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虹色の涙 鋼色の月

虹色の涙 鋼色の月

企画演劇集団ボクラ団義

SPACE107(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

団体としてやはり良い
いきなり脱線しますが、何度か開演前に客席に座っていると案内の人のアナウンスがうるさく感じてしまう、と言うことを書いた事がありますが、こちらは明らかに意識した抑えた声で、かつ聞き取りやすい声でやっていて嬉しく思いました。
これこれ、ちゃんとしてて良いなあ。
勿論本番舞台でもそうですが、抑えた声量でも通る声というのは技術としてちゃんとある。
こじつけの様に飛びますが、開場と同時に入れば30分、その人の声を聞くことになる。
これって下手したら端役の役者より出番?多くなるって事だよな。
やっぱり舞台に出ないメンバーも大事。
まあ、こちらの芝居は3時間くらいあるので出演者のかたの稼働半端ないかと思いますが!

今回、ノンストップで3時間15分ほどあった気がします。
予定より長引いていたのかな?
開場と同時に入っていたので4時間近く座ってた事に!
さすがに尻が痛いレベルでしたが。。

ネタバレBOX

普通の芝居ならばもうすぐラストなんだろうな、というタイミングで話が動き出してびっくりした。

舞台としてはもう少しコンパクトにまとめた方がいいのかもしれない。
ただどこをどう削ったらいいのかは思い付かない。
長い芝居を観ると、あの辺は無くてもよかったんじゃないかなあと思ったりしがちですが、そういう風には思わなかった。
とても長い小説を読んでいる気分?
小説ならばそれは長過ぎる小説なのではなく、その長さの小説、と言えるでしょうから。

大真面目に舟に乗ってるシーンはとても紙一重だと思う。
少しでも気を緩めれば、滑稽に見えるだけだもんな。

今年は、過去の再演をするプレイアゲイを含む5回の公演があったことになり、その事自体、かなり評価しているのですが、プレイアゲイをやること自体に意味を持たせて来たのはさすがだと思う。


沖野さんがゴキブリの様なイメージでのたうち回ってるとこ好き。

住んでいた場所を捨て新天地へという流れは、捨てたからといって争いが無くなるのかと考えるとだいぶ危ういですが。
どちらかというとあの一団が新天地での火種になりかねない。
でもそういった移民とか昔はあったんだろうな。

自分は観る専門ですがここの座組みはとてもうらやましく目に映る。
プレ旗揚げ公演『女海賊ビアンカ』

プレ旗揚げ公演『女海賊ビアンカ』

劇団つきかげ製作実行委員会

【閉館】AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

唯月ふうか...恐ろしい子
主演の唯月ふうかが素晴らしい。彼女は歌、芝居のレベルが非常に高く、終始安定していて、安心して観ていられた。また歌声も透き通っていて歌も上手過ぎて心地よかった。彼女には人を惹きつける凄い魅力がある。観客を惹き込む力、魅了する力、求心力、スター性、華がある。

唯月ふうかはキラキラと輝いていて観る者全てを惹きつける凄い魅力を感じた。主役を張るにふさわしく、彼女はスターの中のスターだと感じた。凄い子がいるものだと衝撃を受けた。彼女に何度も鳥肌が立ち、ゾクっときました。月影先生が北島マヤを見つけた時もこんな感覚だったのでしょう。そして何より作者の美内すずえ先生が唯月ふうかを「恐ろしい子」と評している事からも彼女の天才っぷりがうかがえます。フィクションなら幾らでも凄く描けますが、原作者にリアルに「恐ろしい子」と言わしめた唯月ふうかはまだ17歳。間違いなく末恐ろしい逸材です。
唯月ふうかは一人で舞台を良く保たせ、舞台をリードし、一人で舞台の完成度を数段上げていました。彼女の歌ももっと聴きたいと思いました。

ドラマや映画だと噛んでもNGを出しても撮り直しや編集で何とでもなりますが、舞台は一発勝負で生き物です。その舞台上でミスをせず、スムーズに高いレベルでパフォーマンスし続ける能力の高さは凄いの一言。しかもまだ17歳でこの実力は驚異。ほんと「恐ろしい子」です。あまちゃん等に出演していた若手女優などとは比べ物にならない程、唯月ふうかは群を抜いていますね。

他のキャストでは大沢逸美が良かった。悪役が似合うし、歌も演技も上手くて、高笑いが最高。もし高笑い選手権なるものががあれば優勝です。

他には美郷真也がさすが元宝塚宙組組長の実力。市山貴章は芝居が上手かった。
他のキャストもセリフが少なかったり無かったりでもダンスや歌などで得意分野を活かしていました。

全体としては宝塚などと比べると華やかさや豪華さにやや欠けるものの、 限られた予算と限られたスケジュールを考えると上出来の舞台でした。
美内すずえ先生のシナリオや世界設定、人物設定もさすがで良かった。

今回が劇団つきかげのプレ旗揚げ公演との事ですが、今回のプレ旗揚げ公演の成功で、本旗揚げ公演ではもっと予算とスケジュール的な余裕もとれると思うので、美内氏監修のもとで、劇団つきかげの更なる進化に期待したい。

今後、ガラスの仮面の作中劇を多く上演していって欲しい。美内氏のシナリオ等はやはり良いので、出演者の頑張りや、演出・脚色の出来、素晴らしい音楽、スタッフ、裏方たち全ての力が合わさり、もう少し予算と時間をかけて完成度を高めたり豪華にしていければ更に良い舞台を作っていけるはずです。

唯月ふうかは、今後も劇団つきかげの舞台で主役として活躍して欲しい。唯月ふうかは、ガラスの仮面の主人公、北島マヤや姫川亜弓といったフィクションの天才女優と比べられる大変な役です。ガラカメファンそれぞれが思い描く北島マヤや亜弓の最高のイメージと比べられるのだから最も大変な役です。ですが、唯月ふうかはノンフィクションでリアルに「恐ろしい子」です。唯月ふうかは、歌唱力とかキラキラ感とか、私がイメージする北島マヤ像を超えている部分も幾つもありました。本当にリアルに「恐ろしい子」。美内先生がそう評している事がいかに凄い事か。

折神【ご来場、誠にありがとうございました!!】

折神【ご来場、誠にありがとうございました!!】

ラフメーカー

劇場HOPE(東京都)

2013/12/03 (火) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

静かだけれど、いい物語でした。
静かな物語でしたが、いい物語でした。ありがとうございました◎

売春捜査官

売春捜査官

carne

OFF OFFシアター(東京都)

2013/11/05 (火) ~ 2013/11/10 (日)公演終了

満足度★★★★

熱血野口
ぽっちゃりをイメージしてたがやたら体がすっきりしてて野口じゃないみたいだったのでイメージ通りの肉々しい体型だったらもっと圧巻だったかも。女が持ついろんな面を体内ののあらゆる汁とともに放出するさまは野生的かつ魅力的でさえあった。植本・宮川も野口に負けず劣らずの熱演、なだぎだけがちょっと覚めた演技でいずれにしても野口を際立たせるのに成功していたと思う。

12月のシュビドゥバ

12月のシュビドゥバ

こちらスーパーうさぎ帝国

相鉄本多劇場(神奈川県)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです
普段よく利用するコンビニ、街のどこにでもあるコンビニを舞台にしたお芝居なので、
ロックな爆笑って本当にあるのか半信半疑で最初は、観劇していたのですが、芝居が進むにつれて面白さがこみ上げてきた感じです。
よく笑ってスカッとしました。
笑いだけでなくせつなさもあって、年忘れに良いものを見たという感じです。

紅小僧

紅小僧

劇団桟敷童子

ザ・スズナリ(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

裏切らない
だが残念ながら元々ハードルを高くしてるので期待以上でもない。ラストも(やはり劇場のせいもあるのか)いつもほど感動的な美術ではなく、今が秋でければさてどんな美術だったのだろうなどと思った。小さい劇場だから可能な美術かもしれないがもっと大きな劇場ならどんな仕掛けを施すのか是非見たいもの、本多に進出してほしい。最近の板垣の役どころ(年相応なのかもしれないが)が不満も大手など若手の成長もありますます劇団力が強くなっている。

性病はなによりの証拠

性病はなによりの証拠

ブラジル

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

無題921(13-360)
19:30の回(晴)。18:50会場着、受付(開始は18:45、渡されたチケットに整理番号…受付順、あり)、そのまま並ぶようにとのこと。19:00開場、チケット事前購入済みの方から中へ。中央に黒いシートで覆われた正方形の舞台、囲うように客席(4面)。入口からみて、左右2列、手前・奥4列(パイプ椅子)。説明に書いてある通り…シートの下はボートだとわかります。周りは人の「海」。

ボートは対角線上にセットされています。真横(舷側)よりも、やや斜め、ボートの前or後もみえる位置がお勧め、役者さんはポジションを変えるので、どこがみやすいということはほとんどないと思います。

19:31前説(120分)、嵐が近づき、19:35開演〜21:32終演。

ネタバレBOX

すみません、ちょっとあいませんでした。

明転、ボートに8人すし詰め、そもそも大波くらってこの状態でいられるのか、服装(救命胴衣はどうした)も嵐に備えていたように見えず、交わされる会話に切迫感なく、病気(竹毒…松竹梅の「竹」だそうです)だけが確実に進行、反吐を撒き散らし(最前列の方はご注意)、マシュマロが飛び、一人また一人と海に消え、ボートのスペースは拡がるが、このタイミングで感染者が最後を迎えるのはできすぎと思ってしまう。

炎天下…強い日差し…明るい照明のためか物語に入ってゆくのに苦労する。

狭い空間に各人が背負っているものも無理やり押し込み、一皮剥いたらグロテスクな顔がみえてくる。

設定は面白いと思うのですが、「動き」が制限される状況なので「会話」中心。それをここで話してどうなる???…「苦笑系密室劇」…なのに笑えませんでした。
東海道四谷怪談―通し上演―

東海道四谷怪談―通し上演―

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

木ノ下歌舞伎「東海道四谷(×四ツ谷)怪談」アフタートーク観ました(笑)
 いま気づいたら、F/T前から「四谷」を「四ツ谷」と書いていた。。。(だから雑だと言われるんだ 怒)


(第三幕から続く)


 終演後は、毎度恒例のアフタートーク。
 相変わらず、おーじ×木ノ下先生の歌舞伎LOVE、調子に乗った掛け合い漫才のようなトークが楽しい。
 観客をぐいぐい巻き込むオーラ。何時間でも聞けるなあ(笑)
 これを聞くと、またキノカブを観に行きたくなるという洗脳効果。
 
 これだけで一公演がっつりやればいいと思う(トークショーともいう)


※トーク中、実況でツイートした内容をネタバレBOXに入れました(隠すことではないけれど、仕分けとして)。
 
 木ノ下歌舞伎理解の参考になれば幸いです。

ネタバレBOX

・伊右衛門を包む脇役の群像劇
・通し上演で分かる事
・木ノ下歌舞伎の旗揚げ公演、いつか通したかった

・完全コピーで自分たち にはできない事を体で理解、ではどうやるか

・七五調でない言いにくい台詞
・今では分からない口語体
・上演時期と設定背景の時代の差異が言葉にも
・テキストの言語体ミックスを演出にも
・役、相手、感情で可変
・分かる分からないのスレスレ狙う
・ 一字一句変えないのでなく、現代にスライドさせる原作主義

・時代を行き来してお客さんがイメージ、違和感やミクスチャー
・異化効果、髪すき+流行り歌→バラードラブソング→ラップ。





東海道四谷怪談―通し上演―

東海道四谷怪談―通し上演―

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

木ノ下歌舞伎「東海道四ッ谷怪談」第三幕観ました
(第二幕から続く)


 ここまでの幕よりも、かなり演劇的な見せ方。


 人々の、取り返しのつかないどろどろした行き違いの後で、一瞬の崇高な魂の輝きを提示。


 そして夢の場。あんな美しいシーンが生まれるとは…宮澤賢治みたい。
 あれが伊右衛門・岩の、本来ありたかった姿か。


 ズレが悲劇へ向かったラブロマンス・東海道四ツ谷怪談。
 じつはロマンチスト・おーじの面目躍如。


 最初の不安が嘘のような6時間。
 通して観たからこそ、掘り下げて気づかされることもある、内容も濃厚な観劇体験でした。


(アフタートークへ続く←まだ続くんかい!)

東海道四谷怪談―通し上演―

東海道四谷怪談―通し上演―

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

木ノ下歌舞伎「東海道四ッ谷怪談」第二幕目観ました
(第一幕から続く)


 第一幕で積み重ねた歴史が、一気に花開く展開。
 「スターウォーズ・帝国の逆襲」にも通じる、観客との間にできあがった共通認識の上でのエンターテイメントの炸裂(←おーじに言ったら、呆れられたw)。


 重要な事件が、一場面一日で立て続けに。
 まごころとしがらみと欲望の行き違い。
 パニックからの冷静さへの心境変化、次は相手へパニックを押しつける。


 私は二幕目から、役者の出はけに合わせて脈動するような背景や、「ゴゴゴゴゴ…」的効果音wが、演出効果として気にかかり始めました。
 舞台全体が、一体として息づいている…


(第三幕へ続く)

東海道四谷怪談―通し上演―

東海道四谷怪談―通し上演―

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

木ノ下歌舞伎「東海道四ッ谷怪談」第一幕観ました
 「義経千本桜」「黒塚」に続いての木ノ下歌舞伎観劇です。
 千本桜では、幕ごとに演出家が変わる試みが面白かったけれど、今回はおーじが全幕演出。じつは少々不安…6時間耐えられるのか…



 すでに死を予感させる舞台、生々しさと透明感を兼ね持つ背景。
 過剰な意図を感じさせず、観客に何かを考えさえる舞台美術。
 

 世代や身分等、社会でのあり方で違う言語・身体。ちょっとひやひやする役者も(汗)
 金のやりとり、世間のしがらみから生まれる、流動的な力関係のルール。
 事情をかかえた者たちが複雑に絡み合う群像劇。


 時折、錦絵を思わせる舞台上のミザンス(役者の立ち位置)が、遠くの席からだとよく見て取れる(←いい席取れなかった負け惜しみ)



 ただ、正直、物語としては一幕目は少々退屈でした。ラストの見せ場、二人殺しで半寝落ちしてしまいもったいない。。。
 まだ起承転結の「起」、ドラマはこれから。

(第二幕へ続く)

『THE SHINSENGUMI』 Sword Dance~剣、烈風の如く、真空に舞う~

『THE SHINSENGUMI』 Sword Dance~剣、烈風の如く、真空に舞う~

ニッポン放送

天王洲 銀河劇場(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

引き寄せられる!!
照明という舞台装置が物を言う舞台。シンプルな舞台が鮮やかで美しい。
飛び切りのダンスと歌、一手一足にどんどん引き込まれ、観ているだけで顔がほころんでいくのがわかった。構成も面白い造り、衣装も個性的で美しい。始めから終わりまで一瞬でも目を離すのがもったいないと思わせる舞台でした。

National Theatre Radu Stanca  ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場(ルーマニア)「NORA ノーラ」

National Theatre Radu Stanca  ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場(ルーマニア)「NORA ノーラ」

特定非営利活動法人舞台21

あうるすぽっと(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/05 (木)公演終了

満足度★★★★★

皆が人形
原作をカットしつつ新たな台詞を加え、シニカルなユーモアが感じられるスタイリッシュな演出と濃厚な演技で描かれた、75分という短い上演時間の非常に密度の高い『人形の家』でした。

開場すると既に舞台上に役者がいて、おそらくラドゥ・スタンカ劇場の役者やスタッフ達に『人形の家』の内容に則した「家族」や「結婚」に関する質問をする映像が流されていていました。映像が終わるとクリスティーネが訪れるまでのシーンは無言劇としてパフォーマンス的に表現され、その後は比較的オーソドックスに演じられ、スマホで写真を撮ったり、ダンスパーティーの音楽が現代のヒットソングだったりと少々現代的な味付けがされていました。

会話シーンでも2人とも横並びで正面を向いて話し、各役柄の性格を強調したいかにも芝居じみた、ある意味様式的な演技スタイルが登場人物全員が人形であることを表しているように思えました。両サイドの壁と天井に人工的なパースを掛けた真っ白な空間の中、奥にある3つの開口(中央はドア付き)から手前に真っすぐに歩いて来てポーズを取る様子がファッションショーみたいで、それも登場人物の人形感を強調していました。夫も最後には体のコントロールを失い、糸の切れた操り人形の様な動きになってしまうのが印象的でした。
服を脱いだり、キスしたり、撫で回したりとエロティックな接触表現が多く用いられていましたが、嫌らしさよりも滑稽味が感じられ、最後の場面でトルヴァルがノーラに触れようとしても出来ない場面が引き立っていました。
ノーラの娘エミに重要な意味合いを持たせていて、ノーラが人形のように扱うエミが人形を抱えていたり、ノーラのダンスシーンに続いて原作にはないエミのダンスシーンがあったりして象徴的でした。

どの役柄も強い個性が感じられて、特に細身のスーツを着てしばしば眼鏡に触れるクロクスタの神経質な感じや、露出度の高い服とクリスチャン・ルブタンの靴を身に付けたクリスティーネの原作とは異なる開けっ広げな感じが強烈でした。

短い作品なのに平日の14:00と18:30開演の回しかなかったり、当日空席が多くあったにも関わらずチケット取り扱いサイトでは早々に完売扱いになっていたのは、観たいと思っていた客を逃す結果になっていたと思います。せっかく素晴らしい作品なのに勿体ないと思いました。

光のない。(プロローグ?) <演出: 宮沢 章夫>

光のない。(プロローグ?) <演出: 宮沢 章夫>

フェスティバル/トーキョー実行委員会

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/11/30 (土) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

幼女にも出て欲しかった
20代から50代まで、いろんな世代の女優5人が『光のない。(プロローグ?)』ほか同シリーズのテキストの断片を時に声を揃えて、時に別々の文句をまちまちに語って聞かせるパフォーミングアート色の濃い公演。
 舞台上をさまよいながら別々の文句を諳んじる女優達の声をサウンドエフェクト技術を駆使して増幅・加工し、かつ交錯させ、音の万華鏡とも言うべき美しくも妖しい、眩暈のしそうな音場を作り出すファーストシーンから持っていかれた!
「パフォーミングアート色の濃い公演」と書いた通り、この公演は上のシーンで出色の仕事をしている音響マンをはじめ、美術、音楽、照明などの各スタッフが裏方の枠に収まらない“イイ仕事”をして女優陣とコラボレートする“総合芸術作品”の趣が強く、バルブは五感すべてを全開にして本作を堪能。
 演出の宮沢章夫が自ら手がけた美術も素晴らしく、逆トレイ形に盛り土をした舞台の周縁に洗剤、ワインボトル、テレビ、電話機など津波で流された生活用品を思わせる品々を点在させて荒涼とした世界を表現し、3.11への応答として書かれた『光のない。』が上演されるに相応しい場をしつらえていた。
 良かったのは、相当なボリュームがあり且つ掴みどころのない『光のない。』3部作から、3.11を直接的に想起させる比較的分かりやすい文句が選ばれ、読み上げられていた点。そしてもう一つ、テキストを読み上げる女優たちが、同時に“テキストの意味を探る者たち”としても描かれている点である。
 つまり、女優たちも観客同様、テキストの意味を完璧には分かっていないという設定になっており、原テキストにたまたまある「意味、分かる?」という文句を読み上げて観客に問いかけたり、ある文句の意味をめぐってああでもない、こうでもないと言い争いをしたり、意味をより正しく汲み取ろうとテキストを見ながら朗読したりするのである。
 お陰で、観客たちは置いてけぼりを食うことなく女優陣と一緒になってテキストの意味を探ることになり、退屈せずに劇を鑑賞できるのだ。それどころか、笑劇の作り手としても名高い宮沢章夫の手によって言い争いのシーンなどはかなりコミカルに演出されていて、客席からは笑いもチラホラ。
 先に記した各技術スタッフの“イイ仕事”にこうした“魅せる工夫”も加わったこの舞台は、ここ数年の宮沢章夫演出作品の中でも屈指の出来と言っていいだろう。
 当方は松井周とのアフタートーク付きの回を観たのだが、松井氏も指摘していた通り、テキストが文字で表示されることが一切なく、『光のない。』が徹底して音声のみで表現されているのも本作の特徴の一つ。
 宮沢章夫いわく、文字を使わなかったのは、
“全てが失われ、紙やペンさえなくなった世界であの出来事を伝えるにはどうすればいいかと思案した時、口承に依るしかないと考えた”ためだという。
 つまり、3.11を受けて書かれた『光のない。』をいろんな世代の女優が読み上げるのは、あの惨事が世代から世代へと語り継がれていく“この先”を暗示してもいるわけである。
 ならば、女優陣にはぜひ幼女も加えていただきたかった。
 そうすれば“代々語り継がれていく”感じが増したはずだし、幼い者にとってはなおのこと分かりづらいに違いないイェリネクのテキストを幼女がまるで呪文でも唱えるように単なる音としてたどたどしく読み上げれば宮沢氏が本作で伝えたかったことの一つ“イェリネクのテキストの難しさ”が観客により明瞭な形で伝わったはずだから。
 …などと小さな不満を挙げていけばキリがないが、夕陽とも朝陽ともつかない黄色がかった光の満ちる舞台の上を女優たちが語ることをいったんやめてゆっくりしずしずと歩んでいく中盤の“沈黙の6分間”をはじめ、思わず心奪われてしまうような美しいシーンが相次ぐこの舞台はやっぱり魅惑的。
 とりわけ、“沈黙の6分間”の美しさは只事ではなかった。
 ただ、3.11を題材にした劇がこんなにも美しくていいものだろうかという疑問は残る。
 同時に恐ろしさも描かれているとはいえ、題材が題材なのに、この劇はいささか美に寄りすぎている。

ネタバレBOX

 本作では後半部で“復興”が描かれるとはいえ、それはまだ道半ばにも至っておらず、そこに思いを致すなら、やはり本作は美しさをもっと抑え込むべきだったとやはり思う。
 
ホフマン物語

ホフマン物語

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

一見バラバラな
それぞれの幻想的恋物語はそう繋がってくるのかという思いでした。

ネタバレBOX

元々は歌手ステッラが詩人ホフマンを好いていたのに、全幕を通してマーク・S・ドス演じる様々な悪役にしてやられ、思い出の中でも恋は実らず、現実世界でもステッラはリンドルフ議員に持っていかれ、落胆したホフマンが拳銃自殺を遂げるという話。

ミューズの言った「三人の女が一人の女の中にいる」という言葉は、第二幕の自動人形のオランピア(幸田浩子)、第三幕の不整脈娘20歳のアントニア(浜田理恵)、第四幕の高級娼婦ジュリエッタ(横山恵子)の三人の要素、具体的には芸術家であり、若い娘であり、高級娼婦であるという要素を、ステッラが全て持ち合わせているという意味でした。

理想の女性に振られ自殺したように見えますが、結局のところは、ホフマンの詩の才能に惚れたミューズが彼を連れて行ってしまったということなのでしょうか。

三人のソプラノの競演は、幸田浩子さんと浜田理恵さんが特に良かったです。

当時の科学者と時計職人に共通点があるとすれば、自動人形の衣裳におけるゼンマイ模様の巻きの方向は逆の方が良いのではと思ったりもしました。
ボンジュール日本

ボンジュール日本

かのうとおっさん

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2013/11/15 (金) ~ 2013/11/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

もう 名人芸 最高に面白い
最高に面白かった、久しぶりの かのうとおっさん
セクシー先生 ウザギ 是常さんも面白い
嘉納さん綺麗でしたわ!! 有北さんも少し男前に見えましたわ 
終演後少し話が出来たのですが、 一緒に写真を撮って頂いたらよかったーー
忘れてたー 。。。(>_<) 

ネタバレBOX

最高に面白かった、久しぶりの かのうとおっさん
セクシー先生 ウザギ 是常さんも面白い
嘉納さんさん綺麗でしたわ!! 有北さんも少し男前に見えましたわ 
終演後少し話が出来たのですが、 一緒に写真を撮って頂いたらよかったーー
忘れてたー 。。。(>_<) 


田中の異常なダブルス
 俺とアイドルになってくれ!!ええですよ  なんでもできる十条院 エントリーNo… 落ちた カーカーカー 洗脳してしまえ 従います。・・・ 

教えてセクシー先生
 ビックリマンカード500円の話 高く売り付けられた・・・ 教えてセクシー先生 まあ座りーなさい よう子を捜しなさい スナイパーを捜しなさい 義経 安倍晴明は・・・100均で丸めがね ジョン。 教えてセクシー先生 なるほどな!! そこに座りなさい レットイットビーを歌うんや!!歌をユーチューブで 下手で1万回 父見えた 織田信長 兄が、3回生の頃 コンコン 信長になっている。

アドリブコント
 青木ケ原樹海 登ってきた 誰 アルピニスト 僕修学旅行ではぐれた 私は生きていない 迷っている 何だこれ ナンだそれ 南へ北へ… 11時 電気止められた パソコン繋がらない コンビニから払うと早い引き落とし。

動物の森
 ウサギってこんなことでも死ぬ・・・ 爪深爪 ガクッ!!赤いライト バーン!!   昼抜いた ガクッ!!赤いライト バーン!! ピンポン ガクッ!!赤いライト バーン でもうさぎは好色 想像妊娠
 ガクッ!!赤いライト バーン ガクッ!!赤いライト バーン 
ガク ガク ガク・・・

ボンジュール日本

ゲストコーナー
 私の夢 マハラジャ 踊る是常 カレー 僕はマハラジャ キス いい女 殴られる そんなこんなで一日が終わる マハラジャの悩み相談 「仕事いつまで・・・・」 死ぬで働けーーー 踊ってしまえ!! 「効率よく金を稼ぎたい」・・・体を売りなさい そんな時は。踊ればいいのさ!!
さよならを教えて

さよならを教えて

サスペンデッズ

ザ・スズナリ(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

過去の七番煎じ?あり得ないくらい失望
何?どうしちゃったの?早船さん!と叫びたい気持ちでした。

幾ら、佐藤さんと伊藤さんが不在だとしても、それ以前に、とてもこれが、いつもの早船さんの作品とは信じ難いほどの駄作脚本であり、陳腐な演出で、正直、愕然とする思いでした。

ヒロインの女優さんが、役柄に合わないキャスティングだったことも手伝って、何一つ、心の奥に響くものがない舞台でした。

凄く素敵な作品を上演する劇団だからと、誰かを誘って観に行かなくて良かったと、つくづく思いました。

客席の皆さんに言いたかった。「いつもはこんなじゃないのよー」って。

ネタバレBOX

佐野さんお一人が、いつものサスペンデッズに持ち込むべく、懸命に、演じていらっしゃる印象でした。

最初のシーンに登場する、壁張り職人の坂本の存在理由が不明でした。もう少し、後で、生きる役なのかと期待したのですが、単なる、話の聞き役以上の何者でもなかったのが残念。

回想シーンの中に、更に別の回想シーンが折り込まれる技法も、いつもの早船作品ほど、気が利いておらず、演劇としてのまとまりの悪さを助長しただけのような気もしました。

何となく、脚本も演出も、キャスティングさえ、付け焼刃の印象しかありませんでした。
さよならを教えて

さよならを教えて

サスペンデッズ

ザ・スズナリ(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

大人になっちまった悲哀
もの想う大人は皆解っているのだ、自分のダメなところくらい。
だけど解っているのにダメな方へと傾いて行ってしまう。
そしてだんだん大事な人を大事にしなくなる。
早船さんの無駄のない台詞で、それもまた人とのつながり方のひとつなのだと気づく。
コテコテダンスもありの濃い目の味付けながら、やはり毎日食べても飽きない”人の心の普遍性”を描いていてその切なさにどうしようもなく涙がこぼれる。
婚約している二人の関係が壊れていく時の緊張感がどきどきするほど秀逸。
山田キヌヲさん、とても上手いしきれいだった。衣装も素敵。

ネタバレBOX

舞台は壁紙などの内装工事を請け負う小さな会社。
宏美(岩本えり)は父の代からのこの会社を受け継いでいる。
婚約者の洋介(佐野陽一)は中学の同級生だが、彼は勤めていた会社で
大きなプロジェクトに失敗してから変わってしまったと宏美は感じている。
異動先の部署で部下の女性からパワハラと訴えられ
結局会社をクビになった洋介を見かねて「ウチを手伝ってくれない?」と持ちかけた宏美。
今は一緒に仕事しているが、昔からのやり方に批判的な洋介とことごとく対立する。
同じく中学の同級生で、病気退職して戻って来た夏子(山田キヌヲ)も
ここで仕事を手伝っている。

職人や、地主で大家の夫妻等が出入りするこの事務所で
次第に相手に寛容でいられなくなっていく宏美と洋介。
ネットでのバーチャルな世界に逃げ込む職人、大家夫妻の嫁姑問題、
そして夏子の驚愕の行動…・。
小さな世界で絡まり、引っ張り合い、ほどけてしまう人間関係の脆さ哀しさが描かれる。

「終わりが見えるとやさしくなれる」という洋介の言葉が沁みる。
このまま続くと思うから、うんざりして粗末に扱ってしまう私たちの習性を言い当てている。
「結局自分に自信がないんだ」という言葉もリアルに説得力がある。
自信がないから強い態度に出る、相手を威圧する。
デスクに向かう洋介を演じる佐野さんの全身から、
自分にも周囲にも苛立っている様子が伝わって来たし
それをそのまま宏美にぶつけるところでは観ていてこちらも緊張した。
ありがちなハッピーエンドでないところもよかった。

夏子のクールな観察とストレートな物言いが爽快。
入院前事務所に来て、会社を去る洋介と見送る宏美に
「別れてもいいから二人で(見舞いに)来て」というところ。
“さよならの仕方”を考えさせていいなあと思った。
かわいいニットキャップが似合う山田キヌヲさんがとても素敵だった。

大家の奥さんを演じた野々村のんさん、
この方は“困った人”を可愛らしく見せるのが上手いと思う。
情熱的な“なりきりダンス”が面白かった。

中学時代の回想シーンを挿入して
もの想う大人になってしまった哀しみと不安を際立たせた結果
宏美が夏子を思いやって泣く場面に説得力が増した。
ここもまた、子ども時代と決別するもうひとつの“さよなら”だったような気がする。

Parallel /パラレル

Parallel /パラレル

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2013/11/07 (木) ~ 2013/11/11 (月)公演終了

満足度★★★

驚嘆の演出
パラレル、平行世界をどう表現するのかが興味津々で観劇しにいきました。
会場に入ってすぐ、セットを見てまず驚く。
そして開演、開始数秒で度肝をぬかれてしまいました。

この演出に思い至る人はこれまでにもきっといたとは思うのですが、
それを実際にやってみようと思ったこと、そして演劇としてきちんと成立していたことに拍手です。

ただ、ストーリー自体がパラレルという設定をあまり生かし切れて居なかったのかなぁという感じがします。
個人的には異なる選択をした結果、未来がどう乖離していくのかが見てみたかったです。

いるわけないしっ!

いるわけないしっ!

劇団東京都鈴木区

遊空間がざびぃ(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

家族愛の物語
とても良いお話でした。
いつもに比べると笑いはやや抑えめに感じられましたが、
観劇後には心があったかくなるような作品です。

他界した父が霊となって娘に会いに行くも娘には全く霊感が無く、すれ違うばかり。
いつも通りにドタバタでコミカルな展開で進む中、
物語終盤の丈助の本心からの想いを叫ぶシーンは脚本、演技ともに素晴らしかった。
何度観ても涙腺を刺激されてしまいました。

そして、出番は多くは無いのですが丈助の妻・結希の存在も大きい。
つかみ所の無いキワモノっぽいキャラですが、要所要所で夫や娘への愛情がしっかりと伝わってきて、親子というよりは家族愛の物語なのだなと感じた。

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