最新の観てきた!クチコミ一覧

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ハイイロノ・ド・ンゾコ [皆様、応援ありがとうございました!大盛況のうちに公演無事に終了いたしました。これにて休止させていただきます。ちょっと充電してきます…では、また。]

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サルとピストル

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/11/25 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

よくぞここまで徹底したと!!
ハードボイルドな男たちの登場シーンで、つかみはOK!

男のロマンとは思いませんが、よくぞここまでやってくれました。

ネタバレBOX

パンティ、パンティ、パンティ、パンティ…、パンティの万国旗、

『夕』(セレソンDX)のようなラストシーン、感動はしませんでしたが驚きました!!

パンティ泥棒のハードボイルドな男たちとブリーフ泥棒の女たち、それに結婚にあまり期待せず、結婚によって拘束されることに鬱とした気持ちを抱いているマリッジブルーの女。

女の鬱から躁へはじけたい願望によって、実在するパンティ泥棒の男たちと女の妄想が合体してしまい、夢か現か不思議でパンティな話でした!

つかみはOK、いい感じでしたが、暗殺にでも行くのかと思ったシーンもパンティを盗むと分かってしまうと、いちいちハードボイルドに役目を設定するのがうっとうしく、一回ぐらい減らしても良かったのではないかと思いました。

それにしても、男たちがパンティをくるくるっと巻いて小さく折りたたんでいたのは手慣れたものでした。
AC アガリスクコント vol.1

AC アガリスクコント vol.1

アガリスクエンターテイメント

DRESS AKIBA HALL(東京都)

2010/11/25 (木) ~ 2010/11/25 (木)公演終了

満足度★★★

「笑い」への意欲は伝わった
秋葉原DRESS AKIBA HALLでのコントライブ。アガリスクは4組の出演者の1組である。
プロジェクターで投影する画像がPCの不具合で出てこないというハプニングがあり、画像なし見切り発車で始まったコント7本約30分。
私はそもそも長時間の芝居とコントを区別しない見方をしているのだけれど、演劇人のコントというのは、ある程度の期待をもって見るのも事実。
「今回は"笑わせ方"をテーマに色々試行錯誤してみようと思います。」とのことですが、出演者が段取りにバタバタしているように見え、5本くらいに絞ったほうがよかったのでは、と個人的には思いました。
また、長時間ではないコントライブの場合、画像に頼らないでシンプルに作ったほうがよいと思う。
「冠婚葬祭」「差別」「自宅がメッカ」がやはり演劇的で面白かった。最近は大学生でもウーンと唸るような面白いコントを作るものだから、今回の小ネタについては、さほど面白くは感じなかった(スミマセン)。詳細はネタバレで。

ネタバレBOX

「冠婚葬祭」は、結婚式と葬式のことをそれぞれ話す2人が共通の内容に勘違いしながら会話を続け、キーとなる単語の紙を帽子の上に差していく。この紙の束が手元で文字を手前にバラバラはためくので次の展開がよめてしまうのが惜しかった。完全裏向きにしておけばまだしもと思ったが。また、同趣旨のコントや漫才を得意とする既成お笑い芸人がいて、それを見ているせいか、新鮮さを感じない。シチュコメの骨組を見せたかったなら、既成のお笑いにはない、もうひとひねりのアイディアがほしいところ。

「差別」
黒人の赤ん坊が生まれ、「明らかに自分の子ではない」という夫の「妻の不実」の主張と「外見や人種で差別するあなたがおかしい」と問題をすりかえて「愛」を強要する妻とのすれ違い。単純に笑えないブラックな要素もあるが、着眼点が面白い。実際、これと同じ事件が起こって離婚した夫婦の話を知っているだけに考えさせられた。

「自宅がメッカ」
ラストの作品で、このとき、ようやく画像が出た。これは画像フォローがないと成立しにくい性格のものなので、安堵した。
ある朝目覚めたら、男の自宅がメッカになっていて、周囲に騒動が巻き起こる。芝居になりそうな題材だ。「北朝鮮がミサイルを発射」「ロシアが北海道を領土と主張」「中国が中国地方を領土と主張」などのニュースが読み上げられると、これも現状では案外起こりうる笑えない話かも(笑)。この作品も役者が段取りに追われるのが見てとれた。これが消えないと客はハラハラしてしまう。

演じた 淺越岳人、塩原俊之のお二人。淺越はシチュコメにはもってこいの俳優で、彼の芸風には若いときの小倉久寛(SET)と車だん吉を足して2で割ったような面白さを感じる。塩原は常に真面目に芝居をする人。その真面目さが「ワハハと笑えばいい」単なる「コント」に落とさない「間」を生む。これは貴重な長所である。

このコントライブはコメディー作家の「笑いを生む現場」の一端を知る良い体験にもなった。観終わって「冨阪友の才能ははかり知れないものがある」と期待している自分がいる。

不要な○○、下取りします。

不要な○○、下取りします。

劇団わらく

中野スタジオあくとれ(東京都)

2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

さわやか笑顔の陰で…!
「いきいき人材開発再生技術構想研究啓発総合支援センター」、よく覚えられるもんです。で、ここが舞台。

ネタバレBOX

白い色に塗られた部屋、テーブルなど…、異質な施設を想像させます。

ここは不用品と判断された人間を再教育する施設です。不用品の回収というので姨捨山かと思っていましたが、実は誰でもよく、要するに誰かから不用品と申告され、審査の結果認められればセンターに収容されてしまいます。収容されると研修を受け、社会復帰する人とエコフレッシュになる人に分かれます。

おぞましい実態、官民の癒着、公務員の特権のようなものを笑顔の研修、笑顔の家庭生活などを通して描かれており、怖くて素晴らしい近未来SFでした!!

エコフレッシュのフレッシュは、RではなくLなので、念のため。
ロドリゴ・ガルシア『ヴァーサス』

ロドリゴ・ガルシア『ヴァーサス』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2010/11/20 (土) ~ 2010/11/24 (水)公演終了

満足度★★★

舞台に挑発され続けたようだが
そうとは感じなかった。

生理的にキツい舞台ではないかと思っていのだが、そうでもなかった。
それは、こちらが、今の暴力的な状況に慣れて、感覚が麻痺していたのか、あるいは、演出がそこまで達していなかったのか、またはそもそも暴力を演出しているように見せかけて、それを感じさせないような演出だったのかはわからない。
しかし、どのシークエンス、エピソードも一皮剥くと、ざらざらしたような手触りや牙があったような印象がある。

そして、それらはきちんと計算され、エンターテイメント的に仕上がっていたと言ってもいいだろう。
まあ、誰のためのエンターテイメントなのかはわからないが(笑)。

ネタバレBOX

とにかく全般にわたって印象的なのは、繰り返し本への冒涜が行われ続けていたこと(正直これが一番イヤだった)。
つまり、言葉の否定かと思ったのだが、そうではなく言葉ありき、言葉が舞台自体を牽引していたと言っていいだろう。
本は、過去の知識(あるいは意識)の否定だったのかもしれない。
全般的に台詞が面白いと思った。

一見無秩序のように見えるが、「観客」を意識した構成と作り込みがなされていて、まったく飽きさせることはなかった。
先行していたイメージでは「暴力」とか「カオス」がふんだんにあるのではないかと思っていたのだが、そうでもなかったということだ。

もちろん、計算されていたのだと思うが、「面白いと思うモノ」を次々と繰り出してきた感はある。
だから、ポンポンと進むそのリズムに乗ってしまうと、興味の階段を舞台の中の出来事と一緒に登っていく感じがする。
これは心地よい。

ドラム+ベースのバンド演奏やどこかエキゾチックなアカペラ独唱、伝統的な弦楽器などの音楽がそれをうまく盛り上げていた。暴力のときだけに鳴る弦楽器など、とても慎重で効果的な使われ方をしていた。
これだけで、この舞台がいかに作り込まれているか、ということがうかがえるのだ。

映像も面白く、特に、2棟の高層ビルに近づく飛行機がその間をすり抜けたり、戦車の前に立ちはだかる男と一緒に戦車の乗員が踊り出すなどといった一連のアニメのアイロニーやシニカルさには、どきどきしながら思わず笑ってしまった。本来は笑えないものなのだが。

また、女性に対して息をふさいだり、水を無理矢理飲ませたり、テニスラケットで身体を捻ったりなどの直接的な暴力行為は、多少の不快感はあるものの、どこか予定調和的な、というか「お楽しみ」的な雰囲気が漂っていたように感じた。
ただし、男性の顔を本で覆い、テープでグルグル巻きにするシークエンスだけは、恐怖した。なぜならば、長髪のその男性の髪の毛も大量にテープが貼られていたからだ。すぐにまた登場すことを考えると、テープを外すときに…、おお怖っ。それは演出上の意図ではないだろうけど(笑)。

何度か裸になるシーンがあった。それはどこか滑稽であったりするのだが、それほどインパクトもなく、これは1回で十分ではないかと思った。

生理的に受け付けないところやイヤになってしまうところはほとんどなく、それはつまり、暴力的な今にいることで、麻痺していることなのかもしれない。
あるいは、単にその印象が広い空間に薄められたのかもしれない。
さらに考えると、暴力的な皮を被ってみせているだけで、それへの恐怖はあまり感じないようにしていたのかもしれない。
ただし、もっと狭い閉ざされた空間で行われたらずいぶん印象も変わったかもしれないと思う。
もっとも、暴力だって何だって、続くと麻痺するものなのだ。

VS(ヴァーサス)は、文字どおり「対」(対抗・敵対)。
観客VS舞台で対峙し、物語では科学VS精神、新VS旧など「VS」な関係が提示されていた。それには答えはなく、文字どおり提示されていただけで、ジャッジは観客にゆだねられていたのだろう。というか、ジャッジする必要はまったくないのだが。
観客はいろいろな手法で試され、挑発されていたのだろう。しかし、その挑発は、正直ピンとこなかった。意識の違い(あるいは当方の意識の低さ)に起因しているのかもしれないし、考え方が根本的に違っているのかもしれない。


劇中で打ち上げたテニスボールが、すぽっと手元に入ってきた。とっさに投げ返そうと思い、そのタイミングをうかがい、右手にテニスボールを握りしめていた。しかし、なんだか構築された世界を破壊してしまいそうなので、投げ入れることができず、そっとカバンにしまった(上映中に落としたりしたら迷惑がかかるので)。そして、そのまま持って帰ってしまった。帰りながらやっぱり投げ入れるべきだったなあと反省しきり。
HAEDのテニスボールだった。
黄昏

黄昏

劇団青年座

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/11/20 (土) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

名優は何があっても名優だと実感
この作品は、私は映画での出会いの方が先でした。

そのためか、山村想さんと確か八千草薫さんが演じた舞台を観た時は、これは絶対映画に軍配が上がると感じたものです。

でも、私も、そろそろアラ還世代となり、身近に親子仲のギクシャクしている親戚等を見ていると、今回の舞台は、自分でも予期しない場面で涙腺が緩み、やはり、この作品は、珠玉の戯曲だなあと、改めて実感しました。

たかしまちせこさんの翻訳台本も、最近の若者言葉をうまく取り入れ、古さを感じさせず、秀逸でした。

ただ、残念なのは、背景のセットが、ゴールデンポンドの広大な大自然の広がりを微塵も感じさせず、いつもの青年座の書き下ろし芝居風のセットだった点。このセットの雰囲気だけは、昔見た日生劇場の「黄昏」の方が空気感を感じました。

ノーマンが、娘の恋人ビルに嫌味を言う肝心な場面で、津賀山さんが台詞を忘れ、久しぶりに、客席にはっきり聞こえるプロンプターの声に、一瞬こちらも冷や汗でしたが、舞台上の津賀山さんと横堀さんは、全く動じる様子がなく、目も泳いだりすることもないので、やはり名優の舞台は違うと、逆に感じ入ってしまいました。

津賀山さんは、「オリバー」で拝見した時から、大ファンです。どうか、いつまでも、舞台上で輝く役者さんでいらしてほしいと心から念じてしまいました。

ネタバレBOX

取り立てて、事件が起こるわけでもない芝居で、2時間半以上の上演時間なのに、全く厭きることがないのは、やはりこの戯曲が類稀な程、人間の家族間の有り様を実に巧みに芝居に構成しているからでしょう。
時や場所を越え、家族への思いが、誰の心の琴線をも揺らす真実の心情として、脚本に表現されていて、皆が自分の思いをどこかで、反芻してしまうのだと思います。

大袈裟でない、自然な家族の会話で終始する芝居なので、男優陣に比べ、女優陣の演技過多な部分がやや目につくところがありました。
岩倉さん演じるエセルと、那須さん演じるチェルシーの演技が、より自然体だったら、もっと、感動が深まったのではと思いました。

父と娘の確執が、どうも、自然に見えず、演じられているという雰囲気が否めず、そのために、もう一歩前のめりで、舞台に引き込まれなかった気がして、やや残念でした。
りんごりらっぱんつ

りんごりらっぱんつ

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

競泳さん。
素晴らしい。ありがとう!

jam 【活動休止公演】

jam 【活動休止公演】

グリング

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/12/09 (水) ~ 2009/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

ありがとう。
おもしろかった。。

夜のジオラマ

夜のジオラマ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2010/11/19 (金) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★

“台詞の密度が濃い”
という印象の芝居でした。
ストーリーも面白かったし、
どの役にも見せ場があり、
無駄な感じがありませんでした。


初見の劇団です。
お手洗いに可愛らしい飾り付けをしてあったり
チラシが入っている袋が布製のエコバックだったり
アンケートを書くと抽選で景品がもらえたりと
わたしにとっては目新しいことが満載でした。

ネタバレBOX

不動産屋が時を司り
部屋の押入れが時空の入り口という設定で、
2010年から2040年までの
ある親子のそれぞれの人生が描かれてゆく。

家族の話なのかと思っていたら、
娘が狂信的なカルト宗教の団体から
身体を張って世界を守る闘いが軸になっていて、
そこに母親の苦悩であるとか
息子の孤独であるとか
きちんと家族の心情も絡めてありました。

2040年の携帯電話がイヤホンタイプだったり
2020年代の娘の協力者がアンドロイドだったりと
未来感も上手く挟み込みながら
だんだんスケールの大きな話に広がっていって、
いったいどうなるのかしら?と思っていたら
最終的にはうま~く着地させてありました。

特に好きだったのが、
アンドロイド役の村岡あす香さん。
感情が有りながらも無機質な感じが
よく表現されていたと思います。
『三丁目6番地のオズの魔法使い』

『三丁目6番地のオズの魔法使い』

CAPTAIN CHIMPANZEE

テアトルBONBON(東京都)

2010/11/17 (水) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

COVER / Rose+

COVER / Rose+

reset-N

ザ・スズナリ(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

観劇

取り立てや お春

取り立てや お春

明治座

明治座(東京都)

2010/11/01 (月) ~ 2010/11/26 (金)公演終了

満足度★★★★★

ケチの付け所が殆ど無い・・・・
細かい伏線、豪華なキャスト、楽しめる周り舞台。
最後は、ラッキィ池田氏振り付けのショウタイムって!
至れり尽くせりの3時間でした。
えーい持ってけドロボウ!
星5つくれてやるわー

ネタバレBOX

観客、ご高齢な方多く傍若無人でした・・・・。
芝居始まっても、おしゃべり続ける人。
紙袋・ビニール袋をカサカサ鳴らす人達・・。
人生の先達者達よ、あまりにマナーが悪いぞ!
もうすぐ、お迎え来るなら。
「飛ぶ鳥後を濁さず」にしましょうよ。
「旅の恥はかき捨て」はみっともないよ。

座席で食事できるのは嬉しかったが、
周りの方々の豪勢な芝居弁当は、見ていて羨ましかったなー。
時間と金のある先達者は・・(以下略)

散りばめた伏線が、綺麗に生きたのは見事でしたが。
唐突に出現した「水戸の縮緬問屋」の御老公が、
いきなり主人公に、1両恵むよりも。
義賊「真田小僧」が、いきなりチャリーンと小判ばらまいていく方が、
納得は出来たと思う。 (鼠小僧みたいな設定だったんだしねぇ)

これ位かな、気になったのは。

最後、花道使って船で退場するのは驚かされました。
ホントに良く出来ていて愉しめました。
ジゼル・ヴィエンヌ『こうしておまえは消え去る』

ジゼル・ヴィエンヌ『こうしておまえは消え去る』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2010/10/30 (土) ~ 2010/11/03 (水)公演終了

満足度★★★★

日本では中々出会えないと思う。
男と女と暴力と殺人、そして森と霧。日本人の感覚だと中々産み出せない作品だと思う。

まず、装置に度胆を抜かれる。

あれ、

にしすがも創造舎に森が出現してました。

どこから持ってきたの!?ってゆー大木がにょっきり、にょき生え。踏みしめた落ち葉の音すら超リアル。

それらを覆い隠すように時折、出現する霧。

半端ない霧。

音楽がまたカッコいい。

森を怖いと感じるアノ感覚を、廃校の体育館で再現しちゃったのがトテツモナイ。

日常の中から非日常へ踏み込んでしまって「不味いぞ」と分かっているのに引き返せない、不安なんだか、通り越して気持ち良くなっちゃってんだかってゆーアノ感覚が鮮やかに甦らされる。

そして俳優の存在。
台詞を発さなくとも雄弁に語られる身体を通して、舞台の森を更に身近に感じる。


東京の都会ど真ん中の室内で森を体感する不思議な舞台でした。

視覚と聴覚を完全に支配される、それは美しい舞台でした。

ロジェ・ベルナット『パブリック・ドメイン』

ロジェ・ベルナット『パブリック・ドメイン』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

池袋西口公園(東京都)

2010/10/30 (土) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

本当に西口公園で驚いた。
『出演者はアナタ。実物大ボードゲーム演劇が池袋に登場!』
フェスティバル/トーキョーの総合チラシに書いてあった煽り文を見てから気になって仕方なかった。

観てきました。というよりは、参加してきました。がしっくりとくる作品でした。

何だか精神分析のテストを受けてるようだった。膨大な量の中に、大事な質問が入り交じっているんじゃないかと思わせられる。

私と何かを測る非常によくできた物差しって感じ。

価値観だったり人生観とか、他人と測って分かること。集団対個人、生まれた場所によって考え方はぐっと変わるってことを目の前で認識しました。

設問が用意周到で感心した。時に皮肉やブラックジョークが効いていて面白い。またどんな立場でこの作品を楽しむのかも、観客それぞれの選択次第なんだなぁ。

1人で行って十分楽しかったけど、カップルで行くと更に楽しめたと思います。

ネタバレBOX

「拳銃を持ったことはありますか?」

って質問に反応する人がぽちぽちいて驚いた。でもこれが、アメリカやスペインだったらもっとたくさんの人が反応したのかなぁ。

印象が残った質問
「あなたは芸術家ですか?」
「あなたの外見は、あなたの地位を本来より低くみせていますか?」
「あなたの発言や考え方には、親の責任がありますか?」
「あなたはマイノリティですか?」


何の質問がひっかかるかで、また人によるんだろうなぁ。

観劇後は「劇場とは何か?」を考えさせられました。

「何の為に劇場へ足を運ぶのか?」

舞台と客席の境界をとっ払った空間で問われたことに意味があるんでしょうね。

BATIK『あかりのともるかがみのくず』

BATIK『あかりのともるかがみのくず』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2010/11/09 (火) ~ 2010/11/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

きらきらひかる、ファンタジー
<おかあさん>をテーマに繰り広げる130分の大作。


ダンスの公演を観て初めて号泣した。私たちは皆、母から産まれてくるとゆー当たり前で当たり前じゃない奇跡の一瞬に涙したんだと思う。

静寂と喧騒を繰り返す様は祝祭と葬列が入り混じった、さながら命のパレードのようである。

<母>なるものを突き詰めた黒田育代の思考の旅を追体験する舞台。拒否反応を起こす人もいるであろうってほどの強烈な世界観。

包み隠さず曝け出された生々しくも不思議な空間に引き込まれました。

黒田育世の圧倒的な存在。
赤いワンピースを纏った彼女の奔放な動きに目が離せなかった。

『あかりのともるかがみのくず』……不思議なタイトルだなと思っていたけれど、鑑賞後は納得のタイトルになりました。なるほどなぁ。



鑑賞後、色んなことを考えたくなる舞台でした。

ネタバレBOX

言葉の効果が素晴らしかった。

アフタートークで黒田育世さん自ら「身体を追い詰める為に言葉を使う」と言っていたけれど。

その追い詰められた肉体から発する言葉の力に圧倒される。

クライマックスに叫ぶように繰り返される言葉は一連の詩のようである。
その一部の、

「私に宿るはずのお母さんのお母さんのそのまたお母さんになっても良いように、赤い獣になって待っています」

この言葉が強く印象に残る。合わせ鏡のように果てなく続く命の廻りをよく表現しきったなと思う。


幕切れ後、舞台上に無数に咲いた赤い花が、水に浮かぶ蓮の花のように美しかったです。
おまつりしましょ

おまつりしましょ

劇団娯楽天国

TACCS1179(東京都)

2010/11/25 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団娯楽天国本公演初日観ました。
劇団娯楽天国本公演
「おまつりしましょ」初日観ました。
今年でこの劇団をみ始めて8年目。
益々凄さを出してくる劇団になっています。
毎回世相を反映させ、世の中の矛盾や人間の本質に迫る。
そこを、面白く、可笑しく、またホロリとさせてくれれのが、
この劇団の真骨頂!
今回も、よく出来た本で、東北の田舎が舞台とやや異色。
方言を使い役者も頑張っている。
もちろん舞台美術は必見ですよ。

しかしやはりその場で観て感じるのが芝居。
ぜひ、劇場でご覧あれ!

劇場に行こう!

ハイイロノ・ド・ンゾコ [皆様、応援ありがとうございました!大盛況のうちに公演無事に終了いたしました。これにて休止させていただきます。ちょっと充電してきます…では、また。]

ハイイロノ・ド・ンゾコ [皆様、応援ありがとうございました!大盛況のうちに公演無事に終了いたしました。これにて休止させていただきます。ちょっと充電してきます…では、また。]

サルとピストル

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/11/25 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

たけのこ、タケノコ、にょっき、き!
ってセリフがあるのですが、私は好みのタイプの変態ぶりでした?なんだか、わけわからないけど、熱い思いとロマンを感じる姿に、ノリと勢いで引きずられ、楽しかったです。スピード感溢れる中で、手錠やら包帯で縛られながら、見え隠れする、純粋さや独占欲も有り。アフタートークでも話が出ましたが、無意味に向かっている、かっこ良さは、体感の価値、ありました。

ネタバレBOX

マリッジブルーの主人公の妄想が、劇場内、上から横から後ろからと現れ、暴れるんだけど、手錠やら包帯と形は変えているが、いろんな事から縛られる社会に対しての、反発なのか憧れなのか、下着泥棒!
真剣さに、なんだか、バカバカしく笑いつつも、愛おしさもありました。
演劇で、よくありがちな妄想や回想、入り込めないと、そのままで終わってしまう私も、多々あるのだが、サルピス的妄想は、テンポの良さと、役者さんの力量で、楽しめました。

パトリオット(園田シンジさん)とフェマリーゼ(内田晴子さん)の、引力、良かったです。
フェマリーゼとマーガレット(薬師寺尚子さん)の、被りものは、ちょっと変わったターバンかと、思いきや、、、まさか?役者さんの迫力と、ヘアーアレンジが、決まってました。

初見で、休止、残念ですが、今後の動向が、気になる存在です。

『りすん』

『りすん』

七ツ寺共同スタジオ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2010/10/21 (木) ~ 2010/10/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

「りすん」のこと。
天野天街の演出で夕沈が振り付けするので見たいと思い。東京には来ないらしいので。じゃ行くか、名古屋。とするっと決断。

原作の小説好きな友人を道連れにいざ名古屋。

私はその小説を全く読んだことがないんだけども、地の文が無くて台詞だけなんだそうです。実験的な小説を書く作家だそう。

ま、胸を膨らませていざ観劇。中に入って衝撃。七ツ寺共同スタジオが予想よりも小さくてびっくり。なのに大入り満員、開演時間になっても客足が絶えない。
や、よくお客さん全部はいったなぁ。


舞台は病院の一室、カーテンで仕切られたベッドの上には入院している妹、傍らには兄。

繰り広げられる会話、会話会話。

繰り返され意味が変化していく言葉、ループする時間が進み変化し境界が曖昧になる。


全てが絶妙なバランスで成立している。

兄妹の会話がエキセントリックで美しい。

とんでもないことが起きているのに、それが普通にみえてしまう不可思議。

会話に内包されたモノが
琴線をチクチク刺激する。

分からないけれど、胸にこみあげてくる『うわ~っ』て気持ち。

頭で理解するのでなく肌で感じる舞台である。

衝撃の2時間10分。
とんでもないものを観てしまった。

名古屋まで足を伸ばした甲斐がある、素晴らしい舞台でした。それは間違いがないのです。今現在、自分の中の今年の舞台ベスト1でございます。

ネタバレBOX

出鱈目に歌うビートルズ「べいべな」って響きがほどく優しくて好きでした。

夕沈ダンスと文字の投影がクライマックスを否応なく盛り上げていて良かった。「宇宙って狭いね」って台詞とは裏腹にものすごく広がりを感じて、そのギャップに胸が締め付けられ涙が出そうになりました。



幕切れ。兄が1人舞台上に立っている。客席から妹の声「ポンパッ!わたし、そとにでれたよ」

このラストが幸福な結末なのか残酷なのか、悲しいのか、切ないのか。


現代能楽集Ⅴ『「春独丸」「俊寛さん」「愛の鼓動」』

現代能楽集Ⅴ『「春独丸」「俊寛さん」「愛の鼓動」』

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2010/11/16 (火) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラストの演出にホロリ、ポカリ
いやぁー好きな作品でした。観るかどうしようか悩みつつちょっとしたきっかけで観ることができました。ぞくぞくしたりわらったり。。。舞台美術、衣装、そして振付が良かった。社会的なこともドキッと伝わってきて、、、。ベンガルさん大好き!!

THE HONEST VILLAGE

THE HONEST VILLAGE

ジーモ・コーヨ!

OFF OFFシアター(東京都)

2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

謎解きモノ
コメディですがこの作品は謎解き要素ありですね。
笑わせようとしながら空回りな前半のコントが痛すぎ
ますが、そんな前半にも微妙に伏線が張ってあり油断
できません。
後半から謎を解き明かすべく物語が展開していきます。
最後のほうになって、そういうことか!と唸る。
チープではありますが衣装にも凝ってますね。
いや、凝る理由があったのか。

劇場が狭く、平日でも満席でした。
これから観に行かれる方は、予約可能であれば予約し
たほうがいいかも。

架空の箱庭療法

架空の箱庭療法

Nichecraft

東中野レンタルスペース(東京都)

2010/11/20 (土) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

満足度★★

試みは…
面白いと思いますが
ジオラマと写真が主役なのに
写真の画質が悪すぎません?

ジオラマの方の写真なんて
誰が誰やらでした…

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