満足度★★★★
純粋な気持ちに、思わず涙
縁あって、劇場へ足を運びましたが、
正直、全く期待していませんでした。
アリとキリギリスの目立たない方だし、売れないアイドルだし、
アニメっぽい題材だし。
これが、以外や以外、心に響いてきました、泣けました。
最初の20分位は想像を外れない、
三文芝居でしたが、竹本孝之(いやー、わっかいなぁ。もう40代半ば
じゃない、髪も多いし腹も出てないし、往年のアイドルの姿を
守っていた!てか、まだ芸能界にいたんだ!ちょっとビックリ)
が登場したあたりから、グっと面白くなっていた。
この芝居、とにかく役者がまじめに真剣に、役柄に
取り組んでいる、だから感動が伝わるのだ。
確かに、芝居はクサい、台詞はツマる、テクニックからすれば、
全然ダメなんだろう。
だけど、伝わってくるのだ、その気持ちが、せつなさが。
非常に全てのキャストは地味だし、
舞台装置も手作り感満点、
なんともチープな感じがするのに、この感動はなんだろうか。
等身大の思いが、嘘でない思いが、
きっと劇場を温かい空気で包んだからでしょう。
四季や、老舗劇団が、とかくテクニックに走って、
滑舌よく、だの、大げさな芝居だの、無感情な淡々とした芝居、
それが芝居として、あるべき姿と、
メディアやマスコミの力を利用して文化の押し付けをされそうな
昨今。
この作品を四季流で上演なんかしたら、ゾっとする。
こういう作品を、全国公演、芝居が身近でない地域の人に
見てもらいたいなぁ。四季が妨害するか。
難を言えば、あと15分、短くしてほしい。
ちょっと主要な登場人物が多いし、クライマックスも間延びしている。
そして、芝居の代金も、3500円程度だったら
みんなに◎でオススメするでしょう。