黒塚~一ツ家の闇
流山児★事務所
ザ・スズナリ(東京都)
2022/05/13 (金) ~ 2022/05/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
黒塚とは現・福島県二本松市阿武隈川の畔にある鬼婆の墓。奈良時代(726年)に成敗された人肉を喰らう老婆の伝説。
今作では京に上る近道にある険しき山の笛吹峠、そこに鬼婆が棲むとされる。新庄の里の領主・堀兵右衛門(上田和弘氏)は二十年前成敗した筈の鬼婆が未だ現れる噂を聞いて、息子(里見和彦氏)を遣わす。それに同行する弟のような家来(木暮拓矢氏)。峠には三人兄妹が暮らしていた。うえだひろし氏、山下直哉氏、山丸莉菜さん。殺陣がなかなかの見もの。
京に呼び戻される途中のやたら鼻の効く陰陽師・小林七緒さんが大活躍する。
尼僧妙心役の塩野谷正幸氏が素晴らしかった。この人の妖気だけ異様で、違う世界に存在しているような妙な感覚。一人だけ人形のように現実感がなかった。
お勢、断行
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/24 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
2017年2月、シアタートラムで上演された『お勢登場』が素晴らしかった。黒木華主演で8本の乱歩の短編小説を一つに纏め上げたピカレスク・ロマン。やはりそれを期待して今作のチケットを取ったが2020年2~3月公演は緊急事態宣言で中止。しかも公演の二日前の発表。そして今回ようやく上演される運びに。無垢で天真爛漫、そして天性の犯罪者。お勢を倉科カナさんがどう演じるのか?
きつい和装美人の大空ゆうひさん、アイドル顔の福本莉子さん、和製ドニー・イェンの梶原善氏、池谷のぶえさんに江口のりこさん・・・、豪華キャストの大盤振る舞い。
金の掛かった舞台美術は上下左右前後に可動。
あるシーンを予告篇のように先に見せる手法。作中でそのシーンが訪れる際、デジャヴを感じて妙な気分になる。「ああ、あの描写はこれだったのか」的な。
福本莉子さんの歌う「明日にするわ」がやたら良かった。
グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース
Mo’xtra Produce
吉祥寺シアター(東京都)
2022/05/13 (金) ~ 2022/05/19 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
『グリーン・マーダー・ケース』
滅茶苦茶面白い。ミステリー好きなら必見。何か内容は全く関係ないのだが、ファミコンの『ミシシッピー殺人事件』とかをやっていた頃の気分に。どっかり腰を据えて面白いミステリーを腹一杯味わえる。
舞台美術の片平圭衣子さんと衣裳の鶴岡寛恵さんを称えたい。センス抜群、女性支持率100%。ピチカート・ファイヴの小西康陽全盛期を思わせるPARCO調オシャレの極致。全ての役者の衣装に必ずグリーンのアクセント。成程、スタイリッシュとはこういうことか。ウォーレン・ベイティの『ディック・トレイシー』なんかを思い出すレトロでカラフルなステージ。
1926年ニューヨーク、犯人の死によって終わった『グリーン家連続殺人事件』。その屋敷に居合わせた刑事(鍛治本大樹氏)は頭に弾丸をかすめて入院。その後遺症で事件に関する記憶の殆どを失っていた。退院した彼を心理カウンセラー(毛利悟巳〈さとみ〉さん)が治療に当たり、そこで本当は何が起こったのか、失くした記憶を取り戻していく。
MVPは看護婦役の大澤彩未さん、最高に面白い。
女主人役は小玉久仁子さん、豪華な配役。
女中役の小林春世さんも見せ場タップリ。
意地の悪い次女役の今泉舞さんは流石の助演。
毛利悟巳さんはサトエリ似。
名探偵ファイロ・ヴァンス(齊藤陽介氏)の独特なキャラ。
シリアスと笑いの配分が絶妙で、全く長さを感じさせない。
雫のバッキャロー!!
株式会社Ask
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/17 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ワイン三部作の完結編。山梨県勝沼の甲州ワインを醸造するワイナリーと山形県蔵王連峰(ざおうれんぽう)のワイナリーとは昔から家族ぐるみの付き合いをしていた。山梨では若くして病魔に倒れ早逝した天才醸造家・久下恭平氏の物語、山形では交通事故で未だに意識不明、入院中の中右遥日(なかうはるか)さんの物語が。(今作での中右さんの出演はない)。久下氏の遺した白ワインと中右さん一家が造り出した赤ワインに心打たれた人々が、二人の足跡とその腕前を世に知らしめるべく動き出す。
主演の久下恭平氏は流石に凄い。あっという間に観客を味方に付け、心を虜にする。生まれついての天賦の才能か。幼馴染の恋人役、音羽美可子さんがまた魅力的。久下恭平氏とのコミカルな遣り取りは宮崎駿作品を思わせるデフォルメの効いた痛快なもの。この空気感は出来そうでなかなか出来ない。かなり面白く密度が濃い人間ドラマ。妹役の水野花梨(かりん)さんがやたらグラマラスなのも気になった。
皆でワインを飲む場面は秀逸。愛好家なら手が震え出すだろう。真摯にワイン醸造家と向き合った真面目な作風。死生観まで広がる世界。
『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』
下北澤姉妹社
駅前劇場(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
海外戯曲のようなハイソな作風。こういった試みを全面的に支持する。「言いたいこと全てぶち撒けてやる!」との作家の姿勢がカッコイイ。ただその統一感の無さが散漫な印象を与えてしまい、勿体無くもある。かなり真面目な問題提起を掲げており、宗教的社会主義的な蜂起の萌芽すら予感させる程。
超高級タワマンで行われるホームパーティー。和歌を嗜む美人コンシェルジュ(関口秀美さん)が歌い踊りドリンクを運び、ユーモラスにミステリアスに話の鍵を握る。
社会的成功者である精神科医の松岡洋子さんは、事実婚のパートナーである形成外科医・成田浬(かいり)氏の浮気を疑っている。学生時代からの友人で、松岡さんに憧れてタワマンに入居してきた明樹(あかぎ)由佳さんは週刊誌記者の夫(辻輝猛〈てるたけ〉氏)と大学生の娘(裕海さん)がいる。学生時代の後輩、美容師のみょんふぁさんはバツ4で子供が4人。
格差社会、子供のあるなし、女性の幸福の基準、本音と建前、優越感と劣等感、じっと隠してきたものが曝け出される不思議な一夜。めらめらと立ち上る焔(ほむら)。
松岡洋子さん明樹由佳さんみょんふぁさん、主演女優3人はそこに立っているだけで成立する熟練した存在感。何をやらせても巧い。この3人の会話劇だけでも行けた。これは作家も書き甲斐がある。
かなり意識が高い舞台、変わっていて面白いのでお薦め。
衣人館 / 食物園
牡丹茶房
ギャラリーLE DECO(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
『食物園(しょくぶつえん)』
健康保険料、厚生年金保険料、住民税etc.・・・。未納の代金の催告に現れた区の担当の男(杉本等氏)。ガンガンとドアを叩き鳴り止まぬインターフォン。大家(國枝大介氏)に鍵を開けさせ、怒鳴りながら部屋に侵入。やっと彼等が出て行くと、浴室に息を潜め隠れていたこの部屋の住人(二ツ森恵美〈めぐみ〉さん)が顔を出す。部屋には沢山の土を入れたプランター。テーブル上のIHクッキングヒーターにはスープの入った鍋。仕事を辞めて引き籠もっている彼女のもとに、兄(坂井宏充氏)や学生時代の友人(池島はる香さん)が訪ねて来る。どんどんどんどん彼女の病は悪化する一方だったが・・・。
自分が弱者であることを自覚して、他人の迷惑にならないよう必死に息を潜めて生きてきた女。そうまでしても矢張り社会は排除の手を緩めない。口にするのはスープだけ。只々スープを啜るだけ。
衣人館 / 食物園
牡丹茶房
ギャラリーLE DECO(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
昨年8月に演った短編二本立てイベント『うたかた』。その中の一編、「腥(なまぐさ)の壺」〈脚本烏丸棗(なつめ)・演出杉本等〉が素晴らしかった。何か理想の美のバランスを保った作品で作家の一つの到達点だと思う。未だに「何か凄く嫌な夢を見たが堪らなく美しかったなあ」なんて記憶に残る。となると勿論新作にも期待は高まっていく。(あれを観た人は今回全員観に来てる筈)。
『衣人館(いじんかん)』
マンションの一室、無数の可愛い服やアクセサリーが店内のように部屋中に並べられている。住人の石澤希代子さんは“可愛い”に取り憑かれ、それ以外の価値観を拒絶。彼女の憧れの“先生”、丸本陽子さんとお付きの稲葉葉一氏が会いに来てくれる。“先生”はかつてサロンで、彼女に可愛く在る為の心得を講義してくれた。世界中を放浪しているバックパッカーの弟(飯智一達〈かずと〉氏)が御土産を手に帰国して来るのだが・・・。
石澤希代子さんの表情と高い声が狭い室内を狂気で充たしていく。丸本陽子さんの雰囲気も見事。後半のヴィジュアルが鮮烈でラストは美しい。
バケモノの子
劇団四季
JR東日本四季劇場[秋](東京都)
2022/04/30 (土) ~ 2023/03/21 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
第一幕70分休憩20分第二幕75分。
最前列は3列目。
細田守の2015年のアニメ映画を何故か今更ミュージカル化。
当時映画館で観たが雑な出来で、「何でわざわざこれを選んだのか?」と不思議に。細田守作品はどこかで見たような話と設定にその場の思い付きのような適当な展開ばかりで、作品に文学性や哲学を感じる事がない。ただどう作品化するのか何となく足を運んだ。
バケモノの暮らす街、「渋天街(じゅうてんがい)」と渋谷の街が実は繋がっていた。母親を事故で亡くした9歳の蓮(石黒巧君)は親戚達にたらい回しにされることを嫌い、一人逃げ出す。偶然出会った熊のバケモノ・熊徹(伊藤潤一郎氏)に付いて行き、弟子になることに。異世界で九太と名付けられた彼の望みは「一人で生きていけるように強くなること」。“強さ”とは果たして何なのか?がテーマ。
猿のバケモノ・多々良役の韓盛治(ハン・ソンチ)氏がアニメ声で味がある。
主人公の石黒巧君が大活躍、孤独に追い詰められた少年がバケモノの世界で自我を取り戻す通過儀礼を見事にこなす。このバトンを受け取ったのが青年期の九太(蓮)役・大鹿礼生(らいき)氏、流石に上手い!
主人公の対となる存在、一郎彦役の笠松哲朗氏の横顔が尾崎豊似。
しょぼい『キャッツ』のようなメイクで開幕、不安がよぎるも、舞台が渋谷に移ってからは素晴らしい出来映え。目眩く可動し回転する半透明のセットが渋谷のビル街の雑踏を見事に表現。プロジェクションマッピングではなく、組立式の立方体が変化変形トランスフォーム。無数の通行人達は流石に劇団四季のアンサンブル、一人ひとりキャラ設定があり、プロの味を披露するレベルの高さ。石黒巧君の負の影が実体化するシーンにはゾッとした。(真っ黒な子供が現れる)。熊徹と猪王山(いおうぜん)の対決シーンは香港の獅子舞を思わせるド迫力。九太に皆で料理を教えるシーンは、ミュージカルの楽しさに溢れている。
映画を叩き台として、今の劇団でやれるアイディアを精一杯詰め込んでいる。漫画のコマ割りの額縁のようにシーンを細分化して分けていくセンスも良い。少なくとも映画よりは全然良かった。自分のような捻くれた人間には「あの映画でここまでやった」と云うのが高評価。
「胸ん中で剣を握るんだよ!あるだろ、胸ん中の剣が!胸ん中の剣が重要なんだよ!」
アナーキーの名曲、『心の銃』を思い出す。
「俺達拳銃なんか持ってないけど
戦うことを諦めちゃいやしないぜ
心の銃を使って戦って行くのさ」
観劇者(再)
ADプロジェクト / サンライズプロモーション東京
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2022/05/04 (水) ~ 2022/05/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
外岡(とのおか)えりかさんが増々女優として魅力的に。それだけで充分。この人は「た組。」の『壁蝨』やズッキュン娘の『歩いてみやがれ!』などで美人だが性格の悪い苛めっ子ばかり演じる時期があった。顔がアイドル過ぎて役柄が難しいのか。今作の等身大の女性社員役は今後を期待できる魅力に溢れている。ソトオカだと思っていて、何で愛称“とんちゃん”なのか不思議だったがやっと間違いに気付いた。
『痛快活劇「UMA 未確認生物が地球を救う」再演』の舞台を観に来た面々。席は最後列のM列に座った10人の物語。皆人知れぬストーリーを抱えてここにやって来ていた。
席番M列の・・・
⑤林明寛氏
⑥大滝樹さん
⑦清水麻璃亜さん
⑧吉田翔吾氏
⑨毎熊宏介氏
⑩長戸勝彦氏(Wキャスト安芸武司氏)
⑪井上薫さん
⑫外岡えりかさん
⑬岩佐祐樹氏
⑭伊藤あいみさん
略称「UMAスク」の初演を観て、各人それぞれの思い入れを持っている。
「いつかこの舞台が再演される時、主演のツチノコを俺がやるんだ!」
「こんな吐き気がする程、期待に胸が震える仕事に私も関わりたい!」
「推しのサトル君がキラッキラッしている!」
ステージ上段に設置された観客席に座る面々。その上に更に被せる形で各々の姿をプロジェクターで投影。(役者がいなくなってもいいように)。それぞれのエピソードの時だけ役者は下のステージで演じる。それに合わせて投影されたその人の観客席の映像も空席となる。誰が誰だか凄く判り易いし絵的に面白い。
⑥大滝樹さんが「舞台俳優推し活」OLを見事に演じる。ガチヲタあるあるで、観客の共感率はMAX。オペラグラスで他の皆とは違う方向を観ているのがツボ。
⑧吉田翔吾氏はトイレに人が入っていて、行きたいのに行けないまま舞台が始まってしまう悪夢を存分に表現。これぞこの世の地獄。彼を見る度、観客の方もイライラそわそわして気が滅入る。
⑪井上薫さんは流石に上手い。
普通に面白かった。
時々展覧会
時々自動
元映画館(東京都)
2022/04/28 (木) ~ 2022/05/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
由緒正しき日本の前衛。倒すべき敵は妖怪キャピタル(資本〈主義〉)。芥正彦の舞台を観に行った時と似た感慨に。
『人工地獄(Artificial Hells)』とまで言われているインタラクティブアート(双方向芸術)の世界。今回はコロナ対策の為、当初の予定の「作品(俳優)展示会」を断念。通常の舞台の形を取ることに。若者が目立つ客層は現代美術(コンテンポラリー・アート)の愛好家のよう。37年の歴史を持つこの劇団の訴求力の高さ。主催の朝比奈尚行氏の挨拶から始まり、後ろのスクリーンには映像や写真や絵が流れる。所々、朝比奈氏の解説入り。全てのマイクスタンドに血が滲んだ包帯が巻かれ、無機生物のよう。
まずスクリーンに旅一座の面々の冒険の旅が映し出される。これがPV調のかなり良い出来。体調不良で降板となったチカナガチサトさんも映像のみで出演。「東京少年」の笹野みちるを思わせる中性的な魅力。そしてその面々が会場に入ってくる。
サーカス団のような思い思いの出で立ち。全員歌唱力は折り紙付き。なかでもホアキン・ジョーカー風味なクラウン・メイクの伊地知一子さんと柴田暦(れき)さんの歌声が印象に残った。会場に防音設備がないことを逆手に取り管楽器なし(ウクレレのみ)のアカペラ縛りでいきなり始まる合唱。しかも無茶苦茶レベルが高い。足踏みで異なるリズムが刻まれ見事なアンサンブル。この展開が苦にならないのは曲の素晴らしさ。今作の楽曲の殆どを作曲した故・今井次郎氏の才能。
ニュートンが発見した「光にも重さがあること」、降り注ぐ光の重さで潰れていく動物達の姿が絵本のようなイラストで展開される疑似科学テイストな“みんなのうた”の『また森へ』。
時々失神したり眠りに就いたり突然誰かがスキャットを口ずさんだり・・・。
「『風吹き』やろうか。」と誰かが言い出し、何度も歌詞を変えて歌われる代表曲的『風が吹いてきたよ』。
『革の鎧』の歌詞が意味深。
「もしもわたしに勝ち目があるなら
何も信じぬ虚ろな心
これを頼りに撃ち進むだけ」
会場の元映画館を拠点に今後活動していくそうだ。ハマる人はかなり深みにハマりそうな『It's sometimes automatic.』。
グレーな十人の娘
劇団競泳水着
新宿シアタートップス(東京都)
2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
滅茶苦茶評判が悪い為、身構えたが果たして・・・?
正直、普通に面白かった。
両親が死に、母の妹である叔母(ザンヨウコさん)に育てられた五姉妹の物語。華のある女優ばかりで艶やかな舞台。
長女役は都倉有加さん、バリバリ働くキャリアウーマンのシングル・マザー。
二女役の小角(こかど)まやさんは盗癖のある今作のキーパーソン。
芸能界にスカウトされて東京へ行く三女役佐藤睦さんは川口春奈っぽいクールな美人。
語り手であり、そのマネージャーとして一緒に東京へ行く四女役は小川夏鈴さん、宮地真央似。
五女役の橘花梨さんは出る度に印象に残る女優で、今回も一番残像が焼き付く。自分に自信がないネガティヴな末っ子役を好演。
長女の娘役、成瀬志帆さんは吉高由里子似の目立つ美人。(一之瀬花音さんと混同していた)。
五女以外家を出ていたが叔母が晩婚する連絡を受け、久方振りに帰郷。
相手側の娘達も挨拶に来る。
三女役江益凛さんの細かい動作や表情に味がある。
女子高生の二女の娘役鄭玲美(チョン・レミ)さんもかなりの手練。
二女役加茂井彩音さんはちょこちょこ観客を大いに笑わせる場面が。
遅れてやって来る橋爪未萠里(いゆり)さん演じる長女の登場からミステリーは幕開く。
ウディ・アレン調の和やかなコン・ゲームを思わせる展開、この事件の真の目論見とは果たして何なのか?
FLOWER DRUM SONG
エイベックス・エンタテインメント
日本青年館ホール(東京都)
2022/04/23 (土) ~ 2022/04/27 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
第一幕85分休憩20分第二幕60分。
チャプスイとは、アメリカでの中華料理の代名詞となった人気料理で日本で謂うところの八宝菜。いろんなものを炒めて餡掛けにしたもののこと。
1949年中国共産党が中華人民共和国を樹立。非共産政党を弾圧、独裁を強めていく。今作の主人公達は虐殺を怖れてアメリカへと密航。事実、大躍進政策によって1958年から1965年の間に4500万人以上が餓死。1966年に起こった文化大革命では、死者1000万人〜2000万人以上と言われている。
『フラワー・ドラム・ソング』は、1957年中国からの移民C・Y・リーにより小説が出版されベストセラー、1958年ミュージカル化、1961年映画化。中国移民の老人がアメリカ文化を拒絶して暮らしているも、最後は受け入れていく話。2002年かなり改変したリメイク作品が今回のもの。
1960年父の形見のフラワードラム(花柄の鼓)を持ってサンフランシスコのチャイナタウンにやって来たメイ・リー(桜井玲香さん)。客の入らない京劇の劇場を経営している父の旧友ワン(石井一孝氏)とその息子ター(古屋敬多氏)のもとへ。メイ・リーはターに恋するも、ターは看板ダンサーのリンダ(フランク莉奈さん)に夢中。そこに敏腕エージェントのマダム・リャン(彩吹真央さん)がやって来て劇場をナイトクラブに改装してしまう。
石井一孝氏と彩吹真央さんがずば抜けている。二人が歌い出すと劇場の空気が変わる。流石の腕前。桜井玲香さんも歌はメチャクチャ上手い。ひたすらクラブでのショーが続く感じなので、派手に生バンドが欲しいところ。ステージの合間にエピソードが展開する位で丁度良い。一日三回公演、フランク莉奈さんが連発する「Fan Tan Fannie」が盛り上がる。ゲイの衣装係ハーバード役泰江和明氏は場内案内もその美声で見事にこなす。
拝啓、モリエール様 -モリエールへの挑戦状- 〜“ドン・ジュアン”より〜
good morning N°5
中野スタジオあくとれ(東京都)
2022/04/22 (金) ~ 2022/04/29 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
14世紀スペイン、ペドロ1世の宮廷に出入りしていたドン・フアン・テノーリオの伝説をティルソ・デ・モリーナが1630年『セビーリャの色事師と石の招客』で戯曲化。1665年フランスでモリエールがキリスト教狂信者への憎悪を込めた『ドン・ジュアン』を発表。15回で上演中止に追い込まれる。1787年モーツァルト作曲で有名なオペラ・ブッファ『ドン・ジョヴァンニ』も同じ話。
稀代の女たらし、伝説のプレイボーイ、この世の価値観の全てを嘲笑うエピキュリアンのニヒリスト。最期は教訓的に地獄に引き摺り込まれるのだが、彼の人気は決して衰えない。
前作の朝日新聞夕刊の劇評が虚偽情報ばかりで一部で話題になった劇団。15年前の旗揚げの場所で15年前と同じチケット代で演る試み、勿論大赤字。開場前からファンがとぐろを巻いて異様な熱気。劇団のTシャツを着て、タオルは飛ぶように売れる。澤田育子さんのカリスマ性か。こんな感覚は久し振り。全員開演ギリギリまで舞台に立ってお出迎え、客と交流。野球観戦と同じ自由なスタンスで観劇を楽しんで欲しいと語る。
松山ホステス殺害事件の福田和子(15年近く逃亡生活、時効成立21日前の逮捕)を模した澤田育子さん。殺したホステスの荷物にあったモリエールの本を読んでみる。
ドン・ジュアンを演ずるは千代田信一氏。「平成の無責任男」ザキヤマを彷彿とさせるやりたい放題。「ワンワン」と手で犬になる持ちネタは秀逸。召使は藤田記子さん。
全員怒涛の早口で台詞が聴き取れようが聴き取れまいがお構いなしで捲し立てる。二つの話が同時進行していく構成。老若男女、一度ハマったらずっと通い続けたくなるスナックのような劇団。一度は観に行った方が良い。
ムーランルージュ
ことのはbox
萬劇場(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
斎藤憐の80年代後半に発表された戯曲。「ムーラン・ルージュ」とはフランス語で「赤い風車」を意味する。19世紀末パリに誕生したキャバレーでフレンチカンカンなど扇情的なショーで大人気となった。今作の「ムーランルージュ」は「ムーラン・ルージュ新宿座」のことで、戦前から戦後まで存在した大衆劇場のこと。
戦後、廃墟と瓦礫の焼跡の中で「ムーランルージュ」は再建される。幕が開けば橋本愛奈さんのレヴュー。流石に歌が上手い。オーナーの青山雅士氏は彼女を口説き続けている。
そこにニューギニアで戦死した筈の彼女の旦那である松浦慎太郎氏が生環。彼は座付きの構成作家であった・・・。長身で端正な顔立ちの松浦慎太郎氏はいずれ映像方面で成功することだろう。
戦時中は内務省や警視庁の検閲で何度も上演不許可を受け、戦後もGHQの検閲で何度も書き直しさせられる台本。レヴュー一座の群像劇でありつつ、敗戦直後の日本人が共有していた気分が見事に醸成されていく。
米兵達にレイプされていたところを救われる石森咲妃さん。
GHQの検閲官である日系人を怪演した如月せいいちろー氏。
必ずねづっちのようななぞかけで事態を比喩するベテラン大道具役佐野眞一氏の名演。
空襲で亡くした赤子の亡霊と共に生きる篠田美沙子さん。
役者陣は皆魅力的で各々見せ場がある。
阿佐田哲也の『麻雀放浪記』なんかを思い出す、捨て鉢でニヒルな魂の抜け殻、アプレゲールの無頼派。生と死、恋と嫉妬、アメリカと日本。アメリカに敗戦し占領された現実から目を逸らし、悪い軍部から解放して貰い救われた善良な民衆の振りをする日本人の変わり身の早さ。大勢に迎合することを美徳とした全体主義。太宰治の懊悩。「愛する者を食べさせてやること以上に価値のあることはない。」との真理。
歌われる楽曲のセンスが良く、1933年のアメリカのヒット曲、『イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン』が作品のキーとなる。
「これはただの紙の月
段ボールの海に浮かぶだけ
でも君が信じてくれたなら
それは本物にだってなれる」
ミュージカル「弥生、三月 -君を愛した30年-」
エイベックス・エンタテインメント/クオーレ
サンシャイン劇場(東京都)
2022/04/21 (木) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
『弥生、三月』、波瑠と成田凌主演の映画は当時観た。高田馬場で再会した二人、逃げる波瑠を追う成田凌。大森ベルポートでやっと捕まえる。「随分、走ったな」と映画館で感心したもの。1986年の3月、高一の時に出会った二人の人生を2020年3月まで三月縛りで描いていく。数年単位で飛び飛びの三月のエピソードだけで、間に何があったかは観客の想像力に任せる試み。
菅田将暉と小松菜奈主演の『糸』と話がこんがらがる。要はお互い好き同士の二人が、あれやこれやの障害で中々結ばれないさまに一喜一憂する『君の名は』(岸恵子主演の方)系すれ違いメロドラマ。観客がやきもきしたら勝ちのジャンル。 映画はイマイチで、これをどうミュージカル化するのか見当が付かなかったが・・・。
正義感のやたら強い弥生(田村芽実〈めいみ〉さん)、Jリーガーを目指す山田太郎、通称サンタ(林翔太氏)、薬害エイズで苦しむサクラ(岡田奈々さん)の物語。
語り手として神里優希氏、見事なバレエを踊りながら舞台転換を行うkizuku氏と大倉杏菜さん(やたら巨乳)、ずっとピアノを演奏し続ける安藤菜々子さん。演出に品があって美しい。楽曲にもオリジナリティが感じられ、繰り返す詩の構造も効果的。ピアノの旋律が奏でられ続け、真白な精霊のように優雅に舞う二人の男女。バックのヴィジョンに映し出されるイラスト調の背景のセンスも冴えている。出演者の歌唱力も本格的。
胸を焦がした高校時代からそれぞれの道に別れ、家庭を持ち夢に挫折し何度も人生を諦める。その度に目に見えない不思議な絆が自分達を繋いでいることを感じていく。
『奇跡の人』のサリヴァン先生に憧れて教師を目指す弥生。演ずる田村芽実さんは元アンジュルム。時折表情が若き日の吉永小百合を思わせ、古風な顔立ちが清楚で役に合う。物語のキーを握る岡田奈々さんも素晴らしい歌声で、登場するとステージがぱーっと明るくなる。
演出の菅野こうめい氏がいい仕事をした。
安心して狂いなさい
中野坂上デーモンズ
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2022/04/17 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
開演前SEで延々般若心経が流れ、野性爆弾のようなガロ系の笑いを想像する。
冒頭、作・演出の松森モヘー氏から説明が入る。今作の世界はメタバース(仮想空間)であり、20代30代の歳が近い年代を中心とした小規模なコミューンであると。精神だけをアバター(分身)に移し、仮想世界で生を謳歌している。
舞台上、沢山の男女が四方八方上下左右に設置された出入り口から共用スペースに現れる。皆言う台詞は決まっている。「〇〇さんを知りませんか?」
筒井康隆の『マグロマル』のように噛み合わない会話が延々と続く。興味深いキャラは四人。
「私のことが嫌いなの?嫌いなの?」と男をひたすら追い掛け続けるメンヘル系のまちだまちこさん
小さなウェブ雑誌の記者、加藤睦望さん。誰も彼もにインタビューを仕掛けてメモを取る。
柿原寛子さんは統合失調症なのか?存在しない架空の男をずっと捜し続けている。
一番観客を慄かせたのが、中尾仲良(なかおなかよし)さん。後半白目をひん剥いての大暴れ。核兵器のような凄え女優を抱えているな。MVP。
そのうち、どうもこの世界からログアウト出来なくなるバグが発生して・・・。
当日パンフには、大学時代パニック障害を患った松森モヘー氏がこの劇団をリハビリ的に旗揚げして、「安心と狂気」の十年を歩んだことが吐露されている。ただのおふざけではないのだ。
「張り裂けた胸はくっつかない セロハンテープでとめた心 またいつ剥がれるのかと 今日もびくびくしながら生きるぜ」
amazarashi 『爆弾の作り方』
偏執狂短編集V 前夜祭
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
すみだパークシアター倉(東京都)
2022/04/16 (土) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
メチャクチャ面白いか超つまらないかのどちらかだろうと予想して賭けてみたが・・・。
『黒の章』
①H+(トランスヒューマニズム) -頽廃芸術展-
②メンゲレとグレーゼで
③黒髪と魚の足とプレシオサウルス
『白の章』
④ジャンヌダルク異端審問裁判
⑤きこりと木の精
⑥ニヒリズムの肖像 2022
①1941年、ヒトラー(井口ジョージ氏)が画家のツィーグラー(和日和生〈のどかかずき〉氏)に退廃芸術について講釈を垂れている。そこに時空を越える伝説の男サン・ジェルマン伯爵(窪田裕仁郎氏)が現れて、ヒトラーに彼の憎むスキャンダラス画家エゴン・シーレ(平良和義氏)の日々を見聞させる。
②アウシュヴィッツ収容所で過酷な人体実験を繰り返したメンゲレ医師(宇田川佳寿記氏)が主人公。今作では彼は周囲の誤解に巻き込まれた善人として描かれている。傍に控えるのは19歳でアウシュヴィッツの看守になった女性看守イルマ・グレーゼ(木下紅葉さん)。性的サディズムの権化でナチスの最年少刑死者。メンゲレは双子を使った人体実験をする羽目になる。
双子の被験者役の杉山華子さんが可愛かった。
③知的障害者を多数雇用したような気違いサーカス団。そこに訪ねて来たのは医学研究者(上原ぺこさん)、合成麻薬MDMAを使って損傷した脳機能が回復される論文が証明されたとの報告。
フタバ役の小野瑞季さんに何故か見覚えが。大槻ケンヂの『くるぐる使い』をいつか演るならば、是非彼女で観てみたい。
④ジャンヌ・ダルク(やすいまほさん)がフランスのルーアンで異端審問に遭う。
⑤謎のきこり(高橋弘幸氏)が31人の女性達の足首を切断して拐っていく奇怪な連続誘拐事件。落合刑事(窪田裕仁郎氏)は憧れていたミステリー事件に遭遇して大興奮。
高橋弘幸氏の造形したキャラが良い。
⑥19世紀フランスで死刑となった犯罪者でありつつ、詩人として人気を博したピエール・フランソワ・ラスネール。彼をモデルにした男、演じるは平良和義氏。
死刑執行人の一族、サンソン家に嫁いだアヴリル(杉山華子さん)は歪んだ階級社会を憎んでいて、この世を正そうと密かに心に期していた。彼女に恋するも選ばれなかったシャルル(宇田川佳寿記氏)、彼女の兄代わりのジャン(山下諒氏)。結婚式の日、事件が勃発する。平良和義氏のキャラが決まっていて、フェンシングの殺陣も見事。杉山華子さんは絵になる。
⑤と⑥は見所あり。『白の章』の方がお薦め。
エゴ・サーチ
プラグマックス&エンタテインメント / サンライズプロモーション東京
紀伊國屋ホール(東京都)
2022/04/10 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
開演前SEでオーストリアのバンド、オーパスの代表曲「ライブ・イズ・ライフ」が何度も何度も流れる。(『oktoberfest 2019』version)。これを聴くと、「ああ鴻上尚史だなあ」の気分。選曲のセンスはいつも抜群。今作も沖縄民謡「十九の春」の使い方が秀逸。(元曲は鹿児島県の与論島がオリジナルらしい)。
ガジュマルの古木に住み着く、赤い髪をした精霊キジムナー(村上航〈わたる〉氏)。沖縄の離島に遊びに来た吉田美月喜(みづき)さんの前に姿を見せる。東京から遊びに来た吉田さんは「また来る」と約束。しかしやって来ない・・・。
作家志望の青年、今江大地氏はアイディアは有るのだがなかなか筆が進まない。担当編集者の南沢奈央さんははっぱをかけるも、ネットで検索すると彼がブログやツイッターで遊んでいることを知り叱責。だがそれは濡衣で、同姓同名同プロフィールの人間がネット上に存在していることを知る。
インターネットを使ったステマ・ビジネスの会社、社長(渡辺芳博氏)と阿久澤菜々さん。ふざけたフォークデュオ『骨なしチキン』の二人(佐藤修作氏と古木将也氏)が「金はあるから有名にしてくれ」と依頼。彼等を売り出す仕掛けを練る。
話と全く関係ない木村友美(ゆみ)さんの底抜けの明るさが印象に残る。ハモりが凄まじかった。
イケメン結木滉星(こうせい)氏はボクサー飯田覚士っぽくてカッコイイ。
取り留めのなく投げ出された話が一つずつ結び付いていく。一体これは何の話なのか?的面白さ。
シェイクスピア物語 ~ 真実の愛 ~
「シェイクスピア物語」公演実行委員会
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2022/04/15 (金) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ヒールのエセックス卿(村上弘明氏)は史実ではエリザベス女王の愛人であったロバート・デヴァルー (第2代エセックス伯)がモデルか。
舞台は16世紀、当時のイギリスの演劇界では女性がステージに立つことはタブーとされていた。絶大な人気を博したものの女性であることがばれて処刑されたダンカン・ランズウィック(真野響子さん)の亡霊が今も彷徨い続ける。
役者から作家を始めたばかりのウィル・シェイクスピア(内博貴氏)は新作の執筆に苦戦中。偶然見かけたジュリエッタ・ド・キュープレッド(熊谷彩春さん)に一目惚れ、恋に落ちる。だが、彼女はエセックス卿の婚約者であり・・・。
飛んでる最高
艶∞ポリス
駅前劇場(東京都)
2022/04/13 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「やだ、おっかしー!」
超絶面白い。笑いに真剣に向き合っている。この作家(岸本鮎佳さん)の姿勢にリスペクト。本当にもう一回観ようと思ったが日程的に無理だったのが残念。終演後、出ている一人ひとりの役者が魅力的で愛すべき存在に感じられる。要らない人物が一人もいないのは作家の底知れぬ才能。これはハマるわ。やっぱり世の中、自分が知らないだけで才能に溢れ返っている。
ぶつ切りのコントみたいに感じるが、実は全てがパズルのピース。時系列がシャッフルされていて、段々と全体像が見えてくる相当練り込んだストーリー。これが令和最先端、頭がおかしい。
航空会社、空港での業務を担当する面々。
不倫を拗らせた山田瑞紀さんはエロい。
岸本鮎佳さんは完全にイカれている。
性欲の塊の機長、渋江譲二氏のキャラの立ちっ振り。
ハワイに向かう仲良しおばちゃん三人組。
似非リッチ、高野ゆらこさんが圧倒的。何か凄いカルチャー・ショックすら覚えた。江頭2:50のような飛び道具感。女性は全面的にこの笑いを支持するものだと思う。
関絵里子さんと航空会社グランドスタッフ小林タカ鹿氏の夫婦間の物語も温かい。
今藤洋子さんの芸能マネージャー物語も美しい。
イケメン太田将熙(まさき)氏も最高。そりゃみんな笑うわ。
空港バイト、奥村佳代さんの表情と口の歪みのインパクト。
冒頭、不倫を拗らせた山田瑞紀さんがカッターナイフで暴れている。岸本鮎佳さんと小林タカ鹿氏が切り付けられた。一体、何が起きたというのか?