黄昏 公演情報 劇団青年座「黄昏」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    名優は何があっても名優だと実感
    この作品は、私は映画での出会いの方が先でした。

    そのためか、山村想さんと確か八千草薫さんが演じた舞台を観た時は、これは絶対映画に軍配が上がると感じたものです。

    でも、私も、そろそろアラ還世代となり、身近に親子仲のギクシャクしている親戚等を見ていると、今回の舞台は、自分でも予期しない場面で涙腺が緩み、やはり、この作品は、珠玉の戯曲だなあと、改めて実感しました。

    たかしまちせこさんの翻訳台本も、最近の若者言葉をうまく取り入れ、古さを感じさせず、秀逸でした。

    ただ、残念なのは、背景のセットが、ゴールデンポンドの広大な大自然の広がりを微塵も感じさせず、いつもの青年座の書き下ろし芝居風のセットだった点。このセットの雰囲気だけは、昔見た日生劇場の「黄昏」の方が空気感を感じました。

    ノーマンが、娘の恋人ビルに嫌味を言う肝心な場面で、津賀山さんが台詞を忘れ、久しぶりに、客席にはっきり聞こえるプロンプターの声に、一瞬こちらも冷や汗でしたが、舞台上の津賀山さんと横堀さんは、全く動じる様子がなく、目も泳いだりすることもないので、やはり名優の舞台は違うと、逆に感じ入ってしまいました。

    津賀山さんは、「オリバー」で拝見した時から、大ファンです。どうか、いつまでも、舞台上で輝く役者さんでいらしてほしいと心から念じてしまいました。

    ネタバレBOX

    取り立てて、事件が起こるわけでもない芝居で、2時間半以上の上演時間なのに、全く厭きることがないのは、やはりこの戯曲が類稀な程、人間の家族間の有り様を実に巧みに芝居に構成しているからでしょう。
    時や場所を越え、家族への思いが、誰の心の琴線をも揺らす真実の心情として、脚本に表現されていて、皆が自分の思いをどこかで、反芻してしまうのだと思います。

    大袈裟でない、自然な家族の会話で終始する芝居なので、男優陣に比べ、女優陣の演技過多な部分がやや目につくところがありました。
    岩倉さん演じるエセルと、那須さん演じるチェルシーの演技が、より自然体だったら、もっと、感動が深まったのではと思いました。

    父と娘の確執が、どうも、自然に見えず、演じられているという雰囲気が否めず、そのために、もう一歩前のめりで、舞台に引き込まれなかった気がして、やや残念でした。

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    2010/11/26 03:59

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