実演鑑賞
満足度★★★★
小学生の頃から何度も読もうとし、映画を観ようとし、到頭今日まで持ち越した。流石にミヒャエル・エンデ、目茶苦茶面白い。これは是非とも観ておくべき作品。
人形の造形が見事で表情が抜群、ずっと眺めていられる。演者が片腕を突っ込んで動かすタイプの人形劇(出遣い)だが、顔を隠した黒子ではない。皆顔を出し、人形と一体になって演じていく。このやり方が一番いいのではないか。人形にも演者にも感情移入していく。
松本美里さんの大きく口を開けた独特な笑顔が魅力的。『ひなたと月の姫』、『エリサと白鳥の王子たち』、今作も最高。歌が巧い。
時間貯蓄銀行の灰色の男達が真鍋博のイラストっぽくてカッコイイ。横山光輝デザイン的でもある。
可動式舞台美術も効果的。今作はデザインの勝利。人形劇美術家小川ちひろさんがMVP。
とある街の廃墟となった円形劇場。浮浪児の少女、モモが住み着く。人の話を聴くことが大好きなモモ、「どうして?」と何度も尋ねる。呑気な街の優しい住民達は皆で面倒を見てやる。そこに現れた灰色の男達、人の生きる時間には限りがあることを伝えて回る。人間はすぐに死んでしまう、残された時間を効率的に使わないといけない。不安と恐怖に焦り苛立ち、住民は常に時間に怯える。無駄な時間を廃し、ギリギリまで切り詰めて生活しないといけない。皆の変心がモモには理解出来ない。実はこれは壮大な罠であったのだ。