最新の観てきた!クチコミ一覧

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うっちゃれ三行半

うっちゃれ三行半

東京パチプロデュース

上野ストアハウス(東京都)

2012/03/20 (火) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしろかった~(^o^)v
江戸時代の古地図をパネルにした舞台美術、あの ねずみ小僧 の時代を背景に 繰り広げられる人情コメディ!! といった趣でしょうか。

東京パチプロさんは 初見の劇団さんでしたが スピーディーな展開 面白かったです☆

さながら 動く落語 みたいな感覚のお芝居でした。


その時代にあったであろう 男子からの一方的な離縁状 「三行半」 をきっかけに 2組の夫婦が 微妙に絡み合って 笑いと人情の 良い作品であったと思います。

役者さん的には、 弾丸MAMAERの田仲晶ちゃん 出だしの 旦那へのびんたの凄まじさ、可動式のパネルを ぶち壊す などなど 迫力一杯の演技 すごかった~

時間も1時間40分 と 集中してみていられたし、これからも 要チェックですねえ

ワンダーガーデン

ワンダーガーデン

玉造小劇店

座・高円寺1(東京都)

2012/03/08 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

まさしく四つの華
今回papasanが観たのは、4女優の 四華ヴァージョン。 とっても魅力的な女優さんばかりで、めっちゃ楽しみにしてました。

四人の女優がそれぞれ一人の女性と一人の男性を演じる。全員ひとり二役(レオちゃんは3役なんですが)

男性を演じる時もジャケットを変えるだけなので、女性らしい男役です。

明治から大正・昭和初めくらいなのかな!? 裕福な家庭のお庭を舞台にした物語。

うら若き乙女から20年後くらいまでを描くストーリーですが、随所に笑いもあって 楽しい楽しい2時間でした。

高橋由美子ちゃん やっぱりお美しい~
HOBOの「ハロルコ」以来だったけど演技力もお肌のツヤも言うことなしですわ。。

キャラメルの大森美紀子さんの男役も なんだかかわいらしい感じでgoodでした。

ドリルチョコレートの「テスタロッサ」以来の 小椋あずき ちゃんもめっちゃ笑えました!! メリハリが効いた演技もさすがですねー

レオちゃん(澤田育子)も いつもはGMN5 などの崩したものになれてたけど フツーのお芝居も存在感あって

やればできるんじゃーん(笑) 女優・澤田育子 を観た感じです。。

高さのある 座・高円寺1にあわせた 立派な舞台美術も良かったし、途中ゆる~い所もあったりと 気楽に楽しめる作品でした


ダンス専科2012

ダンス専科2012

セッションハウス

神楽坂セッションハウス(東京都)

2012/03/31 (土) ~ 2012/03/31 (土)公演終了

満足度★★★★

無題348(12-091)
15:00の回(雨と風)。14:32受付開場、今日も客席数が多い、5演目、間に10分の休憩というアナウンス,15:09前説、15:12開演〜16:59終演。こんなに多様なダンスをみることができるなんて、お芝居でも複数の劇団共演ものがありますが、全部いい!というものではありません。技術的/手法的なことはなにも知りませんが、楽しければよし。演目2の「日本舞踊」は能の舞台でみたらもっと映えるんだろう、演目4は動きや表現の大きさに感心60分フルに使ったプログラムをみたいな。以下、公演内容とは関係ありません。

ネタバレBOX

運営について。
ダンスでこれだけ開演が遅れるのはなぜ?
雨で遅れる人達待ち?
開演時間には状況説明をするのが普通では?
雨の中、傘をさして並んで待っている人がいるのだから
受付開始時間の案内くらいあってもいいのでは?
(たしか)3人中で待っていたけど(特別な)関係者の方?
途中休憩、16:15〜16:28、ここもずれ(10分のはず)ている。
愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了しました!ありがとうございました!

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了しました!ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

ワーサルシアター(東京都)

2012/03/27 (火) ~ 2012/04/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったです
本、演出、役者さん、全て魅力的でした。言葉にできない、言葉にならない想いの紡ぎ方が、素敵でした。『3.11』に関する作品は、5本目でしたが、一番心にしみ、優しさを感じた作品でした。

ネタバレBOX

三姉妹が、とても良かったです。
長女真帆(相原菜保子さん)次女美帆(新妻さと子さん)三女(光藤依里さん)の表情、視線、佇まい、痛いほど、伝わることが大きく、とても魅せられました。
特に真帆、長女ならではの辛抱強さ、決断しなければならない痛みだったり、無理して頑張っても、女の脆さや優しさと、とても素晴らしかったです。

疎開先の伊勢の人々や、現実を直視しようとしている記者、そのキャラらしさも、とても良かったです。
東北弁や伊勢弁、地名も、馴染みはないのだが、なんだか懐かしい様な、、、愛郷の念や温もりが籠められている、本・演出・役者陣が見事でした。
伊勢の祭り歌も、良かったです。
他人だから言える事、言ってはいけない事、やれる事やれない事、客観視しながらも、少しでも痛みが癒える事を、祈る想いは一つのように思えました。

場面転換時、真っ暗な暗転ではなく、薄明かりの中でも、光の色や暗さ加減が、微妙に違うのが、転換前の余韻であったり、次の場面の序章のようであり、とても良かったです。
遠吠岬は夕曇り【ご来場ありがとうございました!】

遠吠岬は夕曇り【ご来場ありがとうございました!】

劇団ぺブル(ペブル・グラベル)

中野スタジオあくとれ(東京都)

2012/03/30 (金) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題347(12-090)
13:00の回(快晴)。12:15会場着、もう受付は始まっていました、チケットはなく代わりのトランプカードが整理券に、先日、こりっちメンバーからこの先に図書館があることを教えていただいたので、ちょっとのぞきに行きます、戻って場内へ、12:30開場。舞台中央あたりに暗幕、ということは、その後にセットが。なぜかきちんと制服を着た(このビルの)警備の方、客席への誘導、トイレの案内、空調の具合他にも気配りしまくり…無愛想な警備員が多い中で立派な心がけだ…なわけがなく、役者さんでした、係の者がこないので代役で前説までこなすマルチぶり、いい雰囲気で観劇できそうな気持ちになってきます。いつものようにどのお話にしようか迷い、こりっちから予約したら最後の1枚だったのか「×」になりました。客席はパイプ椅子、13:05開演〜15:05終演。

ネタバレBOX

開始そうそうフラッシュ、喧嘩か…暗転、お墓のシーン、墓石、花と絵と男、ここらは覚えておいて後で何かあるんだなとインプットしておく。

個人的なこと:我を忘れるようなお芝居、自分が楽しんでいることをめいっぱい感じながらみるお芝居。今日は、後者、こちらの劇団は初めて、いやいや〜とっても・・・よかった。

未完
ピーター・ブルックの魔笛

ピーター・ブルックの魔笛

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

歌が弱い
ネット上で随分感想が出ている通り、歌唱がパワー不足。きちんとしたオペラを観たことがない私でもはっきり思いました。なんだかなあと思い、無料配布にしては随分豪華なパンフレットのキャスト一覧を見たら、私が観た楽日は主要キャストはパパゲーノ以外全て、埼玉公演のみの出演とのこと。要するに、一軍メンバーではないということでしょうか。これではきちんとこの作品を観たことにならないのでは・・・。
オペラの敷居を下げて、観客にドラマを優しく手渡そうという意図は伝わってきました。オペラ「魔笛」との関係性の中でこの作品は評価されるべきなのでしょう。

ようこそガンダーラ温泉

ようこそガンダーラ温泉

かのうとおっさん

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2012/03/30 (金) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★


1本目の馬鹿馬鹿しさ、2本目の世界観が良かったけど、あとが期待したほどは乗り切れなかったです。
でも難しいこと考えずに楽しめる芝居だと思います。

ネタバレBOX

炎のショーウーマン
書かれているのと内容が少し違ったような・・・。

あと、かのうさんは綺麗な人だなと思いましたが、その反面キレそうな怖さも感じました
くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

DULL-COLORED POP

レイノホール(広島県)

2012/03/31 (土) ~ 2012/03/31 (土)公演終了

満足度★★★★★

ウソではないウソ
満員でした。
そして、ほわん♪としたお話かと思ったらそうじゃなかった!!
号泣→ラストで「生きるってこんなもんだよね」と。
谷川俊太郎の「ウソの中のホント」に出会えました。
良い作品を観させて頂いて、ありがとうございました。
今後の活動に更なる期待です(^^)

ネタバレBOX

「人の気持ちが分かる」って言ってるお母さんが、一番分かってないよね・・・。と公演中思っていました。
でも、分かってないから、自分以外にソレを強要するのかな?とも。
私だって、自分にないものを他人に求めているもんなぁ。

だけど、おかげで良い兄妹を育てられました。
兄の「父からの手紙」に号泣しちゃったもの。
お母さんは心の中のどこかで、きっと気づいているよね。
でも、ウソだけどウソではないことも・・・。

今日だって、私もウソをつく。
人の気持ちを考えて、悲しまないように軽いウソ。
時には重いウソ。
ウソの中にある、私が人を思うホントの気持ち・・・。


破壊ランナー2012

破壊ランナー2012

キティフィルム

あうるすぽっと(東京都)

2012/03/29 (木) ~ 2012/04/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

キティフィルム「破壊ランナー」観ました。
 開始3分で度肝を抜かれる、徹底的に鍛え抜かれた身体表現(パワーマイム)の、全体に尽くすチームプレイが、自在に時空を操作する。役の切り替えや本筋から逸れたサービスも、タイミングばっちりで効果的。そして、王道ではあるけれど、圧倒的な人間讃歌がまばゆいストーリー…みんな自分の人生を背負って走っていった…。
 あと、保村さん(アロイ・オーナー役)の声が、客席まで絡み付いてくるようで凄すぎた…。

ジョギリ婦人

ジョギリ婦人

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

デス電所「ジョギリ婦人」観ました。
 最高にいい意味で「ひどい芝居」。どうにもぬぐえない人間不信を、惜しみないエンタメ・サービス精神で観客に届ける(決して歌はうまくはないけれど 汗)。血のりや本物(?)の凶器も相まって、心のざわつきを押さえないと観てられない。舞台上に重ねて見える、自分のうちの汚いものと向き合うことによる浄化作用もあるのかも(←うがってる)。震災直後のデマのように、暗黒じみた噂話は人々の心の奥底の望みから生まれるのか…。
 歌の場面で人物が物語の流れからいったん身体を外すのは、観客が感情的にのめりこみ過ぎるのを防ぐ、いい効果を(自分の内では)感じました。

下賤の天 ~白浪は蒼天に咲く~

下賤の天 ~白浪は蒼天に咲く~

カラスカ

TACCS1179(東京都)

2012/03/28 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった!いいよ、これは!
個人的には、非常に楽しめた!
私は時代劇は、どちららかというと苦手なジャンルなのだが、
これは良かった!!
劇団初見であったが、まさに芝居&エンターテイメントとして楽しめる。
上演時間2時間10分程度。

ネタバレBOX

観劇初心者にもオススメできる娯楽作品だった。
個人的には、時代劇なら、この劇団のものは観劇したいと思えた。

・脚本、演出が素晴らしい。舞台の中にグイグイ惹きこむ。
出演陣が多いのだが、役柄・セリフにムダがない。
登場人物の中で、最初、吉宗、日本左衛門(本物)が分からないのも
謎解きで良かった。
笑える場面も多いし、楽しめた。
・役者陣も魅せるなあ。特に殺陣場面なんか良かった!
 どの役柄も皆魅力的にみえた。各自が存在感を出していた。
 最初、姫様の靴や吉原女性陣のペニュキュアがちょっと気になったが
 遊び心のように感じた。
・受付の人が皆、和服というのもびっくり。
 時代劇ということで徹底しているのだろうか(笑)。
テキサス

テキサス

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2012/03/17 (土) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

期待していただけに、がっかり。。。。
セリフがつまらなく、尚且つ不快に感じるシーンが多かったです。
主演者の方も面白いと本当に思って、出演されたのでしょうか?

今まで、見に行った中で、一番と思えるほどつまらなかったです。
演技というよりかは、脚本の問題だと思えます。
失礼ですけど、長塚さんの勝手な自己満なのでは??と感じました。

HOTEL CALL AT “杉並演劇大賞”受賞

HOTEL CALL AT “杉並演劇大賞”受賞

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

小さな解れ
毎回の感想と同じなのですが、素晴らしいセット、脚本、演出と役者さんそして誠実なスタッフさんも含めて、ほぼ完璧な舞台なのではと思わせてくれました。
しかしながら、この世に戻る際の設定について首を捻る部分があり、それがどうしても自分の中でノイズになってしまいました。恐らく凡百の芝居では小さな解れで気にならないとは思うのですが、先に書いたとおり、ほぼほぼ完璧な芝居なので気になってしまったことだと思うのですが・・・・

24の瞳の次世代の最初の道筋

24の瞳の次世代の最初の道筋

ENBUゼミナール

笹塚ファクトリー(東京都)

2012/03/31 (土) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題346(12-089)
19:30の回(強風)。19:02受付開場、入って通路を通り(スタッフ)Aさんと会う、あれっ?中野じゃないのですか、とお聞きするとそっちは木曜までということで。広く、斜めに迫り出した舞台(高さ1メートルくらい)、正面、上手には大きく高い壁、座席は入り口からの通路(役者さんが通ります)を挟んで左右に。最前列(ミニ椅子)だと目線が床面と同じ高さになりそうだったのでちょっと後ろに。今日は早々と前列にもお客さんが座って、満席、追加の椅子まで。場内に子供の声を含んだドラマの一部のようなものが流れていて、もしかして「24の瞳」の音声部分かなと思う。19:31前説、押しています。19:38場内明るくなり、一人ずつ、両サイドから登場、開演のようです~21:30終演。

ENBUの卒業公演は3本目でどれもがよかった。作演出が生徒自身、いたるところに私にはあわない部分(繰り返しは苦手)があったけど、そんなことよりこの12人がここにいて「芝居」をやっていることのほうが大切、それをみるためにここに来たのですから。

満足度はメンバーのこれからを想いながらのものです。

ネタバレBOX

先生が生徒の名前を読み上げてひとりずつ、大きな壁は「黒板」、そこに描かれ書かれたものは劇中で採りあげられ、数字なんかも意味があったのだろうか、歌は意外と上手、おばあさんの場面は3.11なのだろう、繰り返し現れる裸男はツナミか地震か、長々と続く「行為」は退屈なだけ、それでも何か確信しているのだろう、黒板の上、左そして床から現れる男、月光仮面風の男、なぜ小さな命を消し去ろうとする?延々と水漬け..ここは不快だ…力(権力でもいい)が全てを赦すのか、12人が揃った動きが面白い、壁に向かって張り付いている(動かない)ところは絵的に必要だったのか、下手、舞台端では何を覗いているのか…。
菊次郎とさき

菊次郎とさき

東宝

大阪新歌舞伎座(大阪府)

2012/03/28 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★

王道の人情喜劇
北野武さんの両親の半生を描いた人情喜劇で、いかにもな分かり易いストーリーテリング・演技でしたが、笑わせ方や泣かせ方にあまり強引さがなく、引いた見方にならずに観ることが出来ました。

物語は関東大震災の日から始まり、第二次世界大戦を経て、貧乏で苦しいながらも逞しく生活する様子が暖かくユーモラスに描かれていました。これからは学問が大事と考えるさきと、職人の子は職人で良いと考える菊次郎がぶつかり合いながらも共に生きて行く姿が頻繁な場面転換を挟みながら軽快に進み、客を飽きさせない構成となっていました。
自然な伏線の張り方で、ある古典芸能のストーリー引用がされていて、洒落ていて面白かったです。

メインのセットと、その手前の空間と、1層高くなっている奥の空間を使った空間演出は良かったのですが、それを有効に利用したスムーズな転換にはなっていなかったのがもったいなく思いました。
転換の繋ぎにミュージカル的なシーンが何回かあり、もっとたくさん歌を聴きたかったです。

タイトルロールの陣内孝則さんと室井滋さんはコミカルに若い頃から晩年までを演じていて楽しかったですが、出演者の全員が分かり易いお約束的な演技だったので、深みを感じることがありませんでした。

ジョギリ婦人

ジョギリ婦人

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

見せる面の変化の面白さ
歌でしか醸しだせないニュアンスというものがあって、
それが観る側を物語の深淵へと
踏み込ませているように感じました。

しっかりとボディを持ったシーンが
色を変え積み重なっていく感覚は
かなりすごい。

語られる物語にごまかしや甘ったるさのない、
大人のミュージカルを観たように思います。

ネタバレBOX

劇団初見。
本当になんの予備知識も持たずに観劇。
(そもそもミュージカルであることも知らなかった。)
実をいうと、個人的な事情で
結構疲労困憊のなかで客席についたりもして・・・。

で、いきなりクオリティをしっかりと担保された
シーンが現出して驚く。

役者たちが個々のシーンでの歌や演技を
ミュージカルの流れに安易にのせず
しっかりと足を踏ん張り
切っ先を作って演じている感じがとてもよい。

若干役者間での歌唱力の優劣はあるのですが、
それでも、歌への入り込み方や重ね方、
さらには場の深度を作り上げていくような
展開には観る側を醒めさせることなく
物語に引き込むだけの技量があって、
また物語を託されたナンバー達にも
しっかりと耳にとどまり
場を一気に包括するするような秀逸さがあって。

短い伏線の張り方というか、
一つのシーンの中に
一歩の何分の一かの次のシーンが重ね合わされているあたりが
音楽の秀逸さに足を留めさせることなく
もたつきのない物語の流れへと観る側を導いてくれる。
で、その物語が冒頭からしっかりと面白いのですよ。
隠されたものが次第に姿を現わしていく前半、
音楽のテイストと戯画化された部分とリアリティが
実にバランスよく観る側を巻き込んでいく。
だから、展開が見せる、
様々な物語の面の一つずつに
しっかりと揺さぶられてしまう。
そして、気が付けば、
単なる復讐劇の顛末を通り越して
人間が根源的にもつ心のありようや闇の世界に足を踏み入れていて。

それなりのバイオレンスシーンや
男性が竦み上がるようなシーンもあるのですが、
それを誤魔化さないことで
組み上げられていくニュアンスにこそ心を奪われてしまう。

まあ、R15的な部分も多々あるのですが、
それもテイストとして生かされていて・・・。
ミュージカルという形式を
表現の武器としてしたたかに使いこなす
作り手や演じてたちの力量にぞくぞくきました。
しかも、初めにミュージカルありきではない
物語に作意を込めるスタンスのようなものがあって、
だからこそ、シーンたちの一つずつが
流されない強さを持ち、
それぞれの局面が見せる舞台の面の変化のようなものにも
抵抗なくがっつりと取り込まれてしまったのだと思う。

観終わって、劇場に入った時に感じていた疲れなどどこへやら、
ダークでクリアな、見晴らしをもった感覚とともに、
豊かな表現に接した時の高揚にしっかりと浸されていて。

この劇団が次にどのような作品を作り上げるのか
とても楽しみ
次回公演も是非に観たいと思いました。




わが星

わが星

北とぴあ演劇祭NEXT

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2012/03/31 (土) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

完成度きたーっ!
この公演に携わっていながら、初見でした。稽古も一切みていません。なので感想書きます。

中高生がメインで演じ、それをささえる演劇好きのスタッフの一体感が芝居にあらわれていました。芝居って楽しい!と観客も一緒に思えるパワーが劇場に満たされていましたね。

セチュアンの善人

セチュアンの善人

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2012/03/27 (火) ~ 2012/03/31 (土)公演終了

満足度★★★★

ブレヒト演出の肝は!どこにあるか。
四川の善人。神様のハミ出し3人組白人は秀逸です。現代人がこの劇を観るさいのポイントはなにかを私なら考えます。説得力とはすなわちキャラクター
造形にあるとおもいます。このブレヒトの戯曲の構造は固定されてますので、
いまの時代の人間に差し込んで魅せるためには、ああこんなヤツよくいるよね、というキャラクターの登場がひつようです。いくら人間の中身は100年前
もかわらない。といわれても、詐欺や個人主義、軽薄、ミーハー、ナルシズムなど、もっと狡猾で高度に複雑な背景をもったアイドル人生観の人間も、出世も、刹那的快楽主義者もいます。真実は常に1つという世界観の人間は生きにくい時代になってきたというのがブレヒトが創作した時代の感覚です。ここからはみ出すあたらしい感覚をすでにもっているのが現代人だということをこの演出家は知って、あたらしい価値観、あたらしいキーコンセプトを足せたか!というところがブレヒト演出の勝負です!

鬼界ヶ森

鬼界ヶ森

劇団め組

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/29 (木) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

黒沢映画のテイストもあり
時代劇ファンの私としてはとても楽しみに出かけた。
あの“毎日が死に近い”緊張感が好きだ。
印象に残る美しい衣装と立ち姿、効果的な音楽と映像美のような照明、
そして忘れ難いいくつもの台詞。
フライヤーのイメージ通りの美しさ。
黒沢映画のテイストも感じさせる素晴らしい舞台だった。

ネタバレBOX

吉祥寺シアターの奥行きある舞台の、さらに奥にある巨大な扉が開くと
そこには階段があり、異界への“きざはし”となっている。
細長い行燈のような照明が二本、天井から吊り下げられていて
少し薄暗い舞台が時代劇らしい雰囲気に包まれている。

鬼退治のため森へ入って行く一行の面々が魅力的だ。
虚空役の新宮乙矢さん、過酷な運命の果てに
虚無的な人生を送る孤独感が漂っていた。
立ち回りの際に足元が揺るがないところが素晴らしい。
武蔵役の藤原習作さん、落ちぶれた城主だが
かつての家臣を引き連れて歩き、人を惹きつけ包み込む温かさを持つ男が魅力的だった。
出家した道雪役の秋本一樹さん、潔く内省的な人柄がにじんでいて
武蔵と共に、虚空の心と人生を変える言葉に説得力があった。

そして鬼の正体、淀殿の生霊を演じた高橋沙織さん、
登場した時から圧倒的な存在感。
家康の豊臣家に対する仕打ちを恨むあまり生霊となって
関ヶ原の戦いで死んだ者達を呼び寄せ、さらに仲間を募る為に
男たちをさらって心を操り、支配下に置いていたのだった・・・。
一時は時代を動かし、その後時代に置き去りにされた女の口惜しさが
きれいな立ち姿と緋色の袴で槍を構える全身から立ち上るようだ。

ダイナミックな日本映画を観るようなこの舞台は
何と言っても台詞の素晴らしさだろう。
淀殿の生霊が虚空の剣に刺し貫かれるとき
「わらわは、母上のようにはならぬ」と叫ぶ、あの悲壮な声が忘れられない。
「人の心は操れぬ」という虚空の言葉も。
凝縮された無駄のない台詞が全体を引き締めていてあっという間の2時間弱だった。

ちょっと残念に感じたのは、村の女性たちの台詞が少しすべって聴こえたこと。
時代劇の台詞は返事一つでも現代劇とは違う。
着物を着たホームドラマならそれでもよいが、
ここまで丁寧に作り込んだ舞台となると男性陣の台詞の重みとの差が目立つ。
元々武家の女たちなのだから、もっと落ち着いて喋っても良かったような気がする。

階段の最上段に細川ガラシャの鬼を横たえた時と、淀殿を横たえた時の
照明とスモークの演出がとても幻想的で、
かつ自然に成仏した感じが伝わって感動的。
般若の面をつけてしゃべる時のスピーカーから聴こえる声や、
音楽の音量が程良く個人的にとても快適だった。

ラストが浪人二人の後ろ姿に見送る僧という、まるで黒沢映画のような
ちょっとユーモラスで明るい幕切れと言うのもよかったなあ。
わが星

わが星

北とぴあ演劇祭NEXT

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2012/03/31 (土) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

星から生まれて
岸田國士戯曲賞「わが星」を見てみようと思って。

ネタバレBOX

演者は中高生だろうか。これくらいの人がやる舞台は初めてみたけどなかなか観ていられた。たどたどしいとこもあるけど。有名な作品やるのは勇気なのか、意欲があるのかしらないけど良いことだと思う。てか難しくないのかな、こういう作品って。

ミニマムで壮大な印象。リフレインと発声の妙、時間と空間が濃縮された演劇…。うまい演劇だった。

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