ヴォイツェク 公演情報 ttu【2017年5月末解散】「ヴォイツェク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    変わった演出
    変わった演出なれど、それがどこに向けて作られた作品かわからなかった。

    ただ、商店街にある理髪店の2Fスペースでの公演というのは、興味深かった。
    隣の飲み屋の客のおじさんが、公演前に並んでいる観客に声をかけていたり(演出ではない)、公演が始まってからも、そのおじさんが飲み屋でしゃべっている声が聞こえてきたり、劇場ではない空間、その場にしかない生々しさがあった。

    立会川という場所自体、さまざまな歴史的背景を持っている地のようで、パンフレットに「坂本龍馬が青年時代を過ごしたことでも有名」とある。隣にある公園にも坂本龍馬像が立っていた。また、「一説には、昔、近くにある鈴ヶ森形場へ送られる罪人が、家族たちと最後に別れを惜しむために立ち会う場所ということから「立会川」と呼ばれるようになった」ともある。この歴史を背負った場所を、「ヴォイツェク」に重ねて上演されているようだ。だが、そもそもヨーロッパの話であり、上演とこの場との連なりを感じることはできなかった。

    ネタバレBOX

    場所と芝居との関係も、芝居内部の演出自体も、有機的な必然性に貫かれたものを感じなかった。
    その逆に、有機性をあえて断ち切っているという前衛性(異化)も感じなかった。
    そのため、変わった演出がどこに向かっているのか、わからなかった。
    もったいないと思った。

    ただ、マリー3:白井愛咲さんが足で医者を演じたのは面白かった。
    アイデアが面白いというだけではなく、足できちんと医者を演じられていたと思う。

    音楽の付け方も興味深かった。
    即興的なノイズギター、ラジオノイズ、蓄音機風のレコードプレーヤーでのスクラッチノイズなど、音楽自体としてはそれほど新奇なものではないが、舞台に合わせてその場でノイズを付けるという作品は、ありそうで観たことがなかったので、臨場感があってよかった。

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    2013/11/23 10:21

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