音楽劇 オリビアを聴きながら 公演情報 劇団扉座「音楽劇 オリビアを聴きながら」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    再演作、初見
    昨年の初演はバタついてて見られず。
    楽曲全て知らずとも、舞台のお話はわかり易く、前半コミカル要素ありなのに、途中から繊細で透明感ある歌詞が歌の上手い役者陣によって歌われる為、自ずと身体に入り込み、沁みてくる。
    舞台正面がない円形劇場という音楽メインに当てるとやや不釣り合いに思える小さい劇場で繰り広げられる為、劇場内全体が舞台といって良い。
    役者、演奏、踊っている等々、座席によっていろいろな表情を見ることが出来る為、それらも楽しめる。
    選曲とストーリー進行が上手く調和されて贅沢で濃密な時間、終盤泣いたら負けな気がすると思いつつ、やっぱり最後にはほろっときた。

    天使と雨(傘)とピアノの使い方が印象的。
    また森田先生の踊り子アピールも素晴らしかったですw

    ネタバレBOX

    一組の男と女と女の二つの時間に渡った物語と思えば良いのかな。
    文化祭の後夜祭で若き日の彼女にピアノを弾いてもらう場面と、成人した男が勤める建築会社の説明集会のシーン、客席=集会出席者と見立てた所から物語が始まる。その会社で営業課長として勤めていた40代のバツイチ男がメインの主人公だけど、高校生〜学生時代と社会に出て間のなくの若き時代が交互に入り込む為、そこの瞬間音楽劇ではなく芝居の要素が濃く見える。

    その若き日の彼女=やよい、学生時代から信念を持ち、反戦運動やらその手の活動が活発化してくる、次第についていけなくなる男、社会人になった時街中で彼女を見かけるが活動グループ内の意見の食い違いから来るリンチ場面に遭遇するが周囲の人と同じようにただ見過ごす。
    今の時代の彼女=広美、ヒロイン的な立場になっているが、やよいの行動印象が強く、おとなしめの女性というイメージしか思いつかず。ただ、音楽においてはこの人が居ないと舞台が引き締まらない。儚げで綺麗な歌声と演奏だった。

    学生時代に後味悪い別れた方をした恋人、仕事の合間ふとしたキッカケで出会ったピアノ講師、友人と部下、仕事人としては優秀だが人格的にはついていけない元上司、諸々要所要所で存在感を出しているので目が離せない。お芝居なんだけど、一人一人がその場に確実に生きているという当たり前の世界。残念ながら私の周りに羽飾り付けていきなり歌ったり、タップダンス踏んでくれる人はいないが。

    ほか、江本さんの仕事女の選択としては有りな生き方だと思う。
    森田先生、子供教室開けば一番人気になるんじゃないだろうか。
    非凡な生き方も目線を変えれば素敵な人生に思えてきそうな舞台だった。

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    2012/08/24 02:23

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