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『熱海殺人事件』(作・つかこうへい)

『熱海殺人事件』(作・つかこうへい)

モウムリポ(ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動)

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2012/08/04 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

演劇は格闘技だ
吹原さんと役者さんが真っ正面からつかこうへいの戯曲にぶつかっていた。
その姿は実にすばらしかった。

ただ個人的に「熱海殺人事件」は苦手なのでこの評価(今回あらためて苦手であることを再認識)。


役者さんみなさん、パンツ1枚の姿である。
パンツ一丁にネクタイやスカーフ。
不思議と違和感がない。
はじめに「ぶつかっていた」と書いたが、これは取り組む姿勢だけでなく、文字通り舞台の上では肉弾戦が繰り広げられる。
パンいちで肉弾戦、すなわちプロレスである。
憶測ですが、吹原さんはつかこうへい(の演劇)にプロレスを感じたのではないだろうか。それを踏まえてのこの演出、と考えると自分としては納得できるのだがいかがだろう。

いつか見た男達~ジェネシス~

いつか見た男達~ジェネシス~

劇団500歳の会

本多劇場(東京都)

2012/07/28 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

最終日観劇
オリジナル未見。
改訂脚本と演出により、昭和のエッセンスに平成の千葉風味を加えた為か、多少猫ホテのテイストが見え隠れしていたような気がし、全体の焦点がぼやけて見えてしまった印象が無きにしも非ず。
前半のアドリブ応酬合戦についニヤニヤ、十人十色のある意味やりたい放題の曲者役者芝居。
辛気臭く損な人生を軽く笑い飛ばせるいい〆方でした。

ネタバレBOX

良い子・悪い子・普通の子、小ちゃな頃から悪ガキで〜ではないが、幼稚園時代から健全とは真逆の生き方を強いられてきた、連れ子・パンパンの子・捨て子・死刑囚の子・乞食の子5人と、学生時代に普通の子が加わる。その中に男子を虜にする?噂の転校生がやってくるが、妊娠したまま誰の子かも告げず、彼らの前から居なくなる。
時代が変わっても彼らの境遇はそれほど改善されていないが、ある手紙がキッカケで川治温泉へ行く事に。

温泉地では、当時とは変わり果てた一軒家の子と転校生が暮らしており、その子供が仲居で働いている。作家を気取っているが実は母子に暴力?を振るう始末。
訪れた5人の誰とでも駆け落ち出来るチャンスはあったと思う母、そのキッカケを作った娘に見えた息子もまた、母の業を繰り返しているようで切ない。
最後、普通の子が温泉に浸かり「あ〜」「う〜」って言葉が自然に出てくるシーンに、過去よりも未来(という大それた言い回しでなく)明日が良い日だったらそれで良いじゃないという気にさせられる。

スナックのママさんは安定の鉄板ぶり。どこの土地でも、「ゆみ」は実際いそう。かおるちゃんが切なく健気。
じゅんじのてんやわんやぶりに一緒にもがきそうになり、こういちの身体能力の素晴らしさに目を奪われ、たけおの美声に酔い、みちやの口八丁に笑わせられ、はるおの立場に眉をひそめそうになるもあの笑顔に安心し、かずやの潔さに熱くなる。

その当時の舞台を観ていないのでどの辺りが改変されているのか不明だけど、最初から最後まで一定のテンションの高さを要求されて、またそれに役者さんがちゃんと対応し見せ場が用意され、見ている方も盛り上がる。
全員の個性が強過ぎて話の筋が大雑把にも感じたが、登場人物の紹介から見える悲壮感とかはなく、むしろユルい。明日からも力を抜いて生きて行けば良いじゃないかな、とぼんやりと思った次第。
ここまでがユートピア×トラックメロウ

ここまでがユートピア×トラックメロウ

劇団あおきりみかん×オイスターズ

座・高円寺1(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/06 (月)公演終了

満足度★★★★

両方みた
トラックメロウ 星3つ
好みが大きく別れるかも。私はあまり好きではなかった。劇場の広さとか演出によるものかも。アフタートークでの渡辺えりとのかみ合わなさがとても興味深かった。脳内劇場と実際の上演との差異。

ユートピア 星4つ
笑いに内蔵された悲しみ。最初の30分で予想したことが裏切られ始めるときの快感。周りは笑いに溢れていたけれども、私は泣きそうだった。

どちらも、いくつか演劇を見ている人向けの作品に感じた。

点描の絆

点描の絆

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動しました。
ミステリー要素を含んでいるので、とても面白く展開し、見応えがあり、そして心の温まるストーリーでした。とても感動しました。そして、愛があってこその犯罪に切なくもなりました。ストーリーは勿論、役者さん達も素晴らしく、老若男女、誰にでもお薦め出来る良い舞台だと思いました!

蒼い妖精とピノッキオ

蒼い妖精とピノッキオ

劇団ひまわり

あうるすぽっと(東京都)

2012/07/05 (木) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★

それなりに楽しかったが・・・
童話的な仕立てで、子供心に帰るには良い作品。
それなりに楽しく観ましたし、
蒼い妖精の話も良かったのだが、
ちょっと大味というか、盛り上がるべきところでもさほど盛り上がらずに、
進んで行ってしまう感じ。
筋にメリハリがもっとあると良いかな?

【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)

【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)

劇団東京ペンギン

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2012/08/04 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

かなりディテールにこだわって仕事してます
良い仕事してますねぇ。
ただ、関西での公演は、もう少しお客さんを信用して、余裕を持った笑いしろを作っておいて欲しい。
畳かけるかのようなマシンガントークで、少しおいてけぼりを喰らった感がありました。

裕本さんの関西の落語家が語っているような関西弁は圧巻。
この喋りは、関西人でも誰でもができるものでは有りません。
小田急版では、この関西弁が聞けないのかと思うと、勿体なく思います。

すぺどら SPACE X DRAGON

すぺどら SPACE X DRAGON

超人予備校

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

チョビマゲドン
イライラッとこないゆるさ。
抜群のバランスで構成されたキャラクターたち。
って、ミツルギさんが「アルマゲドン」を観ながら考えられたのかと思うと、それだけでほっこりきます。

終末って案外こんなもんかも。
まるで龍が翔ぶようにフワフワとした不思議な、でもズンと心にくる舞台でした。
(ちなみにアルマゲドンを観ていない友達と観劇しました。すぺどらからの、で観るそうです)

非実在少女のるてちゃん

非実在少女のるてちゃん

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

みた
好きだ。チケット代もっと上げてもいいと思った。

黛(まゆずみ)さん、現る!

黛(まゆずみ)さん、現る!

ナカゴー

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/30 (月)公演終了

満足度★★

黛(まゆずみ)さん、現る!
若い女優さんが走って暴れて、汗だくになって、ぴちぴちの頬を紅潮させているのが可愛らしかったです。

ネタバレBOX

檀れい役が「ダンレイ!ダンレイ!」って叫ぶのには笑いました。
ここまでがユートピア×トラックメロウ

ここまでがユートピア×トラックメロウ

劇団あおきりみかん×オイスターズ

座・高円寺1(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/06 (月)公演終了

満足度★★★★

トラックメロウ
始めの会話等は舞台の広さをうまく利用していて良かったです。

ネタバレBOX

ただ、途中までの添乗員と運転手、乗客との会話は、クドさとしつこさで少々イライラさせられました。
タイムマシーン云々からの不条理な展開は、強引な無茶っぷりはとても面白かったです。
その不条理さばかりが印象に残り、結末が弱いようにも思えました。
カンガルー

カンガルー

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

Space早稲田(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

初めての不条理演劇
不条理演劇は初めての体験でした。想像以上に不条理で難解で、分かりにくい舞台でした…ですが、不条理演劇にしか味わえない独特な雰囲気(演技や、衣装、小道具、簡素な舞台)はすごく楽しめたと思います。

【福岡公演間近!9月末は鳥の演劇祭!】アルルカン(再び)天狗に出会う

【福岡公演間近!9月末は鳥の演劇祭!】アルルカン(再び)天狗に出会う

ディディエ・ガラス×NPO劇研

ぽんプラザホール(福岡県)

2012/07/14 (土) ~ 2012/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★

ガラスの仮面
 「仮面劇」とは人間の多重性を象徴化した演劇である。
 観客は仮面がその人物のペルソナの一つに過ぎず、その後ろには「真実の顔」があることを知っている。しかし、劇を観ている間は、その仮面こそが「真実の顔」であると「見立て」て、全く別の顔が隠れているとは、あえて考えないようにしている。
 だから「仮面劇」において「面を外す」ことは本来は絶対の禁忌である。いったん、その仮面を被れば、俳優はその人物になりきらなければならない。天女の面を被れば天女に、魔物の面を被れば魔物にならねばならない理屈だ。その時、仮面のペルソナが人間の肉体に憑依する、それが「演技」の本質だ。
 その「憑依」経験が度重なった時、俳優の心に奇妙な心理が働く。「自分がこの面の人物を演じているのか、それともこの面が自分を演じさせているのか」という思いだ。
 故マルセル・マルソーは、代表作『仮面』において、そんな俳優の逡巡を具象化してみせた。゛仮面が顔から離れなくなった男゛の物語である。日本の「肉付き面」の伝承を想起させるが、根底にある思想は共通している。男は面の「魔」に魅入られたのだ。
 これはマルソーによる「演劇論」であったと言ってよい。優れた舞台は、それ自体が一つの俳優論なり演劇論になる。
 ディディエ・ガラスは当然、マルソーを意識していただろうし、日本の能にも通暁しているので、「肉付き面」の逸話も知っていただろう。自らの「仮面劇」を創作するに当たって、マルソーとは全く逆のアプローチを行った。
 その結果、浮かび上がったことは、「人間は誰でもない」という冷徹な真実である。仮面の下にあるものが「見えない」のであれば、どうしてそれが存在していると断定しえるだろうか。存在していると同時に存在していない、「シュレジンガーの猫」のようなものとしてガラスは人間を捉える。
 これもまた演劇が表現しようとしているものは何かというガラスによる「演劇論」であり、その問い掛けに答えなければならないのは我々観客なのだ。自分が本物か、それとも足下の「影」の方が本物なのか。ポーの『ウィリアム・ウィルソン』のごとき難問に答える術は、我々にはないのかもしれない。

ネタバレBOX

 アルルカンの仮面は黒い。
 それは彼がアダムとイブを惑わした張本人の末裔であることを示している。
 「お前たちは俺のことを道化だと思っているだろう? そうじゃない! 俺はアルルカンだ!」
 箒を使ったマイムで、ひとしきりクラウンを演じた後で、黒仮面のガラスはたどたどしい日本語でそう叫ぶ。
 確かにその通りだ。黒い仮面は道化には全く相応しくない。アルルカンがどんなに滑稽な仕草を見せても、客席からたいした笑いが起きなかったのは、仮面が象徴している「闇」が笑いを疎外していたからだ。
 初めはなぜこんな「不似合い」な仮面を着けているのかと訝しく思ったがそうではなかった。アルルカンはアイデンティティー・クライシスを起こしていたのである。
 本来のアルルカン=アルレッキーノ=ハーレクィンは「魔」である。人の心の安寧を乱し、物語を混沌へと導くトリックスターである。演劇の歴史の中で、いつの間にか身に纏った闇の意味を忘れた自分に苛立ち、「本当の自分」を取り戻そうとする、それがガラスが造形したアルルカンなのだ。
 アルルカンは黒い仮面を剥ぐ。しかしその下にはまだ「肉色の仮面」がある。アルルカンはまだ気付いてはいないかもしれない、しかし観客には一目瞭然だ。アルルカンは゛まだ本当の自分゛を取り戻してはいないのだ。
 アルルカンはたくさんの面を被り、そしてそれを次々に剥いでいく。しかし「本当の顔」はどこにもない。次第に狂気に駆られていくアルルカン。そして彼は「もう一人の自分」に出会うのだ。やはり同じ「魔」である「天狗」に。
 最初にこの芝居のタイトルを見たときに気になっていたのは、アルルカンがどのように天狗に会うのか、一人芝居でそれをどう表現するのかということだった。簡単なことである。そこには「一人」しかいないのだから、天狗はアルルカンのもう一つのペルソナであったのだ。面を被り「天狗」となったアルルカンは、歩みもまた能のごとく「地擦り」でゆるりゆるりと参る。「動」のアルルカンに対して「静」の天狗であるが、彼を中心に円陣を組むように配置された仮面の数々が(中にはヴェンデッタの面もある)、「真実」を物語っている。
 「天狗」もまた憑依された「仮の顔」に過ぎないことを。「真の顔」などどこにもないことを。「彼」はアルルカンですらなく、何者でもないことを。

 「彼」は観客に語りかける。フランス語で、イタリア語で、スペイン語で、中国語で。日本人である私たちには当然、通じない。「彼」は焦るがどうしようもない。
 ようやく日本語で観客に問い掛ける。「今、何時ですか?」
時間を確認して、「彼」は呟く。「おしまいです」。

 肉色の仮面も取り、「彼」はディディエ・ガラス本人に戻る。そして先ほどまでとはうってかわった穏やかな口調で、子供の頃の思い出話を母国語のフランス語で語り始める(バックに日本語字幕)。
 それはガラス氏の父親が体験した不思議な話だった。ある日、山に登った父親は、霧の中を向こうからこちらに向かって歩いてくる男がいることに気がつく。
 誰だろうと目を凝らした父親が見たその顔は。
 自分そっくりの男だった。

 ガラス氏が語ったのはそこまでである。そのあと、父親とその男がどさうなったか、何も言わないままガラス氏は退場してしまったので結末は分からない。しかし我々は、ポーの『ウィリアム・ウィルソン』で自分そっくりの男に出会った男がどうなったか知っている。ドッペルゲンガーに出会った人間がどうなるかという伝承を。
 「演劇」に関わる人間がどれだけ自覚していることだろうか。数多くの仮面を被り続けることの危険さを、その恐怖を。そして我々一般人も果たして自覚しているのだろうか、自らのアイデンティティーなどは妄想に過ぎないことを。
 ドッペルゲンガーは私たちの中にある。そして自分が何者でもないという絶望から立ち直ることは、人間には決して容易なことではない。しかし「自分が自分である」 ことに固着すればするほど、ドッペルゲンガーの絶望の陥穽は、その穴の入口を大きく開けて、我々を呑み込むのである。
点描の絆

点描の絆

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

なかなかなドラマ
ストーリーも凝っていて、場面展開もどのシーンも心に残る内容で無駄が無い。
丁寧に表現さfれていて、2時間以上の作品でたっぷり作品の世界観に浸れる良い出来でした。。

くじけまみれ

くじけまみれ

月影番外地

ザ・スズナリ(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

スズナリ最高
劇場なのかその外なのかわからないくらいスズナリなセットとお芝居。
最高でした

泡

劇団 東京フェスティバル

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/11 (水) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

豪華なキャストで素晴らしい舞台を堪能
東京フェスティバルは、毎回社会的な視点を盛り込みつつ、笑いの多い作品を見せてくれる。
今回は、小名浜のソープから震災、原発事故を見せてくれた。

ネタバレBOX

事故直後は作業員が多く来たので、混んでいた風俗街が、原発作業員の箝口令のために外出禁止になっていったことで閑古鳥が鳴くようになってしまったこと、原発事故による漁業補償のこと、震災の復興と言えどもフーゾクには銀行が貸し付けを渋っていること、等々と、作・演のきたむらけんじさんが現地でリサーチしてきたであろうことが、リアルに盛り込まれていたようだ。

しかし、コメディである。
そういう状況にあっても、人の営みがあって、面白いということ。
無理して笑わせるシーンを作るのではなく、思わず笑ってしまうシーンを作り出す、脚本のうまさがある。

そして、役者全員が味のあるいい演技。
うまいから、大爆笑もあった。

役者はとにかくみんないい。
どこか胡散臭いけど、いいおっちゃんの朝倉伸二さんは、こういう役をやらせたらピカイチ。前作ではびしっとスーツを決めていた天宮良さんが今回は真っ黒に日焼け(舞台では危ない表現をしていたが・笑)した原発作業員が、さまになっているのに驚いた。漁師で船長の近江谷太朗さんもいい、2人とも男気を感じさせるところににうまさがある。
人気ソープ嬢の小林美江さんもも情がある感じで、人気があるという雰囲気が出ていてうまい。そして、数年前までは現役ソープ嬢という、川俣しのぶさんもとてもいいのだ。

ラストの、小さなシアワセ感(「感」だけで実らないだろう雰囲気も含めて)は素敵だった。この物語にふさわしいラストだ。

東京フェスティバルにはバスレはないな。

猪苗代湖ズの音楽で客入れという趣向もいい。
少女仮面

少女仮面

劇団俳小

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

豪華
舞台や衣裳が豪華でした。役者さん達の演技力もさすがだと思いました。が、単純な私には、ストーリーが難しく理解出来なかったので、個人的には苦手でした。合う合わないが分かれる舞台だと思いました。

ここまでがユートピア×トラックメロウ

ここまでがユートピア×トラックメロウ

劇団あおきりみかん×オイスターズ

座・高円寺1(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

オイスターズ『トラックメロウ』:コミュニケーション苦手な人たちはひたすら不条理。
思いもよらない攻められ方で、思わずはしたない声を出して笑ってしまった。
とにかく笑った。

ネタバレBOX

前に観た『雑音』の面白けどヘンな手触り、その理由がちょっとわかった。
そう、かなりの不条理なのだオイスターズは。
完全な不条理劇なのに、大笑いな感じ。

バスの設定がぐちゃぐちゃしてくるのも楽しい不条理だし、脚立でトラックの運転席を見せるアイデアも楽しい。

冒頭から異様、というか不条理。
感情を置き忘れてきたような、ツアーバスの乗客の様子も、絶対に自分が悪いと認めないバス運転手も。

感情のこもらない乗客たちの会話と、その内容に神経を逆撫でされる添乗員が、ヒートアップする。思わず、名古屋の方言が出てしまうほどの。
乗客も運転手もほとんど自分の中にいて、意識して外との接触は避けていると言うわけではないが、と言うかコミュニケーションとるのが不得意なように見える。バラバラな人が集まっての統一感。

彼らが、雪の中でのバスの故障というトラブルに遭うことで初めて一体感っぽい感じを見せる(バスがガードレールに衝突して事故るというのは、現実があるだけに、ちょっとひやっとしたけど)。
その一体感に、今まで神経を逆撫でされていた添乗員は、もの凄く気持ちが良くなってしまい、トラックメロウの運転はうまくて、早くて、早すぎるから、相対性理論で、タイムマシーンだの、何だのとあらぬことを口走り、妄想一直線に突っ走ってしまう。誰もそれには突っ込まないところが、コミュニケーション下手で、それが過剰で不条理。
そしてラストの狂乱とも言える「クマを探しに」につながっていくのだ。

トラブルに巻き込まれた彼らに救いが現れるのだが、それがトラックメロウ(女郎)、つまり女性トラックドライバーである。
バック不得意。気の抜けた「バックします」の警報音。

このドライバーの存在も人と接するのは苦手そう。結局一言もしゃべらず、添乗員や乗客たちのわけのわからない妄想に包まれてしまう。

骸骨の一連のシーン、「骸骨なら踊れよ」と、骨を付ける(エンガチョみたいな)展開から、「今骨は誰?」「お前だよ」のオチには笑い転げてしまった。

ここで描かれる不条理性は、実は日常に転がっていることで、誰しもが体験していることなのだ。我関せずで、自分のことしか考えていない。
「つぶやき」のリアル版というか、受け手のことを考えずに、今、思ったことを、とにかく口にしてしまう。
だから今誰かが言ったことだろうと、何だろうとお構いなしだし、「なんとなく」で大切な場面であっても発言してしまう。会話が得意じゃないから(たぶん)、手を挙げて発言する。

そういうのって、あまりにありすぎるから、マヒしているのかもしれない。
こうして「他人事」として見ている分には、笑っちゃうけど、当事者になったら笑えない。

真面目に接している添乗員が、ヘンになっていくのもよくわかる。
ちょっと恐い。

そして、運転手にはムカツク(笑)。

アフタートークで、少しわかったのだけれど、作・演(出演もしていた)の平塚直隆さんが、人と話すのがあまり得意ではなさそうということ(失礼!)。なんかモクモグしていて、あまり話を聞けなかった印象だったから。つまり、この中に出てくる人々は、彼の分身であり、彼自身にとってはそれほど違和感がない存在と発言なのかもしれないな、ということ。
もちろん、面白くするために、それをかなり強めにはしているだろうけど。

と、言うことで、オイスターズとあおきりみかん、「2010年の劇作家協会新人戯曲賞 最優秀賞」の共演なのだが、両者とも、他人との関係が描かれていたのが、印象的だった。

狂乱とも言える「クマ探し」の行進に、水を差すような、運転手が「忘れてきた」と言っていた携帯が、見つかるラストのバランスも素晴らしい。台詞に出さず、暗転しつつある舞台に、そっと光る携帯。いいなあ。

どうやら、「続・トラックメロウ」というのもあるらしい。これ東京で観られないのかなぁ。
観たいなぁ。

Nobody is Perfect

Nobody is Perfect

劇団ガバメンツ

APOCシアター(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

完全犯罪
 パーフェクトに挑戦する話としては、粗すぎる。論理的な緻密さが必要である。それなしには、最後のドンデンも真の意味で活きてこないことが、分からないとしたら、この手の作品を演ずるべきではあるまい。演技も全体的にのっぺりしていて作品に深さを与えることができなかった。例外的に頑張っていたのがまりこ役の女優、彼女の演技には工夫が見て取れた。

点描の絆

点描の絆

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

しんみり
 舞台美術の品、しんみりさせるシナリオ、子役をやった役者の演技、芸術家の感覚と一般人のそれとの落差。殊に最後の問題に関しては、表現する者は、ずいぶん悩む問題ではあるまいか? 無論、金儲けの手段として、表現者のふりをする人々は含まない。真摯に表現を追求する人々のことである。芸術至上の立場をとるヒトであっても、おそらくは、その根底に常識と自分の世界、或いは世界観とのギャップが存在するであろう。アーティストは、その鋭敏な感覚で、時代を先取りしてしまうので、大方の人々との間に齟齬をきたすのだ。無論、アーティストをリアルタイムで評価しうるディレッタントは存在するが、彼らもまたマイノリティーであることに変わりはない。
 ただ、表現する者の、純粋性や拘りを許容するのも、世間である。真に優れた、また真に独創的で同時に本質的な表現は受け入れられる可能性が大である。其処に賭け、それを継承しようとする才能の在り方と世間ずれした相続の権利者との争闘を描いてしんみりさせる作品である。

少女仮面

少女仮面

劇団俳小

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

さすがと云えるでしょう
まず,この劇団はさすがに芝居がうまい。アングラでどちらかというと苦手のジャンルだけれど,演技や演出に感心しながら,90分,飽きずに観劇できた。唐十郎の芝居だなぁ,昭和のティストだなぁとは思ったが,怪しさは薄められ,受け入れやすい芝居に仕上がっている。見応えはあった。

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