SEMICONの観てきた!クチコミ一覧

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幸せの向こう側

幸せの向こう側

劇団たいしゅう小説家

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2009/04/05 (日) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

純粋な気持ちに、思わず涙
縁あって、劇場へ足を運びましたが、
正直、全く期待していませんでした。
アリとキリギリスの目立たない方だし、売れないアイドルだし、
アニメっぽい題材だし。

これが、以外や以外、心に響いてきました、泣けました。
最初の20分位は想像を外れない、
三文芝居でしたが、竹本孝之(いやー、わっかいなぁ。もう40代半ば
じゃない、髪も多いし腹も出てないし、往年のアイドルの姿を
守っていた!てか、まだ芸能界にいたんだ!ちょっとビックリ)
が登場したあたりから、グっと面白くなっていた。

この芝居、とにかく役者がまじめに真剣に、役柄に
取り組んでいる、だから感動が伝わるのだ。
確かに、芝居はクサい、台詞はツマる、テクニックからすれば、
全然ダメなんだろう。
だけど、伝わってくるのだ、その気持ちが、せつなさが。

非常に全てのキャストは地味だし、
舞台装置も手作り感満点、
なんともチープな感じがするのに、この感動はなんだろうか。
等身大の思いが、嘘でない思いが、
きっと劇場を温かい空気で包んだからでしょう。

四季や、老舗劇団が、とかくテクニックに走って、
滑舌よく、だの、大げさな芝居だの、無感情な淡々とした芝居、
それが芝居として、あるべき姿と、
メディアやマスコミの力を利用して文化の押し付けをされそうな
昨今。
この作品を四季流で上演なんかしたら、ゾっとする。

こういう作品を、全国公演、芝居が身近でない地域の人に
見てもらいたいなぁ。四季が妨害するか。

難を言えば、あと15分、短くしてほしい。
ちょっと主要な登場人物が多いし、クライマックスも間延びしている。
そして、芝居の代金も、3500円程度だったら
みんなに◎でオススメするでしょう。






ネタバレBOX

最初の閻魔審判で、現世戻りになった、
ヤンキーカップルの2人のシーンを見ていただけでも、
胸が熱くなった。
どうでもいいシーンに片付けられちゃいそうなのに、
それでも、ちゃんと演じることによって
芝居の世界が広がり、熱い思いとなるのだ。

しかし、50人はいそうな、出演者。
手弁当で出演しているのだろうけど、
お芝居が好きなんだろうな、それだけ魅力があるのだろうな。
似た者同士

似た者同士

We We BeT

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

キュートでファニーな逸品!
交通の便のいい歌舞伎町の小さな劇場で、チケット代、裏のミラノ座で、
映画をみるのと変わらない料金¥2000で、
立ち上げたばかりの劇団を若い人が上演するって、ことを前提に
納得の上で、観劇と感想。

コントのように楽しい芝居を見せてもらって、これはなかなか拾い物。
垢抜けない主役の男の子達が一生懸命、バタバタしてます。
変なテクニックや、無意味な間とか、
そんなものを利用せずに直球勝負。
手作り感あふれる舞台装置や、簡素な照明も効果的。
暑苦しい男の子二人相手に、これは究極とも言える薄口な女の子が、
絡むんだけど、これば絶妙なバランス。
役者同士の組み合わせも悪くない。

でも、説明くさいセリフとイライラするボケが重なって、
最初の30分位で、結構おなかいっぱい。
「これが2時間続くのかぁ」って思っていたら、
いやいや話は、いろいろと枝葉をつけて、
ラストも小粋で綺麗な幕切れ。

サンモールスタジオあたりで、10回も公演を打っている
ベテラン劇団なら、つっこみどころも満載ですが、
(2時間弱の作品ですが、整理されえりゃ80分程度の内容でしょう。)
はじめてにしては、良く出来ているんじゃないかな。
キュートな3人組が、よくある自分達だけ、身内だけが楽しめる芝居では
なく、観客のみんなに楽しんでもらおうとしている姿が
良く伝わりました。

シアターシャインって、初めていきました。
天井は低いけど、舞台の間口が広いせいか、
圧迫感とか窮屈間のない劇場ですね。
場所も便利だし、悪くない。

ネタバレBOX

あのボケの泥棒、本当に変な奴がやったら
「死ね!」って思いますね。
斉藤翔太、慶太を、思いっきり田舎臭くしたような、
(多分)主催者?が、憎めない表情で子犬のように演じているから、
笑ってすませられたんだと思います。
ロックミュージカル『スーザンを探して』

ロックミュージカル『スーザンを探して』

東宝

シアタークリエ(東京都)

2009/01/06 (火) ~ 2009/03/05 (木)公演終了

満足度★★★★

もう一つの「マンマミーア」的な???
これは、もう一つの「マンマミーア」だ!!!
似たようなストーリー構成、くるくる回る装置、ヒット曲を用いた楽曲、何より、保坂知寿(ドナ)と配役はされたのに一度も出番がなかった狩人兄・加藤(サム)のコンビ、堂々のお披露目。
正直、G2の演出で当たりはこれまでないし(同様スタイルのOUR HOUSEはじめ、魔界転生などの大作が対象)、キャストの平均年齢は加齢臭漂うほど高いし、何より大嫌いなシアタークリエ、
なんで映画館(あそこは芸術座の跡じゃないくて日々谷みゆき座の跡地)で席間が狭い居心地の悪い椅子、しかもパイプ剥き出しで視界を襲ってくる天井の低い劇場で・・・って二の足を踏んでいたけど縁あって見に行きましたら、いやいやなかなか面白い。
不本意ではあるけどもクリエで結構見てますが、これまでで一番いいんじゃないかな。
この劇場のスペックに合わせた舞台装置と演出で、よくまとまっている。そして適材適所な配役。
加齢臭漂うメインキャストを浄化する瑞々しい爽やかなアンサンブルも◎。これは拾いもの。
地味で能面な保坂だからこそ演じられた普通の主婦、そのおかげもあって際立った、決して普通の主婦は演じられない真琴つばさが、より目立つことが出来、他のキャストも含め、珍しさはないけど、よいバランス。しかし狩人・兄って、すごい体してたなぁ。もう50歳位?郷ひろみよりも全然割れている!!!
マンマミーア好きな人なら気に入るんじゃないかな。
香寿たつきでリピートしちゃお!!

帰れない夜

帰れない夜

KAKUTA

ザ・スズナリ(東京都)

2009/04/04 (土) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

新鮮な切り口と構成、アッパレ
おー!意表をつかれました!!!
朗読劇って言うから、「小劇場で、無名若手役者が、
本読みなんかして興行として成り立つのか」って
勝手に思ってました。
ラブレターズを始め、源氏物語や百物語とか、
一流ベテラン俳優が、そこにいるだけで存在感のある
俳優が、朗読をするから感銘するのであって、
オリジナルでもない作品を、どうするのかと、思っていたら、
こうきましたか・・・

読み手は、あくまでも狂言回しかストーリーテラーで、
ちゃんとした芝居でした。

非常に見応えがあるんだけど、1本多いな、ちょっと長い。
あと最終話はクドい。
これ10分は短くなるだろう。

オムニバスだけど、舞台芸術もマッチしているし、
背景の物語もあっているし
小劇場ならではの、充実感はある。
ただ勘違いして、いい作品だからといって、
間違っても本多劇場に、この作品は
もって行かないでね。
作品のスケールが、あくまでもスズナリ止まり

ヤマトタケル

ヤマトタケル

松竹

大阪松竹座(大阪府)

2008/05/04 (日) ~ 2008/05/27 (火)公演終了

満足度★★★★

初!松竹座
長い歴史のある劇場だそうで外観に重みのある松竹座。
なかなか機会がなくて、今回、初めて入館。
席数が1000席ちょっとしかないんですよ、
いわゆる商業演劇の小屋としてはふた回りくらい小さいです。
今回、3階席の一番後ろから見ましたが、
とても良く見える。演舞上で見るより、ずっと見やすい。
コンパクトな劇場がゆえに、舞台サイズも、
演舞場、博多座、中日に比べると大分狭そう。

猿之助じゃない主演のスーパー歌舞伎、初めてでした。
スーパー歌舞伎自体が、オグリか何か以来なんだけど、
いやいや、今回が一番ゴージャスでダイナミックと感じた。
これは進化?
なにより出演者が60人以上いるので、宝塚同様、賑やか!
人数が多いというだけで、派手は生まれるし迫力が増す。
ゆえに内容にメリハリがつく。

中国雑技団のようなアンサンブル?(黒子?)が、
くるくるくるくる回ってアクロバットを加えた立ち回りが
何度もあります。
これが体育会系っぽくってすがすがしい。

役者陣ですが、若くないけど若手だけの構成(夜の部観劇)。
改めて猿之助って、立っているだけで
オーラのある人だったんだなぁと思いかえしたりもしましたが、
いなくても結構大丈夫でした。
「スーパー歌舞伎」という一つのジャンルで
上演されれば、これ実力が伴えば、誰でもいいんじゃないかな。
ミュージカルでいう「キャッツ」や「ライオンキング」と一緒。
決まった型を上手に演じれば、それほど役者の個性に
偏らずに楽しめる貴重な作品と言えましょう。

何作かスーパー歌舞伎は見ましたが、
全部、構成は一緒ですな、新鮮味はない。
でも、わかっていても宙乗りシーンは感動します。
あれは不思議。
いまや宙乗りなんか珍しくないし、それこそ「ルドルフ」で
浦井マジシャンも宙乗りしてますし、
「SHOCK」で光一スシ王子は、命綱なしに宙吊りで、
しかもクルクル回ってます。
でもね、スーパー歌舞伎の宙乗りは違うんですよ。
本家というか、迫力が違う。
このシーンを見るために、このシーンで感動を共有する為に、
長い時間、作品に付き合わなきゃいけない、と
言っても過言じゃないでしょう。

大阪で見なきゃいけない作品ではないけど、
いろんなジャンルがゴチャ交ぜになった、
スーパー歌舞伎、いろいろ詰め合わさって
「お値打ち」な作品、そんな作風は大阪っぽいかな。

夜光ホテル

夜光ホテル

モダンスイマーズ

OFF OFFシアター(東京都)

2008/05/03 (土) ~ 2008/06/01 (日)公演終了

満足度★★★★

萩原聖人は、すごかった
かつては新橋演舞場で「さぶ」のタイトルロールを演じ、座長公演もして、
最近でも大きな劇場の主役を張っていた、萩原聖人が、
こんな60人収容の小さな劇場で、どんな芝居をするのかと思ったら、
他のメンバーとの調和を乱すことなく、また劇場のスペックにあった、
非常に自然な演技をしていた。彼はスゴい。
正直、彼以外は小さな劇団の地味な劇団員、存在感や経験なんて
雲泥の差だから、イヤでも彼一人が目立つのかなぁと思ったら、
いやいやちゃんと引き立てていて、それで核となる場面では、
物凄いしっかりとしたオーラを出し、スッゲーと感心しました。
お話の内容は、まぁそれほど新鮮味のある内容でもなければ、
他の方も言っているよう、「おやおや!?」と思うような、
シーンもありましたが、それより役者陣のテクニックというか
心理表現の移り変わりに見ごたえがあり、
90分、しっかりと満足の行く出来栄えとなっておりました。
僕の行った日は、モデル系っぽい美男美女や、
テレビで見たことあるような人たちが、半分くらい占めてました。
(半分でも30人だけど)
「派手な客席だなぁ」と思う反面、
ものすごく大きなポニーテールを作っている女性や
帽子を取らない人が多く、僕の席は一番前で被害にあいませんでしたが、
「前にいたら、さぞや見にくいだろうなぁ」と感じる雰囲気でした。

ネタバレBOX

そうそう、あんなに派手にバッタンバッタンやってたら
安いビジホだし、みんな気つくよなぁ。
僕の見た回では、勢いで入り口のドア、壊れちゃって半開きだったし(笑)。
暗転なしの90分で、リアルなはずだけど、
深層心理の動きは4時間くらいかかっているような重みがあった。
(決して90分の芝居が4時間に感じたわけではないです)
この作品には、この劇場が本当にあってました。
間違っても、この作品を銀河劇場とか持っていかないで欲しいなぁ。
モーツァルト!

モーツァルト!

東宝

帝国劇場(東京都)

2007/11/19 (月) ~ 2007/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★

井上ウォルフガング 千秋楽
今回の公演も、何度も足を運び、改めて
「僕は、この作品が好きだなぁ」と感じました。
登場人物の色々もあるけど、なんといっても
現代社会に通じる組織に属する人間のせつなさ、人間の業や欲、
きれいごとで済まされない、夢物語ではない、生々しさが
含まれているので、非常に奥が深い。
結局、モーツァルトは、フロントに立つ人間として消耗され、
寂しい生涯を終える。
きらめく宝石に気付いた周りの人間は、よってたかって、
彼に近づき奪い取る。よくよく見れば、誰一人、彼自身を愛し、
彼を思いやっていない。
きらびやかなミュージカルの世界で、こんなに男社会を描いた
作品は、ほとんどないだろう。だから共感するのだ。

さてされ、本日の千秋楽も、
これだけ「モーツァルト!が大好き」と長年言い続けていたおかげで、
偶然チケットを譲って頂き、観劇する事が出来ました。
井上君は、努力をいっぱいして、勉強もいっぱいしたんでしょう。
良くなりました。
でも彼には、この地点が限界かなぁ。
天才・中川には、届かない、中川ウォルフは声が出なくても腐ってもタイ、
井上ウォルフよりは正直うまい。
働き者の市村パパも、声が出なくなってしまってました。
表情から、お疲れが手に取るように見えます。
でも、そこは熟年の技、声が出ないと、今度は
本泣きして、胸がいっぱいで声が出ないように演じ、切り抜けます。
ヒロも上手くなった、というより、凄く良かった。
彼女は、歴代のコンスタンティンの中で、一番のハマリ役じゃやないかな?
もともと、小憎たらしい顔しているし品もなければ学もない顔をしているので、
役柄にピったり合うのだ。
しかし、帝劇の御客様には、あまり人気がないようで
極端にカーテンコールの時に拍手が少ないのは何故?
僕は、一生懸命手を叩きましたよ。
涼風は、酷かった。歌も芝居も全くダメ。
役柄を理解していないとしか思えない、ナメてます。
まぁ本人も、カーテンコールの挨拶のときに泣いて詫びてましたが
香寿たつきの足元にも及ばないほどの下手くそ。
稽古不足を理由にしてましたが、そんなの関係ありません。
一路真輝と変わらないほど、下手。一路は更に態度が大きいから
たちが悪かったけど。
本人がいくら反省していても、芝居は一期一会、
演出家がきっちりと指導してもらわないと。
他の役者陣は、皆様立派。これは職人技。
こうアンサンブルとか脇の厚みが四季とは全く違うんだよなぁ。
周りがしっかりと芝居を支えているから主役が光ると思う。

いやいや、11月から12月は、目白押しで大変だった。
でも充実した年の瀬でした。

小軍団

小軍団

カムカムミニキーナ

明石スタジオ(東京都)

2007/07/27 (金) ~ 2007/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

新しい形のプレビュー公演?
機会がなくって、これまで足を運ぶ事のなかった
カムカムミニキーナ、
結構有名な劇団なのに、不思議なことに近所の明石スタジオで
なにやら公演を打っているので足を運びました。

秋に、「軍団」ってタイトルでアプルで公演するようです、
これが本公演って事なんでしょうか?トレビアの司会の人も
出演するようですし、ポスターも派手目。
チラシの様子からしても、大筋は似たような内容なんでしょうか。
ひょっとしてこれは、新しい形のプレビュー公演?

無名の劇団員が、しっかりとした?戯曲を基に
こういった小さな劇場で気軽に寄れるチケット代金で
公演を打つ、とても良い形、良い姿勢と思います。
演技が上手かろうが下手だろうが、生で芝居を見る醍醐味は
十分味わえますし、迫力も感じられます。

退屈知らずの約2時間、これは改めて、とても良い企画と思う。
2500円のチケット代金でキャパ100人弱。
いい距離感で、楽しめます。

出ている出演者は、結構いい年(30歳以上?)かと
思えたけど
客席は、驚くほど若い。
殆ど大学生くらい、20才前後の若者じゃないかな。
手売りチケットの付き合いで足を運ばせるような公演でも
なかろうし、チケット代の折り合いがつけば
きっと演劇を楽しみたい人は、沢山いるんだなぁと
実感しました。

つかこうへい作品を北区つかこうへい劇団が
以前から、手軽な料金で公演を打っていますが
人気作家の作品って、あまり小劇場、小劇団が
上演する機会は少ないですよね。
シェークスピアや古典劇じゃないけど
良い戯曲は、もったいぶらずに、どんどん身近に見れるよう
間口を広げて欲しいですね。

ネタバレBOX

内容は、一種の「ドラゴンヘッド」
あまり目新しい矛先というか、オチでもないので新鮮味はないけど
適度なドタバタと、カタルシスで面白い。
「やっぱり動員力を伸ばす劇団、戯曲は違うなぁ」と
感じました。

演劇の町でもない、高円寺の場末感ある小劇場にもかかわらず
終演後、清水宏さんが、自ら頭下げながら
8月の自分の日比谷野音での公演のチラシを手配りしてました。
汗をかいて「よかったら、この公演にも来てください、
宜しくお願いします」って目を見て、お願いされちゃったら
行ってあげたくなりますねぇ。2000円ですし。
伝説のシンバルン漫談、見に行こうかな。
へそのはなし

へそのはなし

昭和芸能舎

シアターブラッツ(東京都)

2007/09/14 (金) ~ 2007/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★

これぞ職人技!見事です!
100人も収容しないような小劇場で、こんな感動を味わえるなんて。
とにかく、圧倒され、とにかく驚き、とにかく涙し笑った。
これぞ、プロの仕事、職人技。
久しぶりの満足感、満腹感です。
「お金をもらって芸能を披露するとは、こういうことだよ!」と
言われても納得するほどの、良い出来栄え。
テンポ、照明、芝居、全てが完璧に近い完成度と言える。
この小さな空間でも満席にならないのだから
大きな劇場は難しいんだろうけど、紀伊国屋やパルコで上演されても
不思議ではないような作品だ。

来年に赤坂アクトシアターで舞台上演される、
僕が涙涙した映画「フラガール」の
作家が座頭を勤める新宿芸能社が送る、この作品は、
非常に綿密に練り上げられた構成、よく練習、訓練されている芝居、
サービス精神満点な内容、と3拍子揃った快作である。

中途半端に情に流れない、ドライだけど現実的だけど
温かみがある。
ごまかしがきくような空間設定はなく、とにかく裸一貫勝負。
奥行きの深い劇場を、ふんだんに利用し、
下手な小細工が利かない中、役者陣は
本当に良いチームワークで、しかも熟練の味さえ感じられる。
器用だけど、丁寧な演技は、見ていて本当に心地よい。
この劇団、もう10回も、いろんな作品を公演しているようです。
これまでの作品を確認したら、少しイロモノっぽいタイトルだった。

主役の倉貫君は、レンジャー物上がりのようです。
結構過去の作品にも出続けているようで、劇団員ではなさそうだけど
非常に、この空間とチームに溶け込めている。
綺麗な顔立ちな男の子で、とても目立つ、存在感もおり、
ダンスも上手。
「男前は、髪が無造作、ワイシャツもシワだらけでも、
清潔感があるんだなぁ」と、感心。

ヒロインの福下さんもステレオタイプな現代っこを
嫌味なく、キュートに演じきっている。
「くっさー」となりそうな場面でも、ギリギリのところで
素直で清純な感じで持ちこたえていたのは
彼女のおかげと思う。

終演後は、狭いロビーで、ちゃんと出演者がお見送り。
これは小劇場の基本ですよ。

いやいや、本当に驚きました。
小劇場で、こんな感動が味わえるなんて。
挑戦的とか刺激的、斬新なって表現には
ならない作品なので、平凡なのかもしれないけど
そんな作品を一流のエンターテイメントに仕上げたと言える。

近いうちにメジャーになること、間違いなしと思うんだけど
それまでの間、劇場にリピートして
温かい感動と、微笑みを頂戴してこようと思う。
このサイトで、こんな事書いたら、チケットなくなっちゃうと
いけないなぁ、その位、オススメできる作品です。




ネタバレBOX

福下さんは、可愛い。特にスナックのキューティーハニーレビューには
ぞくぞくした。これだけでも一見の価値有り。
倉貫君が、思わず引き止められた気持ちが、良くわかる。

クライマックスのフィナーレに、フルモンティショー
(男前の倉貫君も、ケツ振って踊ってます)まで付いてきて
観客の立場を考えた1時間50分の上演時間、¥3000。

俺が小劇場に人に「この位のことは、しろよ」と
思う内容が、すべてクリアにされていて何ら不満はありません。
TRIP OF LOVE

TRIP OF LOVE

「TRIP OF LOVE」プロモーション実行委員会

シアターBRAVA!(大阪府)

2008/04/04 (金) ~ 2008/05/14 (水)公演終了

満足度★★★★

本物のブロードウェィミュージカル!!!
もっと早くに、この作品に出会えれば良かった。
きっとGWとか利用して何度も劇場へ通ったでしょう。
これは本物のブロードウェィミュージカル!
米国のカンパニーが、
来日公演して上演される「ヘアスプレー」とか「ムービンアウト」など、
いづれも地方公演キャスト、2nd3rdキャストで、音楽もテープだったりして、
いわゆる「なんちゃってブロードウェィミュージカル」なのに対し、
迫力がケタ違い、ここはNYか、と思うほど、レベルの高い作品であった。

大げさな宣伝に騙されるものか!と
「メジャーリーガーが演じているとイメージしてください」
「製作費が2000万ドルかかった大作です」という
触れ込みを、あえて無視して、
「せっかく大阪にきたから、ちょっと見てみるか」程度で、
足を運んだら、強烈なインパクトで
腰抜かしました。
1200席のシアターBRAVAに、200人位しか観客がいないのも、
とてもびっくりしましたが、
(「リハーサル見学会」かと思いました。
これ2000万ドルの製作費って、この2ヶ月の劇場代とかが
入っているんでしょうね)
ブロードウェイでも数々の作品で指揮を振ったという、
指揮者も含めオーケストラも全て外人、
(当然ですが、生オケですよ)
そして出演者が、本当にダイナミックかつ優雅で骨太な、
パワフルなステージを繰り広げてくれた。
声量の違いは体格の違いでしょうか?
男性も女性も、みなダイナマイトボディで、貫禄と余裕を見せ付けます。
ここから生まれる迫力も作品のスケールの大きさへ
つながるのでしょう。
日本人キャストも、ダンスのレベル、見た目(顔とか体つき)も、
モデルのような逞しさがありトップクラスと言えるんじゃないでしょうか。
彼らに比べると、四季の役者なんて、みなモヤシっ子、青瓢箪に見えます。

内容は、言葉がわからなくても楽しめる華やかなショーな感じ。
60年代の曲を使っているようで、2-3曲は知っている曲は
ありましたが、リアルな世代ではないので、先入観なしに
感じ取れました。
話は、一応ありますが、歌っているだけで台詞のやりとりもないんで、
あんまり気にしなくていい程度です。
字幕の電光掲示板もないし。
宝塚のレビューや、パリのキャバレーのショー(ムーランルージュなど)
に近い。
プロデューサーは「ブルーマン」を立ち上げた人とか。
言葉がわからなくても楽しめるって、大事ですね。

心からの拍手をして、ショーの幕が下りてロビーに出たら、
なんと出演者のお見送り!付き。
ビックリ、驚き。
一番、貫禄のある歌姫の(失礼ながら)オバチャンに
「本当に楽しかったです、ブロードウエィにも見に行きたい」と
握手をしながら伝えたら、
(おせじじゃなくて本気で思いました)
ダイナミックな笑顔で「サンキュー、ソーマッチ」と
言いながらハグをした上、なんとホッペにキスを
してくれました!!
もう、この上ない思い出!こんなの初めて。
こういうの大事ですよねぇ。
鳥居かほりさんも、「楽しんでいただいて、本当に私も嬉しいです」と
両手で握手。
黒人の女性の人は、「イエーイ」ってハイタッチしてくれました。
そういえば、ブルーマンもお見送り、ありましたね。
いづれも写真も撮り放題。
まぁ、観客が極端に少ないから、こんなにゆっくり、
ほのぼのしたお見送りができたんでしょう。

ウィーンミュージカルコンサートでも平日公演はサイン会、
握手会をやっているようだし、
ファンサービスは、とっても大事。

つまらない芝居を打った上に見送りもしない小劇団は、見習って、
こういう姿勢から、まず見直して欲しい。

全く、観客がいないのに、
(当日券で行ったのに、最前列センターでした。)
いやに指笛や、「ブラボー」て声が、
曲が終わるたびにしてました。
あれ、サクラの練習かな。

これだけ客が入っていない作品でありながら、
「リピーター」販売がない。
僕は「S席4000円割引券」というチケットを手に入れて
8000円で1番前で見れましたが、
「もう一度見たい!」って気分になる、素晴らしい作品。
終演後に半額とまではいかなくても
割引で翌日の公演とか販売すれば、勢いで買っちゃうのに。
「ウィーンミュージカルコンサート」でも、
リピーター割引販売していたし、
(なんと、次の公演の松平健「トラキュラ」なんて
S席2枚で1万円なんて大判振るまいな売り方をしていた)
限りあるミュージカルを楽しむ客層のために、
そんなサービス、すればいいのに。
ブロードウエィじゃ、前売り大幅ディスカウントや、
当日ハーフプライスは当たり前、
そういうのも取り入れて欲しかったなぁ。
正規チケット代の価値はある作品だけど。

ネタバレBOX

とにかく男優陣は、脱ぎまくりです。
裸というか、筋肉とか肉体美が衣装のひとつなんでしょうね。
アートでポップな美術を背景に、
裸の男性ダンサー達が男同士で絡んでいると、
ゲイのショーかなぁって思いました。
褌姿で、鬼太鼓座よろしく、太鼓のパフォーマンスもあるし。
女性のお色気シーンも、アートの場面で少しあるけど、
露出は女性よりも男性が格段に多い。
イケメンを脱がすのって日本だけじゃなくって世界的に流行なのかな。
こういうサービスショットが受けるのかなぁ。
アイーダ

アイーダ

劇団四季

新名古屋ミュージカル劇場(愛知県)

2007/05/12 (土) ~ 2008/01/05 (土)公演終了

満足度★★★★

ノリにノッてる井上智恵が最高!
2年前の秋「京都劇場」で見た以来の「アイーダ」。
その時、井上アイーダ登場を見ているのですが、あれから
キャリアと経験を積まれたのでしょう、今回名古屋で見た
井上アイーダは京都とは比べ物にならない程の圧倒的存在感で
大きな役が続いていてノリにノってる感が伝わる。
鳥肌モノの歌と迫力と表現力に、すっかり魅了されて
「こんなに素晴らしい作品だったんだ」と見直しました。

井上智恵の歌は、山口祐一郎と双璧をなすほどの
素晴らしい歌です。
以前「美女と野獣」と福岡で見た時、偶然ファンの集いみたいな
ものが閉幕後にあり、井上智恵を間近で見て
「素顔は、とっても綺麗なお姉さん」「本当にお人柄もよい
お姉さん」とヒイキ目では見ていましたが
ここまでの感動はありませんでした。
阿久津ラダメスは3-4年前と変わらず少年漫画のヒーローみたいで
格好いいですし、素顔が由紀さおりに似ている五東アムネリスは
あくまで井上アイーダの引き立てとしてバランスが取れている。
歴代で一番クセがなければアクもなく歌も綺麗でした。

この作品は3人の登場人物が中心に進められていく
非常に役者の力に依存する作品と思います。
同じディズニーでも「ライオンキング」や「美女と野獣」
のように舞台装置や数々の登場人物に気持ちが分散される
ことなく繊細な心境や人間関係を楽しむ作品。
逆に云えば3人に魅力を感じなければ全く話に入り込めない作品で
自称「神の声を持つ」濱田アイーダには
僕は魅力を感じなかったので、退屈はしなくても劇画感が強かった。
(濱田自身がポカホンタスみたいな風貌なんだけど)
京都の時のシルビア.アムネリスも素敵でしたが、シルビアが
目立ってしまい舞台上では地味な顔立ちな井上アイーダが
負けてしまっていて、傾いた船のようでした。

そういう意味で、今回は本当にバランス的にも
素晴らしい組み合わせで充実した観劇。
これがカラオケじゃなくって、ちゃんとしたオケなら
満点です。

ネタバレBOX

名古屋ミュージカル劇場のC席¥3150は本当にお値打ち。
2階は6列しかなく、うち、5列6列がC席。
その2階席も1階席真ん中あたりまでセリ出ているので
京都の遠い遠い遠い2階席と違い非常に見やすい。
もちろん舞台上部も切れません。
自由劇場2階よりも見やすいかもしれません。
四季劇場秋の5列目6列目と同じような感覚で見れるので
普通で云えばS席並。
これは本当にお値打ちです。
THE SNAKE

THE SNAKE

SHIMAISLAND

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★

エンターテイメントでしょう!
ひどくガラガラな客席を前に(30人位)、大きく作られた舞台を、
十二分に利用して、かなり贅沢な粒を揃えて上演されてます。
ゴシック調に作られた装置を背景に、
稲垣吾郎に似た感じの座長さんが、江戸川乱歩調の話の構成で、
テンポよく綴っていきます。
池袋芸術劇場(小ホール)の大きな舞台で、こないだスケールの
大きな芝居を見せてくれたコーヒー牛乳の人達が、
その時と同じ演技で、話に彩りを加えてます。
(ポーンって今にもいいそう!)

この規模の公演で、笑いあり涙有りのドラマを詰め込んで、
これはエンターテイメントでしょう。いやいや楽しかった。
このまんま、グローブ座に持っていってジャニーズの子達に、
やらせても十分に受けると思います。
もちろん、この作品として、もっとメジャーな劇場でも
いけるんじゃないかな。

残念なのは、複数の人間相関図が絡み合うのですが、
これが今一つ、よくわからない。
どこがどうなっているのか。
あれは主役の線の細い男の子の演技力の問題なのかなぁ。

ミステリーをベースに色々な話を絡ませていって、
約100分、変な小細工もせず、よくある押し付けがましい作家の
自己主張もなく、エンターテイメントに徹して、
いやいや好感度◎

女優陣が皆素敵でした、存在感十分。
笑いを取る場面は笑いを、決めのポーズの立ち姿、
色香が漂うオーラ。
小劇場だからでしょうが、堪能致しました。

この中野ウエストエンドスタジオって、
普段は何をしている場所なんだろう??稽古場?
駅から遠いし、劇場内への入り方も、ちょっといびつだったな。

ネタバレBOX

スネークショーのシーン、金剛力士像のシーン、
腹を抱えて笑いました。恥ずかしながら・・・。
かなりツボに入ってしまいました。

主役の子がモスバーガーで働いている設定でしたが、
これは本当に、そんな感じ、いかにもモスでハンバーガー作っている
ような子で、とってもリアルでした。
新宿芸能社の方とか他の劇団の人って
運送業とか建築業とかやってそうで、肉体派、肌の黒さも、
ホストと違い健康的な日焼けって感じですが、
この子は、いかにもモスバーガーだった。
まぁあんまり関係ないか。

スネークショーの女性は本当にスネークショーしていたのかな、
いやに間の取り方といい会話のセンスといい上手。
最後の怪盗の相方もしてましたが、その雰囲気も決まってる!
セレブの資格

セレブの資格

シーエイティプロデュース

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2007/03/19 (月) ~ 2007/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

落ち着いた優雅で上品な作品、タイトルに間違いなし
芝居のネタになりやすい金持ち貴族のお家騒動の話。
こういう話は寓話だから、芝居の雰囲気が全て。
この作品は、2時間出ずっぱりな若尾文子さんが、見事に空間を
引っ張って行き、とても優雅で上品な作品に仕上がってました。
(都知事選はいいのか・・・?)
畔柳徹子じゃ、こうは行きません(^^)。
作品の大きさに比べ、劇場が大きすぎたのが難点ですが、
イギリスの田園地方で、アフタヌーンティを楽しみながら
ホストお手製のスコーンを食べているような、
そんな気分になる、作品です。
何より、小林十市が、ぴったりなはまり役。
やっぱり、体全体から醸し出す育ちのよさというか
品位ある立ち振る舞いって、実生活がモノをいうんだって実感。
熊川哲也じゃ、こうはいきません(笑)。
彼にとって、これまでで一番の当たり役じゃない!?
登場人物の掘り下げが甘かったり、時間軸がおかしかったりする事なんて、触れるのは、ヤボな話。
一つ一つ丁寧に作られた芝居の世界を楽しむには
最適な作品です。


ネタバレBOX

作品の雰囲気を壊しているのが、柴田理恵!なんで、あんなに
下品なんだろうか。
阿波知里美なら、もっと芝居の雰囲気を良くしただろうに。
藤山直美に比べりゃ、足元にも及ばない。
あのガツガツした態度、テレビだけで十分です。
芝居が下手どころか、自分を前へ前へと、しゃしゃり出る傲慢な態度、
本当に不愉快、何様だ!
若尾文子も、さぞや不機嫌に違いない。
柴田理恵で星ひとつマイナスです。
サダオのサダメ

サダオのサダメ

劇団たいしゅう小説家

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/08/19 (水) ~ 2009/08/25 (火)公演終了

満足度★★★★

劇団たいしゅうは、良作を提供し続けているなぁ
劇団たいしゅうは、良作を提供し続けるなぁ。

確か、キティフィルムだったか芸能事務所が、
プロデユースして、アイドル的の女の子や
イケメン俳優を、漫画チックに見せることが得意な
池袋を中心に上演しているグループと思ってました。

今回は、実力派なベテラン男優をそろえ、
小劇団の登竜門的シアターグリーンで上演するって
ちょっとイレギュラーな感じがしましたが、
これが、悪くなかった。

ゲイものということで、偏った内容かなって
ちょっと横目で足を運んだ部分はありましたが、
その部分はスパイスというか、エッセンス程度で、
基本的には人間群像劇です。

主役の曽世という方は、スタジオライフだし、色も白いから、
なよなよした、線の細い方かと思っていましたら、
以外や以外、マッチョで骨太な体型で、役柄に必要な
逞しさ、ダイナミックさを体現し、あわせて繊細さも、
かもしだしている。

相手役の平野という方は、柴俊夫に似てますね。

今年に入って、不思議と3回も見ている、
宮原って人が、曽世氏の弟役で出演。
前回サンモールで見た豆腐屋さんの作品と
殆ど同じようなキャラで、
「これは、稽古いらないから連続登板も可能なんだな」って
思わせるマンネリ。
栃木弁だか、群馬弁でオロオロするキャラ、
ちょっと鼻についてきました。
イケメンはイケメンらしく、その道を進んでほしいと
思います。
でも次から次へと作品が決まるって、
事務所の力が強いか、本人がスタッフに好かれるキャラ
なんだろうな。

途中で軽い演奏を入れて2幕構成にしている点も◎
作品全体にメリハリがあって、集中力が保てます。
ご都合主義な点が多かったり、
登場人物が、皆富裕層で、生活に余裕があったり、と
華やかさと現実離れさはあるけど、
あっという間の95分、後味よろしい95分でした。
石丸・畠中のゲイカップルも爽やかでしたが、
今回のカップルも清清しかったです。

難をいえば、カーテンコールのときに
曽世氏が
「男ばかりの稽古場はうっとうしかった」とか
「暑苦しくて、近寄ることに抵抗があった」とか、
「キワモノな題材で抵抗があった」とか・・・
急に現実に戻すような発言が多かった点。
カーテンコールも芝居のうち!
観客に夢を残すような
余韻を残すようなパフォーマンスで
幕引きをするのがプロの仕事と思いました。

ネタバレBOX

ジャイアン役の人、いやに黒くて健康的でエネルギッシュで、
内容の設定からして、ひょっとしたら詐欺師なんじゃないかと
思ってしまいました。
あれで余命数ヶ月?ホスピス?いやに元気良すぎ。
元気にふるまっているのでしゃなく、
顔色が良すぎです。あれはミスキャスト。
マンマ・ミーア!【2021年4月28日~5月11日公演中止】

マンマ・ミーア!【2021年4月28日~5月11日公演中止】

劇団四季

新名古屋ミュージカル劇場(愛知県)

2008/03/01 (土) ~ 2009/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

ドナは「鈴木ほのか」
いやいや、ビックリ。
最近そうでもないけど、開幕週と閉幕週だけは
単価が高そうなベテラン勢でキャストを固める傾向が強い劇団四季。
なんと、この日のドナ(主役)は「鈴木ほのか」
あれあれ、2週間前に池袋で「妊娠したーい」と言っており、
数ヵ月後には「クリス、あんたの浮気は許してあげる」と
地味目だけど仕事が続く鈴木ほのか。
四季は「初役には、最低3ヶ月以上の、みっちりとした稽古が
必須」と、基礎重視な姿勢であるにもかかわらず、
あらあら片手間じゃない?この人?って思いましたが、
なかなかよかったですよ。

鈴木ほのかは、衣装に切れ目たっぷりいて豊満なボディを
むちむち見せ付けます。
いやぁこのドナ、遊んでそうだなぁ。
前も言ったよう、すっかり所帯じみた感じは鈴木ほのかには
あったので、ドナにはよく合っていた。

そもそも構成も展開も良く出来た作品。
誰が演じても、楽しめる作品。
役柄と俳優のキャラクターが重なれば、なおのこと。
歌だって、たかだか歌謡曲のカラオケミュージカル。
大げさに言わなくたって、2週間あれば出来上がる役なんでしょう、
四季以外の作品同様。

鈴木ほのかでさえ、ここまで十分魅せられるのですから、
逆に言えば、誰にでも出来るってこと。
そして四季の役者は、本当に層が薄く魅力がないってこと。
(前田美波里は、大スターだから、バランスを考えて、
オーラを消すことも出来るのでしょう。)
元宝塚トップの皆様(樹里咲穂とか)、元アイドルの皆様(早見優とか)、が
月替わりでドナを演じて、
ソフィやスカイも元モー娘、元テニミューが月替わりで
上演されれば、年中完売御礼、観客も役者も新鮮な気持ちで、
イキイキと見れます。
その位、シンプルだけど力のある作品です。

他の配役は相変わらずだけど、
スカイ・田辺真也は芝居は上手くなっている。
ハムレットだの鹿鳴館だの陰気な役ばかりやらされていたせいか、
この明るくポップな作品で、とってもイキイキといい表情で
ハジけている。芝居も陰影を意識しすぎる様子はあるが、
阿久津陽一郎の足元まで辿り着いた感はあった。

僕の好きなミュージカルの5本の指に入る、この作品。
帰郷を兼ねて見に行きましたが、1000人に満たない劇場(秋劇場のよう)で
一層の一体感を得て、満足して帰りました。
また、すぐ行こう!

チカクニイテトオク

チカクニイテトオク

掘出者

サンモールスタジオ(東京都)

2008/03/06 (木) ~ 2008/03/10 (月)公演終了

満足度★★★★

劇団名に偽りなし
年度末で仕事が立て込み、芝居は見ているけど、
サイトへの記入を後まわりにしますが、この作品については
無償に書きたくなりました。
いやぁ仕事を中抜けしてまで見に行って良かった。
この作品は個人的に小劇場作品としては大当たり、劇団名通り
「ほりだしもの」でした。

イライラするような台詞の応酬、目障りな登場人物達の仕草、
どいつもこいつも奥歯にモノが挟まったようなな言い方、
見ていてストレスの溜まる場面の連続が、その限界ギリギリの
100分の上演時間。

もう千秋楽が終わりましたので、そのまま記入していきますが、
背景にある「葬儀」の場では、いろいろな思いが交差します。
人間関係、個人の歴史、そしてお金。
実体験を通じ、葬儀の場では、本当に新しい発見があると、
身に染みている分、よけいに共感が出来た。
表現方法は脚本・演出家の姿勢ですが、
「演劇」という形を通じて、一つの見せ方として、
個人的には深く伝わりました。

そして、男色。
いやに筋肉の話が出てきたり、過敏な反応、
20歳そこそこのジャニ系な美少年秘書。
この辺りの微妙な距離感が、どうにも「もやっ」として
一層作品を際立たせていた。

舞台装置も、この作品を表現するに辺り、とても計算されていると
感じた。研ぎ澄まされ洗練された背景となり、芝居を浮き立たせている。
いろいろな思いやこざわりを小道具や照明に詰め込みすぎてしまう
余り、邪魔になってしまう場合が多い中、
丁度いいバランスであった。

わからないのは、そう美少年秘書。
秘書とはいえ、故人の片付けをするか~?家族以上に。
その会社の後継者の姿が見えないのも不自然、
だから余計に美少年の存在に違和感があった。

役者陣は、それぞれが個性的。
上手いのか下手なのか、雰囲気を作っているのか、
やや微妙な感じがする。
それは、見る作品、見る作品、
大きな声でオーバーな芝居をする事が、感情を思い切り出すことが、
芝居と思っているような作品が続いてしまったせいかもしれない。
こういう若い人の芝居では、
みんな似たようなタイプの人が多いから、誰が誰だかわからなく
なってしまうことが多いのですが、この作品では、個性がわかれ、
一人ひとりが光っていた。
たまたま見にいったのが7回公演の千秋楽だったので、
役者も芝居が上手くなったのかな。
他の方の話では、最初のうちは良くなかったのでしょうか、
確かに身体に染み込ませるには時間のかかるような仕草が多い演技には、
感じられたが、初日と楽日で、あまりに開きがあるとすれば、
問題ですね。一応、安くても同一料金なのですから。

100分という上演時間を意識してなのか、
広げようと思えば、まだまだ話の展開は広げられるが、
大胆に削がれている。
それぞれの人間関係が、最低限の説明で、
見ている側に想像力が求められる。
しかし、作品の総合力としては、正解であろう。

民族問題、在日問題、軽はずみには扱えない内容が、
組み込まれている。
際どい台詞も多い。
作家が、どこまでの覚悟でこの作品に向かっているか、
残念ながらメッセージは伝わらなかった。
含まれているのかもしれないが、僕にはわからなかった。
でも若者で構成されている劇団員、1800円という入場料なら
合格点。
作品が成長し、
隣のシアターサンモールで120分程度の作品となって再演されたとき、
更なる期待をしたい。

劇場入り口の外で案内する人、劇場内の案内、
役者陣のお見送り、いづれも◎。
この作家、この劇団は注目していきたい。
期待度で★を一つ増やして、★4つ。

ウィーンミュージカルコンサート

ウィーンミュージカルコンサート

梅田芸術劇場

梅田芸術劇場メインホール(大阪府)

2008/05/21 (水) ~ 2008/05/28 (水)公演終了

満足度★★★★

鳥肌モノの素晴らしさ!
大阪遠征のメインイベント、豪華キャストが揃った
ウィーン・ミュージカル・コンサート。
期待を遥かに上回る、それはそれは素晴らしいショーであった。
スーパー歌舞伎の出演者数と遜色ない位の
オーケストラの幅広い音楽に合わせ、
ウィーンミュージカル作品のオリジナルキャスト陣が奏でる
名曲の数々。
その歌声とパフォーマンスは鳥肌モノの素晴らしさであった。

日本版のキャストではあるが、何度も何度も劇場へ足を運んだ作品で、
CDでも親しんでいる作品を、
生のライブで迫力あるステージを楽しめる、何で大阪だけなんだ!!
「レベッカ」も「ダンスオボバンパイア」も東京しか上演していないから
大阪よりも東京のほうが、もっと話題になるはずなのに。
(不思議なことに公演期間中、1回しかない土曜日の昼公演は、
コーナンってホームセンターの招待公演だった。
コロッケ公演ならわかるけど、なぜに、こんなマニアな作品が
福引の景品に????)
日曜日の昼公演だけど、空席が目立ってました。

オリジナルも含め楽曲のイメージに合う衣装で、繰り広げられる
歌を聴いているうちに、おのずと作品へのイマジネーションの世界に、
入り込め、自分の中の思い出がフラッシュバックされて、
感激の渦に溺れました。

いづれの出演者の歌声が素晴らしいが、
中でもマヤの歌が抜きんでている。
馴染み深いエリザベート以外の歌も、全て作品の世界を壊さないけど、
彼女の範疇に取り込んでしまっている。
「レベッカ」のメインテーマ、「モーツァルト!」星から降る金、
何を歌っても、完璧であった。
ユーチューブでウィキッドの1幕ラストのビッグナンバーを歌っている
様子も見たが、これも別格の上手さ、
このオバサンは、一体何者なんだ!?

ルドルフ役でおなじみのルカスの歌声も、
これまでに比べ格段に上手くなっている。骨太で力強くなっている。
去年の来日公演よりも進化している。
中でも「モーツァルト!」の「影に逃げて」は、今回の一番の収穫。
井上芳雄も見習ってほしい。

これを見ちゃうと、日本人キャストの線の細さが、
どうしても気になってしまう。日本版は、
決してレベルが低いわけではないし、アンサンブルも含めた、
「まとまり」「総合力」では日本版のほうが丁寧かな、とも
思うけど、歌単体、場面だけの抜き取りでは、足元にも及ばない。
対抗できるのは、山ゆうと中川君位かなぁ。
あとは問題外。

あくまでもコンサートだから、トークや、客席を回ってのサービスなど、
茶目っ気あふれる場面もあり、
大満足の3時間10分。
大好きな歌がハイライトで、次々と歌われ、この上ない幸せ。
交通費、宿泊費を払ってでも行ってよかった。
こんな企画、どんどん上演してほしい。

メロストケイ

メロストケイ

ホットケーキパニックプレイ

明石スタジオ(東京都)

2007/03/22 (木) ~ 2007/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

飽食時代版!疾走感溢れる、瑞々しい作品
登録なかったんで、自分で登録してみたら
カテゴリを間違えてしまいました。普通の小劇場の
ストリートプレイです。

家の、すぐ近所にある劇場で気にはなっていたんだけど
これまでチャラチャラした作品(のように見えるポスター)ばかりで
なかなか行く機会がなかった。
今回は、何気にシックでモノトーン、しかも「メロス!?」って
感じで、足を運びました。

いやぁ

最近、手垢のついた作品の観劇ばかりだっかこともあって
いやぁ新鮮新鮮、なんていうか
出演者達の熱意と清潔感と疾走感が溢れていて、とても
瑞々しい。
これは密接な距離感の空間だから感じる事と思う。
台詞を噛もうが、棒読みだろうが、演技が一本調子だろうが
学芸会的であろうが、
「お芝居が好きです」ってパワーが観客に吸引力を与えるんだよね。
もちろん、映画並みのチケット代金で、小さい空間だから
思える気持ちなんだけど。
(商業演劇は、それじゃ全くダメ!)
作品的には星3つなんだけど、そんな純粋さにおまけして
星4つにしました。



太宰治と夏目漱石、
2つの話を合体させた発想は、素晴らしい。
こんなにリンクするとは思わなかった。
あとは脚本さえ、こなれれば、コクーンで上演しても
おかしくないと思う。
脚本、演出は、全体で目を通してもらえれば更に
もっと良くなると思う。是非、改訂して
また高円寺で再演して下さい。

ネタバレBOX

こんな小空間なのに、メイクが濃すぎ。
最初、大衆演劇なのかと思っちゃいました。
自然なほうが、出演者達のさわやかさが増して
より高感度が高くなると思う。

あんなにメロスがデブデブしちゃ、おかしいし、
(妹もデブだから、あれはあれでいいのか)
親友がハリツケにされているのに、酒飲んで、ウダウダしている
場面は、よく理解できない 。
ラグビー部みたいな、丸太棒のような太ももを持つメロスは
怠け者にしか見えない。
Kは、なんだか血色がよくって、全くもって、状況が伝わらない。
なかなか雰囲気のある男の子だから、上手く使えば
いいのにね。
私もKも、ゴロゴロ寝てばかりで昼行灯。
場面設定が、伝わらないから、何しているのか
さっぱりわからない。

それでも、出演者達の熱意と清潔感と疾走感溢れる
空気は、何物にも、変えがたいもの。
これは、小劇場ならでは、のスパイス。

手前ミそなネタに走ったり、難解な事が芸術と勘違いしている
劇団が多い中、とても際立った存在と思う。
オープン・The・Show

オープン・The・Show

劇団たいしゅう小説家

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2008/04/18 (金) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

大衆演劇の底力!
基礎と経験がしっかりしている人が支える芝居って、
安心して見てられますね。
脚本がしっかりしていることが前提ですが、
役者さん達の立ち姿や台詞の間の取り方が、
とても安定しており、「プロの仕事だなぁ」と、
観劇しているこちらも、ゆとりを持って芝居を楽しめました。
大きな声を出して熱演するのもいいけど、こういう落ち着いた
芝居が体に染み込んでいる人達で綴られる作品を見ると、
まさに芸達者という仕事ぶりでしょうか。
このカンパニー独特の、吉本新喜劇に毛が生えたよう人情話を、
少し贅沢なテイストで見せてくれました。
こういう話だから、余計に役者の良さが引き出されているのでしょう。

主役の人、この人、知らないんだけど、有名なのかな。
殆ど出ずっぱりにもかかわらず、ブレることのない調子で、
話の芯を引っ張ってくれます。
見ていて、だんだん親近感まで湧いてきて、
思わず客席から、こちらも「座長!」っていいたくなりました。
風花舞ちゃんも、どんどん出演作の出番とスケールが小さくなって
行ってますが、良かったです。カラっとしたおかみさんになってました。
市川染五郎に似た、大衆演劇のスターが出ています。
彼もなかなか存在感がありますね。
早乙女太一しかり、みな素顔もキレ長の目をしてますね。
くるくる瞳の人は、大衆演劇には向かないのかなぁ。
戦隊あがりで男前スターのはずの涼平クン。
いつの間にか、こんな役というか扱いになってしまったんですね。
皆様、なんだか落ちぶれてしまった感がありますが(?!)
芝居を愛する心、舞台の真ん中に立つ誇りをしっかりと持って
演じている姿には、本当、好感が持てました。

遊び半分、適当な気分で上演しているとしか思えない
作品も多々有る中、
こういう良心あふれる作品は、どんどん制作していってほしいです。
でも、6000円は高いなぁ。4000円位で公演してくれればいいのに。

大衆演劇って、必ず時代劇をしなきゃいけないのかなぁ。
半分は、こういう現代劇みたいな軽い劇、
半分は舞踊とか名作劇集みたいな組み合わせでも
いいような気がするんだけど。
健康ランドで、キャストはともかく、こういう芝居が楽しめたら
いいよなぁ。
大衆演劇のチケットは本当に安い。
僕は十条で昔、見たことあるんだけど、
3時間、芝居と舞踊にお見送りまで付いて、1500円だった。

年齢とともにロックとかハウスみたいな音楽を聞いていたのが
「演歌って、心にしみるよなぁ」と思い始めたように、
だんだん、時代劇が好きになっていくのかなぁ。
想像できないなぁ。

ネタバレBOX

風花舞ちゃん、ラストで一曲歌うし、ドレス姿にもなります。
昔、TMレボレボと一緒にリトルショップオブホラーズでオードリーを
していた時を思い出すかのような可憐さでした。
彼女が仕切っていたから座員がついてくる、まさに内助の功、
いい泥臭い面も持つ、おかみさんでした。
こんな役も出来るようになったんですね。
真ん中に立ってキラキラ輝くって、本人の資質が
大方を占めますが、やっぱり経験も必要なんですね。

涼平クンが、ゲイの役なんですが、芝居でしょうが、本当に視線や
仕草が、それっぽくってゾクゾクきちゃいました。
劇中劇の中のでの、台詞の言い方や発声は、なかなか粋な
ご様子で、いつでも商業演劇にいけそうな堂に入ったもの。
彼は背も高いし、体も大きいから、ミュージカル界でも
是非活躍してほしいですね。
ミュージカル「SEMPO」

ミュージカル「SEMPO」

ライズ・プロデュース

新国立劇場 中劇場(東京都)

2008/04/04 (金) ~ 2008/04/22 (火)公演終了

満足度★★★★

ミュージカル界の融合!
日本のミュージカル界を支える3大集団(東宝・宝塚・四季)が、
見事に吉川晃司という(一応)スターを中心に支えあった逸品です。
そう演劇(?)界の最高値チケットの「夜会」を送り出す、中島みゆきの
楽曲まで加えられて、
本編2時間強の中、舞台装置などのハードの部分は陳腐だけど
(地方公演があるからかなぁ、でも「トライアンフオブラブ」よりはまし)
ソフトは非常に充実してました。
もちろんミュージカルファンだけがわかる、マイナーなソフトなんだけど。

お~、シンバとスカーだ!(「ライオンキング」宇都宮直高と田村雄一)、
ファントムにクリスティーヌもいる!(「オペラ座の怪人」沢木順と井料留美)、
マリウスとコゼットじゃないか!(「レミゼラブル」泉見洋平と辛島小恵)、
あ、ジャベールも(今拓哉)、
おまけにトート閣下まで(「エリザベート」彩輝なお)・・・
現在の最高峰ミュージカルでメインを張っている人ばかりじゃないですか!?
でも、誰も目立つことなく、あくまでも吉川晃司の引き立て役。
オーラを消しているのか、そもそも存在感がないのか・・・

なんでもないアンサンブルの歌声さえも、こうした基礎がしっかりした
人達が固めているので、非常に厚みのある音楽で贅沢である。
(生オケなんですが、なかなか良い指揮でした)
それでも、声に存在感があるのは吉川晃司、吉川節ではありますが、
違和感はありません。
もちろん歌いながら腰も振ってません。
巻き舌での歌い方は、そのまんまですが。

話は、本編2時間強に収めるのが前提だったのか、
かなり浅く、中学生高校生向きの構造になってしまっていました。
シンプルと言えばシンプル。
そこまで詰める時間がなかったのか、
練り直せば、もっと良くなる素材ではありました。

劇団四季の「昭和の3部作」を意識したような内容ですが、
この「SEMPO」のほうが、作品の充実度は高い。
役者の実力がエンターテイメント性を高めているからでしょう。

中島みゆきの楽曲は、中島みゆき節も耳につきますが、
とても作品にはあっている。
もっと前面に出てもいいんじゃないかなぁ。
吉川晃司の曲も1曲、なぜかあります。
でも違和感はありません。

当日券を買うのに、かなり並びました。
でも、ちゃんと券はあります。まだ空席もありました。
この作品は、高い席から売れる傾向で、
安い席だけが残ってます。
でも、新国立の2階ですから全然見えるはず。
あまり前売りが売れてないのに、あまりキャンペーンや宣伝、
評判も聞こえてこないのは、どうして???

僕は1階の後方のA席7000円で見ましたが、
この作品、とても席種に分かれてチケット設定がされていて
とてもいい。
「かぶりつき」の超良席は12500円、即効で売り切れたようですが・・・
同じS席でも(最近は殆どがS席設定)舞台までの距離感が、
かなり違ったりするので、
面倒なんだろけど、もっと席種は分けてほしいですね。

話がそれましたが、
吉川晃司のSEMPOって、ちょっと軽いというかイメージがピンと、
来なかったのですが、
それほど違和感もなく、十分楽しめました。
劇団四季の「昭和の3部作」を意識したような作風ではありますが、
こちらのほうが、全然ましです。
地方も行っちゃおうかなぁ。

ネタバレBOX

吉川晃司の出番は、少ないんです。
1幕は殆どありません。
曲も台詞も少ないです。だから、「アラ」が目立たないんでしょう。

アンサンブルながら、宇都宮直高は目立ちますね。
最初のNYのバーのシーンから存在感出てました。
医者の息子だけあって(確か井上芳雄と同級生??)、
育ちのよさもありますね、ナチスの特攻の役が一番あってました。
逆に肌のボオボロさが後方席まで目立っていた泉見洋平、
あれは役作りなんだろうか?
彼は地味でしたねぇ、あまり賢そうでもなく・・・

不思議なのは、井料留美の扱い。
なんでただの母親役のなのに、オープニングから、いやにソロが多い。
たしかに10年前の四季の作品の大きなヒロインを
全てしょっていただけあって、
お歌は上手いかもしれないけど、出しゃばり感が・・・

森奈みはるは、やっぱり代役ですねぇ、彼女は妻役で、大きな役ですが、
それが背負いきれていません。
愛華みれ、吉川晃司とウマが合わなくて降板したと思っていたら、
本当に大病でした、お元気になって欲しいですね。

と、目に付くところもありますが、とても層の厚い作品。
楽しかったっす。

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