満足度★★★★★
まだ余韻に浸っています
たくさんの人が幸せだなあと思える素敵な作品でした。
きちんと実力がある脚本家、演出家である主宰に率いられて、こういう素敵な作品に出演することができる扉座の役者さん。
自らの楽曲を、こんな素敵な音楽劇に活用され、より、楽曲の素晴らしさを引き出してもらえた尾崎亜美さん。
そうして、対面の観客も目に入らない程、舞台と同化することができた観客の私。
たくさんの人を幸せに思わせる舞台だと思いました。
作者の横内さんは、だいたい私と同世代で、描かれた世界の物語りも、どこかで、自分自身の半生とリンクする内容が多く、その上、「オリビアを聴きながら」は、杏里さんの歌唱曲を、自分のFMの月~金の生帯番組のテーマソングに使用していた経緯もあって、後半では、ずっと涙で舞台が見えなくなる程、感動してしまいました。
劇団四季出身者等、歌唱力も素晴らしい俳優さんばかりで、既製曲を使用したオリジナル劇では、出色の出来栄えだったと思います。
際物になりがちな役を、舘形さんが、心を込めて丁寧に演じていらしたのも印象的でした。
二組のカップルが、特に男性はもう少し、見た目にときめきを感じられるキャステイングの方が好ましいなどと、開幕してしばらくは感じたりしたのですが、後半になって、このキャスティングだからこそ、観る側が、卑近な世界の物語と感じ取れる効果があるのだと、納得が行きました。
ラストシーンの余韻は、まだ当分続きそうです。
もっと、昔に、扉座さんのファンになっていれば良かったなと、後悔しました。