レイラの手紙 公演情報 メガバックスコレクション「レイラの手紙」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    【Aチーム】(大人も楽しめる)ジュナイブル
    かな。

    どうしても、初めて観て、とても面白かった前回と比べてしまう。

    そうするといろいろ気になるところが出てきてしまうので、敢えていろいろ書いてみる。

    ネタバレBOX

    前回初めてこの劇団を観て、これは凄いな、と思ったのだが、今回に関して言えば、それほどではなかった。

    まずストーリーが、面白い設定で展開なのだが、後半で、一体どうなるのか? と思わせておいての、この解決はいささか拍子抜けだ。
    役人がやけに物分かりが良すぎる。
    この程度の説得に応じていたら、仕事にはならないだろう。

    「なるほど、これなら引き下がらざるを得ない」と思わせる展開にしてほしかった。
    レイラが説得するだけでなく、大人たちの援護があっての、説得、もしくはそうせざるを得ない状況になるというのならば納得できた。

    あまりにもあっさりと「OK」だったので、てっきり、何か策略でもあるのかと思ってしまったぐらい。

    もちろん、描きたいのは、そうした駆け引きではないと思うのだけど、そういう設定にして、さらに役人まで出してきたのだから、きちんと落とし前はつけてほしいと思うのだ。

    そういう感じで、なんとなく全体にきれいごとすぎる印象で、冒頭に悪ぶってはいるが本当は…のような台詞があるにせよ、悪い人は基本的に出てこない。

    だったら、初めから悪ぶらなくてもいいのにと思ってしまう。いろんなことがあって、荒んだ人々というのならばわかるのだが、どうもそのあたりの線引きがイマイチだった。

    正直、この作品は、「(大人も楽しめる)ジュナイブル」というなら「アリ」だと思う。

    しかし、役者は、やはり、子役たちの健闘が素晴らしいと思った。
    レベルが高い。うまく言えないが、子ども子どもした演技ではなく、メガバックスの一員としての演技に近づいていたと言っていいのではないだろうか。

    ただし、メガバックスの一員としてのレベルで計って「面白い」というまでには達していなかった。
    演技が「うまい」のが逆に出てしまった感じがする。

    それは、台詞をきちんと丁寧に言い、観客に伝える、相手の台詞をきちんと聞いて話す、のようなことがあまりにもきちんとしすぎているので、少々スピード感、リズム感に欠けてしまうのだ。歌のシーンもあるのだが、これが声が良くて上手すぎるのだ。上手すぎて文句を言われては立つ瀬がないかとは思うが(笑)、普通の子どもが歌い出して、という雰囲気ではなく、つまり、歌の練習を積んでいる子どもの歌なので、上手すぎるのだ。

    冒頭も、ミーヤの説明台詞が意外と続くのだが、あれはもちろんミーヤが言うことに意味は多いにあると思うのだが、少々荷が重すぎていなかっただろうか。
    そんな印象を受けた。

    例えば、レイラがやっぱりここに残ると言い出す前の台詞が、(台詞でもあったけど)あまりにも「行きます」ときっぱりしすぎで、それが翻ってしまうのも少々違和感がある。
    たぶん、ここは、同じ台詞であっても、微妙な表情や演技で、「行きます」という台詞をきっぱりと言いながらも…のようなニュアンスが出せて、さらに「残っていいですか」につながったのだと思う。
    こういう感覚は、文字だけでは伝わらないのと同じで、やはり演技が大切だろう。

    つまり、(当然なのかもしれないが)この劇団でできなくてはならないレベルを、子役たちにまで同等に要求し、やらせてでしまったことによるのではないだうか。こんなに公演を次々と打って、鍛えられている劇団の大人たちと同等に扱ってしまうのは、辛いのではないかと思う。
    もう少し演出でカバーをしながら、公演に慣れさせてあげてもよかったのではないかと思うのだ。

    それと、セットの設定。
    「バス」の台詞で「外なんだ」と気がついた。座った席からバスの前のほうがよく見えなかったし、タイヤも前の人の頭や背中で隠れていたので気がつかなかったのだ。
    外ならば、それらしい演技と、少なくとも照明等で、もう少しわかりやすくしてほしかった。

    そんなことを感じた。

    とは言え、やっぱり面白いところは面白く、ストーリーにしても、レイラが手紙を配達しているということがわかり、さらにそれが、というのも良いし、ミーヤが役人たちと一緒に行きたいと言い出すなんていう展開には、「さすが!」と思った。
    (グリナスが何年もの前のことなのに、今ごろガーラに飛びかかるというのは解せなかったが)

    いろいろと課題は多いが、若い世代を鍛えて、舞台に上げていくという意気込みと企画は素晴らしいと思ったし、メガバックスは次回も観たいと思う。

    こんなに面白い劇団なのに、もっと人が入ってもいいと思うのだが、観た回は、主に子役たちの関係者(子どもたちや、その親か?)が多かったように思う。
    そもそもここのチラシって、ほとんど見かけることがない。

    この「ジュナイブル」っぽいストーリーで、そういう位置づけならば、チラシももう少しそういう雰囲気にして、きちんとデザインしたほうがよいと思うのだ。はっきり言って手にしたときに、惹かれるチラシではない。

    今回もネットで知って、チラシは会場で初めて見た。前回もそんな感じだった。もうちょっとうまく宣伝して、多くの人に観てほしいと思うのだ。

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    2012/08/24 04:23

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