miss_youの観てきた!クチコミ一覧

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蠅取り紙 ―山田家の5人兄妹―

蠅取り紙 ―山田家の5人兄妹―

劇団たくあん

MAKOTOシアター銀座(東京都)

2011/05/04 (水) ~ 2011/05/05 (木)公演終了

初めは名も無い漬物だったけど
京橋(東京のほうです)へ移動。八重洲ブックセンターに寄ります。別に買いたい本があるのではないのですが、本屋さん(古書店も)をみつけると入ってしまいます。八重洲ホテルの横を曲がって正面をみると、劇場がありそうな雰囲気ではないけど-道路左側は大きな工事のようです-、入り口前に案内が出ていました。時間になり開場、座り心地のよいイスです。5列目なのでやや後方。舞台は広めの和室。下手に2階への階段、手前にはジョーロ。食器棚や扇風機。上手にはFAX電話。劇場内の雰囲とよく調和しています。季節は夏ですね、セミの鳴き声がきこえます。お母さんが海外旅行に行くところ、もう出なければならない時間なのに忘れ物がある様子、なかなか行こうとしません、ヤキモキする子供たち、よくある場面から一家の物語が始まります。以下、ネタバレ

ネタバレBOX

家族といってもいろいろな面をもっているわけで、それがお芝居を通じて描かれています。お母さんは急病で手術を受けているのにふらっと戻ってきます(薄暗い中..すぅーっと戻ってくるので、そういう設定なのかと察することができます)。ここからどうやって進めるのかなと思っていましたが、なんとなく普通のまま。全体にゆっくりと平坦なかんじでした。なんというか、家族だけがもつ距離感(近い部分/遠くなってしまった部分)がもっと出ていたらよかったのではないでしょうか。
終わった後、劇場の前でたくさんの人が集まっていたのが印象的でした。今、たくあん、を知らないひとはいないでしょう。また機会があればお願いします。

☆☆☆

HELLO WORK

HELLO WORK

GO-SUNS

ワーサルシアター(東京都)

2011/05/03 (火) ~ 2011/05/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

喜んでもらうために
2回目の八幡山です。駅周辺を巡回、会場へ。前回みた芝居では「コの字」型に座席が配置されていましたが、今回は普通です。舞台奥には柱が数本あります。パンテオンのようにもみえます。手前に箱(?)。芝居が始まりました。ここは喫茶店ですね。プロデューサーと作家とその友人。シナリオの依頼です。以下、ネタバレ

ネタバレBOX

脚本の中の「お話①」と、作家自身をめぐる「お話②」がパラレルに展開します。「お話①」から始まるのですが、「脚本」だと気つくのはしばらくしてから。ニートを就職させ実績をあげるというお話が..脚本づくりは中止に。作家は作品を通じて「働く」こと、とは何かを考えてゆきます。作品の中のキャラクターとの会話、母との会話。作家は成長します。
一方、「お話①」は突如軌道修正。テロリスト、潜入捜査官、アンドロイドまで登場しハチャメチャになります。結局、書き上げたものの採用されず...気落ちしていると、周りにいるのはニートたち...に似た劇団員。思いっきり都合がいいけど...好きですよ、こういうの。

最後にこれを、「鬼十訓」(←検索してね)
3,600″

3,600″

株式会社フラックス

MUSICASA(東京都)

2011/05/06 (金) ~ 2011/05/06 (金)公演終了

満足度★★★★★

妖精のようでした
代々木上原です。少し前に着けばいいかなと思っていたところもう並んでいました。観終わってから気がつきましたが1回だけなんですね。坂の途中にあるMUSICASA(雰囲気などはHPで)。大盛況です。正面奥を要として、舞台は扇形に設定されています。
薄暗くなり女性が静かに現れ、壁に両手をついています。舞が始まります。普通の(日常生活での)動きではありません。草木であったり虫であったり魚であったり...命あるすべての「生」が現れているようにもみえます。最初はお一人。途中から繭のようなものとともに4人が舞台へ。全員が激しいパフォーマンスをみせます。次は2人がシンクロしながら、対峙しながら。衣装をかえたり。体がブレるということがないのは鍛錬の賜物なのでしょうか。柔らかい鋼。
もちろんセリフはありませんが、体全体の「表情」が豊かです。以下、余談

ネタバレBOX

開座の舞とは全然違います。初めてなのでかなり圧倒されました。あれだけ動いていながら、指の先、そうっと前に出すつま先、肩、腰、首...肉体のあらゆる部分を使っていて、描くのは鋭利な直線であったり綿毛のように柔らかで艶のある曲線。もちろん目や口元もポイントです。

またこのような機会があればぜひ見たいものです。
LDK【ご来場ありがとうございました】

LDK【ご来場ありがとうございました】

風雷紡

神楽坂セッションハウス(東京都)

2011/05/04 (水) ~ 2011/05/08 (日)公演終了

ひみつの窓からみえたもの
神楽坂です。JR飯田橋から少し歩いてみました。ここは何回か来ているのですが、今日は初めてのところです。受付時間になったら来るように、というメールが届いていたので、外で少し待ちます。開場時間となり「部屋」に入るとそこは普通の部屋...でした、テーブルに椅子が5脚、LDKなので左奥がキッチンなんですね。テーブルの上にたくさんのCDがあります。おーっ、Beatles、Queen、Led Zeppelin、R.Stonesなどなど。持っているのも多いです。バンドのメンバー数に重要(ホントはそうではないのですが)な意味があるとは...。さて、女の子が絵本を読み始めました。お話の始まりです。「ただいま~」、家族がひとりずつ家に帰ってきます。以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

大きな事件が起きるわけではありません。ちょっと悲しく、うれしく。家族になりませんか、という声に誘われ集まった3人と親娘の5人。女の子が絵本を読むのを聴いていて、娘も小さいときこんなだったな、と思い出しました。そこで語られる「ひしがたの窓」。ポプ・ショウの「スロー・ガラス」のようです。このガラスは光を通すのに長い時間がかかるので過去の映像が内部に蓄えられている...というお話です(SF)。女の子がみたいもの-家族-のお話です。みなさんとても自然なやりとりですね。初対面のぎこちなさ、だんだん打ち解ける様子。自分の、そして家族の話をするときの表情。それを聞いている者の反応、受け答え。それだからかもしれません、お話の終わり方がフェードアウトのようで、どこで自分の中で区切りをつけていいのか迷ってしまいました。TVや映画であればエンドロールや音楽なんでしょうが、お芝居の場合、(余韻を残すのもありですけど)締めていただけると「あ~、よかった」と劇場を後にすることができます。

☆☆☆

罪人 ZAININ

罪人 ZAININ

PKシアター

d-倉庫(東京都)

2011/04/28 (木) ~ 2011/05/08 (日)公演終了

おわり=はじまり
初めて日暮里に降りました。お天気が気になりますが少し早めに布の道を進みます。駐車場の奥に建物があり、階段を上がった踊り場みたいなところに数人いらっしゃいます。「d-倉庫」と案内がありますが、周囲の雰囲気からとてもそのようには見えませんでした。開場時間となりロビーへ入ると、きれいなところでした。お花が沢山届いています。今日はカメラが入っています。ザクザクしたリフがながれ、お話が始まります。たくさん人が集まっています。その中で営業マンは叱責を受け、女の子は兄にメール。直後、衆人環視の中で事件は起こります。以下、ネタバレ

ネタバレBOX

秋葉原/無差別殺人...。もしかしたら作家としての何らかの考えを示してくれるのかと思ったのですが、特に触れることもなかったようです。人が意味もなく死に、犯人は記憶を失い、それを追う警官は組織に反し、夫婦の崩壊が描かれ、マスコミは視聴率のため奔走する。そのなかでも理解あるものは犯人に寄り添うように行動する。んー、要素は多いのですがお話は散漫です。記憶喪失になった理由を問うものではありませんが、もっと怯えのようなものがあってもよかったと思いますし、ラストでは新たな死が描かれているものの、それでよかったのでしょうか?冒頭の「死」に意味づけがないまま、死には死を、で終わってしまうのはもったいないです。ここの死と冒頭の死とは同じだというのでしょうか?とすればこの連鎖は永遠に続くのですね。「平成元年生まれの若い感性」が感じたこと、同情/反発/憤り/閉塞感、なんでもいいです。それがない芝居にどんな意味があるのでしょう。この作品が示す「業」とは何だったんでしょう?

さくらノート

さくらノート

TEAM 6g

ザムザ阿佐谷(東京都)

2011/04/28 (木) ~ 2011/05/05 (木)公演終了

満足度★★★★★

わたしはしあわせだよ、ありがと
3回目の阿佐ヶ谷です。いつものように商店街をぐるっと歩きます。お芝居をみに行った先々でパン屋さんがあれば、おいしそうなのを買うのです。少し待って開場です。ザムザでは「月蝕歌劇団」「虚飾集団廻天百眼」をみているので劇場入口に掲示されているポスター(大判のさくらノート)をみるとその違いに不思議なかんじがします。時間になりました。急な石段をおりてなにやら「蔵」のなかに連れて行かれるような雰囲気。靴を脱ぐように言われ、指定席へ。舞台にはアトリエ、和室、玄関。手前は庭でしょうか、右半分に緑色の敷物..これは草の絨毯ですね。丘の上からお芝居をみるような気分。イス席ではないのがいいですね。ザムザの「木」の柱の上には桜が咲いています。ところどころに小さな花も。縁の下の柱にも花、使っていない植木鉢。アトリエには向こう側を向いたイーゼル。書棚には書籍や雑誌。普段使っているようにちょっと斜めになっていたり。調度品なども自然なままにおかれています。いよいよ始まりました。座席後方から元気な女の子の声、勢いよく駆け下りてくる4人。以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

とても細かいところまで心配りされたお芝居だと思います。たまたま座ったのが入口を入ったすぐの「緑の草」のところ。全体がよくみえましたし、目の前での場面もありました。みなさん、そこで/その時間/時代に生きて生活しているという演技です。玄関から人が出入りする度に靴が揃えられます。座布団が片づけられテーブルの上が拭かれ、ふろ上がりはさっぱりと。卒業式~約束の25年後まで、それぞれの人生が一旦は別々の道を辿りながらまた同じ所へ戻ってきて、次の世代へ手渡しされるかのよう。自分を探す旅、親を知るための旅。ラスト、3人それぞれのしあわせ。桜。

わたしはしあわせだよ、ありがと。この日ここにきて思ったこと。このお芝居に携わった方々にそう言いたいです。私の膝に1枚の桜の花が舞い落ちてきました。今日のチケットと一緒に大切にします。あーーもう一回みたいんだけど、予定が入っていてダメだ...再演してください。
よ~いドン!!死神くん

よ~いドン!!死神くん

ポップンマッシュルームチキン野郎

吉祥寺シアター(東京都)

2011/04/29 (金) ~ 2011/05/02 (月)公演終了

満足度★★★★

緩急自在に
吉祥寺に移動です。雨が降ってきてしまいました。開場時間になり座席に行きつつ舞台をみると...エー、ウマじゃあない。見続けるか判断が難しいのですが、ほとんど動かないので持参した本を読みます。と、視界の端に人影、誰かが舞台を横切る。なぜか「STAR WARS」のテーマなど。前説がはじまり...フルボリューム。半端なアクションじゃない、息を切らしているのは演技か、本当か。さて、舞台は和室で...人の背より大きな「白い物体」が鎮座しています。甲斐性のない父親が...えーと、とてもシリアスなんですが、死神「くん」のお話じゃなかったのか...以下、ネタバレ

ネタバレBOX

舞台に向かって右側に座っていたので、下手での演技が少し遠く感じます。もともと天井も高く、奥行きもあるので、役者さんが反対側をみて話すと声が広がって(吸い込まれてゆき)聴き取りにくいことがありました。前説や芝居の途中でお客さんとやりとりすることがありますね。①始まる前に:再演なのでパンフレットは読まない方がいいです、と解説。知人でもないお客さんの隣に座り込み話をする。物販をする。マジックをする。粗筋を話す。牧師さんが説教をする。②芝居中:キャンディを配る。お客さんにキャスティングさせる。いきなり話しかける。みんな結構、いい感じ。本作も乱入がありました。露天風呂、廊下のシーンや、みなさん横一線に並んだところなど広さをうまく使っている部分があるのですが、全体的にお芝居との距離をかんじてしまいました。小ネタで笑っちゃうところも反対の方をみていたら見逃してしまいます。吹き出してしまうところ、シンミリとなってしまうところ、バランスよく配合されていると思うものの、後半になると次はこうくるか、などと考えてしまうのでした。現実の世界/まんがの世界をうまく織り込んでいると思います。
LOVE FAIRY

LOVE FAIRY

レジェンド・アクターズスタジオ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/04/29 (金) ~ 2011/05/03 (火)公演終了

満足度★★★★

伝えたいこと
池袋です。お天気は薄曇り。シアターグリーン真ん中の劇場です。子供さんも並んでいます。チラシをみると、男性陣、圧倒的に数が少ないです。開場、やっぱり1番前に座ります。正面は白、ドアがあるようです。左右は黒。舞台上には白い箱がおかれています。客席面には本作のタイトル。暗転、赤ちゃんを抱いたおかあさん。子守唄を歌っています。そこに全身黒の女性。以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

天使、妖精…SFは山ほど読んでも、ファンタジー系(剣と魔法ものも)は苦手。一番近いところで「パンズ・ラビリンス」を観たくらいかも…但しこれはアメリカではR指定、日本はPG-12。でもこの手の「伝えたかったこと」みたいなお話には弱いのでした。子供さんがいらっしゃるくらいなので、難しいお話ではありません。あとは、役者さんの魅力(身力)しだい。香代子役は、ダブル・キャストなんですね。5/1は竹田さん。最初のおかあさんとのシーンでは身の回りのことすら満足にできません(しません、があってます?)。おかあさんの死、妖精タカコの訪問。思い出すこと、思い出すごとにつのる伝えたいこと。タカコ役の冨手さんとのやりとり。お互いが立場を入れ替え、思いを伝えます。ラスト、香代子のシーン。背景は香代子の心のような爽やかな青い空と白い雲。照明が徐々に落ちて…終演。綺麗です。
燦燦(さんざん)

燦燦(さんざん)

ロ字ック

王子小劇場(東京都)

2011/04/28 (木) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★

幕があがります
また王子です。よい天気。開場、ん、1番前の椅子はミニサイズです。少し迷うが前の席に着席。舞台は…舞台裏のようですが…上手にパールのドラムキット(黒)、下手は化粧台に盛り塩。正面小さなガラステーブルの上にはサイン用の色紙。奥の出入り口横にお花。肝心のスターは所用で姿が見えませんが、コンサート開始前のこの時間、いろんな人が出たり、入ったり。人の数だけドラマがあることに気が付くことになります。暗転、ドラム(おおーっ、ちゃんと生音だ、しかも女性だ、なかなか格好イイ)が軽快なリズムを叩き出します。以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

いろいろなキャラクターがいると結構薄まった印象しか残らないのですが、本作、楽しかったです。ドラムは1回しか鳴りませんでしたね...ギターはストラトシェイプ/ブラックボデイ/メイプルネック。軽いはずはないと思うのですが、よく振り回していました(どこかにぶつけるのではないかと心配)。ミドリ(柳沢さん)というキャラクターがとても気になります。各人いろいろあって、でもコンサートは幕を開け、振出しに戻ったのでしょうか
第2回ブス会*「淑女」

第2回ブス会*「淑女」

ブス会*

リトルモア地下(東京都)

2011/04/17 (日) ~ 2011/05/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

きもちもぴかぴかに
原宿です。場違いな気がしますがどうしようもありません。少し歩き回ってみました。表参道方面は相当な人出。時間になり「ブスシート」に着席。
舞台はどうみても普通の事務室。ロッカー(上にはダンボール)やファイル、タイムカードに行動予定表。正面の壁に下手からの外光を受けてブラインドの影が映ります。今日は盛況でキャンセル待ちのお客様が早くから並んでいらっしゃいました。時間になりました、暗転。3人が外から戻ってきました。これからお昼ごはんでしょうか、以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

ハウスクリーニング会社の事務室での出来事。どこの職場でも交わされる普通の会話でお話ができています。4人それぞれのキャラクターがとても自然。表情もしぐさも。ブラインドの影も「朝日」「夕日」らしさを出していますね。このままホントにお仕事に行かれてもぜーんぜん違和感ないです。中盤から4人の間に少しずつ隙間(普段から思っていること)ができてきます。他人にとっては他愛のないことかも、聞き流してしまうことかも。でも当人には切実なこと。でもなんだかんだ言いながら今日も仕事です。

遠藤さんはちゃんと「後ろ姿」を見せてくれたし、撮影シーンからロッカーの中に隠れるなんて大サービス。望月さん、新人らしさがとても初々しくて、最後荷物を取りに戻ってるシーンもいいですね。もたいさん、岩本さん、この味わい...大好きです。

最後に少しだけ
当日券まで完売、キャンセル待ちの列ができましたが、列の作り方が雑です。この公演のために来てくれたお客さんです。キャンセル待ち/整理番号付き自由席/ブスシート(整理番号なし)別にきちんと案内するのが当たり前では?


欠陥の魔術師 -EXPLOITER-

欠陥の魔術師 -EXPLOITER-

空想天象儀

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2011/04/29 (金) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★

Science Fiction
さて、続いて東長崎に移動です。ここは初めて。少し時間があったので商店街や東急ストアを散策。受付をしていただき開場まで待ちます。SF・ファンタジー専門...それは演劇界の「早○書房」と言っているようにも思え、SFにはうるさい私としてはみないわけにはいきません。入口は狭いけど中に入ってみると広いですね。舞台上には黒い台が3つ見えます。舞台下手には椅子とカウンター。「蚊がいるけどくれぐれも両手で叩き潰さないように」という前説がおわり、期待のお話が始まります。かわいらしいお客さんと人のよさそうなマスター。なにやらとっておきの話が聞ける様子。以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

なるほど、神様=プログラマー説。たしかに御心のままですもんね。お客さんとマスターが案内人になり、5つのお話が繰り広げられます。超能力者のお話ですね。SFの定番。「スラン」「人間以上」、ゼナ・ヘンダースンの「ピープル・シリーズ」、「家族八景」、「不定期エスパー」どれもドキドキ/ワクワクしたものです(けど知っている人いるかな...)。本作、5つの作品が収められた短編集。各章を先の2人が案内。どれも面白いですね。なかでもデパート「DEBU」でのトンデモないやりとりには大笑い。勝手に池袋の百貨店にいらっしゃるような楚々としたお姿を想像していましたが舞台に出ていらしてそのギャップにまた大笑い。(特殊)相対性理論、予知、3つのお願い、透明人間。全部違う味付け。最後のページを読み終え、気持ちよく本を閉じようとすると...えっ!?神様?
ここでこうきますか....やられました。

ということで受付けのみなさま、本日はありがとうございました。
チェロを弾く女

チェロを弾く女

cineman

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2011/04/28 (木) ~ 2011/04/29 (金)公演終了

聴こえてくるもの
新宿です、ずいぶん暖かいです。一人芝居は、大昔の「キーン(江守徹さん 85/6)」「審判(加藤健一さん 86/5)」を入れても、本作で4つめ。舞台上にはお二人いらっしゃいますが、台詞はお一人で。まだ扉が閉められていないうちから登場。舞台には椅子が2脚、チェロが1台(挺)。なにやら探している様子、ではなく「ここではない、向こう側」をみているかのよう。明かりが消えチェロが響いてきます。はじめに置いてあった所より左の方から聴こえてきます。そうですよね、奏者がいらしゃるのでありました。以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

チェロと独白。これですべてなので相当難しいのだと思います。みている立場として、はじめ、誰に向かって語りかけているのかわからなかったので、苦労しました。ここらが鈍感な私の苦手とするところです。死後、メッセージを受け取ることは、ミステリーなどであることですし。「惑星ソラリス(タルコフスキーのほうです)」でも自殺したギバリャンはビデオを残します。終わった今、振り返ってみると…死を覚悟した者が語る…という色合いが薄いように感じました。何か怒っている、憤まんやるかたない様子、ではあるのですが、それが今、みているこの時、すでに生を絶っているということに対してあまりインパクトを感じませんでした。キーンの江守さん、内容はほとんど忘れてしまいましたが、最後は鬼のような形相だったことを憶えています。

と言いながら、もし、事前にこの作品のことを知っていたら、とも思うのです。見えていることだけ、というのがどれほどもったいないことかと。

おわりは、「主よ御許に近づかん」ですね。チェロは、ドヴォルザークの協奏曲を至近距離で聴いたことがあります。指が指板を叩く音が聴こえてくるのです。今日も聴こえてきます。それにしても、息があっていました。

☆☆
『そこで、ガムを噛めィ!』

『そこで、ガムを噛めィ!』

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

テアトルBONBON(東京都)

2011/04/26 (火) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★

たのしい試合
今日は中野です。中野といいますと「ブロードウェイ」、ひとたび踏み込んだら半日は出てこれないので残念ながら南口へ。早く着きすぎたので座って待ちます。開場、着席。聴こえてくるのは「Detroit Rock City」「Immigrant Song」「Since You've Be Gone」など。私にピッタリの選曲。本当はもっと大音量でお願いしたいのですが...「1984」がかかったと思ったところで鈴木さん登場、前説。1分30秒後に始まります宣言があり。音楽が高らかに、いやでも盛り上がります。暗転...おっ、舞台上にあるのは部室のようなどうやら入団面接ですね。左の壁にはコーラス100人募集のチラシが貼られています。以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

役者さんの演技や舞台の様子についてはすでに他の方が書いていらっしゃるので、とっても楽しかったです、という前提で少し感想や考えたことなどを。
先日バレーボールのお芝居をみました(WAR3)。それも2回みたのでした。6人と9人。劇団の持ち味とか全然違うんだけど、どちらも「試合」をします。1つ違うなと感じたのはテッペンにたつための苦難の道のりと真剣勝負(バレーボール)、無理そうだけどそれでもなんとか1勝、手段はいろいろ(野球)。そもそも違うんですが、「勝たなければならない理由」、監督が手術で不在...指揮者が入院で不在、自分たちでなんとか...映画「ブラス!(Brassed Off)」を思い出しました。これっていい発奮材料じゃないかなと思ったものの、大した手術ではなかった、というオチが私にはあまり効いてこなかったかな。諭されて奮起するけど、ここまできて選手が全員あきらめ感100%というのは情けない。小学生の運動会でもみんな一生懸命やるから応援するんだし。あと、できれば全員野球で盛り上げてほしかったです。

舞台転換は、わが目を疑うほどビックリ。マネージャーさんの仕草がなんともいえません(チラ見しながらの似顔絵)し、攻撃/守備の場面もリズムにのっています。ライト守備のヘタレぶりも楽しいし、打者を見守るときのみなさんの表情がこれまたいい。最後のバテバテ感も「いい動きぶり」。

終わりのときかかっていたのは「Hush」ですね?
犬と花

犬と花

黒色綺譚カナリア派

OFF OFFシアター(東京都)

2011/04/21 (木) ~ 2011/05/02 (月)公演終了

全然違う
もともと赤澤さんをみたくて予約。なぜかといいますと。昨年、「結び目」の舞台挨拶、タイニイアリスの「コロブチカ」の客席でお姿を拝見。今年は「不倫純愛」でお見かけし、ビックリ。「花」では座席位置を変更しました。舞台はさきほどみたものとはまったく違います...病院ですね。みなさんナース姿。

ネタバレBOX

「犬」をみていない、ということを想像すると、きっと「花」はぜんぜんわからなかったと思います。かなりお話が進んでから「あれっ、これは多重人格のお話?」と思い始めました。であれば、もっとわかりやすい別人格の現れ方があってもよかったのではないでしょうか(映画「シェルター」なんかとっても不気味でしたが)...もっと間を置くとか。二人がおなじセリフをあえて合わせることなく発するのは面白いなとかんじたものの、お話がみえないというのはツライものです。始まる前から「みてもらっている」わけで、終わるときもそのはず。なんとなく中途半端な感じが拭いきれませんでした。

同じ脚本の舞台をほぼ同時に、しかし違う演出でみる、という良い経験ができました。ちょっとだけかもしれませんが、演劇の深みをみたような気がします。

☆☆
犬と花

犬と花

黒色綺譚カナリア派

OFF OFFシアター(東京都)

2011/04/21 (木) ~ 2011/05/02 (月)公演終了

生きるということ
今日は連続です。まずは「犬」から。
舞台正面の低めの席に座りました。左右にもイス席。
目の前にあるのはさびついた石油缶でしょうか。
小さな小屋があって、まわりにはたくさんの風船人形。
女性がおひとり舞台に上がって石油缶に座り、人形を作り始めます。
私のところからは背中しか見えませんが、手慣れた手つきのよう。
振り返るとそれほど難しいお話ではありませんでした。
「犬」が切なく、哀愁を漂わせた眼としぐさがよかったです。
戦後の混乱期、生きるためのおはなしですね。

☆☆☆

パイナップルゴーストホテル

パイナップルゴーストホテル

ダイタンプラネット

王子小劇場(東京都)

2011/04/20 (水) ~ 2011/04/25 (月)公演終了

満足度★★★★

役者=儀礼に際して特別な役を受け持つ人
ここ王子にある「王子小劇場」は、私の家から2番目に近い劇場です。1番はちょっとだけ駅に近い「pit北/区域」(爆)。受付時間よりけっこう早めに行ったのですがすでに数人の方がならんでいらっしゃいました。暖かい日差しです。開場して舞台をみると中央にデスク、頭上にはシャンデリア。奥にソファ、その左横に大型のTVがあってPVが流れていますが、残念ながら私は邦楽は聴かないのです(WALKMANにはハードロックとクラシック)。右にはクローゼットでしょうか。本作ですが...以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

そもそも、競泳水着の川村さんみたさに予約をしました。女優さんの場合、特に感じるのですが「役」によって相当雰囲気が変わるように思えます。今回は、結構、目のやり場に困りつつしっかりみていたのであります。あれっ、倉田さんも出ていらっしゃるんですね。そのヘナヘナぶりはみていて情けないほど...サクサクッとした舌触り、紅茶といっしょに味わう小菓子のようなお芝居。若いお客さんたちにウケていたようです。以前だと、こんなこといくらなんでもありえないでしょ、などと思っていたことでしょう。でも最近、いろいろみていて楽しいんです。季節のせいでしょうか。きっとみなさんが「役者」だからですね。精緻なストーリー展開は小説に、目を見張るものは映画(IMAXとか)に、その場にいてそのひとときが心地よかったことを....芝居に。
~演劇のススメ~「走れメロス!」

~演劇のススメ~「走れメロス!」

aji 2021年活動終了

atelier SENTIO(東京都)

2011/04/21 (木) ~ 2011/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

外からみれば普通の家
板橋で降りるのは初めてです。案内図をみるかぎりすぐに見つかると思っていましたが、駅を降りてそちらのほうに行くと...徐々に不安が。行けばいくほどなにもない住宅街に。目印のコンビニまでたどり着き周りを見渡せどそれらしいところは見当たらない。地図ではここを曲がってとあるのですがその先に見えるのは普通の家だけ。線路沿い...に曲がると先のほうに明るい場所があり走光性の私は吸い寄せられるのでありました。以下、ネタバレ

ネタバレBOX

普通の木造2階建て、築**年。すぐ横を東武東上線が通ります。時間になり中へ案内される。靴を脱ぐように言われる。入ってみると外観とはちがって堅牢なかんじ、天井がパイプで補強され照明がいくつも。籐椅子があります。座りやすいですね。いつものように1番前です。3面の壁は白く塗られ、床の白い洗面器には水が張られきれいな色をした花びらが。奥のほうには小さな白いテーブルと水差し。壁にはこれも白く丸い時計が3つ。みんな時間がちがいます。静かに聞こえてくる音楽は女性のものげなヴォーカル。暗転、アイーダが流れお芝居は始まります。明るくなり、正面に女性がおひとり胸の位置に白い紙を持っています。書かれているのはお名前と、好きなものでしょうか。暗転し次の方。4人の紹介がおわると女性お二人の朗読でスタート。不思議の国から来たようなかわいらしい衣装。コミカルな動き。太宰の作品を読みながらさまざまなパフォーマンスが展開されます。舞台の前後左右をくまなく使い、歩いたり走ったり体操したり。微妙に電車が通過する音が聞こえてきます。暗転すると天井に夜空の星々がみえます。最後は乱舞...ストロポ、壁に影が映えています...から「命短し 恋せよ 乙女」ゴンドラの唄で終演。

作品の内容というよりも、読み方(斉唱/輪唱/合唱)や仕草が楽しかったです。



『humming5』

『humming5』

ポかリン記憶舎

SANSAKIZAKA CAFE さんさき坂カフェ(東京都)

2011/04/22 (金) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

すみませんコーヒーを はい、ミルクも
雨の千駄木、初めての場所です。時間少し前にうかがうと太田みちさんが受付で準備中。「カラフルな猫(4/1)」も@カフェでした。入って右、カウンターに数席。中央に小さなテーブルとイス3脚。座席は左、壁側に2列。2列目に座ろうかなとしていたら前の人と同じ高さですよ~、とおっしゃるのでそそくさと丸椅子へ移動。明神さん...「冬の穴@学習院女子大」ときもそうでしたが、とてもほっとする案内ぶり。カウンターの中、トイレ、ガラスドア越しに見えるお店の前の通り、その通りをはさんだ向こう側の歩道、見えるところ全部を使ってのお芝居。私たちは役者さんと同じ時間を過ごします。すぐ近くの銭湯の話なども織り込んで、「ここにあるカフェ」のお話はひとくち飲んみれば、外の雨も風情のひとつに思えてきます。

狭い中、肩を寄せ合いながらの観劇です。カウンターを正面にみる位置、前の丸椅子が見やすいです。

ネタバレBOX

棚に「ネジの本」、壁には「絵」「写真」。ドアが開けば外の風を感じ、あぁ、まだ雨が降っているな。おやっ、外から中をみている人がいる。そんなカフェの中で役者のみなさんは手を伸ばせば触れることができるところでお芝居を。始まる前からいる常連さん、同級生の再会、母/娘、娘/恋人、バイト希望。どこのカフェでもありそうなお話がひとつ、そしてひとつと。「冬の穴」のときにも感じましたが、「灯り」がしみじみと沁みてきます。


おがるさま

おがるさま

開座

シアターブラッツ(東京都)

2011/02/04 (金) ~ 2011/02/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

驚愕
別のところで触れましたが、芝居をみてビビるというのもなかなかできないことであります。入るとそこは、左には現世、右には魔界のような重い空気が漂っていました。薄暗い先には畳が敷き詰められ、天井から何かがぶら下がっています。舞台のうえには、いかにも怪しげな物が置いてあります。逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!と自分に言い聞かせていると、出て来ました…以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

開座の舞台初体験です。お話の内容は…まったくわかりません。背中に冷や水を滴らせ、神経の1本1本をちぎりとられるようなコントラバスの響き。のたうちまわる、這い回る、じっと身を潜めその時をうかがう。右の片隅では朗読。呪文か。コントラバスは逆さまになり、敷き詰められた畳は、一枚、また一枚と引き剥がされ、賽の河原の積み石のように重ねられてゆく。頭を包帯でグルグル巻きにしている。動かないじゃないか。

終って出た所は確かに新宿でした。そして私は、後日、アトリエ公演にも行ったのでありました。

4/25 追記:今日もアトリエ公演に行ったのでした。重力に逆らうような動き、重いのか軽いのか自然ではないはずだが目はくぎ付け。闇と薄明りと馬とうさぎ。また行きます。
湯河原ドリフターズ 梅の間

湯河原ドリフターズ 梅の間

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/04/20 (水) ~ 2011/04/26 (火)公演終了

満足度★★★★

面影は何処へ
雨の池袋です。メールでちょっとやり取りさせていただいていて受付で声をかけられる。すみません、お手数おかけしました。今日も指定席でしたが大丈夫。しばらくして木箱を持ってくる人が。早い前説ですね...と思ったらマジックを始めました。なんだか肩をほぐしてもらった感じ。前をみるとそこは旅館。お金を入れないと映らないTV(もちろんブラウン管)。金庫があるのは貴重品をいれるのかな。和風の落ち着いた雰囲気そのままに...始まるはずはなかった。以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

昨年夏、ホントに卒業後初めてクラスの同窓会なるものに行ってみました。万が一のため卒業アルバムのコピーを持っていたのですが、あまり役に立ちませんでした。面影が残っている人(少数派)、まったく別人化した人(多数派)。そんな経験を思い出しながら楽しませてもらいました。最近好調なので、みるお芝居みんな面白いと思えるようになってきました。本作品、温泉につかってノンビリした気分になって、リラックスして、役者のみなさんの演技に酔ってしまえばいいんだなと。なんだかみなさん、それぞれクラスにひとりはいるような(んーアキオは違うか...)キャラクターでしたし、旅館の従業員一筋の方もいい味でてたと思います。一見場違いな名乗りたい闖入者、ほんの少しの気持ちのずれ。いまふたたび思い出した「夢」を胸に卒業式が行われます。二度と戻れない「あの時」をほんのちょっぴりみせてもらいました。

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