エリザベート 公演情報 東宝「エリザベート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    私が、おねえさんやおばさまだったら、きゃーまゃー言っちゃうかも
    大仰で豪華な感じがいい。
    1シーンが3分~5分程度に構成されていて、休憩もあるので、飽きないようにうまくできている。
    狂言回しとして、ルキーニがシーンの内容を解説するという構造もうまいと思う。それによって、物語がとてもわかりやすくなっている。


    ただし、ストーリーは…

    ネタバレBOX

    ただし、ストーリーには共感がまったくできない。

    少々意地悪く書くと、「后になったら自由はない」と皇帝に言われて納得したのにもかかわらず、実際に結婚したら「自由がない」と嘆き、皇帝も国民も捨て城を出てしまうエリザベート。
    しかし、彼女は、すべてを捨てて出たのではなく、大勢の家来を連れての家出であり、結局のところ、国民と国家のお金を散在しながら(スイスに自分の貯金を隠したりして)、18年もヨーロッパを遊び回り、特に理由もなく、ひょっこりと戻ってくる。
    そして、母に捨てられたのに、まだ母を慕う皇太子を、また捨て死なせてしまう。
    結局、特に自分の人生を悔いることもなく(さすがに息子を死なせてしまったことは悔いるが)、死の皇帝トートに請われて、死の世界に旅立つという物語。
    自分にまつわるすべてを捨てて、めでたし、めでたし、なのだ。

    つまり、単にキレイなだけで后になり、権力と金を手にした、世間知らずのわがままに女の話にしか思えないのだ。

    そして、そんな女に振り回された2人の皇帝の話というところか。

    でも、会場にいるおねえさまやおばさまたちは、うっとりとしながら観劇している。楽しそう。
    どうやら、山口祐一郎さんのファンが多いようだ。

    彼の歌は、びっくりするぐらい甘い。そして、舞台に現れると、独特のオーラのようなものがある。キメの感じがなかなか絵になるのだ。どう見ても主人公はトートに思えてしまうほど。
    この雰囲気は誰かに似ているな、と思い、思い当たったのは杉良太郎。ああ、そう言えば、杉良太郎も、おねえさまやおばさまのファンが多かったなと。
    時代が変われども、彼女たちのアイドルの好みは同じなのだ、と納得するのだった(これで流し目とかあれば完璧・笑)。

    3度、4度とカーテンコールが続くのだが、山口祐一郎さんがちょっとお茶目なところを見せたりしていた。それにおねえさまやおばさまたちは、きゃーきゃー言っているのだ。

    それは、わかるなあと思った。私がおねえさまやおばさまだっら、やっぱりきゃーきゃーいいそうなぐらいの、サービス精神に溢れているのだった。
    これでダンスがうまかったら、言うことないんだけど。

    それと、トートのテーマの旋律が、トートの歌のあちこちに散りばめられているせで(同じメロディの歌も多いし)、どうも歌がワンパターンに聞こえてしまうのは残念。今もサビの部分だけは耳に残っている。

    そう言えば、トートの登場シーンは、ロッキー・ホラーショーのフランクフルターの登場シーンとダブって見えたなあ。独特の引っ張りというか、わくわくさせ感のようなものが。山口さんフランクフルターやってくれないかなあ(笑・パルコで来年ロッキー・ホラーやるみたいだけど)。

    『エリザベート』は、宝塚版もあるようだ。観た人に聞くと、宝塚版は、ダンスを楽しむものらしい。
    この物語がなぜ人気があるのか、イマイチわからないのだけれども。

    とは言え、単純に雰囲気と歌などを飽きずに楽しめたことだけは確かだ。

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    2010/10/13 06:23

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