満足度★★★
舞台ならでは
物語というより、空気感を味わう作品と思いました。
ネタバレBOX
長年連れ添った老夫婦ならではの、穏やかな空気が、良かった。年老いても、まだまだ、やんちゃな好奇心があるような夫。そんなことは気にも止めず、淡々と夏みかん食べ続ける妻。
夫は若い娘に話しかけ続けても、会話が噛み合わないのが、可笑しいのだが、噛み合わなくても、お互いに気にしてないのも、面白い。
老夫婦はベージュのスーツと着物に小物、作品にとても雰囲気が合っていた。
若い娘が、車内販売員になり登場するゴールドのドレス姿は、老夫婦から見たイメージだろうと思うが、裏で着替えた方が効果が、あったと思います。舞台上柱の陰で、着替えても、チラチラとゴールドが見えてしまい、驚きもなく、むしろ、わざわざ、柱の陰で着替える意味に、疑問でした。
満足度★★★★
あ~おもろい
まぁ~確かに、ちょっと悪趣味だけど、面白かった~イベント色強く、歌あり、客いじりあり(と言っても、いじられる怖さは全然ない)KYな私は、長々としゃべってしまい、ごめんne~でも、めぐちゃんと内緒話もでき、かなり嬉し楽しい~♪ラストは客の投票というのも、良かった。《生き残る為?》の問いかけも感じられ、朧の違う魅力が見れて良かったです。と同時に、山田オーナーの懐の大きさには、感服するばかり!店だけの立場を考えれば、問題作でもあるのですが、やはり真のアーティストをご存じの方ではの、継続ご決断だと思いました。
4時食事スタートの公演を見たのですが、この時間帯があるのって良いよne~私は、この日上手いこと3公演見る事ができました。
昼間ゆっくりしていても、間に合う時間帯スタートで、この後に、ソアレを見る事や、他の予定も入れやすいのは、有難いです。
お好み焼きを食べる時、相席だったおかげで、こりっちユーザーの方と初めてお話させて頂きました。初対面だったのですが、舞台のお話をたくさんでき、とても嬉しく楽しく過ごさして頂き、ありがとうございました。私は、お話しできて良かったが、初対面の方と話すのが苦手な方は、黙々と食べて、早めに隣のBar(公演会場)に、移動もできますので、ご安心を。
作品だけで考えると、『Happy』が、大好き過ぎた私には、☆4な気分だが、なんと言っても、お好み焼きと2ドリンク付きで3500円は、お得!リピ~ト確定です。
ネタバレBOX
藤井バーテンダー(藤井としもりさん)のBarに、査察にきた保健所職員。
あれっ~?今回、客演の方がいたんだ~と思いながら眺めるその人は、七三ヘァ―にチョビ髭の、陰湿そぉ~なオジサン、
・・・でも見たことある?ような?ないような?と思いきや、
りんP~!!!えっえ~っ!!顔いじった(整形)の?と思うほどの衝撃!!!でしたが、見事でした。この一筋縄ではどうにもならない感じも、後半明かされ、納得でした(失礼極まりないけど、褒め言葉です)
不安と憂鬱な顔で眺めているバーテンも、婚約者めぐちゃん(若林めぐみさん)には、ラブラブ感いっぱいの目や強さも、良かった。
めぐちゃん、振り切ってるなぁ~ちょっといっちゃてる感に、大笑いしたけど、いきすぎないのが、さすが!トシモン(藤井バーテン)に、ラブラブな目や女心も、可愛いかった。
藤井バーテンの思いなんて、お構い無しの巨大化したゴキブリのタグ(拓馬)と長老(佐東さん)は、暴れ回る。
お店の特色を使いきり、演技スペース狭いのに、スピード感ありました。長老の登場の仕方も面白い。やんちゃなタグと、重鎮感と哀愁が滲み出る長老も良かったたです。
満足度★★★★★
Aバージョン
今回は《葛藤》をテーマでした。が、さすがメガバさん、ただの《葛藤》ではなく、『信じる事の素晴らしさ』『許す事の大切さ』と、素敵なメッセージが込められてました。メガバさんの公演は、素敵な作品を観劇できた幸せに浸れますので、お勧めです。
ネタバレBOX
やっぱり滝一也さんの作演出は素晴らしく、心に響きます。本の素晴らしさを活かしきる役者さん達の確かな力量や、感じの良い制作の方々、子役さん方のお友達であろうか?子供の観客のマナーの良さ、メガバさんの魅力だと思いました。
ワイナリーに生まれ育った姉妹のシェリー(横井結衣さん)、戦争の悲惨さや現実に立ち向かうからこその痛みや強さ、それ以上の優しさは、妹思いや敵兵への真の思いやりに現れる、素晴らしい演技でした。横井さんは見るたびに力量が上がる役者さんで、とても中学生とは思えない、実力の持ち主です。
シェリーの妹カルーア(黒坂麻結さん)の、無邪気さ純粋さも、とても良かったです。
二人の姉妹にとって、味方兵であるウォッカ(長岡善哉さん)は元々地質学者で、鉱山を見つけたことが、戦争が始まった切っ掛けである苦悩、それを平和に変えたいという夢も学者肌の軍人らしさで、良かったです。
ワイナリーの敵国の任務のために、舞い降りた兵士達も、見事でした。
トゥルー(新行地啓太さん)の、優しさからくる葛藤、その苦しみが爆発する苦悩、そして、新たに歩みだせる希望、とても秀逸でした。
クーザ(野口広之さん)、お調子者ならの純粋さ、子供相手だから、ちょっと見下すような感、良かったです。軍人でありながら、円満に戦争を終わらせる術に、すがりたい感も良かったです。
アキュラ(日比野友樹さん)、冷徹な軍人でありながらも、情の滲む感が良かったです。
ヘイロス(山上広志さん)、軍人ならではの行動、それゆえの苦しみや、割り切れない情、見事でした。
と全てにおいて大満足の作品、今後も期待です。
満足度★★★★★
やっぱり絶妙でした
なんだか、ハチャメチャに、なりそうでならない面白さに潜む、刹那の思いや、笑顔や涙の裏側の描き方が、絶妙でした。櫻井さんったら~しっかり見抜いてるのne~って感じで、あずきちゃんが、なんだかんだで、メチャ可愛かったぁ~まさにジャストな私でした。自分とは違うと思う方でも、自分の回りにいる誰かの行動に、微笑むことが、できるかも?★4.5な感じなんだけど、あずきちゃん効果で、5です。
ネタバレBOX
あずきちゃん(小椋あずきさん)の部屋に、深夜訪れた彼ヨウヘイ(奥田洋平さん)に、喜ぶものの、彼は血まみれ・・・
害虫退治の仕事帰りと言うが、返り血浴びるなんて、、、問い詰める、あずきちゃんのもっともな意見と、ヨウヘイの返答に、笑わされるが、2人の愛も見え隠れ。
実は余命いくばかのあずきちゃん、それを告げる医師コンドウ(近藤美月さん)と看護師オノ(小野紀亮さん)の勝手な会話に笑わされながらも、実は『生きる』ことの深さが含まれていたり。
コンドウの医師としての冷静な目と、ちょっとイッちゃってる目に、笑わされつつ、無茶な発言のようでも、意味やその後の付箋になっていたりする。
仕事に奮闘したい、あずきちゃんだが、上司キタジマ(北島広貴さん)は、嫌みなキモい奴なのに、あずきちゃんに迫ってくるし、ヨウヘイの秘密に、勘づいていそう?
このキタジマの不気味な怖さを秘めた独特の視線と空気感、見事でした。 頼りになりそうな同僚オガワ(おがわじゅんやさん)ダテ(伊達香苗さん)も、結局自分の身が、かわいいのが、みえてしまう。そうなってしまう情感の見せ方も、良かった。
あずきちゃんの弟トモ(櫻井智也さん)が連れてきた彼女は、可愛いユウコ(高橋優子さん)だが、実は父の再婚相手って、義理の母~!そんな衝撃さえも、背負わなきゃならないなんて。
ユウコのみせる女の強かさ加減が、良かった~。
も~櫻井さんたら、ちゃんと見抜いてるのね~なぁんて思いつつ、、、あずきちゃんの被害妄想ぶりにも、頷きつつ笑っちゃいました。
恋も仕事も家族さえも平凡では済まされない、あずきちゃん。現実に押し潰されそうになりつつ、貫きたい想いは、ヨウヘイへの愛、
なんとかマトモな人生を歩んでほしいと、ヨウヘイの会社前で、弟とユウコ引き連れて、両手上げ下げしての日本!ニッポン!コールには、笑いつつも、アズキちゃんの一途な想いに、ウルウルしちゃう。
ビルの中からなので、3人の声は聞こえないのだが、3人口パク状態で、両手上げ下げ。かなり体力的にキツイと思うのだが、ぴったり合っているのは、声揃えるより高度の技だと思ったし、それが笑いと切なさもそそる感が、絶妙でした。
ビルの中から、ヨウヘイと上司のフクイ(福井善郎さん)(ゆる~いジャージ姿で、ビジネスライクにしゃべる内容が、怖さと可笑しさ秘めていて、上手かった。)が、3人の行動に気付き、止めにいく。
そんなあずきちゃんの行動から、ヨウヘイの愛も増す感が良かった。組織を抜ける決心を固めるヨウヘイは、換わりに臓器を取られてしまうが、コンドウがオノの臓器を移植してくれる。
オイオイ!そんなのありかよ!と思いつつ、なんだか笑ってしまう、、、
ラストのため息は、報われない事の方が多い人生を、諦めつつも現実を受け入れ、そして又歩きだしていくあずきちゃんの健気さや希望も感じて、絶品なラストと思いました。
あ~又しても、大笑いしつつ、想いの深層を突き破られた快感に浸ってしまう~。(笑)
満足度★★★★★
空間美
空間を活かした美術、素敵でした。劇場の空間と役者さんの力量で、時、場、想いと、様々な世界に導いてくれるのが、素晴らしかったです。切なくても、愛おしさや優しさに包まれる、小夏さんの世界観は、やっぱり、好きです。
満足度★★★★★
情熱
突飛な事がおきるわけではないが、光希さんの魅力がいっぱいの作品でした。
農業に情熱をかけて従事してる人々と、彼らのいきつけの居酒屋の人々の物語。情熱からの理想や現実は、時に残酷だが、情熱があるからこその実りや、やりがいは、何よりも勝ると思いました。又、それを支えてくれる人々の大切さや有り難さも感じた作品でした。
私の見た会は、皆さん自然で安定した、好演でした。客演陣も好演でした。史枝役(宮本万里恵さん)は、『幸せのカタチ』に出てたよね~おかえりなさい♪史枝の、無邪気さ可愛さ加減が良かった。継続客演、是非お願いしま~す♪
満足度★★★★★
浪漫
正に、題名どうりの素敵な物語でした。叶うか解らない夢や理想を持つことは、希望や活力であるが、時に重荷になったりする。夢見るだけでなく行動することは、犠牲や空回りもあり、その姿は他人から見れば、時に滑稽だったりする。それでも全てが無駄にはならない希望が見えてくるのが、浪漫と思いました。
遅刻してしまい、開幕7分位見れず、最後列に座りました。過日、他の劇団の作品を、この劇場の後方で見たせいで、作品の良さより粗が目立ってしまい、他の方々の観てきたと違いすぎたという、苦い経験があり、不安が過ったのですが、余計な心配でした。シンプルな舞台に、4本の柱、いくつかの椅子、木箱、役者さんの力量で、いくつもの情景を魅せてくれるので、良かったです。照明、導入音楽も良く、役者さんが奏でる効果音としての風音、馬の蹄音は、特にお気に入り。主人公役(早川毅さん)が、特に秀逸で、還暦以上のベテラン役者さんの味は、さすがと思っていた私。お見送りに出ていらした姿は、30代半ばにもいかない方で、驚いてしまいました。まんまと、騙され・・イエイエ!しっかり役柄を信じ込んでしまいました。シンクロさん、これからも、見続けたい劇団さんです。
ネタバレBOX
劇中劇が含まれるのですが、劇団演出家であり老役者でもある姫路(早川毅さん)は、余命わずかの病を、抱えながら、作品作りをしている。
劇団員は仕方なく、彼の最期の一世一代の「お芝居」を創る事を決意し、結末の見えない旅に出る事にしたのだが・・・
姫路のやり方に、不満を持つ若手や、姫路の体を心配するあまり辞めさせようする仲間。
それでも、めげずに続ける姫路の姿は、時に滑稽でもあるが、潔い格好良さもありました。
よく有りがちな劇団物劇中劇に収まらず、『ドン・キホーテ』との絡め方も面白かったです。パフォーマンスよりシンプルだったり、より納得できたりと、身体表現の使い方も上手く、新鮮な演出で魅力的でした。
人生って仕事も恋も遊びも、他人にどんな評価されようとも、貫き通したいことが、あるだけでも、幸せなのかなぁ~なんて事を、思いました。
脚本や演出の良さを活かせる、表現力のある役者さんが多かったです。
神田役(草光純太さん)、小曲犀役(張徹雄さん)、印象的でした。
姫路(早川毅さん)は、特に秀逸で、逞しさや滑稽さは、もちろん、余命いくらばかりの痛さや弱さや、細々とした声も、最後列の私まで、しっかり伝わりました。
満足度★★★★
面白かった~
ジャンヌ・ダルクの伝記を青髭の童話と絡めて大胆にアレンジしたとあったが、本当に大胆!前半かなり笑い、ちょっとシリアスな後半では、鋼鉄の仮面の下の真実を、村松家の人々、劇団のきちんとした演技力で、魅せてもらえ、満足で~す♪
ネタバレBOX
アレンジ加減が、面白かった。
でも面白いだけでなく、表に見えることだけでなく、客観性や、見えにくい深層心理の描写も、魅力でした。
残酷で冷静な青髭公爵(ムラマツベスさん)が、妻を娶り、彼女に自分の武勇伝を聞かせるなかでの、ジャンヌ・ダルク伝と、青髭公の残酷な仮面の下の、悲しみ寂しさが、浮き彫りになっていった。
勇敢でフランスを動かしたと思われるジャンヌの仮面の下の真実は、嘘つきと言うかちょっと大風呂敷な少女で、実は弱虫で、影に真の指示者の友人がいたり、と設定も面白かった。
ジャンヌを神の使いと信じて動くフランス兵士達と戦うイギリス軍。これが面白い!カリスマ性って、信じる者には凄い威力がありながら、傍目から見たら、滑稽の極みだったりする面白さを、バカバカしくも、力量のある役者さんが真面目にやるので、面白い。
この面白さを引っ張っていく、バタール(ボス村松)の味が良いのだが、けっして出過ぎない、飛ばしすぎない加減が、流石でした。メッツ(村松かずおさん)の味も、良かった。
青髭公、残酷で冷静なでありながら、弱さ繊細さ寂しさ、見事でした。
村松家の人々が魅せてくれるだけに、女性陣に、もう一踏ん張り欲しいと、思ってしまいました。
衣装も工夫していて、雰囲気出ていたし、戦闘服の鎧の立体感が良かった。お馬さんの顔も可愛く、お気に入りです。
満足度★★★★
江戸版
笑いあり、情けあり、客いじりするけど、アクションやダンスパフォーマンスでは、迫力とテンポ良く決めて、あっという間の2時間15分。黒と赤のシンプルな舞台で、最初は物足りなさも感じたが、役者さんの動きは、とても映えました。着物のアレンジやメイクも良く、エンターテイメント色濃く、面白かったです。平成版とは配役名も全然違うが、配役名だけでも面白く、見たくなってしまう!!
ネタバレBOX
『火事と喧嘩は江戸の華、そのまた火消しは江戸の華』の火消し<鬼組>(龍・中山貴裕さん、五代目・岡田一博さん、恋太郎・西村風太さん、ケン・渡辺毅さん)の粋と渋さのかっこ良さが決まってた。
鬼組に惚れてる親衛隊が、可笑しく可愛かった。
<鬼組>に世話になってる、ごんべい(石黒圭一郎さん)こと狸族の王子の名前が、赤穂のポンポコリンのポンポコの助?とか?長過ぎて覚えられない!けど、笑っちゃいました。この王子らしさ、純粋さ良かったです。
王子の恋の悩みを、助けてくれそうなお地蔵様(作・演出の柿の木さん)には、笑っちゃった。
赤穂狸と吉良狐の戦いは、勢いとテンポで面白い。なぞなぞ合戦しちゃうんだもん。
お地蔵様が、せっかくくれた頼みの綱の、使い道は情けだね~♪
満足度★★★★★
絵本のような
好みのタイプのファンタジーでした。人生の岐路は、まさに十字路で、まっすぐにも進めるが、右も左にも、そして引き返すこともできる。いくらでもやり直しもできるが、なにかを失うこともあるけれど、見えなかった事が、やっと、わかったりと、悲喜交々を絵本の中の3つの世界(作者も3人)で、描いていると思いました。絵本の世界観が、良く出ている美術は、イメージピッタリでした。各キャラに似合うヘアーメイクや衣装、小道具の色使いや質感も、作品にとても合っていて、良かったです。作品のあらすじは他の方が書かれれいるので、ネタばれは個人的な感想です。
ネタバレBOX
「嘘と踊るソナタ」・・・作:藤崎綾子さん
真の友情とは?と感じた作品。琴音(こうのゆかさん)が、ちょっと憧れながら頼りにしていた親友(佐々木ゆりさん)との仲が、恋(岩間健児さん)やお金という現実で崩れてくる残酷さもあったが、自分の殻を少し破る事が出来そうな琴音を感じた。琴音の自信無さげな姿勢から無邪気な笑顔、一喜一憂する複雑な心情表現が、とても良かったです。
顔の左右で違うメイクも、心情の光と影として、作品にとても合っていました。
「幸せな日々」・・・作:小林一恵さん
夫婦愛を感じた作品。恋愛でもそうだが、女性が男性に『痘痕も笑窪』的幻想から冷めていく感が、とても的確だと思いました。幻想だと気づいてからは、ちょっとした事でも気になってしまうが、なんとか持ち直そうとする妻(小林一恵さん)の葛藤と愛情表現が、とても良かったです。この感覚って、恋愛に限らず、大なり小なり、人の持つ陰だったりするな~と、思いました。
妻の願望と葛藤を、ピエロ(清水良憲さん)が舞台脇で後押しするのが、時にコミカルだったり残酷だったりと、パントだけなのに、良かったです。
幻滅していた夫(滝本啓太さん)が差し出すトランプ<ハート❤の10>に込められた愛情表現(❤の数が一番多い=いっぱいの愛)が素敵でした。そんな事でも愛情確認できる喜びは、女性特有かもしれないけれど、同感しました。
そして、手だけの宅急便屋さんの、演出も良かったです。
「彼女から遠く離れて」・・・作:松下愛子さん
家族愛を感じた作品。母の介護に追われるメグミ(柳カナエさん)の元に、久しぶりに見舞いに来た兄マコト(古川桂次郎さん)と喧嘩が絶えない。幼少期母の愛をもっと欲しかったメグミにとって、母の介護の為の犠牲は、兄との口論になってしまっていた。
業者(ティラミス田仲さん)が、家の荷物を処分する際に、母の昔の日記が見つかる。若かりし母キョウコ(聖子さん)が日記を語る形で、兄妹には子供過ぎて解らなかった母の愛や生活の現実がみえてきて、兄妹愛も思い出し、凝り固まったメグミの心が、解けていく姿が、見事でした。
光輝く夢(願い)をかなえる為の、現実に秘められる陰や毒を、絵本仕立てというオブラートに包む感が、良かったです。
壁の窓の向こう側を通る人々の、ふっと見せる深層心理が、的を得てると思いました。
暗転中に、舞台のセットを動かす人がマントかけてたり、細かいコダワリも良かったです。
壁の月とお日様の表情も質感も良く、床の絵も素敵でした。床にしとくのは、もったいないと思いました。パステル系のフエルトや紙粘土風?の質感の小道具達が、とても良かったです。
前回とは全然違うカラーに驚いたが、人の心情って、どこか滑稽で矛盾してるけど、魅力を感じました。次回作も、楽しみにしています。
満足度★★★★
4日間
不都合だらけで、作家さん方は、ご苦労様でした。客側としては、違う魅力の4作家さんの謎も展開も、面白かったです。ラストの野坂さん、又波乱おこしても、やや力ずく?でもまとめる上手さが、光ってました。喫茶店の美術、良かったです。店の雰囲気を創る、壁の棚の細かい小道具や、窓から見える外の感じや、差し込む光等、とても良かったです。
ネタバレBOX
1日目、いろんな謎が見え隠れ、どうなるのか?のワクワク感と期待。
2日目、謎が見えてきそうで増えたような?トイレのドアノブ壊れちゃった騒動には、笑った。
3日目、又、謎と陰が増えたような?明日、閉店できるのであろうか、不安。
4日目、離婚成立させる為の作戦が崩れて、それから、無理矢理のようでも、どうにかする作戦には、かなり笑っちゃいました。
渡辺裕也さん、ワダタワーさんが、特に良かったです。
満足度★★★
好みが分かれると、思います。
セリフは、ほとんどなく、演劇というより、パントやダンスの身体表現で紡ぐ作品でした。
ネタバレBOX
床が、海を思いおこす薄いブルーに、部分的に波のような白。照明の加減で、薄いグレーにも見え、砂浜だったり、アスファルトだったりと。
セリフがほとんどないからと思われるが、説明的なナレーションが、多すぎるように感じました。数え歌的なのとか導入曲は、作品に合っていたと思います。
映像もやや具体的過ぎた感が、、、抽象的な映像や照明効果は、好みでした。
かなり表現力豊かな方ばかりで、良かったのですが、演劇と思い見に行ったので、やや物足りなさを、感じてしまいました。
白川万紗子さんの少女の透明感と、現実の切なさ、良かったです。川島和明さんも、印象的でした。
満足度★★★★
観ました
個人的な感想というより反省なんですが・・・
理由や結果が、はっきりしないので、果てしなく想像が膨らみ、自分の中で収集つかなくなってしまいました。
恐怖や不安もあるが、遮断できる事での、つかの間の安堵感だったり、、、平穏とは?と様々な思いが膨らみ続けてしまいましたが、限りない可能性も感じたり?で、不思議でした。
アフタートークの男ミシュランが、すっごく面白かったです。舘さんのパートナー探しを挙手制で、やりながらも、舘さんの理想の男性を言うことで、舘さんのいろんな顔がみえて、とても良かったです。対談や観客からの質問形式よりも、断然、盛り上がったし、舘さんの過去?や意外な趣味?も聞け、楽しかったです。
そんな処からも、やっぱり、舘そらみの手腕の魅力を、感じてしまいました。
満足度★★★★
確かに・・・
『観てきた』最初の5名の星の数を見て、面白そうなコメディーと思い、行ったので、単純に楽しめました。ここに書いてある粗筋や、フライヤーからは、想像つかないほど、かけ離れてました。
ネタバレBOX
吉岡夫妻(石橋けいさん・鈴木浩介さん)の愛猫が、亡くなった事から始まる、不条理ちょっとだけR系?コメディー。
クローゼットの扉と思ってたら火葬場は、やり過ぎと思ったが、全役者さん達者なので、有り得ないけど、この人なら、こんな言動するかも?と納得の可笑しさでした。
大家さん(大川潤子さん・三条会)が、特に面白かったです。
満足度★★★★
Bバージョン
一部、ダブルキャストでした。
密室サスペンスのようなパラレルワールドの様なコメディー。どうしてなんだろう?の謎が明らかになるようで、深まっていく。何層かの構造になっているが難しくなく、ヒントも各所にあり、ラストは明るい光が見える良作でした。自虐ネタのような、公演裏話的な解りやすい可笑しさです。
ネタバレBOX
目が覚めたら、知らない人間5人(子供、青年二人、女、中年男)で、密室に閉じ込められている。
なんとかしようと、手掛かりを探すが、謎が深まる。
閉じ込めた犯人の様な者が出てきて、生き残る為に、5人に戦いを命令するのだが、戦い方法は、じゃんけん!と、ゆる~い♪けど、生き残る為に、狂気が滲みだす。
皆で生き残る為の知恵が、裏切りになったと思いきや、突然死んでしまったり、死んだふりで生きていたりと、戦いが深まる。
その謎は、なるほどね~、確かに、誰もがバトルだったりするな~と思いました。
そして、明るい光が見えるラストが、良かったです。
夢が見せた現実(ウツツ)の中の夢、どうにもならない苦しさが足枷になったりするが、夢があるから頑張れたり、充実感もあるのだと、思いました。
Bバージョン初日だったので序盤堅かった。狂気が滲み出る頃から、良くなってきたが、もっと緊迫感や狂気が強い方が、意外性や喜びも、深まるのでは?と思うが、不思議な笑いの世界だから、良いのかな?
満足度★★★
?
力量のある役者さん方が、何役も兼ねるのは、見応えありましたが、桃色淑女の意味は、ラストに、解りますが、それだけですか?と思ってしまいました。役者さんが良かったので、☆プラス1しました。作品だけでは、2も・・・
ネタバレBOX
『新しいタイプの音楽劇』とあったが、《オリジナル挿入歌(曲も歌詞も良かった)有ります》の表現の方が、良いのでは?
ピンクレディ―を知らない世代の役者さんが、振り付きで歌う姿は、頑張ったね~と思うが、あくまでも役者さんが良かっただけで、作品としての効果は、疑問です。
レトロや懐メロでもなく、ピンクレディ知らない世代の観客には、どう写ったのでしょうか?
元人気グループのクッキーズの引退後と、クッキーズのファンで芸能界に憧れる男の子逹と、元白虎隊(グループ名)の秀樹の物語が、交差されながら進むが、自殺者3人でるし、どちらかと言うと、虚しい印象の方が強く、細々ながら続けていた秀樹が、還暦祝いコンサートを開けたのが、〈継続は力なり〉だったのでしょうか?
特に、三上陽永さん(虚構の劇団)が、とても良かったです。
シンプルな白シャツに、グレーのショートパンツ、黒のレギンスの衣装も、男女どちらの役でも違和感なく良かったです。ちょっと、シャツを直す仕草にも、役柄の心情が滲み出す感が、上手かったです。
満足度★★★★
R観賞
まさに、衝撃過ぎるオープニングは、R指定。この舞台でしか見られない!やや毒のある前半から、後半は変質(であり偏執)性と、狂暴(であり共謀)性のある作品だが、まさか笑えるラストとは!!!なので後味すっきり、帰れました。たしかに過激過ぎる内容だが、その底辺は、愛からなのだ。だが、単純な愛ではなく、かなり偏ってるが・・・愛の多面性が持っている狂気から見える真実は、まさに語るより、一見の価値あります。(でも、覚悟も必要かも?)超短編15作、好みは分かれるかもしれませんが、好みの1作は、見つかりそう?
《L》も絶対に見るつもりでしたが、体調不良の為断念、、、申し訳ありません。
ネタバレBOX
まさかの衝撃過ぎるオープニングは、ネタバレでも書いちゃ、ヤバイ感じなのだが、、、その過激過ぎるワンシーンの横に洋服着たカップル。
その、ヤバさに怖いながらも惹かれる男を止める女。
女曰く、世間体を気にしていては、なにもできないけど、世間体の必要性も説く姿は、まともなのに、どんどん、その目は、何かに捕りつかれたかのように変わってゆく水沼小百合さん。怖かったけど、良かったです。
この衝撃過ぎるオープニングなのに、見え隠れするのは、魔の囁きでもあり、生きる事の真実のようにも、感じてしまう二面性や多面性が、テーマであり、魅力のように感じました。
《愛1(ロープ)》邸木ユカさんと堀口武弘さんの焦燥感と、逃れきれない想いの強さを感じる演出が、好きです。
《愛2(逆)》台詞無しで、丸山翔さんと花岡志穂里さん視線と動きだけで魅せるのも、良かったです。
各役者さんが違うキャラに魂吹き替える様に納得ですが、特に凄さを感じたのは、川添美和さん、太田守信さん、原田達也さん、萬浪大輔さん。
満足度★★★★★
格違いの、素晴らしさでした
夢幻世界で繰り広がられる清冽な愛の物語ですが、生きねばならぬという現実を、しっかり見据えた素敵な作品で、格違いの素晴らしさでした。見たいのがいっぱいあって、悩んでる方は、悩んでいる時間が、もったいない!即予約をお勧めします。次回作も、絶対、見逃せないと思いました。
ネタバレBOX
開演後すぐ、“とうりゃんせ”の歌声と、富姫(あづみれいかさん)の美しすぎる切なさで、それだけで、涙・・・でした。とにかく富姫らしさ『アヤカシ』(妖怪)らしさ、見事でした。
図書之助(廿浦裕介さん)の逃れられない想いと現実に、立ち向かう姿も、良かったです。
鷹(中村龍介さん)の美しさ、切なさ、逞しさ、報われない想い、素晴らしかったです。
極楽鳥(加藤良子さん)の極楽度も、良かったです。
時代劇好きな私には、コミカルさやエンタメ要素が、物語の持ってる力を薄めるようで、あまり必要としないのだが、この作品のさじ加減が、良かった。
富姫の次女達の長?薄役を、緑のボブヘアー男性(堀池直毅さん)が、やるのも良かった。この次女達5人も、可笑しかったり健気だったり《アヤカシ》の世界の平穏で幸せな空間を、しっかり作り上げてました。
富姫の友人である《アヤカシ》の亀姫(大竹えりさん)の舌長姥(杉山未央さん)朱の盤坊(井俣太良さん)一行も、可笑しいながら、《アヤカシ》の陰の部分の切なさも、感じました。
武田播磨守(岩田有民さん)の、バカっぽいダメ殿ぶりだが、狂気の含み具合も良かった。
殿に振り回される御付きの者達の誠実ぶりや、殿への恐れ、そして裏切り・・・
等々、脇役なんて一言でまとめられない、魅力ある役者陣と、意味と価値のある演出が良かったです。
そして、何よりも『苦しくても、生きろ』の言葉の逞しさには、救いさえも感じました。
奈落の使い方も良く、地上の人間界から、《アヤカシ》の世界に向かう道も、良かったです。富姫の天守閣に、火の粉が舞い上がる炎上から、ラストの華吹雪が、切なくも美しすぎる世界でした。
幻想的な世界観を、見事に創りだした役者さんはもちろん、舞台美術、衣裳、ヘアーメイク、どれをとっても素晴らしかったです。衣裳とヘアーメイクは、時代劇でありながら、アバンギャルドとの融合加減が、とても良かったです。
納得させる音響、照明、まさに効果的に使われてました。
満足度★★★★
情感深さが、心地よい作品でした
ベタだけど情感深い作風が、心に沁みて良かったです。親子の葛藤を主軸として、お節介なのは解っていても、でも、ほっとけない人々が紡ぐ、心温まる物語でした。
ネタバレBOX
親子、一番近いようで、遠い存在だったりすると思うのだが、だから、誤解や許せない事も、あったりする。
父が亡くなったことで、15年ぶりに家に帰った息子・一郎(足立祐紀さん)が、父の店の従業員・芙美江(永井利枝さん)や、その町の人々に触れて、見えてきた真実がとても温かく、ついつい涙・・・良かったです。
こういう作品をみると、身近な人々の有難味を痛感しました。
一郎(足立祐紀さん)の頑なな心が、和らぐ様が良かったです。
芙美江(永井利枝さん)の時を感じさせる話し方、情の深さ、とても良かったです。首にかけた日本手ぬぐいで、汗ふいたり、ちょっと握り締めたり等の、ちょっとした仕草に込められた想いが、見事でした。
町の人々の増田再起さん、阿野真八さんの深い想いも、良かったです。
バック等の小道具の触り方や持ち方にこもる情感が、皆様、良かったと思いますが、旅行に来ているのに、着物姿というのが気になりました。
ちょっとだけ、大袈裟にみえるところが、惜しい感じでした。
満足度★★★★★
『裁きの日』
やっぱり濃厚!でした。裁判員制度に選ばれてしまった人々の、結論を出さねばならない時の物語。動きは少ないが、沈黙に潜む想いや、言葉に出来ない心情を魅せる濃厚な本、演出、役者さん方の総合力を、堪能できました。やっぱり『12人~』も次回作も、観たいです。
ネタバレBOX
裁判員制度という場においての作品で、一つの机を、ぐるり9人の役者さんが囲って、物語は進むので、どの席からも見えない部分は存在するのだが、不満は感じなかったです。
表情が見えなくても、ちょっとした、指先、唇の震え、座る姿勢や背中の丸さ、視線の動きから滲む想いが、濃厚でした。
理屈でわかっていても、湧きあがる感情
どんなに決心しても、揺れる心
どうしても割り切れない想い
・・・って、葛藤と言う一言では、済まされない。
窓があるのに、光が差し込む事のない部屋は、皆の心境でもあるようで、それでも出さなければならない結果。
納得できなくても、歩み始めなくてはいけない毎日。
それは裁判員制度だけでなく、人生のちょっとした岐路でも同じなんだと、思ってしまいました。
部屋を出ていく際の皆の姿も印象的でしたが、裁判長の内藤への一言も良かったです。扉を閉めた際に写る影の大きさが語っていました。
全役者さん見事でしたが、やはり岡本篤さん、蒻崎京子さんから目が離せない。二人の会話が重なる部分の見事な事。
蒻崎さんの後ろ側に座っていたのですが、3人の後ろ姿から想像してた表情が、休廷の時に立った際に見えて、やはり・・・と納得でした。
裁判長の古川健さんの、冷静でありながら、冷たい訳でもなく、たしなめるようだが、押さえつける事のない話し方、とても良かったです。ひとときだけ心情を吐く時の表情の抑え方も、良かったです。私的には昨年拝見した、ロッジ2軒の印象がまだ残ってたので、空気感の違いは見事でした。本は、もちろん、役者さんとしても素晴らしかったです。
やっぱり『12人~』も観たい!4日(土)の夜しか、観れないのですが、取り扱い中止・・・当日券発売予定時間や、立ち見予約は?昼間仕事なので、あんまり早く行けないのですが・・・