満足度★★★★★
小さな世界なのにスケール大。面白い。
「ままごと」の語源は「まんまごっこ」=ご飯食べるふり=生活模写だと思う(調べてない)。小さな食器や台所用品の可愛らしさといったら、古今東西変わりない。私たちの国ではひな祭りそのものがままごとだ。自分と殿と側近の人形、素晴らしい塗りのお椀や皿。若いどころかまだ少女のうちにお家繁栄のため嫁がされた姫たちの、大きなお屋敷のなかのとても小さな、でも唯一の心のよりどころであったに違いない。この「小さな、だが唯一の心のよりどころ」から、ストーリーは展開する。前作「ト音」は新人戯曲賞公開審査目前。プレッシャーに負けず、上手い&面白いで実力を見せてきた脚本演出(今回は主役も※佐瀬とダブル)春陽漁介。そして役者たちの存在感と演技もまた、ますます素晴らしいものとなっている。