令嬢ジュリー
SPAC・静岡県舞台芸術センター
静岡芸術劇場(静岡県)
2010/10/02 (土) ~ 2010/10/10 (日)公演終了
満足度★★
うーん、芝居は不完全燃焼の出来でした
確かに舞台美術は圧巻の美しさでした。しかし肝心の芝居が・・・わずか3人だけの会話劇ですが、その会話が舞台上で成立していなかった。演出の制約が強すぎて、何だか役者さんがひどく窮屈そうな印象を受けたのです。
【月刊彗星マジック】10月号 『彗星マジック×baghdad cafe』
彗星マジック
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2010/10/12 (火) ~ 2010/10/12 (火)公演終了
満足度★★★★
観ました 【亡命少女】
今までと、感じが違う、「月刊彗星マジック」のお芝居でした。
森が広がる、人が戦う、人が森の領域に入り込む、
森は人を拒む、木、枝、葉、林、虫 それらが森
森で命を燃やして飛空機の灯台の灯火にしていた少女、
燈台守の先人から受け継いた仕事、人が占有してはいけない場所か?
森だから人が美しく燃えるのか?
燃やされた人には、自分の暖かな光を、誇りに思う魂もある。
燃やされても、再生する魔女もいる。人を惑わす。
人間のわがまま、傲慢、
私にとって難しいお芝居でした。色んなお芝居があります。
カラムとセフィーの物語
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/14 (木)公演終了
満足度★★★★
最後は「抜け出した」二人
原作は、本国で高評価のシリーズものの第一作、しかも400頁と
相当な長さの作品。 それを三時間近くにまとめたその手腕が素晴らしい。
それを可能にさせたのはまず何をおいてもスピーディーでパワフルで、
緊張感をうまいこと持続させていた演出によるところは大きいですね。
最後辺りは、何とか最悪な悲劇だけは回避されますよう…と半ば
祈るように観ていました。
この作品、結構肉体的に痛い部分やキツい言葉が出てきたりするので
ほんの少しだけ、そこは理解して観た方がよいかも知れないです。
多分原作と劇作では結末部分が大きく変わっているようですが…
そこはネタバレで。
ネタバレBOX
11歳と13歳から始まるカラムとセフィーの関係。
その二人の関係は年を追うごとに、周囲の環境が変わっていくごとに、
同じように激変していく。
かたや決して裕福とはいえない、被差別種族のノート人のカラム。
かたや、支配種族であるクロス人、しかも副総理の父を持つセフィー。
本人達の「二人でいたい」というささやかな願いも、人種間の際限の無い
憎しみの中に翻弄される。
ノート人の解放義勇軍に参画し、爆破テロを起こした咎で父親を
殺害されたカラムは家を出、兄に誘われるまま、自身も解放義勇軍に
身を置く。
セフィーとの、一緒に駆け落ちしようという約束は、ちょっとした
行き違いから反故となり、再びの三年後の再会の時、かつての
心優しいカラムはいない。 彼はセフィーを誘拐し、組織の身代金の為の
人質とする。
ここでの、セフィーの、カラムへの悲痛な訴えは心が痛いです。
二人で向き合ううち、三年前の約束の反故が誤解とすれ違いに
よるものと分った二人はそのまま情を交わす。
アジトを警察に突き止められ、逃避行の中、カラムはセフィーを
無事逃がすことに成功する。
時は経ち、二人は自分達が幼少の頃、よく遊んだ思い出の浜辺で
落ち合う。 そこで、カラムはセフィーの口から、彼女が自身の子供を
身ごもったという事を知る。
喜びの中、二人は子供の名前を。 カラムは自分達がよく遊んだ
庭に咲くバラからRoseを、セフィーは息子だったら彼の殺された
父親にちなんでRyan、娘だったらカラム-Cullumを崩してCallieを提案。
しかし、二人だけの時間は突如終わりを告げる。 突如現れる警察。
カラムは連行され、その後死刑判決を受ける。
死刑の十分前、現れたセフィーの父親から、娘の生まれてくる子供が
自分の子供ではないことの証明書を書けば恩赦を与える、という取引に
証書を破り捨てることで応じたカラムは、刑場でセフィーと互いに愛を
叫び合いながら息絶える。
やがて。
セフィーは娘を出産。かつての約束通りCallieと名付け、自身も今後は
カラムの「マクレガー」姓を名乗ることを発表。
半ば勘当された身のセフィーは娘と共にかつての二人の思い出の
浜をゆっくり歩く。 自分の恋人はすぐそばにはいない。
しかし、「あの日」書いた二人のRoseとCallieの文字はしっかと残り続ける…
結局、この物語の中ではクロスとノートの諍いは終わらなかった。
でも、時に憎み合いさえもした二人の子供はこうして生きて憎悪の
連鎖、それしかない世界、それが終わらない世界とは別の世界を
生きる可能性と希望を持っている。
そして、それは二人の両親の決断のおかげ。
二人が子供を守ったから、この子は「二人の子供」として生を
受けることが出来たことは忘れてはいけないのです。
現実は厳しく、決して自分達の世代では好転しないかもしれない。
それでも、小さなことからわずかに変わる希望があるのかもしれない。
そう思うと、明日に明るさを少しでも覚えることが出来るかも知れない…と
考えることだって出来ます。 そうでしょう。
『カラムとセフィーの物語』。 原題―Noughts and Crosses
説明書きによると、○と×を三つ並ぶように置いておく、日本でいう
オセロゲームみたいなもので「相手にミスが無く両者が真正面から
真剣に向き合う場合には、勝負がつかない」そうです。
あとから、振り返るとこの解説が、この物語の本質を衝いている気がする。
人対人。 簡単ではないけど、そこにこそ光がある気がする。
無邪気で邪気なみんなのうた【総製作期間2週間終了しました!】
ぬいぐるみハンター
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2010/10/08 (金) ~ 2010/10/11 (月)公演終了
満足度★★★
小さい子との会話
の勉強になった気が。ぬいぐるみハンターの「いじわる遊び」は会話が武器。台本にしたら短い言葉なのに枚数がものすごく多そう(笑)あんなにハチャメチャした後に役者が不安げな顔&直立不動で見送る姿に笑う。もっと短くてもいいかな。また観たい。
Project BUNGAKU 太宰治
Project BUNGAKU
ワーサルシアター(東京都)
2010/09/30 (木) ~ 2010/10/10 (日)公演終了
津島家。
太宰のつもりで玄関よりただいま。10メートル以上ありそうな土間を歩いて板の間を通り左折、右手の窓硝子から見るは雪が盛られた庭。黒光りした廊下を進んで仏間の前で足を止める。光り過ぎて観音様だかなんだかわからない物体を前に私はなんと滑稽な!と思いました。太宰が貧しい同級生の家に寄った帰り、自分の家と友人宅を比べて優越感だけに浸っていたとは考えにくく。太宰の内に美しさをみません。原作に登場する可憐に映る風景や描写も当たり前に目の前を通過するモノたちを明記していく作業にも思え、心の底から美しいと思うことなどもうやめてしまっていたように感じます。その太宰が塚越さん演じる太宰ではないかと思いました。ということで面白いと思ったのは、『人間失格』と『HUMAN LOST』です。
コロさん×塚越さんの太宰。周囲の期待に応えて死んでみせてくれたサービス精神旺盛な太宰そのもので、期待して観に行くということを普段しないのですが今回ばかりはこのお二人がどうするのか知りたかったし、満足であります。
そしてひょっとこ広田さんの太宰に対する想い、をなんだか強く感じました。原作ではピンとこなかったけど領土は広くともさほど自由ではない太宰がいたように思います。
企画として、新しく劇場にきてくれる人が増えて良かったと思います。職場で女が行って楽しめるのかと問われることの虚しさったらありません。
Twitterで興味を持って観にきた新しいお客さんが、今後手帳に芝居の予定を書き込んでくださるといいなぁ。
牡丹亭
TBS
赤坂ACTシアター(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/28 (木)公演終了
満足度★★★★★
アジアの至宝
「日本」の、ではなく「アジア」の至宝、と敢えて言いたいと思います。
1幕45分、2・3幕各40分(途中休憩5分、20分)の総計2時間45分の
長丁場にも関わらず、本当にあっという間の舞台でした。
一年間徹底した猛稽古の結果、中国の役者と見まがうまでの発声を
身に付けた坂東玉三郎。 自身の舞いもさることながら、脇を固める
春香役の方の息も恐ろしくぴったりで、一幕「游園」から華麗な動きに
圧倒され、美しさに食い入るように見つめている私がいました。
ネタバレBOX
四幕「離魂」で恋煩いの果てに、自身を梅の木の下に埋めて欲しいと
懇願する娘の姿に涙を流すしか出来ない母と春香の姿。
両脇に設置されたスクリーンでの翻訳も格調高いものであり、
この場面では引きこまれ、私もつい涙がこぼれてしまうほどに
移入しました。
なんというのか…動きの全て、首のかしげ方、手のかざし方一つとっても
意味が込められていて、その時々の心情が見ているこちらにしっかと
伝わるんですね。
二幕「驚夢」で、春を司る神がその従者と舞いを踊るのですが、
その動き一つとってもさざ波を表現していたり。 表現が巧みと感じます。
一幕で苔むす庭園に心寄せたり、最小限の動きで心情を最大限に
表現したりする手法。 ふと「もののあはれ」「能」と日本文化の粋と
いわれるモノとの共通点も微かに感じたりと、どこか遠かった中国
芸能に俄然興味が出ましたね。 今後は、その辺りの関係も勉強
したいと考えます。。 でも、奥が深そうだなぁ。。
ともあれ、荘厳で、かつ繊細な芸能に触れたいと思う人全てが
見るべき舞台と最後に述べたいですね。 素晴らしい!!!!
オーマイ ゴッド ウイルス
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/17 (日)公演終了
満足度★★★★
みんなで作る新しい物語
セットが素晴らしい!地底から浮き上がってくるセットは巨震兵が出てきたのかと思った!笑
相変わらずの三宅・小倉のアドリブが光る。笑いの殆どはこのアドリブで。更に30周年ということで初期メンバーには、ミュージカル仕立ての動きが酷な舞台。笑)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
舞台は地底プリズムで息づくデビル族と人間を悪魔の誘惑から守るエンゼル族との抗争の中、当の人間を光と闇の調和の取れた本来の人間に戻す更生の物語。
プリズムのセットが地下からせり上がってくる場面や次のセットへの転換が絶妙だった。ライトの効果も加味して異次元の世界の到来を感じさせるような演出の仕方。素晴らしい!
それに反して舞台のコネタは緩々で笑える。ワタクシの観た回はアドリブが絶好調で、小倉の仕草にも腹抱えて笑った!笑った!デビル族のチビル(小倉)はまったき悪魔的ではなく、イノシシみたいなデビルでバク転はできないわ、動き回るとハア・・ハア・・ゼイ・・ゼイだわで、悪魔なんだかイノシシなんだかよく解らなくなって仕舞いにはただの塊のようになっていた。笑
一方でエンゼル注射をされた村の人々が正義の味方を自称する民話や童話のの登場人物となってデビル側と戦うシーンはもはや日本の物語と世界名作劇場が合体したようなぐちゃぐちゃな展開!笑
三宅が語る、本当のシンデレラの物語の内容、「シンデレラは王様のお妃となりましたが、継母と意地悪な姉二人を呼びつけて無理やりガラスの靴を履かせました。靴に足が入らないと足を削り、そうして燃え盛る火の中から鉄の靴を取り出して3人に履かせました。3人はあまりの熱さにクルクルと踊り狂い死んでしまいました。そうして3人の目玉をくり抜いて仕返しをしました。」という物語こそがシンデレラの本当の物語なので、この説明にも納得!
今回の芝居では、シンデレラの物語を引き合いに出して人間の本質を語り、人間から嘘や悪や闇を取り除いてしまったら問題ばかり起こってしまう。だから人間には色んな感情が必要で光と闇の調和があってこその人間だ。死んだ平和が終わってカオスが始る。これからは人間が「新しい物語」を作るんだ。という創世のテーマだった。
終盤の壮大なテーマの描写は流石!
最後は三宅だけがええかっこしい、の舞台!笑
ワカチアウ
ジェットラグ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2010/10/07 (木) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★★
予測不能の展開が面白い
オトナの『転校生』(←劇中にも例えで出てくるし、その原作タイトルもさり気なく出てくる)的な流れから急旋回してホラーかと思わせて実は別の「コワさ」を皮肉も交えて描き出す展開が予測不能で面白い。
また、このテの作品のキモとも言うべき「入れ代わり」後の表現も良くて満足。
ウラの目と銀杏の村【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】
キコ qui-co.
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/10/09 (土) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★
現代の寓話?
今回も美しい!
また、幻想的でありながらも妙に現実に即してもいる作風は「現代の寓話」と言うべきか。
「鬼」についてもいくつかの解釈が浮かんだが、なにも1つに限定せず、そのものズバリも含めた複合的なものと受け取るのもアリか、とも思ったりする。
葬送の教室
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★★★
『hg』の感動ふたたび
理路整然とした語り口でありながらも序盤から各人物の心情が直接こちらの心に伝わって来るよう。
違いはありながらそれぞれ前向きでなおかつ少しだけ遠慮もしている各人物たちもきっちり役割を担って的確に描き分けられているし、そんな内容をさりげなくしかしシッカリ際立たせる照明もイイ。
で、最大のヤマ場を何とか乗り切った、と油断していたらまんまと罠にかかってエピローグ直前に涙…。
そんなところも含めて『hg』の感動ふたたび…いや、上回ったかも?
葬送の教室
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★★★
くっきりと強く深く
舞台に
くっきりと、
役者たちの秀逸なお芝居が重なり合って・・・。
気がつけばしっかりと命を背負った
想いたちの歩みに
深く浸潤されていました。
類稀な傑作だと思います。
ネタバレBOX
最初のシーンがシンプルに
物語に観客を引き入れ、
道標を観る側に置いて。
シーンが移り
枠組みの内側の物語がゆっくり立ち上がっていく。
その場に人が集うごとに
急ぐことなく、でも冗長になることもなく
的確に、空気が醸成されていきます。
遺族、航空会社の関係者、当時の検察医、新聞記者・・・、
それぞれに想いがあって。
理性で抑制された想いも
理性から溢れだした想いも
不要なバイアスがかけられることなく
秀逸な解像度で描き出されていきます。
役者達から伝わってくる想いに
観る側が信じることができるだけの
実存間があるのです。
立場は違っても、
その修羅場に立会った心情や
その事故で失われた命に対する
それぞれの想いの真摯さがしっかりと伝わってくるから
立場が交錯し、
躊躇が生まれ、
貫かれ、
或いは揺らぐ姿に曇りがない。
立場の差こそあれ
それぞれのキャラクターが、
あの日の修羅に立会い
失われた命を抱えて過ごした姿が、
冷徹なほどクリアに伝わってくる。
そして、その重さが、個々の立場に絡み合って、
様々な軋轢が舞台を満たしていきます。
纏うものと事故の修羅の間に挟まれて
キャラクターたちから滲み出して来る
それぞれの想いが
怒りや苛立ちや痛みとともに
観る側を巻き込んでいく。
その中でも歩みを進め、
冷徹に事故の再発へと向かう娘を失った男の姿に
息を呑む。
ひとりずつの事故への思いに加えて
感傷でも美談でも括られることのない
背負った命の重さに支えられたような
執念のあからさまさに
強く心を打たれる。
舞台上にステレオタイプの正しさなどはなくて
それでも、その場の人々は、
その男の歩みに連れられるように
それぞれの一歩を踏み出していきます。
検察医も新聞記者も、
殉職した姉を持つ女性も
個々の遺族たちも、
・・・そして航空会社の職員たちも
それぞれの形で歩みを進める。
男の歩みはやがて、冒頭のシーンに行き着く。
それは、物語の場面から
長い時間をかけての
達成の姿なのだと思う。
でも、2度目のそのシーンには
冒頭とは異なった、
単なる達成感に留まらない
修羅の時に身を置いたものたちへの
深い鎮魂の思いを感じて。
そこには残されたもの、
そしてその事故を背負いつづけたものたちの
質感がしっかりと宿っていました。
観終わってから、時間がたっても
舞台の印象がさらに様々に解けて
心を満たす。
作劇のすばらしさに加えて
役者達の安定感や作り出す圧倒的な密度に支えられ
舞台美術や照明にも
しっかりと捉えられて。
この舞台、
再見するというよりは、
時間を置いて再び観たいと思う・・・。
本当に秀逸な舞台だったと思います。
カラムとセフィーの物語
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/14 (木)公演終了
満足度★★★★★
文学座の勝利宣言。今年のベスト芝居のひとつ。
圧倒された。文学座は今も最前線、最高峰と再認識される素晴らしい舞台。http://palove.blog.shinobi.jp/
葬送の教室
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
気付かない奴は最強
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/11 (月)公演終了
満足度★★★★
大義の崩壊
組織も時間が経ち、人も変われば
大義や理念が失われ、崩壊を始める。
彼らがその後どうなったか気になりますね。
『三姉妹の罠』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
テアトルBONBON(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/11 (月)公演終了
満足度★★★★
面白かった
冒頭部分がいまいち乗り切れなかった感じがありましたが
一度波に乗ってしまえばテンポよく楽しく見れました。
葬送の教室
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい
内容のことを考えると、劇場へ向かうのも足が重かったのだけど、
これは本当に素晴らしい舞台だった。観に行って良かった。
観たいけど重そうな話だし・・・と悩んでいる方、
(空席があるかわかりませんが)観に行かれることをお薦めします。
窮する鼠
JACROW
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/12 (火) ~ 2010/10/17 (日)公演終了
満足度★★★
テイストの違う三様のオムニバス。
狭いギャラリー公演で、衣装も含め具現化したいのか抽象的で匂わすのかがハッキリしてなかったかな?テーマはあまり関係なし。100分。
ネタバレBOX
一本ずつ簡単に感想なぞ。
「きぼうのわだち(改訂版)」
役者陣の演技が大きすぎる。ホテルマンとの衣装の差別化も出来ていないし、そのホテルマンの仕草も不自然で違和感あり。強引な展開や花嫁の兄がペーパーアイテムを作って間違える等全体として芝居のウソが受け入れ難い。
「LoveLetter from …」
中心人物の極端にテンションの高い演技を巧く活かし、間の使い方で作品全体の強弱を上手につけている。最後まで語らない終わらせ方も◎。
「リグラー」
ステロタイプのパワハラ芝居の緊張感を前面に出して、中盤まで本当の構図を隠しながら進めていく展開は見事。ただ大々的にネタバレしてからの展開が長すぎる。全部語らなくてもよいから、もっとスマートに落としてほしかったかも。
ワカチアウ
ジェットラグ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2010/10/07 (木) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★
チープだけどおかしい
登場人物が4人で、チープ(悪い意味ではない)な内容、男女が入れ替わるのは転校生が有名ですが、この作品もなかなかで、異性にかわってしまった男女をおかしく演技していた。ただ、少ししまりがないのが残念
窮する鼠
JACROW
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/12 (火) ~ 2010/10/17 (日)公演終了
満足度★★★★
久々のお芝居
しばらくぶりに芝居を見に行けた。
JACROWに行くと、見ている最中や終わったあとに、あれこれ考えさせられることが多いので、久々の観劇にはハードル高いかなと思ったが、やっぱり見に行ってよかった。今回も話が進むにつれて、あぁこれにはそんな意味があったんだとか、ひょっとしてあそこにはあんな意味が込められていたのかなとか思わされることが多く、帰途も芝居の内容を反芻しながら楽しめました。
「敗者復活戦」がテーマということである程度覚悟はしていたが、芝居が進むにつれてどんどん空気が重くなるような話でしたが、三つの作品それぞれ役者さんの演技もぜんぜん違うし、ストーリーの味付けも別物だったので3倍おいしかったと思います。
エリザベート
東宝
帝国劇場(東京都)
2010/08/09 (月) ~ 2010/10/30 (土)公演終了
満足度★★★★
私が、おねえさんやおばさまだったら、きゃーまゃー言っちゃうかも
大仰で豪華な感じがいい。
1シーンが3分~5分程度に構成されていて、休憩もあるので、飽きないようにうまくできている。
狂言回しとして、ルキーニがシーンの内容を解説するという構造もうまいと思う。それによって、物語がとてもわかりやすくなっている。
ただし、ストーリーは…
ネタバレBOX
ただし、ストーリーには共感がまったくできない。
少々意地悪く書くと、「后になったら自由はない」と皇帝に言われて納得したのにもかかわらず、実際に結婚したら「自由がない」と嘆き、皇帝も国民も捨て城を出てしまうエリザベート。
しかし、彼女は、すべてを捨てて出たのではなく、大勢の家来を連れての家出であり、結局のところ、国民と国家のお金を散在しながら(スイスに自分の貯金を隠したりして)、18年もヨーロッパを遊び回り、特に理由もなく、ひょっこりと戻ってくる。
そして、母に捨てられたのに、まだ母を慕う皇太子を、また捨て死なせてしまう。
結局、特に自分の人生を悔いることもなく(さすがに息子を死なせてしまったことは悔いるが)、死の皇帝トートに請われて、死の世界に旅立つという物語。
自分にまつわるすべてを捨てて、めでたし、めでたし、なのだ。
つまり、単にキレイなだけで后になり、権力と金を手にした、世間知らずのわがままに女の話にしか思えないのだ。
そして、そんな女に振り回された2人の皇帝の話というところか。
でも、会場にいるおねえさまやおばさまたちは、うっとりとしながら観劇している。楽しそう。
どうやら、山口祐一郎さんのファンが多いようだ。
彼の歌は、びっくりするぐらい甘い。そして、舞台に現れると、独特のオーラのようなものがある。キメの感じがなかなか絵になるのだ。どう見ても主人公はトートに思えてしまうほど。
この雰囲気は誰かに似ているな、と思い、思い当たったのは杉良太郎。ああ、そう言えば、杉良太郎も、おねえさまやおばさまのファンが多かったなと。
時代が変われども、彼女たちのアイドルの好みは同じなのだ、と納得するのだった(これで流し目とかあれば完璧・笑)。
3度、4度とカーテンコールが続くのだが、山口祐一郎さんがちょっとお茶目なところを見せたりしていた。それにおねえさまやおばさまたちは、きゃーきゃー言っているのだ。
それは、わかるなあと思った。私がおねえさまやおばさまだっら、やっぱりきゃーきゃーいいそうなぐらいの、サービス精神に溢れているのだった。
これでダンスがうまかったら、言うことないんだけど。
それと、トートのテーマの旋律が、トートの歌のあちこちに散りばめられているせで(同じメロディの歌も多いし)、どうも歌がワンパターンに聞こえてしまうのは残念。今もサビの部分だけは耳に残っている。
そう言えば、トートの登場シーンは、ロッキー・ホラーショーのフランクフルターの登場シーンとダブって見えたなあ。独特の引っ張りというか、わくわくさせ感のようなものが。山口さんフランクフルターやってくれないかなあ(笑・パルコで来年ロッキー・ホラーやるみたいだけど)。
『エリザベート』は、宝塚版もあるようだ。観た人に聞くと、宝塚版は、ダンスを楽しむものらしい。
この物語がなぜ人気があるのか、イマイチわからないのだけれども。
とは言え、単純に雰囲気と歌などを飽きずに楽しめたことだけは確かだ。