挿話エピソオド~A Tropical Fantasy~ 公演情報 文学座「挿話エピソオド~A Tropical Fantasy~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    加藤道夫によって1948年10月に発表された今作、1949年3月に文学座によって初上演。東部ニューギニアに出征しマラリアと栄養失調で死線を彷徨った経験をもとにした。鬱病気味になり1953年、35歳で突然の縊死自殺。

    ニューギニアにあるヤペロ島、終戦を伝えるビラを撒く米軍機。生き残った日本兵は12人。師団長は士気を下げる為の計略だとして信じない。だが原住民達は戦争が終わったと祭の準備。
    師団長役の清水明彦氏が一人奮迅。戦争体験者のルックス、リアリティーがある。クルーゾー警部役のピーター・セラーズや『悪魔くん』のメフィスト役の潮健児、堀田眞三を思わせる風貌。
    参謀長役は中村彰男氏。
    二年前の上陸時、この二人はヤペロ島の島民が挨拶に出向いたものを襲撃と勘違いして日本刀と銃で惨殺した過去がある。

    本来は子供向けが正解なのだろう。もっと60分位に縮めて歌と踊りでテンポよくやった方がいい。

    ネタバレBOX

    戦地を経験した者の書いたファンタジーをそのまんま鵜呑みにしてファンタジーにしてしまった失敗作。痛みや苦しみを戯画化せざるを得なかった体験者の苦渋の決断を推し量らず、幼稚な漫画に貶めてしまっている。
    さんまが松尾伴内や村上ショージとよくやる日本兵コント風味。客は戯画化された描写に笑いを求めていた。やたらだらだらとした台詞の遣り取り。同じような会話が延々続く。間延びしている。もっと演出で退屈しないように工夫するべき。

    殺した筈の呪術師達がスコールと雷鳴の中、ぞろぞろと現れる。その出で立ちがカッコイイ。全員緑色の目の開いたデルフィンマスクのようなものを被り、マスカラスの入場コスチュームのアステカ・バージョンを思わせる派手な衣装。恐れおののき這いつくばって許しを請う師団長。死者はマンブルゥの木に生まれ変わるとされる。

    若き兵隊役の小石川桃子さん、後ろ髪を結んでもろ女。素人臭い台詞回しは演出か?これでいいのか?

    0

    2023/03/25 15:04

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大