遠くに行くことは許されない 公演情報 セロリの会 「遠くに行くことは許されない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    幸せの掴み方
    面白い話と思ったが、残念なことに舞台が観にくい。

    ネタバレBOX

    22年前に3歳の妹・ゆうちゃんが行方不明になった花井家。父は方々を駆けずり回り、母は精神的に参って床に伏せている。長男をはじめ兄弟、幼馴染らは、その後悔や幸せへの渇望、ゆうちゃんの死の可能性を胸にビラ撒きなどゆうちゃん探しに出かける日々。そして、ゆうちゃんが見つかる…。

    篤(尾方宣久)…長男。家族を第一に生きてきた。ゆうちゃんの生き死によりも今の家族を優先している。優と心を通わせるが、遠くへ行けないと、また以前の生活に戻る。
    宏(長瀬良嗣)…次男。どこか頼りない。愛との間に子ができ、優の出現から二人で家を離れる。
    淑子(岩瀬ゆき映)…長女。ゆうちゃんの失踪を後悔し続け、優の出現から「家族」を守ろうと不安定になる。
    愛(小林さやか)…幼馴染。宏の子を身篭る。幸せを掴むため、優がニセモノと知りつつも家を出る。
    千鶴子(菊池美里)…幼馴染。幸せが見つけられない。
    久保(岡田美子)…篤の同級生。新聞記者。ゆうちゃんの件を記事にしようとする。
    青木(遠藤友美賀)…篤の同僚。篤に片思い。花井家に疎まれているが、それを客観的にも見ている。
    優(平田裕香)…上原家の養子。宏に拉致されてきた。家でも職場でも上手く行かず、花井家に居場所を求める。篤と家を出ようとした。

    ゆうちゃんをなくした記憶と後悔、22年という歳月と労力…舞台ではそこまで強調されてないように見えたが、実際かなりヘビーな状況。ゆうちゃん探しが日常化し、一般的な「幸せ」を見失った家族とそれでも「幸せ」を掴もうとする家族と「幸せ」を掴みきれなかった家族の話。
    異常だけども平穏でもある家族の生活に、人生に居場所がない女が入ってきて話が動き出す。みな傷を負って生きていて、何かを掴もうとしているけど掴めない、そんなもどかしさとか苛立ちとか鬱憤が見え隠れする作品。静かな調子だけど、ズシっと重い。

    淑子の、「自分の幸せ」が何なのかわからなくなった様子とか、篤の「幸せ」を自ら手放す様子にガツンときた。タイトルの「遠くに行くことは『許されない』」ってとこがグイグイ心を押してくるよう。演じた尾方や岩瀬も良かった。

    見せ方とかどうあれ、話自体は非常に好み。110分。

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    2013/07/26 00:59

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  • unicornさま

    ご来場誠にありがとうございました!
    unicornさまが書いてくださったあらすじと感想、とても素敵な文章で感動いたしました。
    家族のそれぞれの抱える思いを表現できるように、稽古を重ねて参りました。

    また、舞台が見難いとのご意見、大変申し訳ございませんでした。
    次回の参考にさせていただきます。

    また今後も、セロリの会をよろしくお願いいたします!

    2013/08/14 19:58

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