最新の観てきた!クチコミ一覧

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三日月坂のみすず荘

三日月坂のみすず荘

ネコ脱出

小劇場 楽園(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

良すぎ!
とっても良かった。笑いも涙もあり、最高に幸せな時間を過ごさせて頂きました。

彼らの敵

彼らの敵

ミナモザ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

見ごたえあり
ネタばれ

ネタバレBOX

ミナモザの【彼らの敵】を観劇。

今作は初見の劇団だ。

危険地域のパキスタン・インダス川へ川下りをした学生達が、現地の強盗団に誘拐されてしまい、44日間の監禁の末、脱出したのだが、日本に帰国するや否や彼らの無謀な行動に、世間のバッシングを浴びてしまったという22年前の事件を
覚えている方はいるだろうか?
今作は彼らが強盗団に監禁されていた期間と、その後の人生を描いた作品である。
無謀な行動と思われていた事件は、実はマスコミの捏造された記事によって広まってしまい、世間が言うほど大げさな事ではなかったようだ。彼らはマスコミに何度も抗議を試みたのだが、ジャーナリストの正義という名の論理の下に、糾弾されて路頭に迷ってしまう。それに準じて、世間の目は更に冷やかになっていく。そして気がついてみると、彼らは同じマスコミの仕事を始めていて、自分が同じ目にあったような事を知らず知らずのうちに他者に対して行ってしまっている。そして知人のジャーナリストの助言によって、やっと過去の自分から解放されていくのである。
今作の作品の狙いは、人間の想像力の欠如について語っているようである。
何をしたらどうなるか?という事を常に想像しながら行動していれば間違った事というのは起きずらいというものだが、その想像の前に論理が常に先行していて、場合によっては全てを駄目にしてしまう危険性と孕んでいるという事に言及している作品である。それは学生達のパキスタンでの行動、マスコミの捏造報道、それに踊らされてしまっている国民と人間の想像力と論理のバランスが崩れてしまった状態の危険性を問うている。ただ物語自体は決してテーマ主義になっているのではなく、現在、過去のシーンを交互に展開しながら描いているので、非常に見やすく、学生達の視点で観れるので、マスコミに対する怒り、自身の苦悩を共感しながら、見応えのある人生を経験する事が出来るのである。
所謂、劇場を後にした時に、テーマや物語について皆と語りたいぞぉ!と思わせてくれる作品である。

お勧めである。
嘘をついた下北沢

嘘をついた下北沢

ひらさわひさよし&フルタジュン プロデュース

シアター711(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待値を超えるおもしろさでした‼!
ボイスドラマを全話聞いてから観劇しました。そのおかげか、すんなりストーリーに入っていけました!役者さんは全員魅力的かつ演技も良かったし、舞台美術も良かったです。物語については「えー⁉そう来る⁉」みたいなところがいくつかあって、すごく楽しめました(^O^)

レーニン伯父さん

レーニン伯父さん

風煉ダンス

d-倉庫(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

不思議面白い
独特の世界観の中にどっぷり浸かりました。

ネタバレBOX

偉大な人の遺体になっていた人が忘れた過去を思い出すためにメモを頼りにモドリノという田舎に行き、革命が起きた頃からの過去を思い出すとともに、モドリノはモドリノで、ロシア風の名前の人と日本風の名前の人が混在する不思議な土地で、そこに桜の園の女主人が戻って来てトンチンカンに混乱しつつもロシアらしい雰囲気が漂っていて、偉大な人の遺体の人が思い出したことによって自分の娘が村にいて生きていることが判明し、そうなると村の家族の成り立ちそのものが血縁という繋がりではなく、森の怪物に親を殺された子どもたちを大人が引き取ったりして構成されたこと、そして即ちモドリノの森には怪物が本当に存在するという事実が明らかになり、怪物は色々な形態を取るとは言うものの森で歌を歌っていた中島くんだったという意外な事実に驚かされ、村人たちは再び活動を始めた怪物によって踏み殺されてしまうという何とも不思議でシュールな独特のコメディでした。

役者さんたちがイキイキとしていました。特に年配の女優さんたちのノリの良さには驚きました。

偉大な人の遺体の人のクビになった経緯、中央に憧れる田舎の娘の言動には笑ってしまいます。

外注に出したら200万円は掛かるであろうとブログに書いてあった舞台美術も素敵でした。最初のレーニン廟から森のシーンへ移るときは黒幕がちょっと残ったり、途中でドスンという音も聞こえたりはしましたが、森とお屋敷の転換シーンは何度見ても素晴らしいものでした。
『聯綿(レンメン)』ご来場ありがとうございました。

『聯綿(レンメン)』ご来場ありがとうございました。

演劇ユニットG.com

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

黒の舟唄
 男は不老不死、進化しないが退化もしない。昨日のような明日を永遠に生きていた。眼下に拡がる森を管理して。森の何たるかを知らず、森の内実を知らずに。
 一方、女は独自に進化し単性生殖するようになっていた。森の子を孕み、口から出産するとその生を終えるのであった。森には、女達の他にアメフラシが住んでいた。彼らは、雨を伴って現れ、2進法によって組みたてられた言語を話した。女達の中で、母と呼ばれる者は、不思議な力を持つ杖を持ち、時折、アメフラシ達を内破していた。無論、母は、最長老でもあり、娘達の知らない管理所のこと、男という生き物についての知識も持っておりそれ故にこそ、崖下へ行くことを娘達に禁じていたのだが。

ネタバレBOX

 新たに生まれた娘は、ヒトデナシと呼ばれる片輪者であった。両足の付け根に裂け目があったのである。母は、この子を間引こうとするが、末娘が強行に反対したので思い止まり、育てる事を許すが。
 ヒトデナシの成長は早く、いつの間にか育ててくれたチブサより背も伸び、美しい娘に成長していた。
 そんな折も折、管理室の男達は、森へ降りる決心をする。1億年ぶりに森に入った男達は、自分達と同じ言葉を操る不思議な生き物に出会い、不思議なときめきを覚える。男達に出会った女達も、矢張り、未知の動揺に囚われていた。互いに何者かを知らないまま、心を騒がす何物かに翻弄されたのである。
 然し、娘達には口喧しい母が居て、心ときめかす新たな発見物が知れたら、何を言われるか知れたものでない、と判断した娘達は、母の禁じた崖下へ出掛ける。そこは、達言ってはいけない、と言われていたエリアなので母も絶対に行かない、との判断である。
 然し、隠された男達は、母に見付かってしまい。彼らは、崖の上の住居に帰されてしまう。然し、一旦、燃え上がった心の炎を消すことが出来ない男達は、再度、森へ出掛けてゆく。そして、互いに惹かれあった者の下へ走る。だが、合体できたのは、ヒトデナシカップル1組だけであった。他の女達には合体に必要な器官が欠けていたのである。
 そこへ、又しても母が現れ、娘達を森へ戻そうとする。然し、ヒトデナシは、強行に抵抗し、母の杖で攻撃されそうになるが、アメフラシ達に助けられ、逆に母を襲わせて、男と共に、管理棟に引き上げる。
 やがて男の子を産み、幸せに暮らしているが、車椅子に乗せられ、姉に押された母が、姉達と一緒に訪ねて来る。姉達は、到着すると直ぐ、近所のモールへ出掛けてしまい、ヒトデナシと母だけが残るが、母が、彼女が森から出て行った時の話を蒸し返すと互いの間に気まずい空気が流れ、何処からともなく現れたアメフラシ達に、母は車椅子ごと運び去られてしまう。
 ラストシーンでは、男が、裸足で岩の上に腰かけ、ダイヤモンドを眼下に広がる街に投げている。
 G.COMらしい謎に満ちた作品だが、テーマは単純だ。然し、場面内容に合わせた適確な照明、効果的な音響、舞台美術の合理性、演出の手際、演技力の高さが複合的に絡み合い、作品に深い奥行きを与えている。最終場面の展開は、解釈が様々に分かれるであろう。別に、解釈を統一する必要など無い。それは、作家も望む所ではないと考える。
 役者陣の演技力の高さは先にも述べたが、ヒトデナシを演じた佐藤 晃子の各場面での表情の作り方、体当たりの演技が特に印象に残った。
誰かが誰かを愛してる

誰かが誰かを愛してる

パンドラの匣

銀座みゆき館劇場(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/29 (月)公演終了

満足度★★★

いまどきの浮気
 浜名湖サービスエリアで起こる、男と女の三角、錯覚関係を描いたコメディー。

ネタバレBOX

 携帯電話、スマホを用いた出会い系サイトを利用した浮気話の背景にある介護疲れによる妻の孤独など社会的問題もさりげなく挿入されていて男女間の愛とは何か? 夫婦とは何かなどシリアスな問題に対する解も試みられる。
 終盤、一挙に畳みかけるように諸問題が集約され処理されてゆく展開は心地よいのだが、前半、中盤迄、小さな山を幾つも織り込んで行くテクニックに欠けるように感じたのは残念。結果、ダラダラ続く感じになってしまった。演出は、個々の役者の個性をもう少し上手く引き出し、役者自身の裁量をもっと増やしても良かったのではあるまいか? 結構、ベテラン俳優もいるのではあるまいか? スタニスラフスキーの演劇論などもチラッと出てくるわけだし役者個々人の生きて来た内実の滲みでるような演技をこそ作り上げて欲しかった。殊に、序盤、演技に不自然さが見られた。
遠くに行くことは許されない

遠くに行くことは許されない

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

いつか遠くに行くんだ!
一緒に遊んでいた時に3歳のゆうちゃんが行方不明になるという
強烈な喪失感と罪悪感を共有する5人は今もゆうちゃんを探し続けている。
共有する仲間がいるということは“いつまでも忘れられない”ということだ。
テンポの良い会話に笑いながらも、時に息を詰めて見守るような緊張感があり
その危うい価値観の行方が最後まで惹きつける。
シリアスな設定ながらキャラの立った登場人物による強引な展開が面白く
これはやはり“人間の強さと弱さを描いたコメディ”だ。

ネタバレBOX

舞台は和風の居間、上手にソファ、下手には長方形の座卓が置かれている。
ごはんの支度が整った座卓には、昔の“折りたたみ式はいちょう”がかぶせてあり
時代と生活感がにじんでいる。

暗転ののち、明るくなるとそこは花井家の朝の食卓で
長男篤(尾方宣久)、次男宏(長瀬良嗣)、長女淑子(岩瀬ゆき映)と
幼なじみの二人、愛(小林さやか)と千鶴子(菊池美里)がごはんを食べている。
22年前の事件以来、母は体調を崩して伏せっており父は不在がちである。
5人は今日もゆうちゃんを捜すため、張り切ってチラシを配りに行く。

この花井家にやって来る人々には思惑がある。
事件と家族を本のネタにしたい、篤の同級生だった新聞記者の久保(岡田美子)、
篤の同僚で、篤に好意を寄せるパートの青木(遠藤友美賀)など。
この二人が”世間代表”みたいな視点で絡んで来る。
そしてある日ついに宏がゆうちゃんを連れて来る。
上原優(平田裕香)というこの女性は本物のゆうちゃんなのか・・・?

後悔の念からゆうちゃんが見つかるまでは幸せになってはいけないという
暗黙のルール(時に言葉にさえして)に縛られる5人の人生は息苦しそうに見える。
22年後に現われた“ゆうちゃん”の出現によって
“ゆうちゃんさえ見つかればすべてが変わる、幸せになれる”と信じていた
彼らの価値観は強制的に転換を余儀なくされる。

優を“ゆうちゃん”と信じる姿は狂信的であり無理があり無茶苦茶である。
だがそこに、そうしなければ22年間が無駄になるという怖ろしさや
人生の折り返し地点で尚先の見えない不安に押しつぶされそうな心理が見える。
淑子の、幸せになって家を出て行く人々への激しい攻撃は
ゆうちゃんが見つかったらどうすればいいのかわからない
絶望的にからっぽの自分を認めるのが怖くてならないからだ。
“ゆうちゃんを探してあの日の5人が家族のように暮らすこと”
それが永遠に続くことしか彼女には考えられない。

この機を待っていた宏と愛は結婚のため花井家を出て行くが
篤は優と心を通わせるものの、ついに一緒に家を出ることは出来なかった。
篤の選択が切なくて、これで良かったのかと思わせる。
優に「人のために生きている」と言われ、そこが似ているからこそ
惹かれあった二人なのに、やはり遠くには行くことは許されないのか、許さないのか。

無理やりな展開の中、役者陣がそうせずにはいられない心情を見せて素晴らしい。
淑子役の岩瀬ゆき映さん、この人の人生このあとどうなるんだろうと思わせる。
周囲を振りまわす自我の強さにものすごい説得力。
篤役の尾方宣久さん、初めて優とそっと抱き合うところがとても良かった。
無意識に人のために生きている篤が、唯一抑えがたい感情で動いたシーンが印象的。
上原優役の平田裕香さん、とってもきれいな方でゆうちゃんにぴったり。
こんな子にゆうちゃんが成長していたら…と皆の期待を一身に集めるような容姿。

人は悲しみや後悔にすがって生きることもあるのだと改めて思う。
解決したら途方にくれてしまうような、解決しない状態が幸せみたいな…。
ラスト、2人減って篤・淑子・千鶴子の3人がごはんを食べるシーンにも
相変わらずゆうちゃんのための陰膳が置かれている。
20年後、40年後の淑子の側に、やはり篤はいるのだろうか。
優と再会することはないのだろうか。
いつか遠くへ行こうと決心する篤の変化が観たくなるような舞台だった。
七月花形歌舞伎

七月花形歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2013/07/04 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★

久々怖いお岩でしたが…
全体的には、深みのない四谷怪談でした。

菊之助さんは、お岩を丁寧に演じていて、その上、身震いするほど、恨みを前面に押し出した怖さのあるお岩でしたが…。

この演目は、私の個人的な思いからすると、主役二人と同じくらい、直助と宅悦、お梅を誰が演じるかが重要なんですけれど、今回満足したのは、お梅だけでした。

30年ぶりという「蛍狩」の場面、30年前は子育て真っ最中で、しばらく歌舞伎は御無沙汰の時期で、今回初めて観たのですが、染五郎さんと菊之助さんの踊りはため息が出るほど美しかったものの、どうもいつも見慣れている舞台進行と違って、違和感を感じてしまいました。
個人的好みから言えば、直助とお袖の夫婦の場面の方をむしろ観たかった気がします。

ネタバレBOX

直助の松緑さんの登場の仕方が、どうも現代劇風で、気になりました。松緑さんは、日舞の方は、周囲にきっちり基本を教えて下さる方がいらしたので、しっかりしているのですが、歌舞伎の基本を手取り足取り教えて下さる方はいらっしゃらないと思うので、無理からぬ気はするのですが、先輩役者さんが次々亡くなられた今、より一層、歌舞伎役者として、精進される環境が困難そうで、心配になります。

染五郎さんのように、叔父様がきっちり教えて下さる方はお幸せだなと改めて思いました。

それにしても、明治座の時にも驚きましたが、今回の舞台でも、大詰で、「高麗屋!」の掛け声ばかりが聞こえ、誰も「音羽屋!」と言わないのには、驚愕しました。どちらかと言えば、主役は菊之助さんの方だと思うのですが…。
遠くに行くことは許されない

遠くに行くことは許されない

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

なんか方法ないの?
出だしの食卓を囲んだ時の会話の速さは、すごく自然で素晴らしかった。
ただ、花井家に女性がやってくるまで、ストーリーにあまりドラマティックな部分がないので、単調になる感あり。
ラスト近くの場面での篤と花井家にやってきた女性との関係解消に違和感(別れないで、家に残れる方法あるのでは?)有り。
女性俳優は、皆さん個性的でとても良かったです。

嘘をついた下北沢

嘘をついた下北沢

ひらさわひさよし&フルタジュン プロデュース

シアター711(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★

街が消えてどうした?
街が消えていくところの表現がジ下北沢の駅周辺をグゾーパズル的なパーツをとることと言葉だけでは浅すぎる。
市街劇の意味は?
最後に沢井を連れだしたのもよくわからない(結果街が消えた)
何となく終わったという感じが離れません。

女の作るものなんてダメだね

女の作るものなんてダメだね

みどり人

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/30 (火)公演終了

圧巻
演劇をする為に生まれてきたような人だ。さいじょうゆき。

変則短篇集 組曲『空想』

変則短篇集 組曲『空想』

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

初めての短篇集
こういった短篇集を観劇するのも、もちろんほさかさんの短篇を観劇するのも初めて。
だんだんと心があたたくなるようにちょっと泣きそうになりつつ、
もっと辛くて悲しくなる、刺さるような描写をどこかで期待してたので、少し物足りなさもあったり。
でもこんなに短い作品なのに、ここまで完成されているとは!!と思った作品もあり、また短篇も観たいなと思いました。

彼らの敵

彼らの敵

ミナモザ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

無題767(13-195)
19:30の回(曇)、18:30受付開始、18:37会場着、受付(整理番号券あり、101番から)、19:00開場、入って左、1段高くなったところから客席3列。舞台、下手はオフィス風、テーブルと椅子、ラック。上手、テント、銃...。中央の床に大きな円...青く輝く月(か鏡か...)のようにみえます。BGM、虫、鳥の声、水のせせらぎ。19:28前説(120分)、19:31開演~21:32終演、アフタートーク21:36~22:05。ハッキリわからないのですが、何処かで何か(魚の小骨みたいな)が引っかかっているみたいで…☆4。

以下は駄文

ネタバレBOX

メインは中央の円、ここはいろんな場所に使われ、下手は雑誌社のオフィス、上手はパキスタン…テント、強盗団のアジト。基本、この3箇所に役者さんがいます。モデルである服部氏の体験をミナモザが「彼らの敵」という「事実」としてみせてくれた作品。「大騒ぎ」になったことを中心に時間と場所を入れ替え「事実」は一つではないことが感情のぶつかり合いに織り込んであります。

バッシングは日常ごとにすぎないように思えます。仲間、同僚、地域、世代、国境、男女…差異のあるところ、亀裂があるところ、どこにでも。責めることはとても動的な感覚を産み、高みに立っている気分になりますが、そのためには「下」に置かれるターゲットが必要なのでしょう。

@喫茶店、記事内容についてテーブルを囲んでのやり取り、マスコミと読者と「対象者」との間にある埋めることのできない深み、「真実」「現実」「事実」が反発し合う様は、憎たらしくなるほどの演技に溶け込んでいます。
プラモラル

プラモラル

公益社団法人日本劇団協議会

ザ・スズナリ(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★

育成対象者よ、間が大事!
新進演劇人育成公演(俳優部門)。
育成対象者数人とベテラン俳優の組み合わせでした。
冒頭 育成対象者の男性俳優が一人で話すのですが、さすがに初日で緊張してたのか喋りが間のびしておいおい大丈夫かってな感じでした。
芝居はほとんど素舞台でのもので、私にとっては好みでないせいか、正直あまり印象的なものではありませんでした。スズナリのベンチシート約2時間は腰に悪い!

カルデッド

カルデッド

JACROW

OFF OFFシアター(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★

2日目観劇
対面式座席、4編「自殺/死」にまつわる話。
今は目に見えなくても必死になって探せば生きぬく道は見えてくるはず。明るさとは無縁の内容に見る方も覚悟が必要な、平日に見るのはヘヴィーで息苦しい思いをするかも。
が、モヤの中から光明が差すように人はそれだけでは終わらない。いい結末だったと思う。
4話ともとても意義ある話だったが、3話と4話が印象に残った。
約2時間。

遠くに行くことは許されない

遠くに行くことは許されない

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

幸せの掴み方
面白い話と思ったが、残念なことに舞台が観にくい。

ネタバレBOX

22年前に3歳の妹・ゆうちゃんが行方不明になった花井家。父は方々を駆けずり回り、母は精神的に参って床に伏せている。長男をはじめ兄弟、幼馴染らは、その後悔や幸せへの渇望、ゆうちゃんの死の可能性を胸にビラ撒きなどゆうちゃん探しに出かける日々。そして、ゆうちゃんが見つかる…。

篤(尾方宣久)…長男。家族を第一に生きてきた。ゆうちゃんの生き死によりも今の家族を優先している。優と心を通わせるが、遠くへ行けないと、また以前の生活に戻る。
宏(長瀬良嗣)…次男。どこか頼りない。愛との間に子ができ、優の出現から二人で家を離れる。
淑子(岩瀬ゆき映)…長女。ゆうちゃんの失踪を後悔し続け、優の出現から「家族」を守ろうと不安定になる。
愛(小林さやか)…幼馴染。宏の子を身篭る。幸せを掴むため、優がニセモノと知りつつも家を出る。
千鶴子(菊池美里)…幼馴染。幸せが見つけられない。
久保(岡田美子)…篤の同級生。新聞記者。ゆうちゃんの件を記事にしようとする。
青木(遠藤友美賀)…篤の同僚。篤に片思い。花井家に疎まれているが、それを客観的にも見ている。
優(平田裕香)…上原家の養子。宏に拉致されてきた。家でも職場でも上手く行かず、花井家に居場所を求める。篤と家を出ようとした。

ゆうちゃんをなくした記憶と後悔、22年という歳月と労力…舞台ではそこまで強調されてないように見えたが、実際かなりヘビーな状況。ゆうちゃん探しが日常化し、一般的な「幸せ」を見失った家族とそれでも「幸せ」を掴もうとする家族と「幸せ」を掴みきれなかった家族の話。
異常だけども平穏でもある家族の生活に、人生に居場所がない女が入ってきて話が動き出す。みな傷を負って生きていて、何かを掴もうとしているけど掴めない、そんなもどかしさとか苛立ちとか鬱憤が見え隠れする作品。静かな調子だけど、ズシっと重い。

淑子の、「自分の幸せ」が何なのかわからなくなった様子とか、篤の「幸せ」を自ら手放す様子にガツンときた。タイトルの「遠くに行くことは『許されない』」ってとこがグイグイ心を押してくるよう。演じた尾方や岩瀬も良かった。

見せ方とかどうあれ、話自体は非常に好み。110分。
遠くに行くことは許されない

遠くに行くことは許されない

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

落ち着いた作品?
適度なテンションの会話、適度な速度での物語の進行。全体的に良いリズムだったように感じる。裏を返せば、突拍子な展開やドキドキは少なく物足りないと感じる人もいるかもしれない。
いくつかの言語化できるようなテーマが盛り込まれていた。「感じろ!」という押しつけがましいものではなく、物語の中で不自然なく現れる問題だった。
ただ問題に対する明確な主張や救い(ご都合主義な展開を含め)は用意されてはいなかった。これは非難ではなく、作品の一貫した流れに対する評価である。

最後に、個人的に「平田裕香」さんを見れたのがすごく嬉しかった。六番目の小夜子以来のひょっこりファンだったので生で見れてよかった。

カルデッド

カルデッド

JACROW

OFF OFFシアター(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

4つ目はカタルシス
いや〜な気分で帰宅する覚悟でいたところ、見事に裏切られました。
4つ目の話はまさにカタルシス。
あの自殺の名所では、実際にどんなことをやってるんだろう?
積み木のようなセットも面白かった。美術さん(?)のアイデアには脱帽。

ネタバレBOX

2つ目の話では、自殺の真相は、実は部活の顧問を巡る三角関係だったのかなあ?
極東の地、西の果て

極東の地、西の果て

TRASHMASTERS

本多劇場(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

“硬派な肌寒さに抱く、人間臭さ”




社会派の舞台に当てはまる声として、「今の時代だからこそ、意義がある」という評価の仕方が一般的だろう。
例えば、この国が徴兵制へ繋がるタイプの憲法改正に進みつつあり、それを容認してしまう日本人なるものをディフォルトする舞台。

しかし、『トラッシュマスターズ』は、今しか通用しない舞台は造らない。何度でも再演する。
極めて“普遍的なテーマ”を、社会へ、国へ、私たちへ投げかけるのである。

それは、肌寒く、不安な中の旅路かもしれない。そして、もがき続け、その先に 掘り出される、愛だとか、仲間だとか、きな臭い人間らしさが、 私たちの目の前に
きっと 現す。“きな臭さに賭けたい”、そう思えた時、下北沢の光景が、違って見える。




語る人には、力が備わる。

思想•コトバを持つ舞台には、力が備わる。


私たちは、劇場を漂う肌寒さの中で、日本の政治•社会システムの終焉と、そのオモテ裏に位置する人々の“些細な”行き違いを、確認した。
一定の速さで下ってゆく滑り台のようだった。
彼等は、太陽が登り、落ちていくリズムで、滑り台を下ってゆく。


その下降線を、私たち は 幼児を心配する母親のように、見守っていた。


TPPで変わる、日本の農業。

TPPで変わる、日本の暮らし。


歪曲し伝える、日本のマスメディア。


今、この国が直面する進路の、二歩先を まっすぐ描く。
賛否さえ越えた現実。


緊迫する身体だからこそ、その目は、コトバは、事実を語らなければならない。緊迫するシーンにおける、煽らない演出が、逆に事態を深刻にする。
私たち は もう、幼児だけ見守る母親ではない。この国の進路と、同時並行に歩む、一人ひとりが 力のない 演出家である。












極東の地、西の果て

極東の地、西の果て

TRASHMASTERS

本多劇場(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

TPPと芸術問題を問う
硬派の社会派の演劇。明治初期に、国際法に無知な日本に付け込んで締結された不平等条約にも等しいTPP問題を真正面から取り上げた作品だが、まず前半の芸術論が面白かった。そこからあれよあれよととんでもない展開になるが、私にはこの過程が一番興味深かったです。この、芸術による独立とその破綻の過程をもう少しじっくり見たかったなぁ。時間の都合でそこまではできないでしょうが、この過程をナレーションでもいいから作者がどのようにシュミレートしたのか知りたい。この過程が省かれてしまったので、後半の設定が掴み切れず、だいぶ後になってようやく納得できるものの、観客側としては戸惑ったまま後半に突入することになってしまう。台詞などもいきなり方言に変わるので、状況がよくつかめず苦労した。ただ、言葉がよく生きている劇団だなぁという感がとてもします。一つ一つの台詞が印象深く、重い。これで休憩なしの3時間10分。見るほうも結構体力が必要。

ネタバレBOX

人間、主義主張があると、つい力が入ってしまうものですが、これは芸術論とTPP問題をからめるのがそもそも無理なのでは。演劇という芸術の枠組みの中にTPP問題を据えるため芸術論を入れざるを得なかったのかな?という感じがした。また、どちらも同じくらいの分量でもって語られるため、最終的に論点があいまいになった感じだ。芸術による九州独立と農業再生、TPP参加によるその崩壊の過程を7:3ぐらいの割合で描いたほうが印象深かったような気がしますが・・・・。

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