ホテル・アムール
ナカゴー
あさくさ劇亭(東京都)
2013/11/21 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい!
始めて拝見しましたが、痴話喧嘩のなかにサスペンス的要素あり、もちろん笑いあり、最高の90分でした。(もう少し長かったかもしれません)
ちょっと卑猥な言葉がでてきますが、個人的にはそんなに嫌でなかったのは役者さんの気持ちがしっかりとのっていたからだと思います。
このお値段で、絶対に損はないと思います。
片鱗
イキウメ
青山円形劇場(東京都)
2013/11/08 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★
面白かった・・・かい?
正直、コレが舞台じゃなくて映像作品だったらもっと怖くて面白かったろうと思わせるのが残念(でも怖いの苦手なので映画だったら観にいかない)。
生身の役者が目の前で演じるホラー作品は怖がる気持ちに客席の自分を持って行くのが難しいよね。アバンタイトル的なパートが一番怖くて、後はひたすら左脳で観てしまった。
…まあ、それ以前にハナシも演出、照明、音響の手法もありきたりなホラー映画のソレなので、あのやり方で「ホラー演劇」ってムリあるかもなあ。
ネタバレBOX
ほめるところを探すと「水」ですね。水音と飛沫、水溜り。あれは「ナマだからこそのリアリティ」が五感にショックを与えてくれる。
ヴォイツェク
ttu【2017年5月末解散】
酒井理髪店 2F スペース(東京都)
2013/11/22 (金) ~ 2013/11/25 (月)公演終了
満足度★★★
変わった演出
変わった演出なれど、それがどこに向けて作られた作品かわからなかった。
ただ、商店街にある理髪店の2Fスペースでの公演というのは、興味深かった。
隣の飲み屋の客のおじさんが、公演前に並んでいる観客に声をかけていたり(演出ではない)、公演が始まってからも、そのおじさんが飲み屋でしゃべっている声が聞こえてきたり、劇場ではない空間、その場にしかない生々しさがあった。
立会川という場所自体、さまざまな歴史的背景を持っている地のようで、パンフレットに「坂本龍馬が青年時代を過ごしたことでも有名」とある。隣にある公園にも坂本龍馬像が立っていた。また、「一説には、昔、近くにある鈴ヶ森形場へ送られる罪人が、家族たちと最後に別れを惜しむために立ち会う場所ということから「立会川」と呼ばれるようになった」ともある。この歴史を背負った場所を、「ヴォイツェク」に重ねて上演されているようだ。だが、そもそもヨーロッパの話であり、上演とこの場との連なりを感じることはできなかった。
ネタバレBOX
場所と芝居との関係も、芝居内部の演出自体も、有機的な必然性に貫かれたものを感じなかった。
その逆に、有機性をあえて断ち切っているという前衛性(異化)も感じなかった。
そのため、変わった演出がどこに向かっているのか、わからなかった。
もったいないと思った。
ただ、マリー3:白井愛咲さんが足で医者を演じたのは面白かった。
アイデアが面白いというだけではなく、足できちんと医者を演じられていたと思う。
音楽の付け方も興味深かった。
即興的なノイズギター、ラジオノイズ、蓄音機風のレコードプレーヤーでのスクラッチノイズなど、音楽自体としてはそれほど新奇なものではないが、舞台に合わせてその場でノイズを付けるという作品は、ありそうで観たことがなかったので、臨場感があってよかった。
~複製技術の演劇~パサージュ3
あごうさとし
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/11/22 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★
どうってことはないですが
珍しい体験ではありました。収穫もありました。
ネタバレBOX
ベンヤミンがナチスの迫害を逃れ、ピレネー山脈を越えて逃走しようとしたものの、ビザが下りず国境を越えることができなくて、悲観してホテルでモルヒネを飲むあたりから死ぬまでの30分の話。答えは当日パンフレットに書かれてあります。
一応、ナレーションに導かれながら舞台上を動き回るので、作者の意図に従うことにはなります。暗闇に潜む者たちはぐるぐる回って歌うなどとモニターに文字が出ると、私もぐるぐる回らないといけないかなと思いましたが、躊躇してできませんでした。
3個のヘッドホンがありましたが、一つが約5分ですから、これをもしまともに聞くと30分の演劇の半分を費やすことになってしまいます。他のお客さんのことも考えると独占するわけにもいきません。ですから、観客によって見聞きする部分は相当異なるわけです。
ヘッドホンからたまたま聞こえた断片に、ビザを待っていると少年が来て今日はビザは持ってこられない、明日持ってくる、というのがありました。またまた目からウロコでした。ゴドーはビザなのか。そうか、ビザが下りなくて彼らは最終的に自殺したのか、そんな解釈もできるのかと、この日一番の大収穫でした。
青い童話と黒い音楽
ロデオ★座★ヘヴン
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
やはりいい
『深海のカンパネルラ ~B&B version~』はオリジナルよりも良かったと思いました。
ネタバレBOX
『夜鷹無限上昇』 完璧主義者の作曲家の、いったん浮かびかけた理想の曲がどうしても作れないもどかしさを描いた話。
最初の、女性記者が気持ちばかりが焦って上手く観客に説明できないというシーンは逆に浮いていて、ぶりっ子やドジっ子振りをわざわざ強調することもなかろうにとイライラさせられました。格好もオスカルみたいで変でした。
理想の曲について突きつめていくと、生涯一曲しか発表できないことになってしまいます。そこまで行かなくても、完璧を求めると、どこで完成の区切りをつけるかについてもやっとの思いで決断するのでしょうね。完璧主義者は大変です。
完璧主義振りが増大し、最後は作曲家の慟哭一人芝居のようになってしまいましたが、夜鷹が無限に上昇するイメージで理想の曲が作れるといいですね、のたれ死ぬ前に。
最初、役者さんが歩く度に床に敷き詰められた白い紙が剥がれ、ちゃちっぽいなと思いましたが、楽譜などをイメージしたもので、最後は星を映しながら撒き散らかしました。その後どうするのかなと思いましたが、そのままの状態で上手く後半につながっていきました。
『深海のカンパネルラ ~B&B version~』 45分程の短編ということもあって、銀河鉄道の夜の都合のいいところだけを読んで宮沢と旅をする空想に何度か耽りながらも、早めに宮沢の死を深海が認めたことで全体がスッキリしました。
と言うか、そもそも宮沢が死んだことを深海は自覚していて、そのため車掌さんはお医者さんではなく、治療みたいな部分も必要なく、やたら引っ張ることもありませんでした。
それでも、とつとつと二人で会話するシーンには、親友と別れるつらさが存分に伝わって来て涙しました。
マザー
劇団5454
劇場HOPE(東京都)
2013/11/20 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
小さな世界なのにスケール大。面白い。
「ままごと」の語源は「まんまごっこ」=ご飯食べるふり=生活模写だと思う(調べてない)。小さな食器や台所用品の可愛らしさといったら、古今東西変わりない。私たちの国ではひな祭りそのものがままごとだ。自分と殿と側近の人形、素晴らしい塗りのお椀や皿。若いどころかまだ少女のうちにお家繁栄のため嫁がされた姫たちの、大きなお屋敷のなかのとても小さな、でも唯一の心のよりどころであったに違いない。この「小さな、だが唯一の心のよりどころ」から、ストーリーは展開する。前作「ト音」は新人戯曲賞公開審査目前。プレッシャーに負けず、上手い&面白いで実力を見せてきた脚本演出(今回は主役も※佐瀬とダブル)春陽漁介。そして役者たちの存在感と演技もまた、ますます素晴らしいものとなっている。
ボンジュール日本
かのうとおっさん
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2013/11/15 (金) ~ 2013/11/18 (月)公演終了
満足度★★★★
色々なテイストが愉しめた♪
色々な作品のオムニバス!
前半はちょっとシュールな笑いから後半はアドリブコント、
そして定番のコントへ♪
最初は今までのかのうとおっさんではあまり見たことない
不思議なSTORY重視のシュール⁈ 作品が二本!
笑いより話しに魅入ってしまった~(^^;;
その後はお客さんからお題を貰っての得意なアドリブコント♪
いつもながらアドリブで笑いを誘うあたりはこの二人ならでは!
動物雑学コントではウサギのあれこれ♪
ホントかな⁈と思う驚きを絶妙な落とし方で笑いに変えていました!
今回の作品の中では私は1番笑いました~♪
そして、定番のコント・教えてセクシー先生シリーズはいつもの緩い笑い♪
最後はゲストのギタリストわたなべゆうさんの美しい生演奏~♪
そして「かのうの部屋」に招かれた
ゲストわたなべさんと有北さんとのセッションコント♪
ちゃっと心が折れそうだった有北さん!
色々なテイストのかのうとおっさんが愉しめた
2時間20分の長~~い公演♪
ホンキィ・トンク騎士(KNIGHT)
無頼組合
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2013/11/22 (金) ~ 2013/11/25 (月)公演終了
満足度★★★
’80というかノスタルジィというか
ほんと松田優作のTVドラマ「探偵物語」のオマージュ(^^)
観客さんも”ワカッテイル”のか男性客多しであります、
んで話もまんま、そんな感じで予定調和で進行し閉じてゆく2時間でした。
できれば冷房いれてー
あつかったです・・いろいろと・・・
ネタバレBOX
でー依頼の女性とのカラミで話は進むのだが、まぁ王道です。
風吹ちゃんとの過去の繋がりに、巨悪の暗躍。
使えない警察に頼れる仲間ときて最後は悲しい別れ。と
いや20世紀ならそれでもいいけど・・・。
21世紀の展開は身勝手ながら最後は女の裏切り
(お金全て持ってかなくても2~3束抜いてトンずらとか)
または撃たれたけど仲間の協力で実は助けてあり、
死んだことにして新しい身分をあげて裏社会から抜けさせる。
みたいな展開を期待しましたー。
シリアスな芝居じゃないよーと、
ペンペンバットみたいな玩具でバンバン叩くシーンありましたが。
そーゆーことしてるのに相変わらず皆が所持するGUNの選択が良いです。
シリアス芝居目指す方で、
銃器舞台で出す時はこーゆーセンス見せて欲しいなぁとも感じました。
See You 【観客総動員数1000人突破!】
LIPS*S
新宿シアターモリエール(東京都)
2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★
なんとなく輪郭がボヤケてる感あった
まぁ潜在意識の<機械都市>が舞台だから仕方が無いのかもしれないが、
ダンスというか殺陣のカッコ良さはあったけど・・・。
王道SFに期待していたら肩透かしーみたいな感じをうけた2時間でした。
ネタバレBOX
アクションダンス?でいいのかな、
飛び跳ねる男優さんのダイナミックな動きは派手で見応えあった。
→女性の観客多かった理由の1つかな(^^)
繭を意味する”コクーン”と呼称されるハナの潜在意識<機械都市>。
現実の時間と流れが異なりコクーンでの50年とかでも現実では6年ぐらいらしが、個人差があるのか説明無かったし。コクーン内での時間経過がよくわからない。都市内?管理局内?では銃は使えない、といいつつ後半で反乱者はバンバン銃撃ってましたが説明無かった・・・。
SFは客を説得して納得させるのが王道と思ってるので、
いまいち感が強く感じられました。
(おねがいティーチャーの主人公のような昏睡=
停滞理由をもっと説明して欲しかったなぁ→謎の昏睡状態を説明する、
みずほ先生の台詞みたいなものを聞きたかったです。)
目覚めと停滞を葛藤するハナの状況説明は納得できたが、
目覚めを象徴する船での脱出に必要なのがバッテリーって・・・・。
共感できない=大きいでしょ持ち運べるの?
プログラムロックとかかっていて
パスワードとかアクセスキーにした方が納得できます。
昏睡してて心臓弱ってるなら好都合。
人工心臓の外部ポンプ繋いでいればバイタルコントロールはし易いはず。
近未来でしょ!現実でも移植待つ患者さんがポシェット風のポータブル接続手術で日常生活送れるし・・・。説得力・状況の説明が甘いと感じました。
潜在意識下でハナの傍にいてくれた
人間側のハナといえる存在が人工心臓の象徴で、
意識下で一度死んで新生し本当にハナの胸の中に入ることで
現実での覚醒を後押しするという説明の方がより感動できた気がします。
ハナを導く白い衣装の女性を「蒼穹のファフナー」の乙女ちゃんみたく、
もっと上手に多用してもいいのでは?とも感じました。
再演ということでしたが、煮詰め方が甘かったような感を受けたデス。
(思わず徹夜で一気見してしまった「翠星のガルガンティア」みたいな
ハードSF設定+ヒューマンドラマが見たかったです)
テラヤマ☆歌舞伎『無頼漢 -ならずもの-』
流山児★事務所
みらい座いけぶくろ(豊島公会堂)(東京都)
2013/11/21 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了
満足度★
ならず者達による体制批判
F/T連携プログラムで、原作が寺山修司ということもあり、先鋭的な要素がある時代劇を期待していたのですが、体制批判の意図が打ち出されてはいたものの、個人的に好みではない作風で、全然楽しめませんでした。
幕末の抑圧された歌舞伎役者達がお上に立ち向かう物語で、繰り返される争いと、ギリシャ悲劇の様な呪われた血の繋がりとが描かれていました。
現代的な音楽がBGMに用いられる以外はオーソドックスで、かといって歌舞伎の様な様式性も感じられませんでした。
大声で台詞を言い大袈裟に動いて自身の存在をアピールする様な演技や、段取り感が表に出ている殺陣のシーンが延々と続き、疲れました。
今年の流行語をもじったり、昭和から平成の映像を流したりして、現代においても同様なことが起きていることを示唆する趣向もありましたが、あまり説得力を感じませんでした。
開演の前に、会場の向かい側の公園でプロローグが演じられましたが、偶然見掛けた人がお金を払って本編を観たくなる様な魅力もなく、わざわざ寒い屋外で演じる意義が感じられませんでした。
ペンション百万石
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★
あまり状況説明が詳しくない・・・
まぁ人の人生の覗き見芝居の様相でしたが、
できれば進行説明補足役のピエロさんが欲しかったなぁと感じました。
登場人物の多い群像劇風でしたが、いまいち全ての人物達の相関関係を把握できなかった・・・寒くなってきて灰色の脳細胞も活動鈍化してきたみたいです・・・・(-_-;) 舞台セットも綺麗で効果音などもしっかりされていましたが、とにもかくにも空調が効き過ぎて寒かったです。
『タガタリススムの、的、な。』
舞台芸術集団 地下空港
ギャラリーSite(東京都)
2013/11/14 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★
興味深い実験
中央のブラインドに囲まれたステージを取り囲むように観るスタイル、平面ではなくより立体感を感じさせる演出に斬新さを感じました! 内容は終盤になって解る時代設定ゆえの少しの謎を残して進む展開にひきつけられました! ただ、状況設定を理解するのが少し難しくも感じました。
ネタバレBOX
近い未来ではないけれど、そんな時代がきたら嫌なのと、怖さも感じました!?
ラストのどんでん返しは良かったですが、そのまた後の.... は、なくても良かったかもしれないと少し思いました!
非!リア王/ぴかぴか
妄烈キネマレコード
ナンジャーレ(愛知県)
2013/11/14 (木) ~ 2013/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★
妄烈キネマレコード「ぴかぴか」観ました
(→一本目「非!リア王」から続く)
妄烈キネマレコード二本立て公演の二本目。
こちらは、名古屋一満面の笑みが似合い過ぎる女優、澤井しおりによる作・演出。
mだ世界を見始めたばかりの少女と、世界の外からやってきた来訪者の、出会いと交流。
観客も彼女とともに、かつての、そしていまの自分を見つめなおす。
札幌ハムプロジェクト「パレパーレ星の新しい生き物」を思い出す、純粋な子供心の世界。
照明・音響も世界観を大事に構築。
役者陣もステキ。主人公は9才児にしか見えない。宇宙人がキレッキレ。
やや退屈な流れもあったけれど、大多数から好感を持たれるかわいい作品になったので、初手としては成攻でしょう。
実舞台で経験を積んで、もっとイケる作品になるといいなあ。仲間も発表できる場も持ってるし。
ひとつの団体で、ショーケース的な上演を行う意義を感じる二本立てでした。
死神様の言うことにゃ
JEWEL BEANS
上野ストアハウス(東京都)
2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★
世界はずっと深い そう思う
Danse Macabreを意識したダンスなのだろうか? それとも、只、流行りの形式を取り入れたに過ぎないのか、演出家の意図は確認していないので分からないが、ヨーロッパ人に見せたら、当然、何故、骸骨の踊りにしないのか? という質問や、様々な社会的階層を表していないのか? という質問が飛び出して来たことだろう。演出家が意図的にDanse Macabreを用いたならば、余りにも基本的なこれらの質問には即答するハズである。文化の異なる日本で、このようにしたエクスキューズはあるかもしれないが。
ネタバレBOX
こんなことを書いたのは、シナリオが余りに平板だからだ。問題意識も浅い。世の中との葛藤も感じられない。これだけ問題だらけの世の中に生きていて、常識の範囲で捉えた生き方だけを描いた所で劇作として成立すまい。
作品から具体例を挙げよう。例えば長男、性同一性障害の問題を抱えているのだが、これを掘り下げるだけで大変に刺激的な作品が生まれるし、次男の放浪にしても、10年の放浪の内実は、途轍もない題材であるはずだ。その魂の痛ましさとして捉えても良かろうし、大公開時代に設定すれば素晴らしい冒険譚が書けるであろう。三男はデイトレイダーという設定になっているが、よほどの天才でない限り、いまどき、デイトレーダーを日本でやって成功するなど時代錯誤も甚だしい。また、引き籠り、と言った所で、パソコン設備を見れば、そのトレイダーとしての程度は知れよう。今時、女子でもパソコンでプログラムを組む子も珍しくは無い。余りに勉強不足である上、演劇的な物を見付ける嗅覚も弱いのではないかと思う。
死神が現れて、余命を告げる、という馬鹿馬鹿しい設定が演劇として成立する為には、時代背景を動乱の時代に設定するなど、何が起こっても不思議でないという感覚が、観客の心理に自然に成立するような仕掛けも作らねばなるまい。(無論、それが、仕掛けだなどと、一般の観客に悟らせてはならない、が)この程度のことに作家も演出家も気付いていないとすれば、問題である。また用語解説では、アカシックレコードや世界樹について説明が為されているが、時間に一元化してしまうというのは如何か? 現代物理学の常識として時間と空間は一体であるという認識であると思うが。その辺りの意識を重層化した上でシナリオが書かれていない点でも平板の誹りは免れまい。
テラヤマ☆歌舞伎『無頼漢 -ならずもの-』
流山児★事務所
みらい座いけぶくろ(豊島公会堂)(東京都)
2013/11/21 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了
70年代のアングラ観が、広く、大きい公会堂で発揮された
「テラヤマ歌舞伎」は寒さ凍てつく中池袋公園に突如 姿を現す。百貨店のガラスの入り口にいる婦人が歩行者か、開店を待ちわびる買い物客なのか、解らぬ光景と一緒である。照らさた夜の都市公園は、たった10分間「祭り」の空間に包まれた。集いし人々はバーゲンで安い商品を購入するため 他人を押すことはない。寺山修司という怪物の面影を感じるために輪を囲む…。
「世の中を変える演劇」があえぐ相手は権力である。今年度東京国際映画祭関連シンポジウム『ーMOVIE CAMPUSー第一部『時代劇へようこそ~先ず、粋にいきましょう』で文化庁の佐伯知紀氏(文化庁文化部芸術文化課 主任芸術文化調査官)が述べておられたコメントが よぎった。つまり、戦前の歌舞伎映画は「検閲を逃れやすい。故に最もその時代性が反映された」らしい。シンポジウムのオープニングに流された時代劇映画は幕末、悪代官に立ち向かう浪人2人と百姓達を描いた<活弁付き上映>『斬人斬馬剣』(デジタル復元版)である。明らかに今この時代の政府•官僚をもじった「テラヤマ歌舞伎」は、今この時代だからこそ再び歌舞伎を持ち出さなければならない悲劇だろう。
寺山修司がカタカナの「テラヤマ」へ書き換えられ、末は「TERAYAMA」のローマ字へ変わる未来。「100年たったら見においで」というが、没後30年でカタカナ表記の男は、これからも書き換えられ続けるはず。
大人数の歌舞伎が、江戸を書き換える。大人数の歌舞伎が、幕末を書き換える。殺陣こそ 未熟であった その大人数の歌舞伎は、時代そのものを別の身体に変えてしまった。「浸る」とは こういうことを指すのか。過保護の母から離れられなかった寺山修司。主人公の青年が代わって川に棄てた。かと思いきや、母は花魁にすくってもらい、作品の中でさえも、最後まで 息子にまとわりつく。
地を渡る舟 -1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち-
てがみ座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
長田さんは、井上さんの再来かも
旗揚げから何作か拝見したてがみ座ですが、このところ、諸事情でしばらくご無沙汰していました。
久しぶりに観ようかなと思ったのは、古川さんがご出演になるのと、渋沢栄一の息子さん、渋沢秀雄さんと亡父が昔テレビ番組でレギュラー共演者だったので、私も何度か秀雄さんとは面識があったからです。
子供のころでしたから、渋沢家の事情には全く無頓着で、秀雄さんとこの芝居に登場する敬三さんの関係もよく存じあげませんでしたが…。
ですから、この芝居で描かれた物語は、私にとっては実に新鮮でした。
どこまでが虚構で、どこからが真実か、私には、わからないながら、このストーリーは、民俗学を通して、日本の戦争時代を投影する趣で、構成や演出がとても時機を得て巧みな舞台だったと感嘆しました。
大まかに分類すれば、歴史劇的な作りでもあるのに、しっかりと各登場人物に、血が通っている脚本に、敬意を表したくなります。
相変わらず、扇田さんの演出も、細やかで、技法が卓越していて、感心しました。
丁寧な長田、扇田ご両人の巧みの技に、華のある役者さんを得て、全てにおいて、申し分のない演劇だったと思います。
ネタバレBOX
渋沢敬三の奥様が、岩崎弥太郎のお孫さんだったこともこの芝居を観るまで、知りませんでした。
民俗学は、柳田國夫を知る程度の知識しかありませんでしたが、人間の記憶の保全のための大切な学問かもしれないと、この芝居を観て強く感じました。
後の世で、先人の生き方を学ぶことはとても大事なことなのに、これから、この国の人は、それすら知らない国民になりそうで、非常に恐ろしくなります。
いろいろと、人間の生き方を反芻するきっかけを与えてくれる秀作舞台でした。
朗読劇 しっぽのなかまたち3
ドリームプラス株式会社
天王洲 銀河劇場(東京都)
2013/11/19 (火) ~ 2013/11/22 (金)公演終了
満足度★★★★★
現代のペット問題を取り上げつつペットの気持ちに近づける(ような気がする)いいお話
歌手/声優の牧野由依さんの朗読を聞いてみたくて観劇。
(結構豪華な制作陣、キャストについては当日までまったく
把握してませんでした。)
ペット(犬/猫)とその飼い主達に関する短編劇をいくつか、
またその間奏に歌その他の企画が入る、という盛りだくさんな2時間。
各話内容は結構深く現代の様々なペット問題などを
コミカルに組み込みつつも必ず涙を誘われてしまうものでした。
お話だけでなく各演者さんも熱意ある語りっぷりで
良い形で気持ちを持って行かれました。
ネタバレBOX
考えてみたら牧野由依さんについては歌声以外(顔、普段の声など)知らず、
最後の話まで誰が牧野由依さんか分かりませんでした。
制作陣が朗読劇「私の頭の中の消しゴム」(2年連続観賞しました)の
脚本担当の人や、その他も有名人が揃っている事を現地で知りました。
まあ、あくまでも主体は朗読劇の演技(群読)の方だとは思っていたのですが、
「私の頭の中の消しゴム」は2度観て2度ともちゃんと感動できたので、
結構期待度上がりました。
開場時パンフ販売などは見当たらず、
「キャストとそのペットの写真」の販売をやっていたのですが、
どれが牧野由依さんか分からず買えませんでした。
(牧野由依Loveな先輩がいたので自慢したかったんですが( ´ー`))
で、開幕。
まず演奏担当らしき1人が入場(この人は結局全話の効果音から
演奏/劇間の間奏/歌からをこなす、かなり多才な人でした)、
そして物語の始まり始まり。
どこかで短編集というような話を聞いていたような気もするのですが、
現地に貼ってあった案内パンフには1つの物語についてしか
書いてなかったので「2時間長編」を想像していました。
「朗読劇の2時間長編(休憩なし)は
かなり気持ちを引き込まれるような良い出来のモノでないと
とても辛いことになるぞ」
と、結構緊張しての観劇始まりでしたが、
短編、間奏、短編、間奏~の良いテンポでの流れだったので、
いい感じに肩の力が抜けていって良かったです。
※ この朗読劇では登場人物は人もペットもみんなしゃべります。
●母親、少年(子供)、若(い)犬、老犬のお話
耳の聴こえない少年、その母親、老犬、元野良だった若犬、のお話。
老犬は耳の聴こえない少年の耳代わりになって、
炊飯器でご飯が炊けた音を知らせたり、
その他色々と少年を助けてくれていました。
しかしもう歳も歳なので、若犬にその役を継いでもらえないかと
母親は思い、そういう教室に若犬を預けたりもしたのですが、
元野良で自由に憧れる若犬は、そんな事おかまいなしに
勝手気ままに過ごしていました。
「父、母、少年、老犬、若犬、全員で来年も
あの山の向こうの花火を観よう」と約束していたのですが、
当日母親は「急に仕事が入ってしまった」と約束を破ってしまいます。
(※父はこの1年の間に亡くなってしまった模様。)
諦めきれなかった少年は耳が聴こえないというハンデをかかえつつ、
老犬、若犬を連れて、山の向こうの花火を観に徒歩で向かいます。
少年と老犬の脚では山を超えるのはかなり大変で夕方になってしまい、
1匹だけ軽快に進んでいた若犬は
「飼い犬なんてガラじゃない、コレを機にまた野良犬になってしまおう」
と逃げ出してしまいます。
そして、山を登ったあげく迷子になってしまう若犬に対して
少年と老犬が探しに来るのですが、もう真夜中。
結局花火にも間に合わず帰ろうとした所で
老犬の具合が悪くなってしまい、
少年と若犬で「助けを呼んで来るから待ってて」と
2人で山を降りようとします。
そこへ走ってくるトラック、耳の聞こえない少年は気づきません。
若犬は「ワンワン!(おい、車だぞ、危ないぞ!)」と
リードを引いて少年に伝えようとするのですが、
今まで散々勝手な行動をとってきた報いか
またいつものおふざけかと少年は取り合わず、
あわや車に轢かれる!
というタイミング、老犬がなんとか走ってきて少年と若犬に
体当たりして間一髪、みんな助かりました。
この経験を機に若犬は心を入れ替えました。
そして10年後、大学生になった少年、でかける際に
若犬に着せる服には「聴導犬」(耳の聞こえない人を補助する犬)の文字が。
母親と少年、若犬は部屋に飾られている2つの遺影(父親と老犬)に
挨拶をして出かけていく、というお話。
まず、耳の聞こえない少年とそれを助ける老犬、
この関係だけで涙腺がゆるみました。
そして、逃げて迷った自分を探しに来てくれた少年と老犬、
車に轢かれそうになった所を命がけで助けに来た老犬に心打たれ、
少年を助ける「聴導犬」になった若犬の誇らしげな姿が印象的でした。
●動物病院での一幕
・ 大きく育ったチワワと飼い主のキャバクラ嬢
・ 避妊していない発情期の♀猫とそれを溺愛する男
・ 飼い犬のゴールデンレトリバー(歳で心臓が悪い)を
妻と別れてから更に溺愛するようになった男
そして
・ 動物の言葉が分かる医師
とで繰り広げられるやりとり。
医師役1人に対して、
飼い主3人とそれぞれのペット3匹を3人の演者が順次演じ分けていく、
というのが面白い、と思えるお話でした。
・ 大きく育ったチワワを
「こんなに大きくなってこれ本当にチワワですか?」
「彼氏と旅行に行くんでこのチワワは病院にあげます」
とムチャを言うキャバ嬢。
・ ♀猫を溺愛する飼い主と、発情期の猫の発情ぶり。
・ 「ゴールデンレトリバーが心臓の薬だけ飲んでくれない」
と心配する飼い主と、
ゴールデンレトリバー側は
「奥さんと別れてから自分に更に執心して、
本人も肺の病気で死にかけたのに
ペットの自分の事だけを考え、主人は人生を損している。
主人にこれ以上迷惑をかけるぐらいならもう死にたいから
治療はしないでくれ」と医師に訴えます。
それら飼い主とペットとのやりとりの中で葛藤し、
そして、「動物の言葉が分かる自分がなぜ獣医になったのか」、
という事に立ち返り(詳細は説明されませんが)、
・ キャバクラ嬢のチワワは
「うちで引き取るから2度とペットなんか飼うな!」
と追い払い(引取先もすぐに決まり)
・ ♀猫の件は(??)どうしたか忘れてしまいました
・ ゴールデンレトリバーの件は、
「ゴールデンもご主人を心配されています、
ペットは飼い主を見ているものです、
まず自分の事を大事にして、その上でゴールデンも
大切にしてあげてください」
と諭す
という一幕。
ペットをおもちゃやマスコットのように飼う今の風潮や
ペットに依存する飼い主とそれを想いやり過ぎる
飼い主に似すぎてしまったゴールデン(ゴールデンの心情は想像ですが)、
そういったものに現代のペット社会の問題を見たような気がしたお話でした。
どこかの場面でやはり涙腺が緩んだのですが、
どこだったかちょっと思い出せません。
というか、これら全話について泣かなかったお話はありませんでした。
●保健所での一幕
保健所で明日は引取会(一般の引き取り手に気に入ってもらえれば
引き取ってもらえる、ひきとってもらえなければ殺処分)、
という状況の中で
悪ぶる不良犬4匹それぞれの今までの飼い主との関係/人生が悲しく、
またそれを人に好かれる(演技が出来る)かわいい犬にしてあげます、
と教育の為にやってきた老犬、
そのやりとりに笑い、
しかしそれぞれの犬のこれまでの人生(犬生)の悲哀に涙してしまいました。
最後、それぞれの犬について
「これならきっと引き取ってもらえますよ」
とその場を後にしようとする老犬、
老犬も引き取り手が見つからなければ殺処分なのに、
「なぜこんな事をしているのか?」
という質問に、
「15年間自分を愛してくれた飼い主が、自分が病気でもう長くないと
知ったら、死ぬ所は見たくない、と保健所へ連れてきたんです。
もう、みんな(犬達)に囲まれて自分は死にたいんです」
と何かを悟ってしまっていた老犬。
しかし、最後引取会に現れたのはかつて自分を保健所へ預けた飼い主、
そしてその飼い主が話している言葉(人語)を他の犬に訳してもらうと
「ごめん、本当にすまなかった」との謝罪の言葉。
そして閉幕。
みんな引き取り手が見つかるといいなあ・・・( ´ー`)
ペットは飼い主を選べません、
・ 散歩にもつれていってもらえずずっと家に閉じ込められていた犬
・ 何をしてもいつも殴られていた犬
・ ペットショップで自分だけかわいくない、という理由で
最後まで売れず最終的に保健所送りにされてしまった犬
・ 頭もよく人間の為に尽くしたのに結局保健所送りになってしまった犬
(ここだけ理由がよく分かりませんでした)
それぞれ悲しいドラマを持った犬達に、
「これって本当にある事なんだよな」と共感し、
そして少しでもハッピーに終わればいいなあ、と思わせられました。
演者(犬)の演技の熱さが一番光ったのはこのお話かも知れません。
●やさしい飼い主(主人公)と飼い猫♂と新たに拾われた♀猫の話
主人公が野良猫だった♂猫を拾いって数年、
ある日新たに♀猫を拾ってきます。
自分は捨てられたんじゃない、と言い張る♀猫、
しかし実は、飼い主一家に愛されて暮らしてきたけど、
飼い主一家に生まれた赤ちゃんが猫アレルギーだと分かり、
ゆずり先を探したが見つからず、最後には
どこか遠い所に放置されて何も食べ物もなく
死にかけている所を主人公に助けられた、という。
しかしある日、築50年のアパートを取り壊すから
立ち退いてくれ、と大家からの一言。
猫2匹を飼える新しい部屋を必死で探しますが全く見つかりません、
ある日「ペット1匹なら飼える家がある」と友達が紹介してくれますが
主人公は「そんなのダメだ!みんな一緒じゃなきゃダメなんだ!
この子達には捨てられるなんてそんな想いもうさせたくない」と。
それを聞いた♂猫が
「実は俺はもう飼われる暮らしに飽きていたんだ、
元野良だから外でもなんとかなるだろう、おれは出て行くぜ」
と♀猫に言い残しボロアパートの窓をこじ開けて出て行ってしまいます。
「1匹なら飼える家があるんだろう?」という♂猫のやさしさ/気遣い、
しかしそれが逆に主人公を追い詰めます。
毎日街をめぐり♂猫を探す主人公、しかし見つかりません。
そして♂猫の方もひさしぶりに出た街はあまりにもきびしく
食べるものすら見つからず死にかけてたどり着いたのは、
かつての自分の家の隣り。
ここで伏線として張られていた、
室内飼いなのに、隣りの家のババアが♂猫が庭にうんちをした、
と思い込んでいてアパートの窓にいると毎回睨んでくる、
という話が生きてきます。
♀猫が「♂猫の匂いがする!すぐそこに♂猫がいるニャン!」と
飼い主に訴え窓に近づこうとしますが、
主人公は「お前も出ていこうというのか?」と涙してしまい
とりあってくれません。
そこへ隣りのババアの人が「♂猫がうちの庭にいるわよっ!どういうことっ!」
と怒鳴りこんできた事で主人公と飼い猫♂は再会する事ができました。
最後、家が見つかったかどうかは語られませんが、
きっとこの3人(1人と2匹)はきっと離れる事はないのだろうなあ、
とやさしい気持ちにさせられました。
こんなやさしい飼い主さんがいたら幸せだよなあ、と。
各話それぞれペットに対しての今の社会問題を語りつつも、
飼い主に愛され、そして飼い主を愛しているペットと、
それを愛する飼い主との
ほのぼのと心温まるエピソードを織り交ぜた、
非常にやさしいお話だと思いました。
【気になった点】
・ 観客参加型の朗読劇、という事で各お話の序盤/中盤に、
クイズその他演者と観客とのやりとりの場が入るのですが、
毎話入るこのやりとりの中で、
「ちょっと(演者さんが)調子にのって遊びまくったり、
せっかく入り込んできた話のこしを折りすぎでは?」
という気分がしないでもありませんでした。
(素直にお話だけで泣かせてほしかったような。
しかし、それだと2時間は結構疲れてしまったのかも
分かりませんが。。。)
・ よく喋る役、あまり喋らない役、いろいろな役がありますが、
やはり熱が入ってくるとよく喋る役の方の負担は大きかったようで
噛む場面が結構見受けられました。
「それぐらい見逃せ」とは思いますが、
「一番いい場面で」となってしまうと・・・
そういう粗が結構目立つ部分もあり、
少し演技力にまだ欠けている部分があるのかなあ、と
・ 集客に困っていたのか、結構観客数が少なかったです。
わざと席数を抑えているのならいいのですが、
これだけ良いお話に3階フロアまである劇場の
1階のみかつそこも埋まりきっていない、という
(平日だからかも知れませんが)。
「少し宣伝活動その他に力を入れた方がよいのでは?」と老婆心ながら。
せっかくのいいお話、演技なのにもったいない。
ペットを飼う事に憧れる子どもたちにぜひ聴かせてあげたいお話でした。
ライク ドロシー
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2013/11/08 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
水風船
面白い。
ネタバレBOX
脱獄囚3人がある島に漂流し、マッツに連れられ、市長の元でアーティストとして生活する。そこで、マッツから島からの脱走話を持ちかけられるが、マッツの目的は兄の体を取り戻すことにあった…。
マッツ(長澤まさみ)…兄の体を取り戻すため、脱獄犯3人を使い一計を案じる。3年後、別の兄を救うべく3人に計画を持ちかける。
アクロ(高橋一生)…脱獄犯。頭悪いけど人がいい。カーマニア。詩人になった。
バイス(片桐仁)…脱獄犯。一番合理的でちょっと嫌われ者。彫刻家になった。
リオ(塚地武雄)…脱獄犯。マフィアの息子。音楽家になった。
スラー(川口覚)…市長の息子。町の平和と市長の更生を願いつつ死んだ後、市長の妹に魂を戻してもらったという体。実は戻ってなく、マッツの兄その人だった。
チュラビ(竹口龍茶)…市長の部下。心臓が小さい。リオに雑魚扱いされる。
ボーク(吉川純広)…警官。マッツに恋心を利用されている。
ザポット(銀粉蝶)…市長。天然記念物のBHGの密輸をしている。妹と対立し、反市長組織にマシンガン乱射する。スラーの次はアクロに入れ込んでいる。
市長の妹(銀粉蝶)…魂を操れる的なふれこみだったけど、全然違った。
マッツの兄(川口覚)…スラーの遺言を成就すべく、スラーに成りすます。
素直に笑える。登場人物全員に笑えるポイントがあって、上手いなと思う。とても楽しい作品だった。
素で悪役がいないストーリーで、大団円を経て、4人の活躍が目に浮かぶようなラストも後味スッキリで好感。
長澤まさみが光ってた。3人を引きずりこむお姫様な性質と見た目がいいブレンド。「ぶっ殺せ~」の時のかわいさは抜群だった。
永い遠足
サンプル
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2013/11/17 (日) ~ 2013/11/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
気持ちよく持ってかれる
光や音の「おいしさ」が豊かで半端ない、そこら辺に転がってる日常から宇宙の彼方までがホントにさりげなくすぐそばに並べられている、そんな空間と物語。
なんつーか、「宇宙そのもの」「世界そのもの」に触れた、って思うような瞬間がいくつも転がってて、ここ作り手も狙ってないだろうにー^^;ってタイミングでなんでかわからないけど不覚にも涙が出てきた。
こないだのアマヤドリといい今回といい、木藤歩の照明に照らされた役者の姿ってのはホント見蕩れちゃうなあ・・・。
楽屋 -流れ去るものはやがてなつかしき-
Dreamユニット・アンサンブル
Cafe Slow Osaka(大阪府)
2013/11/01 (金) ~ 2013/12/01 (日)公演終了
満足度★★★★
よかった!
本当に素晴らしかったです。
個性豊かな役を演じている4人が可愛くてかっこよかったです。
がっつりお芝居でしたが気づくと前のめりになりながら
観ていました。
とても面白い舞台でした!