最新の観てきた!クチコミ一覧

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わが友ヒットラー

わが友ヒットラー

シアターオルト Theatre Ort

駅前劇場(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

観てしまった
原作とはかなりイメージが違ってましたが、観た人の思想や立場からそれぞれの感想はちがってくると思う。
ステージがお客様にかこまれているというてんで、自分自身も歴史の目撃者になった感じ。
観てはいけないものを観たような…
でも、もう一度観たいと思う舞台でした。

最終電車

最終電車

東京ハイビーム

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/03/26 (火) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった!
すごく面白かったです。周りの友人にも、安心してお勧めできる劇団です。また、観にいきたいと思います。

『うぶな雲は空で迷う』

『うぶな雲は空で迷う』

MONO

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/03/23 (土) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

一時間半の旅
前作「少しはみ出て殴られた」と同じワンシチュエーション。
揉め揉めの会話劇なところも変わらず。面白い。
途中からオチが読めていたが、ああするしかないよな〜

アフタートークのゲストは猫のホテル千葉雅子さん。
普段から謝ってばかりの千葉さんの裏面、劇団員が辞めるときの引き止め方は恋愛観と似ている、土田さんとの曲がり角での出会い、6月の二人芝居へと続く…

MONO次回作は来年のこの時期。
また伺います。

アホとロマンの皮袋

アホとロマンの皮袋

ソウルプレイングファクトリー

テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)

2012/12/21 (金) ~ 2012/12/22 (土)公演終了

満足度★★★★★

公演直後のツイート
公演直後のツイートを見つけました。いずれ紛失していまうでしょう。いまのうちにコピペしておきます。

ネタバレBOX

 rsynrsyn ‏@rsynrsyn 12月23日
向雲太郎ソロ公演。素晴らしかったです!
今、あらためて舞踏の面白さを再認識いたしました。
観客として座席にありながら、舞踏ダンサーによるいざないで、とおい世界へ旅し、そして帰ってきた、という感覚です。
向雲太郎スゲー\(^o^)/
2012年12月23日 - 2:10 ·

rsynrsyn ‏@rsynrsyn 12月23日
向雲太郎ソロ公演。
特筆すべきは、やはり独り舞台、暗転なし、完全70分。
向雲太郎はステージに出っぱなし。
音楽による劇的なシーン展開なし、にもかかわらず、次々と展開する世界観の多様性。
ダンサーとしての引き出しの多さ、エンターテイナーとしての実力を感じました。

rsynrsyn ‏@rsynrsyn 12月23日
向雲太郎ソロ公演。
舞踏における物語性についても再認識する点がありました。
基本、物語は主人公が旅に出て、何らかの経験をし、帰ってくるという構造であるということ。
それがフィジカル、物理的なものなのか、メンタル、頭の中での旅なのか。
もちろん雲太郎の脳内の旅。


rsynrsyn ‏@rsynrsyn 12月23日
向雲太郎ソロ公演。公演後、向氏との立ち話。
映画「2001年宇宙の旅」、頭の中で、「壺中の旅」はグループで、だったけど、今回は独り。自分のインナーワールドへの旅。

rsynrsyn ‏@rsynrsyn 12月23日
向雲太郎ソロ公演。
物語的な構造をベースにしているところに、「2001年壺中の旅」以来の向雲太郎らしさを感じました。

いわゆる「舞踏的」ナルシシズム、訓練で獲得した身体スキルに依存していないということでもあります。
それはとても麿赤兒的と思います。

国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~

国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~

アロッタファジャイナ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

範囲が広い
事前情報からてっきり休憩ありの3時間だと認識していましたので、一気にお終いまで行ったのには驚きました。結局休憩なしの3時間10分でした。

ネタバレBOX

桓武天皇の皇子の頃から、彼の亡き後彼の子息が天皇になって薬子の乱が起き、また別の子息が嵯峨天皇になった頃までを描いた大河ドラマ。桓武天皇が天皇になれた経緯、最澄が僧を志すきっかけや桓武天皇との関わり合い、結果的に蝦夷征伐になってしまった蝦夷との関係、天才的空海の出現、そして最後、最澄の念願だった新しい戒壇が死後認められ、そして鎌倉仏教に繋がっていくというところまででした。

歴史アイドルというだけあってとても可愛い小日向えりさんの解説で進行しましたが、歴史を追っかけているという感じがしました。

澄んだ心の最澄を描こうとして、その背景を、関係した人々を、そうしたらこんな事件があったなどとどんどん話が膨らんでいって、何かを省略すると歴史ファンからツッコミが入るかもしれませんし、結局こうならざるを得なかったのかと思いました。しかし、こうした中では堕落した奈良仏教を立て直したという歴史的事実は説明できても、人間の苦悩故の仏教のあり方を描くのは大変だなと思いました。

実際はどうだっか知りませんが、まじないの嫌いな桓武天皇という設定には好感が持てました。医者と僧侶は違うなど、祈祷で病気が平癒することなどあり得ないと認識しつつ、また人が救われるまじないなどあり得ないことが分かっていながら、そういうものを求めてしまう人間の弱さが表現できていたことも良かったと思いました。

本公演終了後すぐ名古屋に向かわれるという本仮屋リイナさんなど話題性はありますが、年配の方の演技は申し訳ないのですがちょっと棒立ちっぽく見えてしまいました。
ゼガヒデモ

ゼガヒデモ

Guesspell Project

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

若いカップルはコレを観に走れ
いやー、映画もいいけどデートなら
こういうお芝居もかなりアリかと。

あと下手側の場内整理の女性が
サービスが秀逸でため息が出ました。
普段は何屋さんなんだろう?

コント部分も有るため都合上書きにくいのですが、
詳しくはネタバレでお願いしますm(__)m

ネタバレBOX

SAWネタがヤバかったです。
自分でも恥ずかしくなるくらい笑いました。
ですので顔が判別できませんでしたけど、
役者さんも気になりましたw

リングネタも結構好きです。
プロジェクター使いたくなっちゃいました。

スキージャンプ?ネタで下手側の黒子さんがシンドそうで
ウケました。僭越ですが黒子さんもアクトするとウケちゃうかも、
などと思いました。

〇〇%漫才あまり笑えなかったですけど、
とても好きです。応援してます。

窓の使われ方が個人的に気持ちよかったです。
終演時の捌けを眺めていると、羊が一匹、羊が二匹・・みたいで
かわいらしかったです。
アイ・ハヴ・ア・ドリーム ご来場ありがとうございました♪

アイ・ハヴ・ア・ドリーム ご来場ありがとうございました♪

ミュージカル座

六行会ホール(東京都)

2013/03/26 (火) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

歌も物語もパワフルで
見応えがありました。 個人的には初めての本格的なミュージカル、エンタメ・ショーを楽しみたい時には、直球勝負のこんな舞台がいいなと思います。

『熱狂』『あの記憶の記録』ご来場ありがとうございました!次回は9月!

『熱狂』『あの記憶の記録』ご来場ありがとうございました!次回は9月!

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/03/23 (土) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

『あの記憶の記録』:素晴らしい脚本
今日、歴史の問題を、これだけの批評性を持ち、これだけの力量で書けるなんて、、、驚きです。

そして、演技・演出も素晴らしかった。

ネタバレBOX

プリーモ・レーヴィが「灰色の領域」と呼んだゾンダーコマンド(特殊任務部隊)の問題を取り上げている。
被害者でありながら、加害者でもある、、、、その複雑な問題を、とても見事に描いている。

多くの言葉はいりませんね、素晴らしいのひとこと。


主演の岡本篤さんの演技も素晴らしかった。

また、妻役(竹田りささん)が夫を見つめる細かい演技が素晴らしいと思っていたら、物語の最後で妻は極めて重要な役割を果たした。
脚本と演出と演技がとっても有機的に繋がっていて、素晴らしいなと思った。

また、『熱狂』のリヒャルト・ビルクナー(浅井伸治さん)が、この作品にも出てきて、「えっ、同じ人?」っと一見思わせておいて、後に謎が解かれる、、、しかも、それは極めて重要な意味を持っているという、、、うまい、うますぎる。

いや~、すばらしい。



ハルメリ2013

ハルメリ2013

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

座・高円寺1(東京都)

2013/03/23 (土) ~ 2013/03/27 (水)公演終了

満足度★★★★★

ブラックPOP
新人戯曲賞の再演、コリッチでの評価も良いので観劇しました。劇場に入って舞台セットに驚きワクワクし期待大。内容は想像していたものと違いましたが終始飽きずに観ることができました。西山水木さんが唯一のベテラン?の中とても素晴らしかったです。唯一、演出の方は初めて観る方でしたが若者の動かし方が古くて(クラブのシーンとか)そこが気になりました。しかし十二分に満足できました。

ハルメリ2013

ハルメリ2013

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

座・高円寺1(東京都)

2013/03/23 (土) ~ 2013/03/27 (水)公演終了

満足度★★★★★

現代の状況と向き合う意志
現代の、特に若者の一部に特徴的に存在する心理状況を見事に捉え、デフォルメを加えることで、ドラマに仕上げている。

この時代と向き合おうとするその意志が素晴らしかった。

演出もとっても現代的で面白い。

ネタバレBOX

現代の若者の一部が持っている特徴(競争しない。自己肯定。相手にも優しく、自分にも優しく、、、、など)をデフォルメし「ハルメリ」という現象として描いていく。
まるで、宗教か、病の一種であるかのように。

それは、若者の文化から始まって、老若男女を巻き込んでブームは広がっていく。少し前の(今でも流行っている?)スピリチュアルブームなどにも重なって見えなくもない。
若者文化へ批評でありながら、今日の社会全体に広がっている普遍的なムードへの批評にもなっている。

批評と言っても、単にそのような在り方を上から目線で批判している訳でもない。それは渦中の問題であり、そう簡単に相対化できるようなものではない。だからやっかいなのだ「ハルメリ」は。
事実、何人かの登場人物が「ハルメリ」を相対化しようと試みるも、その相対化さえも、見事に「ハルメリ」現象に呑み込まれていく。

また、「競争しない」という姿勢が、「でしゃばるもの、突出するもの」を否定する、攻撃するというところにまで至る。
共産主義や、一部の新興宗教が、理想や理念と真逆の末路を辿ったものとも重なって見えなくもない。また、現代社会のありようそのもののようにも見える。

そんな中で、高橋ユズルという登場人物がとても興味深い。
「ハルメリ」現象への批判をするコメンテーターであったにもかかわらず、
「お前の在り方こそハルメリだ」というような問い詰めをされ、自殺してしまう。
そして、自殺した後、本物の高橋ユズル(の霊)なのか、高橋ユズルを語る別の人物なのかわからない者(それ自体がハルメリ的)が、ツイッター上に現れ、
まさに原義的な意味での「ハルメリ」の思想のようなものを語る。
そして、一度は、高橋ユズルこそが真の「ハルメリ」を語るものだということになりかけるも、その現象さえも、アイドル・梅津りん子の策略か本音かわからない行動で相対化されてしまう。

今のマスメディアの、、、ある人物を持ち上げたと思ったら、急にてのひらを返して徹底的に攻撃するなどの現象をよく表している。


それを群像劇で描いているので、その「マス」の問題がダイレクトに伝わってくる。ツイッターの画面が舞台と連動しているなども、その感じをより助長する。

そういう意味でも、この脚本が描いている世界を、見事に演出もできているのだ。


と、一方で大絶賛する自分もいるが、もう反面、評価に迷う自分もいる。
劇全体としては、そのような凄い脚本・演出だなと思う反面、
役者の演技が全く心に迫ってこないのだ。

でも、それは、突出した人間なんていらないという「ハルメリ」世界を描いているのだから当然だ、とも解釈できる。
群像劇であり、断片的であり、ある特定の人物の心理に深く入っていくような描き方はされていないし、その必要もないのだが、、、、

何か身体的なものが抜け落ちている気がしないでもない、、、、

でも、それこそが、「ハルメリ」の世界なのだと考えると、納得せざるを得ない。

いずれにせよ、凄い作品。

マシーン日記

マシーン日記

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

オズの魔法
面白い。

ネタバレBOX

イカれたアキトシ(オクイシュージ)の工場にケイコ(峯村リエ)がやってくる…。

サチコ(鈴木杏)…ミチオ(少路勇介)に強姦されなぜかその兄・アキトシと結婚することになった、頭の弱めな女性。いじめられっ子だった学生時代に、担任であったケイコのおかげでいじめを回避する。夫のイカレ具合に嫌気がさしミチオに連れ出してとせがみ、夫を鈍器でボコるが、結局ケイコに絞め殺される。中卒。
ミチオ…アキトシの弟。強姦の件で鎖で足をつながれたままとなる。破天荒に見えて一番常識人に近いかな。家電の修理にかこつけて盗聴器を組み込み、盗聴を楽しむ。浮いてた過去を知る奴らを排除したいと思っている。
アキトシ…サチコの夫でミチオの兄。工場を経営するキチガイ。指が六本あり、時期によってキテレツさが上下する。サチコにボコられ死んだと思われたが、復活。工場を焼き払おうとするところをケイコに阻止され、ワニに金玉を喰われる。高卒。
ケイコ…元サチコの担任。数学的な思考をもつため、いかにも日本人思考なサチコをストレスに思う。サチコと同様のいじめられっ子男子と結婚するが、ミチオと同棲し、子を宿す。ミチオのマシーンになるといって、ミチオの過去を知るモノを消すため街に火を放つ。

とかくパワフルな舞台。奇人の奇行だけってワケでなく、人間臭さが滲んでた。笑えるシーンもセリフが潤滑油になってて、マイケルジャクソンなダンスシーンとかエンタメ色もキッチリぶっこんでて120分楽しめる。
仕事帰りにみて元気が出る舞台だった。
生憎(あいにく) ―それはただひとつの合図―

生憎(あいにく) ―それはただひとつの合図―

オフィスコットーネ

笹塚ファクトリー(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題646(13-071)
19:00の回(雨~曇)。18:40会場着、受付(全席指定)、入場。最前列はミニ椅子、2-3列目はパイプ椅子でここまで平地、4列目からひな壇。演出に「てがみ座」の作品を手掛けていらっしゃる扇田さん、それにオノマリコさんの作品(STとCOREDO)などでみている斉藤さん、「空っぽの騎士」の間瀬さんが出演していらっしゃるのでみにきました。

薄暗い舞台、工事現場で使うような鉄パイプが30本くらいでしょうか組まれ、牢獄のような異様さをみせています。デスク、ベッド、テーブルに椅子。下手に薄汚れた時計、上手は絵、真ん中には高い位置にミニブランコ?...19:00前説、19:03開演~20:43終演。広い舞台に役者さんが8名、照明が絞られ、上手からゆっくり登場..ここで相当なゾクゾク感。カフカ「審判」は読んだことがなく、劇中のカフカの「言葉」も知りませんが、照明、BGMの使い方、役者さんの立ち位置に寸分の狂いはなく、すべてのことがひとつひとつの動きやセリフとして結晶化しているようでした。

悲劇、破滅以外のなにものも認めないような舞台の空気。一度も陽が当たったことがないような冷え冷えとした空間、殺したのかそうではなかったのか、渾沌、澱んだ関係、生命...

次回作は長田さんの「凪の樹海」こちらも楽しみ。箱田さんがいらしたのでご挨拶。

ネタバレBOX

みるのは洋画ばかりでしたので大森さんのお名前、知りませんでした(「星になった少年」はタイトルだけ知ってました)。サイトの「見えざる審判」を読んで…「選択」できる(できていると思っている)のだろうか、毎日のくり返しが積み重なり、ぶ厚い層となり、ある時、自らの重みに耐えられず、崩れ近くにいる「者」を飲み込んで行く、たとえてみると、底なし沼の湖面で生まれた者に沈むこと以外に「選択」する余地はあるのだろうか…とか、いろいろと。
『うぶな雲は空で迷う』

『うぶな雲は空で迷う』

MONO

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/03/23 (土) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

キュートな窃盗団
チラシをみても何を見ても、「ダンディーなSF会話劇」とあった。
だから、今回、MONOはダンディーを目指すのか、と思って期待しながら劇場に向かった。
でも、実際、あれはダンディーだったのだろうか???

5人の窃盗団が、船の中で繰り広げる失敗→言い訳の繰り返し。
あっという間に時間は過ぎ、期待したことは自分の元に訪れることはない。
ある種の絶望さえ感じてしまうけど、その様子が滑稽で、それを演じるMONOの皆さんがとてもキュートでした。
それぞれのキャラクターが持つ魅力と役者さんの演技力の素晴らしさ、見事なチームワークによって生まれる会話のズレが面白かったです。

前回の「少しはみ出て殴られた」に見られる、バイオレンスな部分や目を背けたくなるような部分はなくて、むしろ笑えるんだけど、胸にズシッとくる台詞が散りばめられていて、さすが土田さんだなぁ・・・と感心しました。

ここ数日、複数のストーリーが絡み合ったお芝居を見ていただけに、1つの芝居を落ち着いて見ることができ、充実感を感じた。

ネタバレBOX

結局、元に戻ってくるという結論で終わるわけですが、何か大きなことを夢見るのではなく、足元を大事にすることが重要なのかな?なんて考えて家路に着きました。
デカメロン21~或いは、男性の好きなスポーツ外伝~

デカメロン21~或いは、男性の好きなスポーツ外伝~

ナイロン100℃

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2013/02/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★

きらびやかなお芝居
性にまつわるストーリーがいくつも繰り広げられ、その1つ1つに濃密なエロスを感じた。
初めて見るナイロン100℃は、煌びやかで「派手!」という印象だった。
結局は、つまるところ「エロ」だよ!と言われているような気もしたが、何か生きるってものすごいパワーが必要で、そのパワーを見せてもらったようなそんなお芝居でした。

キャッチャーインザ闇

キャッチャーインザ闇

悪い芝居

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/26 (火)公演終了

満足度★★★

突き抜けた先には?
若い感性が溢れるお芝居という印象の強いものだと思いました。
テーマが「闇」で、3つのストーリーが時には絡み合い、時には並行してすすめられていく中、自分たちが今進んでいる道(人生?)の先には一体何が見えるのか、私は何を目指しているのか、そんなことをふと考えました。
今回、突き抜けた先に見えるものを3つのストーリー、それぞれにあるわけだけど、個人的には陸上選手のお話が一番胸に落ちたような気がしました。

生憎(あいにく) ―それはただひとつの合図―

生憎(あいにく) ―それはただひとつの合図―

オフィスコットーネ

笹塚ファクトリー(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

みた
台本を大森寿美男が書いたというのに惹かれて観に行った。映像作品から受けてきた印象とは随分違っていて、ミステリーと言えばいいのか家族の悲劇と言えばいいのか。でも期待外れかと言うと全くそんなことはなくて、何度か、胸をきつく掴まれてしまった。ここで感動してくれという押し付けがましさは薄くて、逆に突き放されるような感覚もある。
私は役者の半分以上を知らなかったけれども、皆さんいい眼差しと気迫だった。観てよかったし、台本そのものも読みたくなった。

【33ステージ無事終了!】「アフター・トーク 天&地」「とーく・おぶ・ざ・でっど 刻」【大感謝!】

【33ステージ無事終了!】「アフター・トーク 天&地」「とーく・おぶ・ざ・でっど 刻」【大感謝!】

JOHNNY TIME

エビス駅前バー(東京都)

2013/03/23 (土) ~ 2013/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★

作品は良かったのですが…
面白いお話でした。序盤の女子会トークから最後のどんでん返しまで、楽しく拝見しました。

ネタバレBOX

脚本では、展開のテンポが良かったと思います。死後の地獄の設定も面白かったです。伏線がしっかりしていたので、ナオとユリの悪事が明らかになる流れがスムーズでした。

ただ、台詞では、2人が、自分たちが死んだのかを聞いた時に明確な答えがありませんでしたが、明らかにしてくれた方がスッキリしました。あと、タカコが同級生だったことを告白する場面では、学校名やクラス、当時のあだなとかを言った方が自然な気がしました。本名を言われてもピンと来ない同級生は多い気がします。この前後でユリとナオの関係が変わらなかったのも不思議でした。

後半はスピード感が遅くなった感じはありますが、他の作品との関連を感じさせる内容で、興味が沸きました。

演出では、限られた空間で上手く動いていたと思います。後半に少し動きが乏しい場面がありましたが、バーの設定が生きていたと思います。対立関係も良く見えました。

ただ、客同士はかなり近づきますし、酔客に近づかれるのはストレスでした。見切れが多かったのも勿体無かったです。オープニングは低予算ながら工夫した様子が感じられました。若い劇団であれば微笑ましいのですが、キャストの年齢等から貧乏くさい気もします。バーでお洒落にというイメージと違和感があり、バランスが大切だと思いました。

音響はミスが目立ちましたし、台詞のリズムが崩れる場面がありましたが、回を重ねれば改善されていくと思います。演技力は素晴らしかったです。3人のお姉さん達のキャラもしっかりしていたし、カズマ役の草食系男子っぷりも良かったです。弱々しく鋭いツッコミが面白かったです。

場所は、あまり劇場には適していないように思いました。アルコールの匂いもダメな人用に、喫煙スペースのような下戸スペースがあると助かります。また、ワンドリンク制であれば飲み物を置くスペースを用意して欲しかったです。グラスに目一杯氷を入れられ、空調も弱かったので、喉も手元も冷えました。時季的に気候が安定しませんが、空調は気を遣って欲しかったです。

客の中には咳が止まらないのにハンカチで口元を抑えない人もいましたし、衛生面が気になりました。バーテンさんは若い女性だけあからさまに親切で愛想良く、不愉快になりました。自分の気持ちに正直な方だと思いますが、客をえり好みする態度は気分悪かったです。劇場スタッフの側面もあることを自覚して欲しかったです。

他の作品に興味を持っても、またあのバーテンと話す位なら諦める客もいるだろうと思わせる失礼っぷりでした。さらにトイレ待ちで開演が10分位遅れましたが、早めに案内をすれば良かったと思います。

作品以外の環境がかなりヒドく残念でしたが、脚本や演技力といった基本的な部分は良かったので、次回作に期待します。


大新人

大新人

ENBUゼミナール

ザムザ阿佐谷(東京都)

2013/03/26 (火) ~ 2013/03/27 (水)公演終了

満足度★★★

卒業してからが大変なのよ
奥山さんらしい血のつながりの物語だった(家族の物語とはちょっと違う)。
卒業するゼミ生を意識して書かれたと思われる戯曲であったが、「ろりえ」の舞台ような爆発力がなかったのが残念でした。奥山戯曲にゼミ生の若さが掛け合わされば、もっとすごいものができたと思うんだけどなあ。

今、出来る、精一杯。

今、出来る、精一杯。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2013/03/06 (水) ~ 2013/03/12 (火)公演終了

満足度★★★

評価が高いのは納得できる
割り引きを実施するくらい特に女性に観てもらいたいという想いは伝わったし、共感する女性も少なくないに違いない。だが、作者が同年代女性に向けたエールは面倒くさいことを十分に経てきた中年男にはあまり響かない。今回の出演者を見てダンスシーンはまちがいなくあるだろうと思っていたらそれはなく(肩透かしをくらった感じ)がっつりストレートプレイで挑んできたことに作者の演劇への滾る熱意を感じた。また観ようと思う。

赤毛のアン

赤毛のアン

劇団四季

自由劇場(東京都)

2012/09/15 (土) ~ 2012/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

名作『赤毛のアン』を観た。
浅利慶太は,若いときから「演劇の問題など何もない!」「当たるか,当たらぬかだけだ!」と豪語していた。劇団四季のミュージカルは,ブロードウェイで大ヒットしたものをリメイクして,NYまでいけない人の欲求を満たしている。今も,東宝は東宝で,ミスサイゴンをやっている。こちらもすごい。

ミスサイゴンは,オペラの蝶々夫人とどこか似ている。アメリカ人が,兵役でアジアに来て,恋仲になるが,本気にはならず捨てる。そして,母国アメリカに戻って,正妻を得るが,このことにヒロインはショックを受ける。アジアの人間は,なんかバカにされているという感じもしないでない。(でも観たい!)

浅利慶太は,「僕らの生は無目的だ!」「人間にあらゆる先験的な価値などない!」などと言う。かっこいい!スタニラフスキー・システムを目の敵にするが,これは,少しずれたものだったと言われる。浅利慶太は,劇団四季のストレートプレイの劇場を,「自由劇場」と名付ける。

浅利慶太は,哲学者で,サルトルの実存主義とか,カミュの不条理哲学にくわしい。パンフレットを作ると,父浅利鶴雄の『築地小劇場』と似ていた。彼は,自分のまわりに知的コミュニティを形成することを得意とした。1933年に生まれた浅利は,1954年に姉の自殺を経験している。

劇団四季は,1953年に慶応の仲間でたちあげた。メンバーには,日下武史もいる。当時の,気分としては,演劇活動が,過去の反ナチ,反軍国主義ばかりじゃ,それは,逃避と同じじゃないか!ということだった。

劇団四季の歴史的大ヒットは,『キャッツ』だ。左翼活動とは,距離をおくようになる浅利慶太であるが,国家権力,それと歩調をあわせる連中を嫌う。心の中で,政治的には革新をひめてもいる。

1960年前半までは,日本のミュージカルは,東宝一極だった。そして,そこは,スター中心であった。当時の劇団四季にいて,今は,東宝に移ったのは,鹿賀丈史・市村正親である。東宝は,その後,『レ・ミゼラブル』『屋根の上のヴァイオリン弾き』がある。 商業主義であるから,劇団四季やら,宝塚を嫌う意見もあるが,芸術に値する俳優養成やら,研修がほかにあったか,というと何も言えない。

今日の,日本演劇界は,哲学がない。演劇表現の確立に失敗している。知的コミュニティもあいまい,演劇人を職業的に自立させることにも挫折している。となると,市場原理では断念して,公的助成はないものか,ということになる。

浅利慶太は,助成金無用でやっていこうとした。そこに哲学があった。つまり,『キャッツ』は,T.S.エリオット原作であるし,『美女と野獣』は,ジャン・コクトー映画化のものである。

娯楽のために,劇場に足を運ぶ人間には,哲学などどうでもいい。たとえば,ベケットの『ゴドーを待ちながら』が,よほどの人気二俳優でもない限り上演で人は集まらない。市場で通じる演劇をめざすことは,浅利の真意とは遠い。

参照文献:戦う演劇人(管孝行)

劇団四季の自由劇場で,児童文学の名作『赤毛のアン』を観た。

物語の最初は,「男の子と間違えて女の子を引き取った夫婦の話」だ。赤毛で,そばかすのアンは,マシューに気にいられる。そのマシューは,アンとほんの少しの時間を過ごした思い出とともに,病死してしまう。マシューには,アンにあった粗雑な部分も愛すべきメリットに見えたにちがいない。それまで,ひとなみの愛情を注がれたことなどない孤児であったアンが,少しずつ暖かい世界で健康な少女に育っていくさまが楽しく描かれている。子どもむきの作品にはちがいないが,スーパー明るい『赤毛のアン』に,すべての者が救われる。これも又,良い作品。

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