満足度★★★★
パワーアップしていました
再演という事で、全体的な流れがスムーズだったような気がします。
勝也の上司・青沼、若い頃の勝也の役者さんが変わっていました。
青沼は石井喧一氏
若い頃の勝也は花柳輔蔵氏です。
石井氏はTVの悪役でよく見かける方ですが、残念ながら滑舌がイマイチでした。
花柳氏は、現在の勝也役・三木さんと対比させるとビジュアルに違和感があります。
脇の森田・鈴木里沙氏、アキオ・舘形比呂一氏、左千夫・柳瀬大輔氏、島谷・柳瀬亮輔氏、皆さん変わらずに素敵でした。
この日はミキシンナイトと称して声優さんゲストのアフタートークがあり、楽しかったです。
満足度★★★★★
ヒット曲を紡いで…
ヒット曲を紡いで…という作品は今年だけで既に2回見ており、その2回目が安直な作品だったので、そんなに期待しないで出かけたのですが、ナメてました。すみません。
ストーリーも良かったし、曲をよく吟味して取り入れてるし、それを表情豊かに表現することの出来るキャストが揃い、ステキなステージに仕上がっていました。悪役に徹した石井愃一ブラボー。
満足度★★★★
抜群の歌唱力に魅せられる
扉座の芝居観るのは、実に大学の時に観た『きらら浮世伝』以来だろうか。
音楽劇、というだけあって、随所に楽曲が散りばめられた作りでした。
中年サラリーマンの勝也(=三木眞一郎)がピアノを習い始め、
そのピアノの先生の広美(=小牧祥子)に恋をして…と、『shall we dance ?』的な冒頭だが、
物語中盤から雰囲気は一転。
人々が闘うのはピアノコンクールではなく、己が人生となる。
現在と過去の挫折に、ラストでしっかり向き合わせて前に進めてくれる、観ていて元気の出る作品。
それらの物語を、尾崎亜美の音楽がとても上手く一つにまとめている。
元・劇団四季の小牧祥子・柳瀬大輔の歌唱力がとにかく抜群で、
あの劇場の広さで贅沢な限りである。
歌っていいな。
そして舘形比呂一の肉体のキレが素晴らしい。
ただ、普通の台詞は、マイク通さずに聞きたかったな、とも思うが、
ともあれ贅沢な、良い芝居でした。
満足度★★★★★
まだ余韻に浸っています
たくさんの人が幸せだなあと思える素敵な作品でした。
きちんと実力がある脚本家、演出家である主宰に率いられて、こういう素敵な作品に出演することができる扉座の役者さん。
自らの楽曲を、こんな素敵な音楽劇に活用され、より、楽曲の素晴らしさを引き出してもらえた尾崎亜美さん。
そうして、対面の観客も目に入らない程、舞台と同化することができた観客の私。
たくさんの人を幸せに思わせる舞台だと思いました。
作者の横内さんは、だいたい私と同世代で、描かれた世界の物語りも、どこかで、自分自身の半生とリンクする内容が多く、その上、「オリビアを聴きながら」は、杏里さんの歌唱曲を、自分のFMの月~金の生帯番組のテーマソングに使用していた経緯もあって、後半では、ずっと涙で舞台が見えなくなる程、感動してしまいました。
劇団四季出身者等、歌唱力も素晴らしい俳優さんばかりで、既製曲を使用したオリジナル劇では、出色の出来栄えだったと思います。
際物になりがちな役を、舘形さんが、心を込めて丁寧に演じていらしたのも印象的でした。
二組のカップルが、特に男性はもう少し、見た目にときめきを感じられるキャステイングの方が好ましいなどと、開幕してしばらくは感じたりしたのですが、後半になって、このキャスティングだからこそ、観る側が、卑近な世界の物語と感じ取れる効果があるのだと、納得が行きました。
ラストシーンの余韻は、まだ当分続きそうです。
もっと、昔に、扉座さんのファンになっていれば良かったなと、後悔しました。
満足度★★★★
再演作、初見
昨年の初演はバタついてて見られず。
楽曲全て知らずとも、舞台のお話はわかり易く、前半コミカル要素ありなのに、途中から繊細で透明感ある歌詞が歌の上手い役者陣によって歌われる為、自ずと身体に入り込み、沁みてくる。
舞台正面がない円形劇場という音楽メインに当てるとやや不釣り合いに思える小さい劇場で繰り広げられる為、劇場内全体が舞台といって良い。
役者、演奏、踊っている等々、座席によっていろいろな表情を見ることが出来る為、それらも楽しめる。
選曲とストーリー進行が上手く調和されて贅沢で濃密な時間、終盤泣いたら負けな気がすると思いつつ、やっぱり最後にはほろっときた。
天使と雨(傘)とピアノの使い方が印象的。
また森田先生の踊り子アピールも素晴らしかったですw
満足度★★★
理想と現実の葛藤
尾崎亜美さんの既製のヒット曲を用いた音楽劇で、歌詞と物語が巧みに結び付けられた作品でした。物語はあまり好きなタイプではありませんでしたが、音楽の力に引き込まれました。
勤めていた不動産会社が倒産して無職になりながらも仲間に支えられて奮闘する男の物語と、その男の学生時代の恋人の付き合い始めから別れまでの回想が交互に描かれていました。
前半はウケ狙いのシーンが多く客の反応も良かったのですが、個人的にはあまり笑えず、もう少し落ち着いた雰囲気にして欲しかったです。後半は時代遅れの学生運動に入れ込んで行く彼女との確執を振り返って今の生き方を考え直す様子がドラマチックに描かれていました。
既成の曲を用いていながら、この作品の為の曲に思えるような構成が良かったです。
ラッキィ池田さんと彩木エリさんによる当て振り要素の強いコミカルな振付は作品の内容にあまり合っていないように感じました。
ターンテーブルを模した円形のステージは円形劇場に似つかわしい洒落たデザインでしたが、その美術が演出と絡むような趣向がなくてもったいないと思いました。
役者の出入り口の近くの席だったですが、初日だったせいか、裏から段取り確認の(?)声や小道具を動かす音が頻繁に聞こえて来たのが気になりました。