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シュガー×ペッパー

シュガー×ペッパー

ハグハグ共和国

劇場MOMO(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★

アドリブ的面白さ・・・でも筋は???
この作品も評価が分かれると思う。

標記タイトルに書いた通りで、
一応、筋もあるにはあるのだが、
その存在感は薄い。
場面場面を繋ぐ構成が弱い。
場面転換時の、「蝉の声」もなんか場違いで・・・。

一方、各場面ごとで、道化役を演じることとなる役者が、
妄想をふくらますような台詞を延々と行って行くのだが、
こちらは結構面白く、会場でも笑いを取っていた。
逆にいえば、この要素が大き過ぎたため、
構成感を弱めていたとも言えるが・・・。

そんなわけで、結局、「笑い」の要素を面白く思えた人は高評価、
構成の弱さが気になった人は低評価・・・になるのでは?

そこそこの写真

そこそこの写真

各駅停車

OFF OFFシアター(東京都)

2012/08/23 (木) ~ 2012/08/27 (月)公演終了

満足度★★★★

淀みない台詞
半分しか血の繋がらない姉妹たちが、父の“余命2ヶ月”を機に実家へ集合する。
軽やかな会話の裏にある、半分だからこそ
その絆を大切にする姉妹の切ない気持ちが伝わってくる舞台だった。
説明的でない、台詞の質を堪能した。

ネタバレBOX

舞台は田舎の広い一軒家の庭である。
素朴な木のテーブルの周りに手製の木の椅子が3脚、ベンチが一つ置かれている。
その奥は懐かしい縁側、サッシではなく木枠のガラス戸は常に開け放たれている。
客入れの段階から蝉の声と夏祭りの笛の音が小さく流れていた。
駅からも遠い不便な場所だが、この庭からの眺めは素晴らしいという設定。

槙田家の4人姉妹のうち次女が父親とふたりで住む家に
次々と他の姉妹たちが帰ってくる。
一度倒れた父が、いよいよ余命2ヶ月と宣告され、次女が知らせたからだ。
好き勝手に生きてきた父のおかげで彼女たちは母親の違う姉妹である。
父の最期を見守るため皆しばらく滞在することになる。

なめらかに、転がるように姉妹たちの会話が弾む。
その会話の中に4人姉妹の性格がそれぞれ豊かに描かれている。
おっとりした長女(桜かおり)は、休みは簡単にもらえたと言うが何か秘密がありそうな様子。
おおらかに姉妹達を迎える次女(梅澤和美)には、母親とではなくこの父と暮らす理由があった。
三女(長沢彩乃)と四女(加藤尚美)は顔を合わせれば口喧嘩ばかりしているが
実は誰よりも相手のことを心配していて、喧嘩はその裏返しみたいなものだ。
次女のキャラクターがとても魅力的で安定感がある。
彼女を軸に、父親の死をめぐって姉妹たちの過去と現在が描かれる。

「槙田さんちのちっとも似てない4姉妹」と言われながら育った子ども時代を共有する彼女たちは、
その絆が片方だけであるがゆえに、一層強く結びついているように見える。
父親の再婚によって同居することになったとはいえ、
本来なさぬ仲の4人が互いの存在を認め合うのにはそれなりの時間がかかっている。
後半、突然の五女(小瀧万梨子)の出現に誰もが驚いたが
それを素直に受け入れる土壌が自然に出来ているのもとても良かった。

初日の舞台ながら、淀みなく交わされる台詞の応酬が心地よく
縁側から出入りする緩やかな生活空間が、のどかな地方の暮らしを思わせて楽しい。
姉妹の他に、父の民芸品作りを手伝う弟子の青年(大金賢治)や
ただ一人結婚している四女の夫(伊藤毅)、
民芸品ビジネスを手伝う女性(日向彩乃)らがみな個性的で
姉妹が奏でるアンサンブルに程よい変化と客観性をもたらしている。
“説明させる”のではなく、何気ない会話の積み重ねによって
登場人物のキャラクターを浮き上がらせるのは“質の高い台詞”によるものだと思う。
微妙に変化する照明も、繊細でとても良かった。

「お父さんが死んだらみんなで写真撮ろうか」という長女の言葉の
本当の重みがわかるのは物語の終盤になってからだ。
その写真は、“そこそこ”どころか
これからの彼女たちを支える大切な一枚になるに違いない。
ラスト、次女が長女にかける「いってらっしゃい」という言葉に
思わずほろりとさせられた。
ゴミくずちゃん可愛い

ゴミくずちゃん可愛い

ぬいぐるみハンター

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

もの凄く面白かった
もう、ぐだぐだと何も書かなくて、「面白かった」だけでいいような気もする。

ネタバレBOX

面白かった!
ゴミちゃんいい!

あ、でもちょっとだけね……。

てっきり、タイトル通り、ゴミくずだらけのセットがあると思っていたら、シンプルなのに意表を突かれた。

地球のような青い星。
そこがゴミくずなんだ!

戦争、紛争、ゴミ、戦場カメラマン、平和、デモ、そんな今やポピュラーとも言えるようなエッセンスが散りばめられているのだけれども、もの凄く面白い。
過剰で、どうでもいいことが含まれているようで、面白くて、だけどもそのまんま捨て置かれてしまうような台詞とその絡み具合がたまらない。
ストーリーも演出も、よく整理されていて、次から次に起こる出来事が、もう楽しくって仕方ない。だから、舞台に釘付けになった。

メランコリーな曲に乗せて語る、ゴミちゃんの末路は、最初から想像がつくようなものだけど、でもいいんだよなー。それでも。
明るくて、哀しくて、明るくか、な。
ラストの写真撮影のシーンとかね。ベタかもしれないけど。

役者は全員よかったのだけど、やっぱり、ゴミちゃんを演じた浅利ねこさんが、抜群にいい!
活き活きしていて、「カワイイ」っていうのもわかる。
その相方として、ソニーを演じた満間昂平さんも、全体でうまい重しになっていたのではないだろうか。あと、ゴウトクジ、コムスビ、クニマツの3人の掛け合いはなかなかだと思ったし、特にクニマツを演じた工藤史子さんは、個人的にかなりツボだった。

ああ、それでも結構ぐだくだ書いてしまった。

この感じ、この間観た、ロロの『父母姉僕弟君』にちょっと似ているかもしれない。
これを観てから思うに、あれはあれで面白かったのかも、と思い始めている。
こっちを先に観ていたら、少しは印象が変わったかもしれない。
今さらだけどね。

にしても、一番前に座ってハイタッチしたかったぜ!
ライト・リライト

ライト・リライト

翠組 midori-gumi

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/08/23 (木) ~ 2012/08/28 (火)公演終了

満足度★★

ちぐはぐ
 シナリオと演出がちぐはぐである。登場人物の殆どが、フランス語の数を表す名前なのだが、作家のスタンスが、そういうレベルならば、リライト自体が仕組まれているだろう。そこで表面的に所作を気取っても何の意味もない。結果、演技の質も作り過ぎである。内面を自然に表現できるだけの実力があって、そういうことをするなら見応えもあるのだが、明かにそれはないレベルの「役者」を使って作るなら、演出にもっと工夫があって良い。でなければシナリオを大幅に変更すべきである。登場するのは、男性だけだが、所謂、イケメンばかりである。だが、それに頼るだけでは、下の下。演劇では無い。もう少し頭を使ってから身体を使って欲しいのだ。

明日を落としても

明日を落としても

ピンク地底人

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/08/17 (金) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

「作り物の音」に囲まれた「作り物の物語」
「虚構」と「虚構」、「虚構」と「現実」、「現実」と「現実」の境目が曖昧になっていく世界を見せていく。

ネタバレBOX

最初は、「京都の劇団」「ピンク地底人」(京都の地下に潜む貧しい三兄弟。日々の孤独を紛らわせるため、人間のふりをして、演劇活動を行っている、なんて書いてあるし)という劇団名から「コメディなんでしょ?」って思っていたのだが、まったく違っていた。
すみません。


劇場に入ると天井まで斜めに立ててあるパイプに蛍光灯。
パイプが工事現場の足場のような無機質感。
それをぐるりと囲むように配置された、スタンド付きマイク。

このマイクに劇団員たちが交互に立ち、街の喧噪やエレベータの効果音などを、丁寧に再現していく。
雨降りのときのデパートで流す曲とか、エレベータの細かい音とか、街中でのちょっとした人々の営みとか、そんな細かいニュアンスに溢れ、それがいい味になっていた。

物語は、母と息子の話。

人気女優である母は、テレビのドキュメンタリーの取材を受ける。
いわゆる密着取材ということで、女優の家にも行き、撮影をする。
女優は、実は自分の息子は引きこもっているので、それだけには触れないでほしいと撮影スタッフにお願いする。

徐々に彼女の生活が淡々と描かれていくのだが、実は、ある一瞬で、彼女と息子を巡る話が、遡っていることに観客は気づく。
音楽もよく聴いてみると、逆回転している(歌の部分だけかも)。

遡っていくごとに切なくなる物語となる。

あれだけの人に囲まれても孤独な女優な印象。

彼女は息子を失ったということがわかるのだが、それは最初は事故だったのか、と思わせて、実はさらにそれ以前に失っていたということが明らかになっていく。
彼女は、街で見かけた、息子を捜す女性に、自分を重ねてしまったのだ。

街中の「音」が本当の音ではなく、「作り物」であることを演出して、さらに「女優」が主人公であり、その彼女が演じる「舞台」の物語も、彼女自身のも物語も「虚構」(妄想)であるという構造が面白い。
女優が演じる舞台のストーリーとの境目がなくなっていったり、彼女が自分を重ねてしまった女性との、虚構の境目が消えていくというあたりもとても面白い。
ラストまで、微妙な位置関係にあった、撮影スタッフのカメラマンというのも、この「虚構感」を与えてくれる。
さらに彼女に「認知症」の気があるという設定も、この「虚構」にプラスしていく。

淡々としているのに見せるし、緊張感の持続と、それを外すタイミングがうまい。

ラストの前に、彼女が延々と舞台の上を走り出す。
何ごとが起こるのかと思っていると、疲れて歩き出してしまう。
そして、腰を折る。つまり、さきほどまで遡っていた彼女の半生を一気に巻き戻したシーンだったのだ。このシンプルな演出のうまさには舌を巻いた。

彼女はあの世で息子と再会する。
甘すぎるラストかもしれないが、いいラストだと思った。

役者は、とにかく全員があらゆる役と音を担当し、目まぐるしいものであって、大変だなと思った。やはり、主人公の女優さん役が良かった。誰なのかはわからないけど。あと、主人公がチラシを受け取るときの、息子を捜していた女性も印象に残った。誰なのかはわからないけど。
レイラの手紙

レイラの手紙

メガバックスコレクション

ART THEATER かもめ座(東京都)

2012/08/19 (日) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

【Aチーム】(大人も楽しめる)ジュナイブル
かな。

どうしても、初めて観て、とても面白かった前回と比べてしまう。

そうするといろいろ気になるところが出てきてしまうので、敢えていろいろ書いてみる。

ネタバレBOX

前回初めてこの劇団を観て、これは凄いな、と思ったのだが、今回に関して言えば、それほどではなかった。

まずストーリーが、面白い設定で展開なのだが、後半で、一体どうなるのか? と思わせておいての、この解決はいささか拍子抜けだ。
役人がやけに物分かりが良すぎる。
この程度の説得に応じていたら、仕事にはならないだろう。

「なるほど、これなら引き下がらざるを得ない」と思わせる展開にしてほしかった。
レイラが説得するだけでなく、大人たちの援護があっての、説得、もしくはそうせざるを得ない状況になるというのならば納得できた。

あまりにもあっさりと「OK」だったので、てっきり、何か策略でもあるのかと思ってしまったぐらい。

もちろん、描きたいのは、そうした駆け引きではないと思うのだけど、そういう設定にして、さらに役人まで出してきたのだから、きちんと落とし前はつけてほしいと思うのだ。

そういう感じで、なんとなく全体にきれいごとすぎる印象で、冒頭に悪ぶってはいるが本当は…のような台詞があるにせよ、悪い人は基本的に出てこない。

だったら、初めから悪ぶらなくてもいいのにと思ってしまう。いろんなことがあって、荒んだ人々というのならばわかるのだが、どうもそのあたりの線引きがイマイチだった。

正直、この作品は、「(大人も楽しめる)ジュナイブル」というなら「アリ」だと思う。

しかし、役者は、やはり、子役たちの健闘が素晴らしいと思った。
レベルが高い。うまく言えないが、子ども子どもした演技ではなく、メガバックスの一員としての演技に近づいていたと言っていいのではないだろうか。

ただし、メガバックスの一員としてのレベルで計って「面白い」というまでには達していなかった。
演技が「うまい」のが逆に出てしまった感じがする。

それは、台詞をきちんと丁寧に言い、観客に伝える、相手の台詞をきちんと聞いて話す、のようなことがあまりにもきちんとしすぎているので、少々スピード感、リズム感に欠けてしまうのだ。歌のシーンもあるのだが、これが声が良くて上手すぎるのだ。上手すぎて文句を言われては立つ瀬がないかとは思うが(笑)、普通の子どもが歌い出して、という雰囲気ではなく、つまり、歌の練習を積んでいる子どもの歌なので、上手すぎるのだ。

冒頭も、ミーヤの説明台詞が意外と続くのだが、あれはもちろんミーヤが言うことに意味は多いにあると思うのだが、少々荷が重すぎていなかっただろうか。
そんな印象を受けた。

例えば、レイラがやっぱりここに残ると言い出す前の台詞が、(台詞でもあったけど)あまりにも「行きます」ときっぱりしすぎで、それが翻ってしまうのも少々違和感がある。
たぶん、ここは、同じ台詞であっても、微妙な表情や演技で、「行きます」という台詞をきっぱりと言いながらも…のようなニュアンスが出せて、さらに「残っていいですか」につながったのだと思う。
こういう感覚は、文字だけでは伝わらないのと同じで、やはり演技が大切だろう。

つまり、(当然なのかもしれないが)この劇団でできなくてはならないレベルを、子役たちにまで同等に要求し、やらせてでしまったことによるのではないだうか。こんなに公演を次々と打って、鍛えられている劇団の大人たちと同等に扱ってしまうのは、辛いのではないかと思う。
もう少し演出でカバーをしながら、公演に慣れさせてあげてもよかったのではないかと思うのだ。

それと、セットの設定。
「バス」の台詞で「外なんだ」と気がついた。座った席からバスの前のほうがよく見えなかったし、タイヤも前の人の頭や背中で隠れていたので気がつかなかったのだ。
外ならば、それらしい演技と、少なくとも照明等で、もう少しわかりやすくしてほしかった。

そんなことを感じた。

とは言え、やっぱり面白いところは面白く、ストーリーにしても、レイラが手紙を配達しているということがわかり、さらにそれが、というのも良いし、ミーヤが役人たちと一緒に行きたいと言い出すなんていう展開には、「さすが!」と思った。
(グリナスが何年もの前のことなのに、今ごろガーラに飛びかかるというのは解せなかったが)

いろいろと課題は多いが、若い世代を鍛えて、舞台に上げていくという意気込みと企画は素晴らしいと思ったし、メガバックスは次回も観たいと思う。

こんなに面白い劇団なのに、もっと人が入ってもいいと思うのだが、観た回は、主に子役たちの関係者(子どもたちや、その親か?)が多かったように思う。
そもそもここのチラシって、ほとんど見かけることがない。

この「ジュナイブル」っぽいストーリーで、そういう位置づけならば、チラシももう少しそういう雰囲気にして、きちんとデザインしたほうがよいと思うのだ。はっきり言って手にしたときに、惹かれるチラシではない。

今回もネットで知って、チラシは会場で初めて見た。前回もそんな感じだった。もうちょっとうまく宣伝して、多くの人に観てほしいと思うのだ。
高き彼物

高き彼物

(公財)可児市文化芸術振興財団

吉祥寺シアター(東京都)

2012/07/04 (水) ~ 2012/07/10 (火)公演終了

満足度★★★★

どうしてもカトケン版と比べてしまうのですが
同じ演目では、主人公の元教師が加藤健一、女教師は小泉今日子でしたが、
それも良かったのですが、やはり二人とも役者としても個性が強かったので(特にキョン2)、
どこかの地方の、とある先生という普通の感じが薄かったように思う。

それに比べると、石丸 謙二郎・金沢映子のお二人は、いかにもどこかの地方の先生っていう感じが出ている。
コピーであった「市井の片隅で、高くまっすぐに生きる。」そのものである。
自分が許せずに教師を辞めた実直さが、自然と伝わってくる。

物語として、長年の誤解が解けていくという展開が泣ける。
登場人物の死などによる安易な泣かせではない、ところがイイ。

主演の石丸謙二郎さんは、2時間ドラマの刑事役でよく観ましたけれど、
それより「世界の車窓から」のナレーションでお馴染みです。
私にとっては、デンライナーのオーナーですが。
しかし、つかこうへいの事務所にスカウトされたなんて、知りませんでした。
落ち着いた自然な演技が良かったです。

音楽劇 オリビアを聴きながら

音楽劇 オリビアを聴きながら

劇団扉座

青山円形劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/31 (金)公演終了

満足度★★★★

再演作、初見
昨年の初演はバタついてて見られず。
楽曲全て知らずとも、舞台のお話はわかり易く、前半コミカル要素ありなのに、途中から繊細で透明感ある歌詞が歌の上手い役者陣によって歌われる為、自ずと身体に入り込み、沁みてくる。
舞台正面がない円形劇場という音楽メインに当てるとやや不釣り合いに思える小さい劇場で繰り広げられる為、劇場内全体が舞台といって良い。
役者、演奏、踊っている等々、座席によっていろいろな表情を見ることが出来る為、それらも楽しめる。
選曲とストーリー進行が上手く調和されて贅沢で濃密な時間、終盤泣いたら負けな気がすると思いつつ、やっぱり最後にはほろっときた。

天使と雨(傘)とピアノの使い方が印象的。
また森田先生の踊り子アピールも素晴らしかったですw

ネタバレBOX

一組の男と女と女の二つの時間に渡った物語と思えば良いのかな。
文化祭の後夜祭で若き日の彼女にピアノを弾いてもらう場面と、成人した男が勤める建築会社の説明集会のシーン、客席=集会出席者と見立てた所から物語が始まる。その会社で営業課長として勤めていた40代のバツイチ男がメインの主人公だけど、高校生〜学生時代と社会に出て間のなくの若き時代が交互に入り込む為、そこの瞬間音楽劇ではなく芝居の要素が濃く見える。

その若き日の彼女=やよい、学生時代から信念を持ち、反戦運動やらその手の活動が活発化してくる、次第についていけなくなる男、社会人になった時街中で彼女を見かけるが活動グループ内の意見の食い違いから来るリンチ場面に遭遇するが周囲の人と同じようにただ見過ごす。
今の時代の彼女=広美、ヒロイン的な立場になっているが、やよいの行動印象が強く、おとなしめの女性というイメージしか思いつかず。ただ、音楽においてはこの人が居ないと舞台が引き締まらない。儚げで綺麗な歌声と演奏だった。

学生時代に後味悪い別れた方をした恋人、仕事の合間ふとしたキッカケで出会ったピアノ講師、友人と部下、仕事人としては優秀だが人格的にはついていけない元上司、諸々要所要所で存在感を出しているので目が離せない。お芝居なんだけど、一人一人がその場に確実に生きているという当たり前の世界。残念ながら私の周りに羽飾り付けていきなり歌ったり、タップダンス踏んでくれる人はいないが。

ほか、江本さんの仕事女の選択としては有りな生き方だと思う。
森田先生、子供教室開けば一番人気になるんじゃないだろうか。
非凡な生き方も目線を変えれば素敵な人生に思えてきそうな舞台だった。
常夏の星

常夏の星

とくお組

駅前劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/30 (木)公演終了

満足度★★★

好きなタイプかも
バカバカしく、B級感たっぷりで、好きな雰囲気です。
狙いに行く笑いを思い切って削り、もっと大真面目に演じられていたら、と若干惜しく感じました。
最終盤の間延びというかテンポの悪さは、きっと公演期間に修正されるでしょう。
舞台美術が大変素晴らしかった。

ゴミくずちゃん可愛い

ゴミくずちゃん可愛い

ぬいぐるみハンター

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/27 (月)公演終了

満足度★★★★

アクティブ
動き回って沢山シャウトして、非常にアクティブな舞台でした。シンプルだが用途が多い舞台セット。濃すぎるキャラクター。踊りにわかりやすい話。など、長丁場ではありますが、打ち解けやすい空間であったと思います。

ネタバレBOX

世紀末ゴミだらけな、谷というか山を土台に世界が動いていくお話。役者のエネルギー、話の展開、とてもエネルギッシュ。特にキングの石黒さんは声量が出て響きます。ゴミ山ならぬ谷の規模や詳細はイマイチ掴み切れませんでしたが、物はいつか壊れる真理が組み込まれ、主人公もやがて死ぬという展開も良い。設定の描写がもう少し欲しかったり、
勢いが凄くて面白いから、無理にキスや下ネタも持って来なくていいとも思いました。
ゴウトクジ浅見さんは特に面白く、クニマツの工藤さん、ハプニングに対して笑いに変えるアドリブ力が非常に高いと感じました。コムスビの橋口さんは、次の相撲舞台に出る方でしょうか。とにかくキャラが本当に濃かった。写真撮影のシーンは、ベタなのかも知れないけど、各々の不自然さがとても笑えました。
【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)

【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)

劇団東京ペンギン

明石スタジオ(東京都)

2012/08/23 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

予想を上回るスケールの大きさ
小田急線の車両なんだから、もう少し白っぽいと良かったかなあ。前に見た「新宿カルト9」と比べて、ストーリーにはるかに深みが感じられた。

ネタバレBOX

最後に人間とプレデターが相対化され、プレデターが宇宙船に改造された小田急線に乗って旅立って行く様は圧巻。
シュガー×ペッパー

シュガー×ペッパー

ハグハグ共和国

劇場MOMO(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★

初見でした。
初見の劇団。
セキトヨさん目当てで行きました。

うーん、この路線が常の劇団なのでしょうか?
なら、2度目は無いかな~。。。私には合いませんでした。

ネタバレBOX

まず、長い。長すぎる。この内容で2時間は長すぎ。
導入部分も長いので、その『意味不明感』が強すぎて、
これから始まるお芝居への期待感が削がれていく感じでした。

場転の度の、カラオケ大会もなんなのでしょう。
お芝居のイメージに合わせた曲なのかもしれないけど、
1コーラス~2コーラス、聞かせる意味があるのでしょうか?

あぜ道のシーンでは、背景が、いくら全部真っ黒とはいえ、
ひっくり返したテーブルや壁がそのまま見えていて、
『裏が見えている』という感じが残念。せめて暗幕くらい引いてほしかった。

コメディ部分も、コメディと言うには雑で、私は全然笑えませんでした。

それに、あれだけ複雑にいろんなエピソードをちりばめた割には、
最後はそれで終わり・・・って、かなりご都合主義な印象。

それとこれは目をつぶらないといけない箇所かもしれませんが、
『同窓会で集まるメンバー』
という割にはどうしても見た目(というか雰囲気)の年齢の差がハッキリしてしまって、
同窓生には見えなくて。。。

観劇後の気分としては★1つですが、
関田豊枝さんに敬意を表して+1 しました。
(着物での所作が、本当に綺麗で惚れ惚れします。大好きな女優さんです)
鎌塚氏、すくい上げる

鎌塚氏、すくい上げる

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2012/08/09 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

“安定”の面白さ
まだ2011年に続く2作目なのに、もうずっと昔から知っていたような執事!
しっかり今作も笑えました!楽しかったー。

しかしなぁ。前作と比べるもんじゃない、とは思うんだけど、
やっぱり比べちゃう自分が悲しい。。。

ネタバレBOX

冒頭から鎌塚アカシ氏が必死になってカモメに餌をあげている姿に笑わされます。ナレーションは前作同様、メイドさんの声。市川実和子さんの声、とっても聴きやすかったですし、もちろん女子力もハンパなかった!
印象としては鎌塚氏は前より少し柔軟になったような。それに前作より出ずっぱりでなかったので、少し安心しました。笑(前作はずーっと三宅さんが舞台で動き回っていたから)
舞台は期待通りクルクル回ってくれた!船で回ってても違和感がなくてよかったです。

…と、ここまで“前作に比べて”的な感想が多くなりましたが、これはどうしようもないこと。嬉しいことに、今作品中に1作品目のメイド『上見ケシキ』の名前が出てきたりしましたし、かなり前作を意識した内容であったと思います。
こちらとしては2度美味しい気分だし、本当はライブだけで楽しみたい派の観劇ですが、思わず前作のDVD購入を検討しています。

この作品の続編があれば、間違いなく観に行きます。
窓からは夏の空が・・・

窓からは夏の空が・・・

演劇集団Nの2乗

「劇」小劇場(東京都)

2012/08/21 (火) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★

NSC
チケットプレゼントにて鑑賞。
なかなか面白かった。90分。

ネタバレBOX

修造(藤原基樹)と離婚したがっている瞳(大室由香利)は、修造が離婚に納得しないまま家を売ろうとし、早苗(江口ヒロミ)と幸一(高沢知也)の11歳差夫妻が下見にくる。修造の姉・美子(大勝みゆき)や大家の川端(栗本孝仁)らの前で離婚に熱意を燃やす瞳の離婚に踏み切ったきっかけが、早苗が副編集長をつとめる雑誌だったと判明すると、やはり離婚を考えている美子も加わってさらにヒートアップする…。

ヒートアップして早苗がバツイチ子持ちとわかるくだりまでは、見ごたえあった。
瞳も美子も早苗も必死でその表情が魅力的ではあるが、女性のほうに重点をおいているように見え、逆に、男性陣の「離婚」観がよくわからなかったのは狙いなのか。バランスとっても良かったかなと。
雑誌に左右され早苗に頼るような姿勢の女性らの、芯が通っていなく「離婚」の重みを理解していないとこがシリアスでよかったと思う。当事者になると広い目で見れなくなるし。

ただ、修造に想いを寄せる先輩・村井(宮地大介)の盗聴&同性愛のくだりが、ちょっと冷めてしまった。TVクルーが調査に来るのが非現実的とも思っただけでなく、周りの反応がシリアスでもなく笑いでもなく、観てて戸惑ってしまった。

演技は全体的に良かった。
序盤の暴風雨の際、客が暴風雨の中の来訪者に見えなかった。
叔母との旅

叔母との旅

シス・カンパニー

青山円形劇場(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/15 (水)公演終了

満足度★★★

ロードムービーは雰囲気で90%
面白かった。8月14日に観劇し、1週間たった今、サボりがちな脳ミソはその一言に記憶を縮めてしまっている。ロードムービー的な要素は、ようは雰囲気。その瞬間にどれだけそのイメージに没頭できるかにかかっているようなものだ。素晴らしかったという記憶。英国の雰囲気、パリの雰囲気。トルコの雰囲気、南アフリカに対するイメージ。ラテンアメリカの雰囲気。物語が破綻していても、いや物語が破綻している方が、この手の話っぽくてむしろいい。役者もいい。ある意味であざとい演出も、笑って観ていられる。拍手喝さい。満足して青山でご飯を食べて帰ろう。いい時間だった。

ネタバレBOX

とはいえ、ふと思うのは、これは映画でやった方が素敵さの度合いが大きいのではないか、という身も蓋もないこと。あるいは、本で読んだ方が素敵さの度合いが大きいのではないか、という不信。想像力は本を読むときに最大となり、イメージは映像となって提示されるときに最大となるのではと思ってしまう。
お芝居の意味は、演者にこそあって、観劇者には無いのではないか。そんな疑念がいつも消えない。クラシック音楽のように、最大の興奮がコンサートにあり、最大のクォリティが録音にあるような棲み分けがあれば分かりやすいのだけれど…。
【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)

【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)

劇団東京ペンギン

明石スタジオ(東京都)

2012/08/23 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い
初めて感激しました。懐かしい関西弁が、飛び交いしかも宝塚、梅田箕面、池田、川西に住んだ宝塚線、小田急喜多見ともそれは、さておき、スピード感、伝えたい事が良くわかりました。それ程屈折していないのもいい。やっぱり大阪弁は、ええなぁ~って感じ。楽しかったです。

ミス・サイゴン

ミス・サイゴン

東宝

青山劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

最前列で寝不足で寝た
俺の自由だ

ドラムストラック

ドラムストラック

ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

再見
1回目よりさらに楽しい

シュガー×ペッパー

シュガー×ペッパー

ハグハグ共和国

劇場MOMO(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

あっちやこっちの方向へ
てんこ盛りでした。

ネタバレBOX

小説の登場人物が作家を悩ませるようなスタートで、何かの二番煎じかと思いましたが、そうではありませんでした。女流漫画家先生に大人の恋を描かせようとする話かというとこれまたそうでもなく、幼馴染がたくさん出てきてどんどん違った方向に進んで行きました。

大人の恋を巡る話かどうかは良く分かりませんでしたが、とにかく酒屋の息子のアドリブ的パフォーマンスが面白くて目が点になって見ていました。一人群を抜いていました。

アカシアの雨にうたれて…♪とは、幼くして亡くなった子供とはいえ彼らの年代からすると古過ぎる嫌いがありました。幽霊と分かったときはちょっと驚きましたが、何がストーリーの目的地か全く分からない展開で何でもありのようになってはいましたが、最後の最後まで幽霊で引っ張る必要性があるのかなとは思いました。
IZABELL×高橋いさを『八月のシャハラザード』

IZABELL×高橋いさを『八月のシャハラザード』

株式会社Legs&Loins

Geki地下Liberty(東京都)

2012/08/21 (火) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

抜群に面白い!
いやー、面白かった!
最初はそんなでもなかったが、少しずつ物語に惹き込まれ、
気づいたら、どっぷりと浸っていた(笑)。
笑わせながら、最後しんみりさせる物語は大好物(笑)。
上演時間120分。

ネタバレBOX

売れない小劇場の役者とその恋人との話、
現金輸送車を襲った強奪犯人とその犯人を裏切った仲間との話を
並行的に展開させる物語。
面白かったなあ、さすが高橋さんの脚本!

役者陣は皆さん、役柄に合っており(合わせたのかな)、とても楽しめた!
主演のお2人、汗だくで大変そうだったけど楽しそうに演じており、
こちらも笑顔になれた。

個人的には、ホステス役を演じた役者さんが特に良かった!
コミカルな場面が、彼女が出てくることにより、一気にシリアスな場面へ
転換する。すごい雰囲気を持っていると思う!

スタッフの皆さん、笑顔の対応、とても良かったと思う。

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