愚鈍起承転浪漫譚 公演情報 シンクロナイズ・プロデュース「愚鈍起承転浪漫譚」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    浪漫
    正に、題名どうりの素敵な物語でした。叶うか解らない夢や理想を持つことは、希望や活力であるが、時に重荷になったりする。夢見るだけでなく行動することは、犠牲や空回りもあり、その姿は他人から見れば、時に滑稽だったりする。それでも全てが無駄にはならない希望が見えてくるのが、浪漫と思いました。




    遅刻してしまい、開幕7分位見れず、最後列に座りました。過日、他の劇団の作品を、この劇場の後方で見たせいで、作品の良さより粗が目立ってしまい、他の方々の観てきたと違いすぎたという、苦い経験があり、不安が過ったのですが、余計な心配でした。シンプルな舞台に、4本の柱、いくつかの椅子、木箱、役者さんの力量で、いくつもの情景を魅せてくれるので、良かったです。照明、導入音楽も良く、役者さんが奏でる効果音としての風音、馬の蹄音は、特にお気に入り。主人公役(早川毅さん)が、特に秀逸で、還暦以上のベテラン役者さんの味は、さすがと思っていた私。お見送りに出ていらした姿は、30代半ばにもいかない方で、驚いてしまいました。まんまと、騙され・・イエイエ!しっかり役柄を信じ込んでしまいました。シンクロさん、これからも、見続けたい劇団さんです。

    ネタバレBOX

    劇中劇が含まれるのですが、劇団演出家であり老役者でもある姫路(早川毅さん)は、余命わずかの病を、抱えながら、作品作りをしている。

    劇団員は仕方なく、彼の最期の一世一代の「お芝居」を創る事を決意し、結末の見えない旅に出る事にしたのだが・・・

    姫路のやり方に、不満を持つ若手や、姫路の体を心配するあまり辞めさせようする仲間。

    それでも、めげずに続ける姫路の姿は、時に滑稽でもあるが、潔い格好良さもありました。

    よく有りがちな劇団物劇中劇に収まらず、『ドン・キホーテ』との絡め方も面白かったです。パフォーマンスよりシンプルだったり、より納得できたりと、身体表現の使い方も上手く、新鮮な演出で魅力的でした。



    人生って仕事も恋も遊びも、他人にどんな評価されようとも、貫き通したいことが、あるだけでも、幸せなのかなぁ~なんて事を、思いました。

    脚本や演出の良さを活かせる、表現力のある役者さんが多かったです。
    神田役(草光純太さん)、小曲犀役(張徹雄さん)、印象的でした。
    姫路(早川毅さん)は、特に秀逸で、逞しさや滑稽さは、もちろん、余命いくらばかりの痛さや弱さや、細々とした声も、最後列の私まで、しっかり伝わりました。

    0

    2011/07/30 02:55

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大