満足度★★★★
名優は何があっても名優だと実感
この作品は、私は映画での出会いの方が先でした。
そのためか、山村想さんと確か八千草薫さんが演じた舞台を観た時は、これは絶対映画に軍配が上がると感じたものです。
でも、私も、そろそろアラ還世代となり、身近に親子仲のギクシャクしている親戚等を見ていると、今回の舞台は、自分でも予期しない場面で涙腺が緩み、やはり、この作品は、珠玉の戯曲だなあと、改めて実感しました。
たかしまちせこさんの翻訳台本も、最近の若者言葉をうまく取り入れ、古さを感じさせず、秀逸でした。
ただ、残念なのは、背景のセットが、ゴールデンポンドの広大な大自然の広がりを微塵も感じさせず、いつもの青年座の書き下ろし芝居風のセットだった点。このセットの雰囲気だけは、昔見た日生劇場の「黄昏」の方が空気感を感じました。
ノーマンが、娘の恋人ビルに嫌味を言う肝心な場面で、津賀山さんが台詞を忘れ、久しぶりに、客席にはっきり聞こえるプロンプターの声に、一瞬こちらも冷や汗でしたが、舞台上の津賀山さんと横堀さんは、全く動じる様子がなく、目も泳いだりすることもないので、やはり名優の舞台は違うと、逆に感じ入ってしまいました。
津賀山さんは、「オリバー」で拝見した時から、大ファンです。どうか、いつまでも、舞台上で輝く役者さんでいらしてほしいと心から念じてしまいました。
満足度★★★★
老いの話というよりは、
こじれてしまった父親と娘の関係が、恐らく修復に近づくものの決して修復しきれないであろう、しかしそこまで近づいたことを喜ぶべきであろう話だと感じました。
青年座ならではの
青年座にとっては、その歴史的に価値のある芝居のようだが、
そんなに名戯作とは、思わなかった。
ちょっとした台詞で笑わせる演出と俳優力は、流石だな~と思う。
満足度★★★★★
オーバーラップ
人や場所を変えてずっと上演が続けられている名作で、私自身、今回が初めてではないのですが、数年前に見た時よりも心情的に入り込んで見てしまったのは、両親が丁度あのくらいの年齢だからかもしれません。先週読んだ新聞記事で津嘉山が去年脳卒中で倒れたばかりと知り、歩き方とかボケ具合とか、どこまで演技でどこまで地なのか(本人にとっては大きなお世話でしょうが)見ていてハラハラ。ビリーの今時の生意気なガキっぷりもブラボー!