満足度★★★★★
「りすん」のこと。
天野天街の演出で夕沈が振り付けするので見たいと思い。東京には来ないらしいので。じゃ行くか、名古屋。とするっと決断。
原作の小説好きな友人を道連れにいざ名古屋。
私はその小説を全く読んだことがないんだけども、地の文が無くて台詞だけなんだそうです。実験的な小説を書く作家だそう。
ま、胸を膨らませていざ観劇。中に入って衝撃。七ツ寺共同スタジオが予想よりも小さくてびっくり。なのに大入り満員、開演時間になっても客足が絶えない。
や、よくお客さん全部はいったなぁ。
舞台は病院の一室、カーテンで仕切られたベッドの上には入院している妹、傍らには兄。
繰り広げられる会話、会話会話。
繰り返され意味が変化していく言葉、ループする時間が進み変化し境界が曖昧になる。
全てが絶妙なバランスで成立している。
兄妹の会話がエキセントリックで美しい。
とんでもないことが起きているのに、それが普通にみえてしまう不可思議。
会話に内包されたモノが
琴線をチクチク刺激する。
分からないけれど、胸にこみあげてくる『うわ~っ』て気持ち。
頭で理解するのでなく肌で感じる舞台である。
衝撃の2時間10分。
とんでもないものを観てしまった。
名古屋まで足を伸ばした甲斐がある、素晴らしい舞台でした。それは間違いがないのです。今現在、自分の中の今年の舞台ベスト1でございます。