なしかの観てきた!クチコミ一覧

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スポンジ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/12/26 (水) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

満足度★★★

初見です
故人と繋がるお葬式。
葬儀が絡む話は観ている方の体験も思い出すから、ある程度の親近感や一体感も湧きやすく、話も作りやすいのだろうか。

三人姉妹が中心となって話が進むが、抑揚のない台詞運びが却って自然に聞こえた。
無駄に場面を作らず、メリハリの利いた場面転換だけでも話が見える手法は興味深かった。約90分。

ネタバレBOX

中古団地みたいなマンションの一室、生活感のあるキッチン、噛み合わせの緩くなったスライドサッシ、窓を開ければ工事の音。
イザコザがあった後の翌日、姉妹が何事もなかったように雑談している様に、何気に彼女達の仲の良さが伝わる不思議。

他の方も指摘していたけど、実母の遺骨の扱いがお粗末だったのは残念。
納骨=埋める、傍らで小学校から出た四角い箱が出てくる対比の仕方は面白いと思った。
夜の入り口-池谷のぶえと村岡希美、倉橋裕美子を読む- 第3回

夜の入り口-池谷のぶえと村岡希美、倉橋裕美子を読む- 第3回

Produce lab 89

音楽実験室 新世界(東京都)

2012/12/20 (木) ~ 2012/12/20 (木)公演終了

満足度★★★★

第三夜 19:30の回 観賞
副題が「大人のための残酷物語」
日本の名作古典童話が、ちょっとエロチックで黒い顛末のお話を声色が印象的な二人による読聞かせ。知的官能的な一夜でした。
毎回ゲストミュージシャンが違い、今回は邦楽の演奏家?の山田貴之氏を従えて、物語の効果をより一層盛り上げる。その音色にも聴き惚れ、いい感じの酔い心地にさせてくれました。
あっという間の60分。

ネタバレBOX

今回のテーマは「和」という事で、池谷さんと村岡さんは淡い色合いの訪問着を素敵に着こなし、山田さんは黒紋付の袴姿で冒頭から粋なドラムソロ。カッコ良かった。
朗読、邦楽の後は二人共同作業で巨大折り紙の鶴作成、更に鶴から進化した「何か」へ変化させた見事さに笑わせてもらいました。
予め、一夜限り、60分という構成だったが、もう少し聞いていたかった気も。
が、仕事帰りにこういう寄り道もいい。いかんせん、職場とは遠い所での開催なのでなかなか寄り道出来ないが。

朗読作品「一寸法師の恋」と「かぐや姫」
ポリグラフ

ポリグラフ

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/28 (金)公演終了

満足度★★★★

ゲージツ作品ぽい
舞台上は映像、音楽と身体フル活用、観客は視覚聴覚フル活用、脳の奥が痺れるような刺激的で詩的な舞台のような印象。
断片的に場面が変わっていくが、見る度に感想が違ってくるかも。
役者3人のあのパフォーマンスの動き、体脂肪率を教えてほしい、と思ったりして。
サイモン・マクバーニーの「エレファント・バニッシュ」をすこし思い浮べたり。
約20年前のベルリンの壁があった時代の話、その当時の海外の文化背景を覚えていないとお話についていけない箇所があるかも。約90分。

ネタバレBOX

あらすじはあるけど、確実な結末はないような。いや、あったか。
場所がカナダのフランス語圏のケベックシティ。
舞台オーディションに合格したが、その役柄が実在の事件の殺害女性の役だと知る女優ルーシー。
殺された女性の元恋人、当時被疑者としてポリグラフテストを受けたフランソワ/レストランのウエイター。
フランソワをポリグラフテストした犯罪学者ディヴィッド/東ドイツからやって来た。
その後、3人が出会って物語が展開していくが、奇妙なトライアングルを形成したような物語。
東ドイツのベルリンの壁と、カナダにもあるらしい城壁。その対比。
海外の作品ではおなじみ?ドラッグとか、同性愛描写、SM等々はどんな顔して見てたら良いのか困った。ちゃんと見たけど。
フライヤー写真のような衝撃的な場面もあれば、三者とも全裸で動き回る場面もあるが、照明を駆使して肉体すら舞台美術のような動きを見せ、それがまた滑らかで綺麗だった。
流石にベルリンの壁は分るがカナダの城壁の話題は初めて知ったので、一瞬では理解出来なかったけど、大変見飽きない面白い舞台でした。
生きちゃってどうすんだ

生きちゃってどうすんだ

大人計画

ザ・スズナリ(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

まだ通過点
場内満席、番号一桁台の観客はなるべく早めに入場した方が良い。
終了後に退場するのも一苦労だったけど。
ある人物の百年史をまだ半分の年齢の松尾さんが身体張って、演じきる。
近未来の様な出来事と一緒に暮らしている現在、最後まで走り続ける松尾さんの姿に少し感涙。存分に楽しませてもらったし、いたるところで、松尾さんと劇団員の関係の深さが見えた。
面白かったけど、最後は突き刺さるような感傷も生まれ、松尾さんの舞台を見たんだな〜と実感。
松尾さんの公演パンフの演劇史≠自分の観劇史、ちょっと重ね併せたりして。

ネタバレBOX

ヒゲのない松尾さんを久しぶりに見たような気がする。
誰かに似ている有名シャンソン歌手?アドリエンヌ林田のリサイタル場面から始まるが、彼(女)の転機を与えたスズちゃんという人物を軸に百年の人生史が六話構成で展開していく。失踪を追跡するのは観客側。

大正元年、広島生まれの美少年、角田鈴乃介ことスズちゃん。
性別を越え誰もが惑わされる存在に成長するも、太平洋戦争時には戦地へ招集、そこで美貌が仇になり部隊の兵隊は全滅させてしまい、仕方なく日本に引き上げるも、実家の家族はどういう訳か奇病で全滅。そして原爆投下、広島で被爆の後、疎開した長崎でも再度被爆。終戦後は東京へ上京、コメディアン、ゲイバーでそこそこ人気が出た後、失踪して名前や姿をかえてベレー帽で顔を隠した漫画家や歌手や宝塚の女優になったり。

電車で痴漢にされて鉄道事務所の駅員さんと対峙する事になった男。
色々説明するが、すればする程ドツボにハマる。なぜなら自分はゲイで駅員さんが美男子で好みのタイプだったから。元は大学教授だったのに今は家賃3万の共同住宅住まい、あることで執行猶予中、優しい大家さんに今回の事がばれたら困る〜!と紆余曲折あるものの、最終的に釈放されるが‥。男はある時期スズちゃんとあった事があるらしいが、真相までは辿り着けず。

ゾンビエキストラからゾンビコーディネーターと職業変遷はあったもののゾンビ映画の撮影現場でまだ現役で働く50歳の男、その模様をドキュメント番組が追っかけている、ナレーターは星野源氏。
撮影監督のダメだしが入った為、ゾンビエキストラ(大人計画の劇団員総出演)を束ねて映像をチェック、それぞれでダメだしをするが、そこはもう劇団員への的確なコメントばかりで笑いました。一通りチェック終った後、撮影が再開されるがそこへ♪スリラーの着メロが。20歳近く離れたゾンビエキストラだった一人、トヨザキユミと結婚した男。妻が産気ついたとの連絡が入り、その直後に女の子が生まれる。名前を存在が美しい女の子=存美(アリミ)と名付け、撮影に戻る。そして子供を食べさせる為に、現場では生まれたての赤ん坊(小道具)をモリモリ食べるが、ゾンビに見せる為の小技テクニックが邪魔をしてNGを出したりして。そんな男がゾンビ役の演技研究の為、以前訪れた場所が老人ホーム。そこにスズちゃんがいたらしいが、またしても行方知れず。

横浜本気話相談所=ヨコハマホンキートンク相談所
桑○正博か原田○雄風の頭から角を生やした男に相談する、地下アイドル「肉汁の〜〜(名前失念)」吹き替えは宮崎吐夢氏、姿は四角いbox?歌の内容が宮崎氏の歌に通じる物が‥w そのやり取りで彼女は相談所の男の祖父のネタを知っていた事が判明。角田家の家系は身体全身から角が生え、自らを刺してしまう奇病持ちと分るが、祖父だけはなぜか角が生えず、老人ホームから失踪したままという。やがて相談所の男も死亡。舞台は実家へ。

福島の長閑な村で出会った自転車の警官、警官かと思いきやコスプレしてただけだった。自転車も白く改造、後ろの箱もお手製だが中身は青年誌の漫画やらなぜか女性下着が。その男は気がついたら50歳になってた元引きこもり、スズちゃんが老人ホームを出た後にスズちゃん家にいたらしいと分るがちょっと言動がうさん臭い。三月の震災で警察官の父親が亡くなり震災のガレキの中から父親の形見の拳銃を見つけたので、意志を継ぎ警官になる事にした、と言うがどうも年齢の計算が合わない、そんな中どこからともなく警官の拳銃殺害事件の一報が聞こえてくる。

角田鈴乃介、80歳の時、孫娘「亜樹」(久しぶりの新井亜樹さん!)が生命保険の2000万円で老人ホームを20年契約していた。後に孫娘も奇病が原因で死亡する。それを元手に入居していた老人ホームも、スズちゃんが20年経過しても元気だったので100歳を機にそこを追い出される。そういうわけで行き場もなく辿り着いた先で自殺を図ろうとした矢先、東日本大震災が発生。津波に呑まれるも、誰もいない土地だったが原子力を誇示するスローガンが掲げられているような場所になんとか漂着。誰もいないのでガレキをかき集めスペースを確保してなんとか生きていた。そんなスズちゃんを防護服姿の某氏がようやく発見し、孫の亜樹からのビデオメッセージ見せてもらう。内容はスズちゃんの身体の不思議からその当時のお笑いについてと辛辣なのに、それを見たスズちゃんは気力を振り絞り、裸一貫でコメディアンとしての動きをし始める。20年前の事なのに映像は劣化しつつも記憶は色褪せてない。そこへ大爆音が襲うが、その中を激走するスズちゃんの姿で〆。
最後の激走場面はどこか松尾さんの踏ん張りにも見え、ちょっと泣きそうになった。

どこを斬っても松尾さん100%の全力舞台を満喫させてもらいました。
面白かった!けれど、震災関連は、未だに心の何処かにくすんだ存在なので、見ていて気が重くもあり。
今後も松尾さんの思う生き方を貫いてほしい。
あの山の稜線が崩れてゆく

あの山の稜線が崩れてゆく

城山羊の会

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/11/29 (木) ~ 2012/12/11 (火)公演終了

満足度★★★

見ました。
満席で客層の幅広さに驚く。観客の平均年齢やや高し。
ある家庭の一室で繰り広げられる、突然振って湧いたような思いがけない出来事。隣人夫婦も介入して、常人には想像出来ない話の展開で終る。
毎度の事ながら、時折色っぽいシーンもあるが今回は控えめかw?
舞台精神がブラックユーモア溢れているかの様で、分るようで分らないセリフ運びに、思わずニヤつきそうになる。約100分。

次回作はシアターイーストだそうで、今後も楽しみ。

ネタバレBOX

何とも言い様がない不安定な気分なんだが、タイトルが示す「山」=家庭が崩壊する様相だったのかな、と思った。
隣人夫婦の厚顔さと、高崎馬先生の行動の柔軟さにあっけにとられたけど、笑えた。
リーディング公演「回転する夜」

リーディング公演「回転する夜」

ウォーキング・スタッフ

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2012/12/04 (火) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

満足度★★★

リーディングだけど読みながら演じている舞台
舞台セットが扉と柱に掛かる時計、舞台には出演者の六脚の椅子、後方にはト書き担当の酒向さん。その後ろにイメージ映像が出る。
場面事に衣装も着替える。役者の手元に台本はあるものの、目線は常に正面を向き、リーディング兼芝居のような公演。約100分。

過去と現在の出来事、時間軸が回転しながら行ったり来たり。
声で話を聞かせてくれているが、もちろんラジオドラマではない聞かせ方で、身体の動作がある訳でもないのに、話が活きて見えて面白かった。

ネタバレBOX

過去のモダンスイマーズの舞台作品をリーディングした今作。
弟ノボルが熱発、その時の状況から始まる兄と弟と義理姉の仲のぎくしゃくさ。男友達のバカ陽気な友情と現状の葛藤と苛立とか、ぬるい環境にいる自分の生き様が回転しまくり。
こんな見せ方する蓬莱ワールドも面白い。

行間を語る酒向さんと、弟から思慕を寄せられる内田慈さんが魅力的でよかった。
これから同じ場所で公演を予定しているなら公演場所がどこにあるのか、公式サイトはちゃんと表記してほしい。
TOPDOG/UNDERDOG

TOPDOG/UNDERDOG

シス・カンパニー

シアタートラム(東京都)

2012/11/30 (金) ~ 2012/12/28 (金)公演終了

満足度★★★

見ました。
作家がアフリカ系アメリカ人女性作家ということだが、全くの未知数状態で観劇。
翻訳劇は、途中から文化背景に追いつくのに必死になってしまう質なのでやっかいな面もあるが、この作品はそうでもなかった。
兄はリンカーン、弟はブース。
兄弟の何気ない会話が続いたりカードマジックの見事な手技があったりもしたが、休憩込みの舞台なのに、ちょっと長く感じたのはなんでだろう。最初からある程度、予想が出来る結末だったからかな。

ネタバレBOX

父親のジョークでつけられた兄弟の名前。子供の頃は父も母も親は浮気し放題、挙げ句その行為をそれぞれ見て育つ。
兄も弟もカード賭博に万引き、女好きetc。
現実を知った弟想いの兄と、夢を見がちで瞬間で生きている弟。
日常の仕事ぶりは困窮しがち、いつリストラ対象になっても可笑しくない。全体的にどこかケセラセラ、退廃ムード、暴力的な悲劇性が見え隠れ。
黒人作家が書いているからここまでできるのか、とかはよくわからない。この作品に限った事ではないが、アメリカ系の翻訳劇ってなんでこんなに病んでいるのが多いんだろう。
これこそがリアルなアメリカ!って事なのかな?それともたまたまなのかな、謎。

千葉さんの隠れた元悪党ぶりは香ばし過ぎる位嵌り過ぎ。冒頭のあのヒゲ面にもビックリしたけどw。
堤さんの駄々っ子のような周囲を斜めに見ながら生きているような姿も久しぶりに見えて新鮮。
青のはて ―銀河鉄道前奏曲(プレリュード)―

青のはて ―銀河鉄道前奏曲(プレリュード)―

てがみ座

吉祥寺シアター(東京都)

2012/11/30 (金) ~ 2012/12/03 (月)公演終了

満足度★★★

ジョバンニやカンパネルラは出て来ない
東北弁に慣れていない故、言葉使いが難解に聞こえた部分も多々あり。
部分部分の話は良いのだけど、2時間を越えると少し長いようにも感じられたが、苦痛とまではいかず。
宮沢賢治=銀河鉄道、を安直に連想してしまう自分。今回はそれを執筆する前の出来事、賢治の思想の基となる人物と亡くなった妹の魂を求める旅路。宮沢賢治が体験したロードムービーと云う感じなのかな。
対面式の客席。中央で幻想的に浮かび上がる舞台セット、その上を精練された役者陣が動きまわる。大正時代の話なのに現代の女性が2人出てくるが、その話の運ばせ方もすんなり入って来て面白かった。
頭上から吊り下げられた装置の使い方もきれいだった。

ネタバレBOX

パイプ遣いの音色がきれいだった、韓国のおじさんとの挿話に思わずジーン。
D51-651

D51-651

パラドックス定数

上野ストアハウス(東京都)

2012/11/27 (火) ~ 2012/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

昭和の事件簿
終戦から間もない時に起きた事件。世相の下敷きにある国の憂いは、その当時と今もあまり変化がないのでは、と感傷に浸ってしまった。
心情を吐露する場面、後ろだとセリフが聞き取れないかも。
くたびれた衣装、暗闇の中から眩しく光る蒸気機関車の灯り、鉄骨組んだだけのセットが、しっかりと蒸気機関車に見えてしまう不思議。
今回も見応えある作品。約120分。

The Library of Life まとめ * 図書館的人生(上)

The Library of Life まとめ * 図書館的人生(上)

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2012/11/16 (金) ~ 2012/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

祝10周年
見ているうちに複雑にも思えた6作が継目なしで進行して行くが、終ってみれば1本の回路を成した作品のようにも思う。作品そのものがラビリンス的な舞台というか。
前川作品のチーム申の過去作「抜け穴の会議室」も彷彿。
同時に物を見てても、自分が見た物が他者の見た物とおんなじ物を見ている訳ではない、主役をあてがいイニシアチブとって進む話ではなく、誰もが主人公になり得る話の数々。
舞台を覆い尽くすかのような大きい書棚、淡い色合いの衣装、多様な役割ばかりなのに緩急つけた見せ方をしている役者陣も良かった。約140分。
一度見ただけで内容理解出来た!とは言わないけど、今後もブルース・リーの名言を心に刻み、応援して行こうと思います(笑)

ネタバレBOX

もともと、万引きのプロと懸賞のプロの話が好きだが、以前とは配役が違っていたが今回もまた面白かった。徹底した美学を持つ事は素晴らしい、が、万引きは犯罪っすよ。
賽の河原〜、やっぱり鬼には金棒が似合う。ゴルフクラブで殴る場面はビックリしたけど。

「まとめ〜(上)」だけど、次回作の下巻でこのシリーズ、本当に終っちゃうのかな。
行方不明

行方不明

ブラジル

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/11/17 (土) ~ 2012/11/25 (日)公演終了

満足度★★★

チケットのデザインがレシートみたいで良い
静かながらも笑いの多い展開の前半から、緊迫感ある中、動と不気味な怖さ含めた後半の濃密な時間。後味悪いかと思うとそうでもなく、ちょっとだけ歪んでいる愛情と友情と怪異奇天烈な毒っ気ある不思議な話。
ちょっとそこはクドいんじゃない、と思った箇所もあったけど、声高に何らかのメッセージを送るような話でもないので、なんか気楽に生きて暮らして行こうかと思わせるような面白さ。

役者陣全員良かったけど、特に幸田さんがよかった。

楽園

楽園

モダンスイマーズ

吉祥寺シアター(東京都)

2012/11/07 (水) ~ 2012/11/14 (水)公演終了

満足度★★★★

最終日観劇
ゲスト女優が深沢敦嬢。流石でした。
久々にモダンメンバー揃い、蓬莱色満開の他愛ない会話と、大人になる一歩手前で起こる、振り返れば胸の奥がチクリとする、すぐには答えが出せない経験談。
ちょっとセンチメンタルでノスタルジーを思わせた90分だった。

ネタバレBOX

転校生は謎の部分を見せないとすぐに飽きられる、と思っていそうな小学生瀬戸君、案外しっかりしている下地が出ていた山上君、力任せの元気自由を発揮している日下部君、今回の事がキッカケなのか後の成長に影響を受けた姫島君、ちゃんとマリッジリングもつけてたな。

ユリコちゃんの負けん気、放浪の運命の境目は、どこにでも転がっていたのかも。
未遂の犯罪王

未遂の犯罪王

ベッド&メイキングス

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2012/11/10 (土) ~ 2012/11/18 (日)公演終了

満足度★★★

初見
前作ほぼ女性出演者ばかりの「墓場女子高生」は見られず。

戦国武将武田信玄ゆかりの地、山梨を舞台に繰り広げられる兄弟愛と男女の愛と地方活性化の問題がカオスな展開を見せてる。
二人の女性のパワフル猪突猛進的な存在は大きかった。
お馬鹿そうだけど意外とお利口かも、と思わせつつ、骨太な強さを持っているけど刹那馬鹿と思わせる野口かおるさんがとにかく凄かった!
高山のえみさんのリクルート姿でわたわたする仕草に笑えた。
山本亨さんも佇まいがセクシーだわ、アクション激しいわ、毎度惹きつけられる。
茶髪吉川さんの頼りない警官、妙にお似合いだった。

やりたい放題、バカに徹して不真面目ぽくも見えるけど、終わりは大変真面目なカッコつけない面白舞台だった。公演始まって間もない時の観劇なので、これからもっと迫力が増して来ると思う。
それにしても、あれを操作する黒子さんも凄いなw

『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

劇団チョコレートケーキ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★

「熱狂」観劇
劇団名はかわいいのに‥、中身は硬質感溢れる舞台。
場内座席数が限られている中、あっという間に客席が埋まっていく。
舞台を遮りそうな支柱でさえ、象徴的なマークを掲げ、芝居の雰囲気を効果的に盛り上げる。
20世紀初頭のドイツ、後にカリスマ的存在になる男とそれを取り巻く男達。
一個人をここまで成長させた要因は、大衆の煽動もあったんだろうなー。
西尾さんの彼の人を彷彿とさせる演説シーンは凄過ぎてゾッとした。個人的に舞台観て、あそこまで高揚感を味わった事はあまりない。惹き込まれまくりの2時間だった。

言葉

言葉

村川拓也

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2012/11/08 (木) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★

ドキュメンタリー作品を見たような感じ
プログラム発表時、上演時間60分との事だったが公演直前になり約80分に拡大変更。終演後、他の観劇を予定していたので間に合うか一抹の不安を抱えながら観劇。
舞台上にはスピーカーが2台、スタンド型の集音マイクが4本、他セットらしいセットはなんにもなし。途中スクリーン使用あり。
昨年の東日本大震災の被災地へボランティア参加した際の出来事、発表する演者の俳優と女優、それを手話通訳する通訳者。登場人物はこれだけ。
脚本演出の村川氏の挨拶から話は始まるが、これには手話通訳なし。

日本言語と日本手話、見ようによっては豊富な言葉のプレゼンテーション。静かにレポートを聞いているような時の流れ、見せ方の手法に多様なやり方があるんだなーと、上手く言えないけど感心した。

ネタバレBOX

昨年の震災時のボランティアでの出来事。
男女がそれぞれ体験した事を客席に向かい交互に話す。関西弁訛りの2人が顔を見あわせて会話をする訳でなく、ただありのまま、それぞれの体験談を話すのみ。
時折、動きもあるが、殆ど直立不動か椅子に座った姿勢。さほど、中身のあるような話でもなく、そこら辺で聞かれるような雑談にも思える。
一方でそれを手話通訳者が身振り手振りを交え、伝えていく。身振り手振り、と書いたが手話はそれを含めて言葉だから不自然ではない。むしろそれを見せる事により、俳優の発する言葉に情景を加えて観客は容易にイメージする事が出来てたような気がする。
音楽が流れた後の無音、言葉の数々から振動として想像、同じく自然現象の震動。ひらがな読みすれば言葉は同じだけど、同音異語の多いに異なる出来事。
この手の話はどうしても真面目に聞かないといけない、と言う思いが先走り、まともに理解出来ていない私の脳を恨みたい。
クリスマスの悪夢

クリスマスの悪夢

Wit

サンモールスタジオ(東京都)

2012/11/07 (水) ~ 2012/11/12 (月)公演終了

満足度★★★

初日観劇
説明文と同じ内容で進む、6作のオムニバス構成芝居。
テンポの良いクリスマスパーティー風なテーマソングのBGMに合わせ始まる。様々な事件の内容が一作事に繰り広げられるが、最後までテンション下がらず勢いに乗ったまま見終ってしまった感じ。
非現実の設定で、趣向の違う多様な作品。しかし、どこかで実際の事件の概要を見ているようで凝視してしまいそうだった。
観客を煙に撒くようなセリフを発する、少しオヤジくさいサタン様もなぜか憎めなくてチャーミング。
デートムービーと云う言葉があるが、これはまさにデートの時に見る舞台かも。愛が基本のクリスマス、中身はちょっとブラックだけどねっ。

ネタバレBOX

舞台上には大きい十字架、後方上部にはサタン行きつけのキャバレーアスタラビタスの電飾看板。
サタン様をアイドル的に崇拝している、ある意味下僕?みたいなお客とホステス。どの役柄もダークサイド臭がぷんぷんしているけど、各々の弾けっぷりが良い。

帰郷:故郷に立ち寄り一軒の床屋に入った小説家。最初は歓待する店主だったが、話を聞いているとかつて自分が虐めていた同級生だった。床屋で蒸しタオル、カミソリのシュチュエーションはゴッドファーザーを思い出しそこだけ見てても怖さが迫ってくる。
クリスマスの贈り物:社長令嬢と結婚する為、それまで付き合ってた彼女と別れるつもりの男、不意に妊娠を告げられて突発的に殺人を起こす。実際起こりそうな事件だなーと単純に思った。子供を宿したお腹を触る際、胃というか、おへその辺りを触っているように見え、なんか気になった。まあ良いんだけど。
キャッチボール:夫の愛人の元へ乗り込んだ地位も名誉もある女、逆上のあまり愛人に撲殺されてしまうのだが、週刊誌ネタで使われそうな話。愛情が行き過ぎるとどっちも引かないからタチが悪いや。
あの時と同じ:金!女!裏切り!事件!面白いけど現実では関わりたくない!
彼女の名は死:服役を終え娑婆に出たのに、女に拉致され監禁されてる男。拉致した女は男が8年前に車でひき殺してしまった子供の母親。反省の態度が見えない男の言動が実際ありえそうで、見ているコチラも怒りの沸点が上がりそう。途中子供の担任教師が交わってくるが、男とのやり取りに笑えた。
ボイスレコーダー:部屋の一室でこれから自殺しようとする男、遺書代わりのボイスレコーダー。一人淋しくトツトツと喋る様を見ていると哀しくてやりきれない。

ブラックでダークぽいけど、所々ユーモアもある妖しい舞台。
完全版・人間失格

完全版・人間失格

DULL-COLORED POP

青山円形劇場(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/07 (水)公演終了

満足度★★★★

女版 初日観劇
説明文の〜ぐるり取り囲む円形舞台で、お客様は「観るというリンチ」〜、まさにその通りでした。頭上から通路から、所狭しと散らかし放題だけど、それが乱雑に見えない円形劇場ならではの見せ方の舞台。
回を重ねる度にもっと進化していきそうな、あっという間の濃密約2時間。

ネタバレBOX

スネに疵持つような弱々しくって痛々しくも恋愛してないと死んでしまいそうな葉蔵を、中性的なコロさんと完全男の塚越さんが表裏一体と成り、ちょいエロと下劣な行動をまとめてあげて一人の人物を好演していたと思う。
激しい一面をもっている葉蔵のその魅力にハマりそうになるので、実生活ではあんまり親しくなりたくないわー。面白かった。

舞台上を席巻していく役者陣、多種多様の小道具。
ほぼ出ずっぱりで、舞台を取り締まるが如くのコンテユさん、きりっとした表情が素敵だった。
席と選曲の音響により、一部セリフが聞き照れない箇所があったのは致し方なし。
るつぼ

るつぼ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2012/10/29 (月) ~ 2012/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

嘘か誠か
説明文の通り、魔女裁判をベースにしている。
一人の多感期の女子の言動から巻き起こる、煽動に乗せられ次第に高揚する人間感情の脆さや怖さ、権力を持つ者により人生と生死を左右されるごく一部の市民。その権威や虚偽から巻き込まれる様は、つい最近の話題とオーバーラップするような狂乱具合。
気をしっかり持たないと芝居の威力に巻き込まれそうになる3時間オーバーの舞台。
配役全員がもちろん素晴らしい、メアリー役の女優さんが特に印象に残った。自分も一緒に地団駄踏みたくなった。

ネタバレBOX

アビゲイル達、少女の集団が悪霊におびえ周囲を混乱させ、「それ」を思わせる様はヒステリー症状が起こったかの様で、周囲を巻き込む恐怖の勢いは薄ら寒かったし、憤怒も起こしそうだった。
でも、アビゲイルが絶叫して周囲を煽るような言動をしている時、彼女の中ではあれは事実だと思って正論を述べているつもりなんだろうな。にしてもアビゲイル達が現代にいたら「えー、マジでー、わけわかんなーい、ウケるー」とか使いそうで、なんか見ていてムカついた。 それほどハマって見てたって事です。
人情噺『端敵★天下茶屋』(はがたきてんがちゃや)

人情噺『端敵★天下茶屋』(はがたきてんがちゃや)

劇団扉座

座・高円寺1(東京都)

2012/10/17 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★

善人を引っ掻き回す悪人
上演前には70〜80年代の懐かしの時代劇や、刑事ドラマ、こども向けヒーロー物のテレビドラマのテーマ曲が流れてて、聴いてるだけでも楽しい。
物語の核となる白鳥は、いい加減で小狡い裏切り行為が慢性化して、世のまともさに麻痺している性格で、ようはダメ人間として生きている小憎たらしさがよく出てた。
舞台小道具や衣装がどっかのドラマで見たことあるような‥それもまた一興。
古典落語や大元ネタの歌舞伎の馬鹿話を見ているような可笑しさある娯楽舞台。約135分。

ネタバレBOX

扉座のおじさん役者達が殺陣やボイスパフォーマンスやらいつもながら個性的で大活躍。劇中劇の内容がつか版の演目みたいだった。楽しかったけど、お化けになって仕返し、とかは無理矢理収束させてるようで、いかにも歌舞伎的、そこら辺はなんか微妙だった。

悪役専門の5人組、自分達でお金を持ち合わせ興行をうつまで行くが、間に入ったのがいい加減で平気で人を裏切る白鳥だった。
白鳥の悪い事を悪びれず、とことんやり尽していく。ばれそうになったら土下座して嘘泣きまでするどこまで行っても非道な小悪党だけど、毒をお酒に混ぜ込むシーンはさすがに悪人面が様になってて見ていて怖かった。
某北の国のある人の風貌や、カジノで云々とか、大会社の御曹司のギャンブルネタとか、時事ネタに笑った。
敵討ちする立場が状況により二転三転するけど、アンチヒーローのバッドファイブの殺陣や決闘シーンはカッコ良かった。
高橋さんの数多の修羅場をこなした感のある悪い女っぷりも素敵。
高木さんの真っ直ぐで爽やかだけど、簡単にハニートラップに引っ掛かってしまう人気俳優が良い。彼の日本刀で闘う刑事の舞台、見てみたいかも。

ゲストの趣里さんの芝居は初見。
擦れていないお嬢様っぷりの役柄が可憐でよく似合っていた。
チヘドが劇団研究生の役柄の時は力入ってるなーと思ったけど、元気過ぎて周り見えていない子ってそういえば居たな、と思ったり。そう思わせるという事はやっぱり見せ方が上手いのかな。
傀儡女~時の男最終章

傀儡女~時の男最終章

リリパットアーミーⅡ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2012/10/16 (火) ~ 2012/10/17 (水)公演終了

満足度★★★

天才的な鼻の持ち主
リリパの舞台を頻繁に見ている方ではないが、関西テイスト、というか大阪テイストが全面に出ている舞台と思った。

天才的な鼻の持ち主、キリタが関連するシリーズ作の三作目。特に前作を知らなくても無問題。
熱心な役者さんファンの女性客が多かったのも印象的。ちょっとしたaway感あり。

ネタバレBOX

ロビーに関係図が出ていたけど、終了後のサイン会で行列が出来てて、まともに見られず。
平家滅亡後の北条政子と義時、後鳥羽上皇と藤原兼子一派。
キリタと妙親が出会い、妙親の過去に起こった出来事に終止符を打せる手助けをする事になったキリタ。
タイトルの傀儡女の意味があんまりわかんなかった。
人形は出てきたけど、旅芸人ぽい「J」がそれの存在だったのかなー?
ん〜、誰か解説をお願いします(^^;

利き鼻のシーンは腕を嗅いで、その人を視るということらしいが、さほど重要ぽさがあまり感じられなかった。
派手な衣装に小ネタと暴露系の内輪ネタ、歌に舞踊に殺陣あり、各々の名場面を作り過ぎているような印象もあり、サービス精神に富み過ぎてるというか内容盛り沢山過ぎて、話が動き出すまでが長かった。
キリタが妙親を追想する場面、味わい深くていい終り方だったけど、案外マトモな終り方というか多少肩すかしな感じだった。
その妙親役のコングさん、良かったです。

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