『りすん』 公演情報 七ツ寺共同スタジオ「『りすん』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「りすん」のこと。
    天野天街の演出で夕沈が振り付けするので見たいと思い。東京には来ないらしいので。じゃ行くか、名古屋。とするっと決断。

    原作の小説好きな友人を道連れにいざ名古屋。

    私はその小説を全く読んだことがないんだけども、地の文が無くて台詞だけなんだそうです。実験的な小説を書く作家だそう。

    ま、胸を膨らませていざ観劇。中に入って衝撃。七ツ寺共同スタジオが予想よりも小さくてびっくり。なのに大入り満員、開演時間になっても客足が絶えない。
    や、よくお客さん全部はいったなぁ。


    舞台は病院の一室、カーテンで仕切られたベッドの上には入院している妹、傍らには兄。

    繰り広げられる会話、会話会話。

    繰り返され意味が変化していく言葉、ループする時間が進み変化し境界が曖昧になる。


    全てが絶妙なバランスで成立している。

    兄妹の会話がエキセントリックで美しい。

    とんでもないことが起きているのに、それが普通にみえてしまう不可思議。

    会話に内包されたモノが
    琴線をチクチク刺激する。

    分からないけれど、胸にこみあげてくる『うわ~っ』て気持ち。

    頭で理解するのでなく肌で感じる舞台である。

    衝撃の2時間10分。
    とんでもないものを観てしまった。

    名古屋まで足を伸ばした甲斐がある、素晴らしい舞台でした。それは間違いがないのです。今現在、自分の中の今年の舞台ベスト1でございます。

    ネタバレBOX

    出鱈目に歌うビートルズ「べいべな」って響きがほどく優しくて好きでした。

    夕沈ダンスと文字の投影がクライマックスを否応なく盛り上げていて良かった。「宇宙って狭いね」って台詞とは裏腹にものすごく広がりを感じて、そのギャップに胸が締め付けられ涙が出そうになりました。



    幕切れ。兄が1人舞台上に立っている。客席から妹の声「ポンパッ!わたし、そとにでれたよ」

    このラストが幸福な結末なのか残酷なのか、悲しいのか、切ないのか。


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    2010/11/25 23:46

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