんて大きな子供がいるとは思えない程、
キュートで微笑ましい。
立っているだけで、すーっと目がいく、オーラが違うんですね。
赤井は芝居が雑、加藤茶は楽しく西川峰子に色気が漂う。
貴城けいは顔が大きい(^^)。
それぞれの出演者が、役作りをしつつ、それぞれのキャラクターも
崩さずに、誰もが楽しめる構成。
こういうのが熟練の技なんですね。
ミュージカル俳優も、たまーに、こういう芝居に参加されているのは、
そういう商業演劇、座長芝居のの本質を
勉強されるためかもしれませんね。
でもチケットは高いなぁ

ネタバレBOX

一幕に貴城けいの男装シーンがあります。
すぐわかるんで、ビリヤードしながら
「物語にどう関わるのかなぁ」て期待していたら、
ただ出てきただけでした。サービスショットですね。
夜光ホテル

夜光ホテル

モダンスイマーズ

OFF OFFシアター(東京都)

2008/05/03 (土) ~ 2008/06/01 (日)公演終了

満足度★★★★

萩原聖人は、すごかった
かつては新橋演舞場で「さぶ」のタイトルロールを演じ、座長公演もして、
最近でも大きな劇場の主役を張っていた、萩原聖人が、
こんな60人収容の小さな劇場で、どんな芝居をするのかと思ったら、
他のメンバーとの調和を乱すことなく、また劇場のスペックにあった、
非常に自然な演技をしていた。彼はスゴい。
正直、彼以外は小さな劇団の地味な劇団員、存在感や経験なんて
雲泥の差だから、イヤでも彼一人が目立つのかなぁと思ったら、
いやいやちゃんと引き立てていて、それで核となる場面では、
物凄いしっかりとしたオーラを出し、スッゲーと感心しました。
お話の内容は、まぁそれほど新鮮味のある内容でもなければ、
他の方も言っているよう、「おやおや!?」と思うような、
シーンもありましたが、それより役者陣のテクニックというか
心理表現の移り変わりに見ごたえがあり、
90分、しっかりと満足の行く出来栄えとなっておりました。
僕の行った日は、モデル系っぽい美男美女や、
テレビで見たことあるような人たちが、半分くらい占めてました。
(半分でも30人だけど)
「派手な客席だなぁ」と思う反面、
ものすごく大きなポニーテールを作っている女性や
帽子を取らない人が多く、僕の席は一番前で被害にあいませんでしたが、
「前にいたら、さぞや見にくいだろうなぁ」と感じる雰囲気でした。

ネタバレBOX

そうそう、あんなに派手にバッタンバッタンやってたら
安いビジホだし、みんな気つくよなぁ。
僕の見た回では、勢いで入り口のドア、壊れちゃって半開きだったし(笑)。
暗転なしの90分で、リアルなはずだけど、
深層心理の動きは4時間くらいかかっているような重みがあった。
(決して90分の芝居が4時間に感じたわけではないです)
この作品には、この劇場が本当にあってました。
間違っても、この作品を銀河劇場とか持っていかないで欲しいなぁ。
ルドルフ

ルドルフ

東宝

帝国劇場(東京都)

2008/05/06 (火) ~ 2008/06/01 (日)公演終了

満足度★★★

ウィーン版「失楽園」?
チラシに謳ってある程度の範囲で書きますと、
皇太子ルドルフの道ならぬ恋を中心にした作品。
まぁ所詮は不倫劇ですよ、不倫の行く先は悲劇と。
こんな軽い印象を持ってしまったのは、甘酸っぱい脚本のせいか、
亜門の耽美な演出のせいか・・・
何だか下世話というか、いわゆる昼メロみたい。
いろいろ美形ところも揃っているし。
難しい政治の話、家系の問題、世界情勢など、
ややこしいことは、あっさりめ。
ハーレークィーン小説のように、わかりやすい、簡単な作り。
キャラクターの内面なんて、殆どありません。

舞台装置は「トゥーランドット」に続き派手です。
出演者が安いせいか(!)これでもかと言わんばかりの、
ダイナミックさがありました。
あと照明の独特さは、これも亜門カラーなんだろうな。
やっぱり「トゥーランドット」と一緒。
似ているのは悪いことではないんですよ、
蜷川や野田だって、全ての作品の雰囲気は一緒ですから。
ただ僕が好きか嫌いかといわれれば、
ちょっと大味すぎというか、垢抜けない感じ、苦手じゃないけど好きでもない。

ワイルドホーンの音楽は流麗で起伏に富んでおり、
聞き応えがありましたが、
いかんせん時期が悪い、「レベッカ」には敵わないなぁ。
耳馴染みしやすい、印象に残る、という面では
クンツェ&リーヴァイのほうが僕的には強烈だった。

これから始まる「エリザベート」へのプロローグとも
見られる作品ですが、
皇帝フランツ、壌晴彦の存在感は圧巻。
お気軽、お手軽なキャラクターが多いなか、
彼はじっと惹きつける締める貫禄がありました。
これ見せられると、後に続く禅ちゃんや綜馬氏は、恥ずかしくて
出演出来なくなっちゃいそう。
ミュージカル俳優ではないので、決して歌が上手いわけではないですが
心に染み入る歌声で、作品に重みを醸し出してます。
あとは、ネタばれで。
あと、香寿たつきは、相変わらずお歌が上手。
笹本玲奈が、ケバケバしいビニールの洋服のような歌声なら、
彼女は、しっとしとしたコットンのような歌声。柔らかくて、
耳馴染みがいい。

オリジナル版に、かなり手を加えて、
全く新しい作品かのようになってしまったとの事。
「レベッカ」同様、オリジナル版のままのほうが、
良かったような気がする。見てないけど。

ネタバレBOX

井上芳雄と浦井健二、Wルドルフじゃないか!
チラシの写真は、そんな感じだしって思って見に行ったら、
浦井健二は狂言回しでピエロのような(マジシャンらしい)メイク。
あぁこうやって素顔を隠せばわかんないか。

絵画のような背景や額縁を利用したセットと
浦井健二の歌が重なると、「オスカーワイルド」が、
ものすごくオーバーラップするんですよ。
彼自身も動きが久々の帝劇でもダイナミックになっており、
歌も芝居も上達しているから、とっても存在感がある。

2幕でチラっとでてくるエリザベートの様子(あれは、わざと
同じようにやった演出だろう)、トゥーランドットの雰囲気、
そしてオスカーワイルドが三つ巴になった印象が残り、
「ルドルフ」という作品の個性が浮かび上がってこない。

それは、もうマンネリ化した井上芳雄の皇太子姿と
どんな役でも同じような熱唱で、あきあきしてきた
笹本玲奈に魅力が出ていなかったからだろう。

井上芳雄がカーテンコールの挨拶で
「初日は作品として慌しく落ち着いていなかったけど、
ようやく場当たりにもなれて役に専念するようになりました」と
堂々と言ってました。
決して安くはないチケット代で、未熟さを認めちゃダメだよなぁ。
プレビュー公演でもないんだから。
「金返せ」って声が聞こえてきそう。
あと、舞台セットが、とても大きく、端が影になる部分が多い。
S席でも端のほうからは見れないんじゃないかな。
大きな劇場では、チケットでもっと区切って席種わけしてほしいなぁ。
THE SNAKE

THE SNAKE

SHIMAISLAND

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★

エンターテイメントでしょう!
ひどくガラガラな客席を前に(30人位)、大きく作られた舞台を、
十二分に利用して、かなり贅沢な粒を揃えて上演されてます。
ゴシック調に作られた装置を背景に、
稲垣吾郎に似た感じの座長さんが、江戸川乱歩調の話の構成で、
テンポよく綴っていきます。
池袋芸術劇場(小ホール)の大きな舞台で、こないだスケールの
大きな芝居を見せてくれたコーヒー牛乳の人達が、
その時と同じ演技で、話に彩りを加えてます。
(ポーンって今にもいいそう!)

この規模の公演で、笑いあり涙有りのドラマを詰め込んで、
これはエンターテイメントでしょう。いやいや楽しかった。
このまんま、グローブ座に持っていってジャニーズの子達に、
やらせても十分に受けると思います。
もちろん、この作品として、もっとメジャーな劇場でも
いけるんじゃないかな。

残念なのは、複数の人間相関図が絡み合うのですが、
これが今一つ、よくわからない。
どこがどうなっているのか。
あれは主役の線の細い男の子の演技力の問題なのかなぁ。

ミステリーをベースに色々な話を絡ませていって、
約100分、変な小細工もせず、よくある押し付けがましい作家の
自己主張もなく、エンターテイメントに徹して、
いやいや好感度◎

女優陣が皆素敵でした、存在感十分。
笑いを取る場面は笑いを、決めのポーズの立ち姿、
色香が漂うオーラ。
小劇場だからでしょうが、堪能致しました。

この中野ウエストエンドスタジオって、
普段は何をしている場所なんだろう??稽古場?
駅から遠いし、劇場内への入り方も、ちょっといびつだったな。

ネタバレBOX

スネークショーのシーン、金剛力士像のシーン、
腹を抱えて笑いました。恥ずかしながら・・・。
かなりツボに入ってしまいました。

主役の子がモスバーガーで働いている設定でしたが、
これは本当に、そんな感じ、いかにもモスでハンバーガー作っている
ような子で、とってもリアルでした。
新宿芸能社の方とか他の劇団の人って
運送業とか建築業とかやってそうで、肉体派、肌の黒さも、
ホストと違い健康的な日焼けって感じですが、
この子は、いかにもモスバーガーだった。
まぁあんまり関係ないか。

スネークショーの女性は本当にスネークショーしていたのかな、
いやに間の取り方といい会話のセンスといい上手。
最後の怪盗の相方もしてましたが、その雰囲気も決まってる!
茶毒蛾無呼吸引金

茶毒蛾無呼吸引金

Oi-SCALE

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/05/06 (火)公演終了

満足度★★★

林ワールド、でしょうか
この息苦しい緊張感はなんだろうか?
シンプルだけど複雑に入り組んだ構成の中、どうにもイライラする
台詞も多く、登場人物の背景も、じっとドラマにのめり込んで聞き込まないと、
わからないまま終わってしまう。
時間と共に、だんだんと全体像が見えてくると、
作品の底力か、かなり面白くなってくる。
かなり荷が重い、硬派な作品で見応えがありました。

真面目に見ていたせいか、主役の兄弟で出演していた作家の方の
インパクトの強さが、いつまでも残って、
夢に出てきそうな位でした。

こまばアゴラ劇場って不思議な劇場ですね。
1階に図書館のようなロビー?があるんですが
あそこは観劇とは関係ない人も利用していいのでしょうか?
その1階でチケットをもぎって、外の階段を使い
劇場に入るから、全席自由の作品だったら
(いつも全席自由っぽい劇場だけど)
誰でも自由に入れそうですね。

リピーター割引で半券持って行くと、500円で見れるとか。
3000円の公演が500円、うーん、ヤフオクで売れっかな(冗談)。、

東大の近くにあるせいか、何だか客層も知的なインテリっぽい人が
多かった。作品自体も、決してミーハーなちゃらちゃらした雰囲気では
ないし、劇場の雰囲気にもピッタリ!
でも、気軽に御覧下さいって作品じゃないな。
覚悟して作品に望まないと、痛い目に合いそうな・・・
そんなパンチの効いた作品でした。

ネタバレBOX

「北の国から」に出演した人が、参加するってのを
売りにしていますが、
その人が一番地味で芝居も下手くそ、台詞は棒読み、
見た目はムーミン、オーラの欠片もありません。
この人と、作家の林氏と、わからない人が3兄弟なんですが、
これが兄弟に見えない。
無理に、そんな名前がある(?)人を使わなくてもいいのに。
作家の林氏は、マジにヤバそうな雰囲気な人だったなぁ。
すっげー怖かった。
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

ニッポン放送

新宿FACE(東京都)

2008/04/04 (金) ~ 2008/05/06 (火)公演終了

満足度★★★

山本耕史 特別公演?
これは「ヘドウィグ~」という作品を楽しむというよりも、
「山本耕史 特別公演」を見に行く気分で、観劇するショーでしょう。
三上ヘドウィグが役柄に近づいた雰囲気、落ちぶれた悲壮感漂う、
汚くなってしまったドラッグクイーンとなり、そうこの作品が目指す
テーマに沿う歌もあるドラマとして描いていたのに対し、
ツルツルで清潔感と若さが溢れ、筋肉質な山本ヘドウィグは、
どこにも後ろ向きな影はなく、はつらつとしています。

これは山本耕史がヘドウィグの格好をして、
「こんなん、やっちゃいました」という雰囲気であり、
ライブの中に一人語りも盛り込んじゃいましたって感じです。
いわゆる、五木ひろし公演で「銭形平次」を演じてみたり、
石川さゆり公演で「飢餓海峡」をやっているようなもの。

まぁ公演場所も、三上ヘドウィグが、パルコ劇場だったのに対し
山本ヘドウィグは普段プロレスをやっているのかな、
ライブハウスかクラブっぽい場所だったのも、
作品の印象への影響があるのかもしれません。

決して下手とか悪いという訳ではありません。
山本耕史のファンには、半裸にもなりますし、
彼の魅力は十二分に発揮されていますから、
十分満足のいく内容ではないでしょう。
事実、前方の席の人は、どの曲で立ち上がって掛け声をするのか、
どの曲は座ってしんみりとするのか、よくおわかりです。
歌舞伎の掛け声のように、合いの手も調和されてました。
会場の雰囲気にも合ってます。

ただ僕のように純粋にドラマを期待していくと、
「一体、何やってんだか・・・?」って、取り残されます。
台詞が素直に入ってこないから、
とても舞台との距離感を感じてしまいました。

どちらにしても、この公演、わりに昼の部もあるようですが、
アングラ気分で、夜の遅い時間に見るような作品じゃないかな。
歌舞伎町のド真ん中ってロケーションは雰囲気にピッタリですが、
明るい時間とうより、夜9時か10時頃から、
ちょっと一杯ひっかけながら見るような作品と思う。
韓国の大学路でも、夜10時からの公演(4時、7時、10時の1日3回公演
だった!)もされてましたし。

ソムンは、良かったですよ。雰囲気もバッチリだし、妖艶さもありました。
歌もパワフルで聞き応えがあったし、山本耕史の邪魔にならない、
相性のよいバランスでの歌い方(バランス)でした。
これ、座長公演では、とっても大事。
個性は出さなきゃいけないけど、座長より目立っちゃダメ。
座長を引き立てなきゃいけない、座長を超えちゃダメ。
そんな意味では、彼女は、とてもいい存在でした。
韓国では、評価されている歌手とのこと、
これはチラシの触れ込みに間違いなし!アーメイとは違います。

ネタバレBOX

オープニング 客席後方から山本ヘドウィグが登場するのですが、
そのゴージャスでケバい女装をした姿は、なんだかワハハの梅ちゃん
みたいでした。
歩きながら、鼻から豆が飛んできそうな感じ!

この作品は、歌の歌詞が作品の意味を理解する上で、
非常に大きな役割があるんだけど、
英語で歌っているんですよ。
確かに訳すと意味が変わってしまう場合もありますが、
それは舶来ミュージカルでも同じで、
ちゃんと話を伝える役割としては、日本語で歌わないと。
まぁ山本耕史ショーですから、
英語で歌う彼の姿が格好よければ、それでいいっか。

かなりの大音量でしたが、結構寝てる人がいました。
僕もウトウトウト・・・と、何度もきました。
似た者同士

似た者同士

We We BeT

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

キュートでファニーな逸品!
交通の便のいい歌舞伎町の小さな劇場で、チケット代、裏のミラノ座で、
映画をみるのと変わらない料金¥2000で、
立ち上げたばかりの劇団を若い人が上演するって、ことを前提に
納得の上で、観劇と感想。

コントのように楽しい芝居を見せてもらって、これはなかなか拾い物。
垢抜けない主役の男の子達が一生懸命、バタバタしてます。
変なテクニックや、無意味な間とか、
そんなものを利用せずに直球勝負。
手作り感あふれる舞台装置や、簡素な照明も効果的。
暑苦しい男の子二人相手に、これは究極とも言える薄口な女の子が、
絡むんだけど、これば絶妙なバランス。
役者同士の組み合わせも悪くない。

でも、説明くさいセリフとイライラするボケが重なって、
最初の30分位で、結構おなかいっぱい。
「これが2時間続くのかぁ」って思っていたら、
いやいや話は、いろいろと枝葉をつけて、
ラストも小粋で綺麗な幕切れ。

サンモールスタジオあたりで、10回も公演を打っている
ベテラン劇団なら、つっこみどころも満載ですが、
(2時間弱の作品ですが、整理されえりゃ80分程度の内容でしょう。)
はじめてにしては、良く出来ているんじゃないかな。
キュートな3人組が、よくある自分達だけ、身内だけが楽しめる芝居では
なく、観客のみんなに楽しんでもらおうとしている姿が
良く伝わりました。

シアターシャインって、初めていきました。
天井は低いけど、舞台の間口が広いせいか、
圧迫感とか窮屈間のない劇場ですね。
場所も便利だし、悪くない。

ネタバレBOX

あのボケの泥棒、本当に変な奴がやったら
「死ね!」って思いますね。
斉藤翔太、慶太を、思いっきり田舎臭くしたような、
(多分)主催者?が、憎めない表情で子犬のように演じているから、
笑ってすませられたんだと思います。
銀座通りのデカプリオ

銀座通りのデカプリオ

昭和芸能舎

シアターブラッツ(東京都)

2008/04/22 (火) ~ 2008/05/02 (金)公演終了

満足度★★★

手抜きだなぁ
殆ど「横丁のディカプリオ」と一緒です。
再演なら、再演!とか改訂版とか謳って欲しい。
設定が似ているのは、シリーズものってことで問題ありませんが、
台詞や演出が、まるっと同じというのは、ちょっと観客をナメテるなぁ。

3000円で、100人程度の小さな劇場で、
エンターテイメントに満ちた作品を提供してくれていますし、
主役の倉貫君は、こんなステージに出演していることが
不思議なくらい、ハンサムだし華もあるし、
いわゆる小劇場公演としては群を抜く完成度ではあります。
ただ前作の「へそのはなし」に比べ、
作品としてのまとまりも、作家の主張も、レビューも中途半端で、
それは期待度に比べということですが、
残念な気分で劇場を後にしました。

売れ出した頃の三谷幸喜も、似たようなことありましたね。
「巌流島」とか「バイマイセルフ」とかコント赤信号の作品を
出していたころ。
従来作品に比べてですが、あきらかに密度の薄い、
その作家にしては水準の低い作品を出してました。
「温水夫妻」あたりで復活したけど。

次回は、赤坂レッドシアターでの公演とのこと。
それも、再演っぽい。
作家が多忙になりすぎている環境なら、
いっそ公演を打たなきゃいいのに。
アングラ感漂う新宿の地下劇場から、ご出世。
シアターサンモールとか、紀伊国屋など、
新宿からは離れないでほしっかったなぁ。

ネタバレBOX

倉貫君が、なんでゴミ集めをしているのか、
エベレストまで行って、長期間ボランディアするって、
費用も何百万もかかるし、精神的負担も並々ならぬもの。
それが、女に一目ぼれして志を曲げる・・・?なんだろなぁ???
安易に、こういうことを背景にすると、
他の台詞や設定まで安っぽく見えちゃう。
結局、ゴミ問題について、作家は何を問いただしたかったのか、
よくわかりませんでした。
「横丁のディカプリオ」みたいに、NYへダンス修行って言ってたほうが、
全然説得力もあるし、自然。

あの倉貫君の妹役の子、退団したんじゃなかったけ?
確か群馬に帰るって前作の前説で言ってたけど、
あれは冗談?

フンドシ姿というか、フルモンティショーは、この劇団の
お家芸なんでしょうか。
ハンサムな倉貫君を始め、ギリシャ彫刻みたいに立派な体をした
男性陣がケツを見せりゃ、半分のお客さんは3000円だし、
満足して帰るんでしょう。イロモノショーか!
(なんで倉貫君は、この劇団に出演しつづけているんでしょうか???)

中国批判、人種差別、このあたりには
しっかりとした硬派な姿勢を感じます。
この姿勢だけは商業主義に媚びずに、しっかりと貫いて欲しい。
HANAKA

HANAKA

明治座

明治座(東京都)

2008/04/18 (金) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★

明治座は寒かった・・・
「は~るばる来たぜ、明治座」って感じで、ご縁があって足を運びました。
明治座って「わざわざ」行かなきゃいけないんだよなぁ。
決して距離的に遠くもないし不便でもないんだけど、
なんでか、おっくう。
数年ぶりに行きました。
とっても綺麗で舞台も大きく、立派な劇場と思います。
設備も音響も立派。
ロビーでは、明治座特製ミキティ人形焼なんてのも
売っていました。ミキティ瓦せんべいもあったなぁ。
チケット代が高いのも納得。

でも、ミキティファンって、若い人だよなぁ。
劇場内に、それらしき男の子達が結構いましたが、
彼らは手頃な価格の3階席なんでしょうか、
土曜日なのに、前楽なのに、酷く劇場はガラガラ。
2階席なんて、締め切り状態。
作品のスケールからして、なんで明治座で上演したんだろう?
そしてキャストだって、地味目だし。
1階席も、半分くらいは、いわゆる「明治座のお客様」っぽい。
ご高齢な方ばかり。
これ、いわゆる幻想劇なんですが、
小難しい話のせいか、後ろの席のご婦人3人連れは、
上演中でも、食べるか飲むか、寝るか・・・
あと、よくしゃべるんですよ、劇中でも。
「あの若い男(大口)、西郷輝彦の若い頃に似てない?
そういや娘、離婚したんだっって・・・」って話し出す。
普通なら、係員呼び出してクレームものだけど、
明治座とか演舞場って、そういう劇場だから、ねぇ。
ガラガラな客席に、寒々しい舞台の雰囲気、あげくに
空調も設定温度低めなのか、とっても寒かった。

話なんですが、明治座上演時間で、3時間20分もあります。
殆どが大口は舞台に出ていて、ミキティは話の流れに沿って出演。

ミキティは可愛いです。
台詞はよく聞き取れないし、芝居は下手だけど、
パっと目をひく可愛さがあります。

でも、この作品の主役はタイトルロールではあるミキティではなく、
大口なんたら、って誰か知らないけど、
清潔感のない、ホスト崩れみたいな、特にオーラのない男。
ミキティは可愛いけど、明治座を背負うほどの力はなく、
タカちゃんのように井上芳雄の相手役だったり、
なっちみたいに獅童らの相手役のレベルと同等の役柄が
せいいっぱい。
これが紀伊国屋で2週間興行、チケット¥5000なら、
そこそこ埋まるんだろうし、納得もするけど、
天下の明治座で1万円近いチケット代で、わざわざ浜町まで行くのは
ご無体な話。
開幕時間も、いびつだし。

ホリヒロシの人形使いは幽玄です。
舞台美術も、作品の世界を表現しています。
決して舞台まで近い席ではなかったけど、
人形の柔らかな動きが伝わってきました。
話は、ファンタジーの部分が多いから、つっこみはあるけど
まぁいいとしても、どうも大口に感情移入できないとツラい。

明治座には、もったいない。
これなら「レベッカ」でも上演すればいいのに。
そうそう、山本亨氏も出てます。
こんなにのに出るなら、モリエールで、ダイナーの店主でも
演じたほうが良かったんじゃぁ・・・

ネタバレBOX

100日って、3ヶ月強でしょう、100日位待てないのか!
1000日じゃあるまいしって見ながらストレスを感じてしまった。
可愛いミキティが、あんなに慕ってくれれば、
二人でいちゃいちゃしているだけで3ヶ月なんて、あっという間に過ぎると
思ってしまい、大口が、とってもアホに見えてしまった。

レイザーラモンが、サングラスを外して、普通に芝居してます。
あのコスチュームしていないと、誰だかわかんないっすね。
サービスであった「ハカナ、フォー!」とプロレス技のシーンが
一番、明治座のお客様には受けてました。

マスコミで受けているほど、ミキティのセミヌードシーンは
ドキっとしません。
遠くの席からでも、ボディスーツまるわかり、後姿だけだし。
でも、女郎の仕草とか、肩車とかはエロかった。
ミュージカル『レベッカ』

ミュージカル『レベッカ』

東宝

シアタークリエ(東京都)

2008/04/06 (日) ~ 2008/06/30 (月)公演終了

満足度★★★

薄っぺらなのはシアタークリエが原因(の一つ)!!!
「レベッカ~♪」本当に印象的なメロディが劇中何度も響きます。
あぁ何をしていても頭の中に鳴り響く・・・使われ方には問題もあるけど、
ミュージカルには、こういう口づさめるような旋律が必要だよね。
「トウーランドット」も見習って欲しい。

どこかで見たようなシーン、どこかで聞いたようなフレーズが、
見ていてフラッシュバックされます。
これは僕がこの人達の作品を見すぎてしまったせいか、
どうも新鮮さに欠ける。
それでも最新の照明を利用したり、
少しだけ毛並みの違う雰囲気が感じられたのは、
山田演出の力でしょう。
(僕の中で大好きなミュージカル作品歴代5本の指に入る
「ローマの休日」の演出家ですから。でも、そもそも三谷組なんだよなぁ)

きっと膨大な原作を3時間にまとめているのだろうと思いますが、
とても芝居の内容は薄っぺら。
説明が少ないのか、役者が薄いのか、多分両方でしょうが、
あまりにも軽すぎて、見ているほうは楽です。

ヤマユウって本当に大根役者ですな~。
とってもお歌は上手なんですが、なにを歌っても、なにを演じても一緒。
歌っている姿はカリオストロ伯爵(マリーアントワネッ(ト)、感情を出す
シーンはコロラド大司教(モーツァルト)、スーツ姿は(ローマの休日)、
これがヤマユウの味だから仕方ないけど、役に近づく努力をしても
いいんじゃないかな。

実質、この作品の主役は大塚ちひろ。
彼女ではあまりにも平凡すぎた。もちろん四季の若手に比べれば
数千倍スター性はあるんだろうけど、話の核を背負うほどの
オーラがない。
歌手(アイドル)でもモデルでも、ババァでもいいから、もっと存在感のある
役者を起用して欲しかった。

シルビアクラブはアムネリス(「アイーダ」)以来の大きな役じゃないかな。
ある意味、儲け役。いやでも目に入ります、目立ちます。
演じやすい役です。
顔が綺麗でかわいいのに、ドスのきいた低いアルトボイスは、
ゾクゾクセクシーだなぁ。

それ以外の人は、本当に出番が少ないです。
アンサンブルのほうが多いくらいです。
ソロの歌も舞台に立つ時間も、石川禅なんて、いるのかいないのか、
よくわからないほど。

曲もいいし、演出もいいし、中身も軽いのに、とても肩が懲ります。
理由は劇場です。
見ていて、本当に窮屈な圧迫感に苛まされます。
視界には、常に剥き出しの天井が入ってきます。
全く開放感のない劇場に、押し込められた感があるので、
つい体に力が入ってしまう。
作品に集中できないのは間違いなくシアタークリエが原因(の一つ)と
思います。

オリジナルは、もっとセットも豪華で立派です。
そして作品の大きさから考えれば、最低でもルテ銀、
日生か青山(帝劇は大きすぎる)で上演すべきでしょう。
曲もいいから、ちゃんとオケも剥き出しにして。
シアタークリエで上演する為に、
セットは割愛、オケも隠し、チケットは割高に、
全てがデフレスパイラル・・・
事情を把握して観劇をする場合はマシとしても、
付き合いで、初めて、特定の役者を見る為に、
舞台を見慣れていない人がこの劇場へ行ったら、
中身を関係なく、芝居嫌いになっちゃうんじゃないかなぁ。

ネタバレBOX

「レベッカ~♪」メインテーマだけど、これシルビアクラブの歌なんです。
主役の二人とは関係ないし、歌わない。
1幕ラストで歌い上げるのはいいけど、2幕早々、また長々と歌います。
クドい!!しつこい位歌います。

2幕でのヤマユウの独白のソロの歌のシーン。
まんま「ダンスオブバンパイア」です。少しは工夫して欲しいですね。

殺しのくだりが、よくわからなかった。
ボート小屋で打ち所が悪くて死んだレベッカをボートに乗せて???
なんか良くわからないけど、
ヤナユウは殺人者だけど、バレなかったって話でいいのでしょうか???

オリジナルは真ん中に大きな螺旋階段と、シャンゼリアがあります。
クライマックスは炎の中、これが崩れ落ちます。
そういうスペクタルも作品には必要だな。

とにかく話が浅い。
わからないシーンがいっぱい。
なんで唐突にヤマユウは大塚ちひろに惚れるのか?
あれは一目ぼれ?それとも殺人の隠れ蓑?
シルビアクラブは、なんでレベッカが死んでも屋敷にいるの?
というより、あの執拗な態度は何?実はレベッカと同性愛で出来てた?
よりによってバカなイトコと何でレベッカはエッチをしたの?

わかりやすかったのは、寿ひづるの「大阪のおばちゃん」キャラ。
柄の大きい派手なブラウス、態度、発想などなど。
「おばちゃんの基準は大阪のおばはんなんだ」と納得。

ハリジャン

ハリジャン

innocentsphere

シアタートラム(東京都)

2008/04/19 (土) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

生理的に受け付けない・・・
チラシから持つイメージと本編の内容に、自分の中ではギャップがあり、
そしてオープニングからエンディングまで続く、その世界観に、
僕は生理的に受け付けない居心地の悪さが続き、
とても落ち着かない約2時間だった。詳細はネタバレで。
僕の個人の感覚ですので、点数は避けます。

メジャーな役者さんや、大きな劇場で活躍されている役者さん達が、
最近こういう小劇場に出演したり、劇団の作品の力を借りる傾向が
目立ちますね。
石川さゆり公演の桟敷童子(秋にスズナリで川島なおみ公演も打つみたい)
や、モダンスイマーズに出る萩原聖人など。
こういうのが流行りなのかなぁ。
確かに海外でもビッグネームの役者が小さな舞台に立ったりしてるけど。
ギャラとは関係なく
(今回の公演も、300人のトラムで半分くらいしか入ってなかった)
ファッション感覚で出演するのかなぁ。
メジャーな役者さんが出演されると、受付に
「○○○ 役者の名前」と書かれた受付窓口があるのですが、
今回「尾上松禄」というのは、なかったな。
松禄の後援会、歌舞伎のファンの方が、この芝居を見たら逆効果か。

松禄は、確かに大芝居。
最初は「あれぇ声出てないなぁ、手を抜いているのか、
小劇場だから、わざと小さな芝居をしてるのかなぁ」と思いましたが
ラストは、まさにここは歌舞伎座か!と笑っちゃうような
こぶしのまわった台詞回し。
もう暑苦しくって脂臭くて、
「ラーメン二郎、ニンニク・濃い目・脂ましまし」って感じでした。
他の役者を、わざと地味というかオーラのない人を集めたのか、
松禄の油臭さが引き立たせる為にキャスティングしたとしか
思えないほど、他の役者陣は薄かった。

キャロットタワーってバブリーだよなぁ。
シアターモリエールとは大違い。
天井も高いし、ロビーから客席に入る通路も高級クラブみたい。
照明も常設で沢山あるけど、この作品には無意味。
この作品こそ、モリエールが似合うんじゃないかな。

ネタバレBOX

松禄のメイクで、ドン引きしちゃいました。
あのメイクが気持ち悪くて気持ち悪くて。
あれはやりすぎでしょう。
特に顔のプチプチが、こちらの体にジンマシンが出るほど、
刺激が強すぎた。
あれはノートルダムのせむし男か。

舞台のセットのオブジェも、何か意味がありそうで、
結局、よくわからず。

ハンディをもった人に対する世間の冷たい風と、
それに対する視線をテーマに掲げているとは思うんだけど、
あまりにも極端。

エビスのイライラの根源も、よくわからないし、
あの殺人看護婦の位置付けもよくわからない。
ヤクザの神父も、よくわからない。
極楽とんぼに芝居三昧していて、身近にも、あのようなハンディを
持った人がいないので、
「見て見ないふり」をする環境にも立ったことがない。
テーマが深いのか浅いのか、
切り込みが突っ込まれているのか、甘いのか、
それもよくわからなかった。
確かにインド旅行へ行った時に、ニューデリーの駅前には、
あのようなハンディを持った人は沢山いました。
直視できなかったことも覚えています。

ラストは、「女殺油地獄」か「近松心中物語」かと思うような演出。
イナバウアースタイルで笑っちゃいました。
そこは面白い。


オープン・The・Show

オープン・The・Show

劇団たいしゅう小説家

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2008/04/18 (金) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

大衆演劇の底力!
基礎と経験がしっかりしている人が支える芝居って、
安心して見てられますね。
脚本がしっかりしていることが前提ですが、
役者さん達の立ち姿や台詞の間の取り方が、
とても安定しており、「プロの仕事だなぁ」と、
観劇しているこちらも、ゆとりを持って芝居を楽しめました。
大きな声を出して熱演するのもいいけど、こういう落ち着いた
芝居が体に染み込んでいる人達で綴られる作品を見ると、
まさに芸達者という仕事ぶりでしょうか。
このカンパニー独特の、吉本新喜劇に毛が生えたよう人情話を、
少し贅沢なテイストで見せてくれました。
こういう話だから、余計に役者の良さが引き出されているのでしょう。

主役の人、この人、知らないんだけど、有名なのかな。
殆ど出ずっぱりにもかかわらず、ブレることのない調子で、
話の芯を引っ張ってくれます。
見ていて、だんだん親近感まで湧いてきて、
思わず客席から、こちらも「座長!」っていいたくなりました。
風花舞ちゃんも、どんどん出演作の出番とスケールが小さくなって
行ってますが、良かったです。カラっとしたおかみさんになってました。
市川染五郎に似た、大衆演劇のスターが出ています。
彼もなかなか存在感がありますね。
早乙女太一しかり、みな素顔もキレ長の目をしてますね。
くるくる瞳の人は、大衆演劇には向かないのかなぁ。
戦隊あがりで男前スターのはずの涼平クン。
いつの間にか、こんな役というか扱いになってしまったんですね。
皆様、なんだか落ちぶれてしまった感がありますが(?!)
芝居を愛する心、舞台の真ん中に立つ誇りをしっかりと持って
演じている姿には、本当、好感が持てました。

遊び半分、適当な気分で上演しているとしか思えない
作品も多々有る中、
こういう良心あふれる作品は、どんどん制作していってほしいです。
でも、6000円は高いなぁ。4000円位で公演してくれればいいのに。

大衆演劇って、必ず時代劇をしなきゃいけないのかなぁ。
半分は、こういう現代劇みたいな軽い劇、
半分は舞踊とか名作劇集みたいな組み合わせでも
いいような気がするんだけど。
健康ランドで、キャストはともかく、こういう芝居が楽しめたら
いいよなぁ。
大衆演劇のチケットは本当に安い。
僕は十条で昔、見たことあるんだけど、
3時間、芝居と舞踊にお見送りまで付いて、1500円だった。

年齢とともにロックとかハウスみたいな音楽を聞いていたのが
「演歌って、心にしみるよなぁ」と思い始めたように、
だんだん、時代劇が好きになっていくのかなぁ。
想像できないなぁ。

ネタバレBOX

風花舞ちゃん、ラストで一曲歌うし、ドレス姿にもなります。
昔、TMレボレボと一緒にリトルショップオブホラーズでオードリーを
していた時を思い出すかのような可憐さでした。
彼女が仕切っていたから座員がついてくる、まさに内助の功、
いい泥臭い面も持つ、おかみさんでした。
こんな役も出来るようになったんですね。
真ん中に立ってキラキラ輝くって、本人の資質が
大方を占めますが、やっぱり経験も必要なんですね。

涼平クンが、ゲイの役なんですが、芝居でしょうが、本当に視線や
仕草が、それっぽくってゾクゾクきちゃいました。
劇中劇の中のでの、台詞の言い方や発声は、なかなか粋な
ご様子で、いつでも商業演劇にいけそうな堂に入ったもの。
彼は背も高いし、体も大きいから、ミュージカル界でも
是非活躍してほしいですね。
BALM in GILEAD(バーム・イン・ギリヤド)

BALM in GILEAD(バーム・イン・ギリヤド)

the company

新宿シアターモリエール(東京都)

2008/04/04 (金) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

満足度★★★

こんなダイナー、あったら怖い
他の皆様と同様、まずモリエールに入って、びっくりしました。
ここ、こんな風になるんだ・・・正直オンボロでチープな感じで、
お笑いライブとかやってる劇場が、見事なセットで、重厚な雰囲気に
なっていました。
僕も前のほうの席でいたら、男は殆どいなかったせいか、
オープニングで絡まれる絡まれる、「芝居終わったら、絶対外で待っててね、
私を買ってね」って、結構ガン見で長々と言われてドキドキしちゃいました。
(実はドラッククイーンだったんだけど 汗 )

とっても濃いキャラだらけで、舞台から溢れる熱気で、むせそうでした。
あっちからもこっちからも金キリ声や罵声がとびかっていて、
「こんなダイナー(酒場ではない、ただの喫茶店)、本当にあったら怖いなぁ」と、偏ったファンタジーなんだと、割り切り見ていました。
40年位前の戯曲らしいので、「RENT」よりも時代設定は古いのでしょうが、
いくらなんでも、あんな狂気と狂気に満ちた人達で溢れかえっていたら、
営業停止になるんじゃないかって様相です。

そんな中で儲け役はパクソヒで、彼だけが清潔感ある綺麗な格好で、
一人ナイーブなキャラを演じてました。
他の方は、キワモノキャラばかりなので、役者はやりたい放題。
あぁいう個性的な役って、思いっきりワル乗りとばかりに、
演じていればいいだけですから(まず、身近にはいないキャラですから、
わからない)楽しいですよねぇ。
ボロいキャラの雰囲気の役作りを、
それぞれの役者がメイクや衣装で、これでもか、と言わんばかりに表現。
かなりやりすぎ、遊びすぎ感満点です。
「汚いけど綺麗」なベガーズよりも本格的です。

群像劇ですから、舞台の上で、4つくらいの絡みが同時進行しています。
メインはパクソヒのようで、彼の話が主軸ですが、
それぞれのキャラが、それぞれのドラマを持っていそう。
でも1回見るだけでは、キョロキョロしている間に話は進み、
全てを追うことは出来ませんでした。
結構過激が台詞や描写が頻繁にあります。R18設定が必要なくらいな、
エグイシーンもありました。
僕の席からは、「氷の微笑」シャロンストーンかのごとく、
3人位の女性?からスカートの中を見せ付けられました。
密度の濃い空間、そして時間なので、上演時間が2時間程度ですが、
ぐったりするほどです。

ストーリーらしいストーリーは、少ししかないので、
これは作品の雰囲気を楽しむだけでいいのでしょう。
鑑賞の充実度としては
「エンジェルスインアメリカ」の足元にも及びませんが、
作品の世界には、どっぷりと浸かることが出来ました。

っと、いづれも他の皆様と同一意見。
見た人が、揃って同じ印象を持つってことは、
まんまと演出家の意図にはまってしまったんでしょう。
この企画は成功ですね。





ネタバレBOX

知る人ぞ知る著名な役者が30人も出演しているのですが、
メジャーところで朝ドラにも出演していた瀬川亮まで参加してました。
戦隊レンジャー上がりで顔も体も男前な彼の役どころは、
よくわからないのですが、やっぱり目立ってました。
ミュージカル「SEMPO」

ミュージカル「SEMPO」

ライズ・プロデュース

新国立劇場 中劇場(東京都)

2008/04/04 (金) ~ 2008/04/22 (火)公演終了

満足度★★★★

ミュージカル界の融合!
日本のミュージカル界を支える3大集団(東宝・宝塚・四季)が、
見事に吉川晃司という(一応)スターを中心に支えあった逸品です。
そう演劇(?)界の最高値チケットの「夜会」を送り出す、中島みゆきの
楽曲まで加えられて、
本編2時間強の中、舞台装置などのハードの部分は陳腐だけど
(地方公演があるからかなぁ、でも「トライアンフオブラブ」よりはまし)
ソフトは非常に充実してました。
もちろんミュージカルファンだけがわかる、マイナーなソフトなんだけど。

お~、シンバとスカーだ!(「ライオンキング」宇都宮直高と田村雄一)、
ファントムにクリスティーヌもいる!(「オペラ座の怪人」沢木順と井料留美)、
マリウスとコゼットじゃないか!(「レミゼラブル」泉見洋平と辛島小恵)、
あ、ジャベールも(今拓哉)、
おまけにトート閣下まで(「エリザベート」彩輝なお)・・・
現在の最高峰ミュージカルでメインを張っている人ばかりじゃないですか!?
でも、誰も目立つことなく、あくまでも吉川晃司の引き立て役。
オーラを消しているのか、そもそも存在感がないのか・・・

なんでもないアンサンブルの歌声さえも、こうした基礎がしっかりした
人達が固めているので、非常に厚みのある音楽で贅沢である。
(生オケなんですが、なかなか良い指揮でした)
それでも、声に存在感があるのは吉川晃司、吉川節ではありますが、
違和感はありません。
もちろん歌いながら腰も振ってません。
巻き舌での歌い方は、そのまんまですが。

話は、本編2時間強に収めるのが前提だったのか、
かなり浅く、中学生高校生向きの構造になってしまっていました。
シンプルと言えばシンプル。
そこまで詰める時間がなかったのか、
練り直せば、もっと良くなる素材ではありました。

劇団四季の「昭和の3部作」を意識したような内容ですが、
この「SEMPO」のほうが、作品の充実度は高い。
役者の実力がエンターテイメント性を高めているからでしょう。

中島みゆきの楽曲は、中島みゆき節も耳につきますが、
とても作品にはあっている。
もっと前面に出てもいいんじゃないかなぁ。
吉川晃司の曲も1曲、なぜかあります。
でも違和感はありません。

当日券を買うのに、かなり並びました。
でも、ちゃんと券はあります。まだ空席もありました。
この作品は、高い席から売れる傾向で、
安い席だけが残ってます。
でも、新国立の2階ですから全然見えるはず。
あまり前売りが売れてないのに、あまりキャンペーンや宣伝、
評判も聞こえてこないのは、どうして???

僕は1階の後方のA席7000円で見ましたが、
この作品、とても席種に分かれてチケット設定がされていて
とてもいい。
「かぶりつき」の超良席は12500円、即効で売り切れたようですが・・・
同じS席でも(最近は殆どがS席設定)舞台までの距離感が、
かなり違ったりするので、
面倒なんだろけど、もっと席種は分けてほしいですね。

話がそれましたが、
吉川晃司のSEMPOって、ちょっと軽いというかイメージがピンと、
来なかったのですが、
それほど違和感もなく、十分楽しめました。
劇団四季の「昭和の3部作」を意識したような作風ではありますが、
こちらのほうが、全然ましです。
地方も行っちゃおうかなぁ。

ネタバレBOX

吉川晃司の出番は、少ないんです。
1幕は殆どありません。
曲も台詞も少ないです。だから、「アラ」が目立たないんでしょう。

アンサンブルながら、宇都宮直高は目立ちますね。
最初のNYのバーのシーンから存在感出てました。
医者の息子だけあって(確か井上芳雄と同級生??)、
育ちのよさもありますね、ナチスの特攻の役が一番あってました。
逆に肌のボオボロさが後方席まで目立っていた泉見洋平、
あれは役作りなんだろうか?
彼は地味でしたねぇ、あまり賢そうでもなく・・・

不思議なのは、井料留美の扱い。
なんでただの母親役のなのに、オープニングから、いやにソロが多い。
たしかに10年前の四季の作品の大きなヒロインを
全てしょっていただけあって、
お歌は上手いかもしれないけど、出しゃばり感が・・・

森奈みはるは、やっぱり代役ですねぇ、彼女は妻役で、大きな役ですが、
それが背負いきれていません。
愛華みれ、吉川晃司とウマが合わなくて降板したと思っていたら、
本当に大病でした、お元気になって欲しいですね。

と、目に付くところもありますが、とても層の厚い作品。
楽しかったっす。
あわれ彼女は娼婦

あわれ彼女は娼婦

演劇集団 砂地

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2008/04/16 (水) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

満足度

すっごく損した気分(怒)
なんで、1ヶ月も前に正規前売り券を買っているのに、
(¥3500もします)
仕事帰りにスーツ姿で、
小走りで劇場へ開演に間に合うように行っているのに、
コンクリートの上に薄い布だけひいた痛い床に、
座らされなきゃいけないんだ!!!
終演まで埋まることのない「関係者様」と張り紙の張られた多くの椅子。
それ以外にも劇場内には、空間が、あちらこちらにあるから、
「スーツのひざが出るし、膝も痛いから補助席出ないんですか」と頼んでも、
「遅れてくるかもしれないお客様の為に、スペースが必要です」と
IQの低そうな表情をした女スタッフに言われる。
あげくに「荷物は足元か膝に置いて下さい」と真顔で言ってくる。
おいおい、地べたに座らされていて、どの足元に置くんだ。
仕事帰りで、書類やPCの入った重い鞄を膝におけってか。
江戸時代の拷問か、ここは。
「預かってもらえませんか?」と言えば、
「お客様ご自身で、お持ちいただいております」サイテー。

そして、100席足らずの劇場で、10席以上作られた
「遅れてくるかもしれないお客様用のスペース」と
「関係者様」と張られた席は、最後まで埋まることはなかった。
あげくに開演中、空席の様子が気になって席を見たら、
「もぎり」の女が座ってやがる。
なんじゃそりゃ。
とにかく、気分が悪い。
なんで、こんな扱いを受けてなきゃいけないんだ!!!
見たら、この劇団、20歳そこそこの学生さんらしい人達の集団のよう。
客席も劇団の「知人、関係者らしい」若い人達が、多い。
大人の作品を、大人の役者さんが、大人の雰囲気の神楽坂の
劇場で上演しているのに、
やっていることはド素人を超えて、全く配慮の足らない対応。

舞台と客席の間、いわばまん前で見上げる形で観劇させられたのですが、
舞台の転換や装置で、煙はふりかかるは、埃は立つは、
足は踏まれそうになるは、
当然、膝もケツも痛くなるはで最悪。
帰ろうと思っても、休憩のない芝居で立つに立てず・・・

役者さんは、一生懸命芝居していたと思います。
ジョンフォードのシリアスな世界観を表現しようと、
役者さん達は真面目に演じていたと思います。
でも何度か役者と目があったのですが、
僕は、かつてないほど悪い観劇態度で見てしまいました。
膝もシリも痛くて、落ち着きなく、客席の正面でモゾモゾして、
腕時計で時間ばかり気にして、
顔つきも不機嫌で、ホコリが立つから、しょっちゅうチラシの束を、
芝居の間、パタパタしていて、そんなのが目の前にいたら、
役者も気分悪いでしょう。
悪いとは思ったけど、本当に痛いし不愉快で・・・

内容は、そういうマイナス面をさっぴいて、
やっぱり「どこかで見たような」「雰囲気つくって見ました」という感じ。
「照明と音楽を派手にして、ちょっと前衛っぽくしてみました」
「TPT ルヴォーっぽくしました」って見え見えで、
学生さんにしては、よく出来ているのかもしれませんが、
学芸会の域は出ていない。
これじゃプロの役者さんが可愛そう。
だから怒ってカーテンコールさえもなかったのでしょうか。

一人、夫の友人役の人がド素人で脂臭い芝居をしていて、
後半、へたくそな踊りまでしていました。
うっとうしいなぁ、なんだあれって思ってたら
学生さんで、演出家の友人でした。
お金払って出演したんでしょうか???

とにかく配慮のないスタッフのせいで、
楽しみにしていた、本当は楽しめたかもしれない芝居が、
すっごく損した気分だけが残った観劇でした。

そうそう、劇場の場所がわからなくて電話したら、
「東西線 神楽坂駅から、どのように行けばいいですか?」と聞いたところ、
電話に出た人も「私もわからない」って、
なんじゃそりゃ。

★3つくらいつけてもいい内容ですが、
スタッフの酷さで、あえて★1つ。

ネタバレBOX

こないだ草笛光子の「肝っ玉おっ母」にも出演していた
田中壮太郎氏が、上半身裸になるんですが、
腕に大きなあざがあるんです。
色白な方なので、とても目立つのですが、
「なにか芝居に意味があるのかなぁ」と思っていたら、
単にご本人のあざでした。
それがどうだと言われれば、それまでですが、
見られる仕事ですし、シャワーシーンじゃないのだから、
裸になる必然性もないのは。
シェイクスピアBOOGIE★WOOGIE

シェイクスピアBOOGIE★WOOGIE

劇団BOOGIE★WOOGIE

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2008/04/18 (金) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

満足度★★★

難しいことに手を出しちゃって・・・
シャイクスピアって、話の内容はサクっと演じれば30分程度の話だけど、
とにかく登場人物が、「自分が何故そういう行動にでるのか」「自分が何故
そういうように思うのか」、ぐだぐだぐだぐだ屁理屈を言って、
長い上演時間になりますよね。
確かに、ぐだぐだぐだぐだ回りくどく言う(語る)台詞の表現方法に、
魅力的なフレーズがある場合もあるのですが、
あまりにも能書きが多く、僕としてはイライラしたり、
眠たいなぁって思う事がしばしば。
だから基本的には、あんまりシェイクスピア劇って見ません。

劇団ブギウギが上演するので、
シェイクスピアの戯曲を下敷きに、口頭語で、コント風にして、
いろいろドタバタするのかなぁと
思ったら、
なんと正統派とドタバタの融合。
記述語と口頭語が交わった台詞で構成されているのだ。
いやいや難しいことに手を出しちゃって・・・
ドタバタしながらも、シャイクスピアの悠長な台詞も交え・・・って、
水と油のようなことをしようとしてました。

役者とか劇団の皆様って、経験を積むとシェイクスピアって演じたく
なるものなんだろうか?

ドタバタの部分は楽しい、シェイクスピア調の部分も悪くはない。
でも融合したら、それがプラスの反応、乗数の反応になるのではなく、
アンバランスさだけが浮き彫りになっている。
ドタバタの部分に急ブレーキがかかったり、
落ち着いた部分に急に水をぶっかけられたかのように、
見ていて、「どっちなんだー!!」と言いたくなる居心地の悪さ。
「うな丼」と「コーンポタージュスープ」を一緒に食べているようなものでしょうか。
上手くやれば、面白くもなれたんだけど、残念。

役者さんが皆同年代なんでしょうか、役柄には年齢差があるはずなのに、
みんな同じ位に見えるから、人間相関図が、わかりづらい。
恋する女の子達も、いい年だしね。

先に書いたよう、ドタバタの部分は楽しいです。
毒もあります。時に過激過ぎてR指定っぽ刺激もあります。
その部分だけ期待していけば、満足するでしょう。
でもその分チケット代も半分(¥1900)にしてもらわなきゃね。

「真夏の夜の夢」のファンタジックさ、キュートさ、格調の高さは・・・と言えば、
世界的に有名な役者さん達も演じている作品ですから、
比べられてしまう覚悟を基に有償公演として上演しているのでしょうから、
率直に申し上げて・・・
まぁテーマパークのアトラクション程度でしょう。

幕の内弁当的に、たくさんを詰め込んだんだろうけど、
食材の食べ合わせは悪くないけど、調理方法が合わない料理が
揃ってしまったため、何を食べているのがわからなくなってしまったような、
そんな作品でした。

ネタバレBOX

クライマックスが長いんです。
フィナーレが始まってから寸劇が始まるんだけど、
これがどーしようもないほどツマらない。
自分たちだけが楽しがっている最悪のパターン。
あの、「たごさく」を含め、「ラーメン屋の出前もち」などの
田舎者キャラ達のシーンは、いづれも退屈。
あのキャラはバッサリいらない。
作品の格、雰囲気を全て壊してしまっている。
なんだありゃ。、
本編だけなら頃合のよい120分で収まるのに、
こんなツマらない寸劇の為に2時間20分もあって、
どんどんどんどん減点・・・

メインの女の子二人の顔を「カニみたいだ!!!」っていうシーン。
あれは面白かった。
あと「好きだ~~~!!!」っていうシーンがあるんだけど、
声質と高さが織田裕二のモノマネの目薬さして「きた~~~!!!」と、
似ていて楽しい。

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