最新の観てきた!クチコミ一覧

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平田オリザ・演劇展vol.3

平田オリザ・演劇展vol.3

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

ロイヤルホストクラブ2013 ご観劇ありがとうございました♪

ロイヤルホストクラブ2013 ご観劇ありがとうございました♪

ミュージカル座

THEATRE1010(東京都)

2013/04/11 (木) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

華やかで楽しい世界♪
行って参りました。

客席に入ると、もうそこはホストクラブ。
ミラーボールやシャンデリア、キラキラライトに豪華な衣装!

さすがミュージカルに長けた役者さんたちだけあって、歌声やダンスもステキで、充実感いっぱいの観劇でした^^

実際にホストクラブには行ったことがありませんが、あんなにもてなされて、甘い言葉を囁かれたら、女性として、うっとりしてしまうのも解りますね^^

とても楽しめる、夢のあるミュージカル、様々な個性あふれるホストたち・・・きっとお気に入りのホストが見つかりますよ(笑)

幕末ノ丘

幕末ノ丘

神田時来組

俳優座劇場(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度

時代遅れ
シナリオ、音楽、演技がすべて30年くらい時代遅れ。
還暦過ぎた年配向けだとしたら、懐かしさで楽しめるのかもしれない。

出演者もベテラン揃い。演技が古臭いというか、覇気が無いというか。
吉田東洋役の人は台詞もまともに憶えてなかった。
若者はそれなりに頑張ろうとしていたけど、役的にまったくスポットが当たってないので、その他大勢から抜け出る事は出来てない。

6000円というこの不景気には決して安くない金額を取る以上、面白い、面白くないは別にしても、ちゃんとした演劇を見せてくれると思っていたのだが・・・

老人たちがこういう演劇をやってる以上、日本の演劇はこの人達と一緒に消えていく運命だろう。
せめて若者は権威や事務所の威光、劇場の大きさに惑わされず、自分が面白いと思うものを自分の感性で模索してもらいたいものだ。

ネタバレBOX

まず、主役の原田左之助が酷い。恐ろしく棒読み。
ガタイが良い人なので殺陣要員かと思いきや、いざそのシーンが来てもほぼ動けず。
そんな人が一番出てるので、見てるだけで辛い。

ヒロインもどう見ても年増なのに、振袖着させられたり、お見合いなんてまだ早いと言われたり、逆に可哀想。年齢に合った役なら美人で済んだのに。

そして脚本が本格的にお粗末。
史実を曲げるのは構わないと思うが、変え方が雑。
吉田東洋の「帝にここ(京都での台詞)に来てもらえば政権は私の物」みたいな台詞があるのだが、どう転んでも東洋が実権握れるはずないのに、なんでこんな事言い出すのか、全くの謎。
武市半平太も池田屋で殺されるし、土方歳三も坂本竜馬と一緒に新撰組に殺されるし、完全に作者都合の別世界の話だった。
だったら歴史上の人物を使う必要はないのでは。架空の人間だったらまだ許せたのだが。

そして何を持ってハードボイルドなのかさっぱり分からない。別の理由で吐いた。
どんっ

どんっ

砂の上の企画

MAREBITO(東京都)

2013/04/05 (金) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

どんっ
とても広く感じたのですが、実際は本当に狭い空間。身体があれば、どんな空間でも作れます。どんっと来ました。

おやすみタンロンズ

おやすみタンロンズ

立体再生ロロネッツ

上野ストアハウス(東京都)

2013/04/11 (木) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

立体再生ロロネッツの【おやすみタンロンズ】を観劇。

初見の劇団である。

行動派の民子はある日、歌のグループを立ち上げる夢を見てしまう。そんな夢を正夢にしようと、仲間を巻き込んでタンロンズというグループを作ってしまう。そして歌を作り、売り込んでいくうちに、知らず知らずに歌がヒットしてしまい、テレビ出演まだ果してしまうのだが、それも一曲のみで終わってしまい、グループは解散してしまう。でも民子はひとりで歌手活動を続けるが、それも上手くいかず、最後にもう一度フルメンバーと再チャレンジする。
そしてレコーディングの当日に民子以外のメンバーは、飛行機墜落事故に合い全員死亡。そしてひとり残された民子は・・・・?

この簡単なあらすじから分かるように、誰もが感動巨編を期待するのは先ず間違いないだろう。だが感動巨編も物語と構成力を少しでも間違えると唯の陳腐な話になってしまうのである。今作は目新しい物語ではないのだが、明らかに観客を涙の渦に落しこめる展開の要素がたっぷりあったのに、そこまで行きつけなかったようだ。ただ演劇というのは不思議な芸術で、間違った構成、演出力も主演俳優の力量で覆すという事が出来るのである。今作はまさしくそれの見本ともいえるだろう。構成的におかしい?というシーンでも、民子を演じたヒロインの女優の芝居で観客を見事に落していく。それは歌のシーンであり、メンバーを失った悲しみのシーンであったりと、様々な重要な場面では必ずと言って良いほど観客の期待に答えてくれるのである。
作品の出来不出来は別として、このような俳優さんに出会える瞬間こそが小劇場の醍醐味である。



星屑の町

星屑の町

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2013/04/12 (金) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

歌謡の背後
 歌謡ショーと演劇を用い、論理を基本とする演劇的な表現方法で抜け落ちがちなメンタリティーを掬い上げてみせた。こう書いてしまうと単純なことのように見えるかもしれないが、これは大変なことである。二つのまるでタイプの違う表現を掛け合わせて、今迄と異なる表現を提示するということは、目新しくは無いかも知れないが、それをこのように具体的に完成度の高い作品として提示することは別なことだと言って良い。頭だけでこれを言うことは誰でも出来よう。然し、頭と身体を用い更にそれを皆が体験している人生に落とし込んで、演劇という行為で提示しているのだ。これができる為には、日ごろのたゆまぬ訓練と何者をも拒まず見て行こうとする好奇心、それを作品化する程にキチンと見る観察力が要求される。而も、それが、変に衒学的であったり、わざとらしかったりすれば、質の良い観客はすぐそっぽを向いてしまうだろう。このように高いハードルを幾つ越えたのだろうか? 見事なできである。

ブラック・サバンナ

ブラック・サバンナ

世田谷シルク

アトリエ春風舎(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★

観る側にもなんらかの前提知識/知的レベルを求める作品?
なんとなく予定が空いてたのでたまには知らない劇団も観てみるか、
となんとなくCoRichで見かけ、地元近くの劇団とは珍しい、
説明がおもしろそう、という事で観劇。

パンフで見た食物連鎖とその枠から外れた人間に対しての話からも
その辺がメインテーマになるんだろうなあ、とは思ってましたが・・・
序盤のパタパタ切り替わっていく場面なんかでも
同様に何らかの意図を持たせていたんだろうと思いますが
ちょっとペース早すぎてその辺はよく分かりませんでした。

その上、メインテーマ部分についても色々伏線的な内容が出て来ましたが
お話としてうまくハマっていない感があり、正直お話に入り込む事もできず、
ラストまで本当に「客観的に」観劇する事になってしまいました。
結果、演者さんの真面目な演技、ダンスやその他の演出についても、
必至で頑張ってるのになあ、とか劇場を有効的に使った演出も
何度も出るとちょっとウザったい、などマイナスの心象を持ってしまいました。

評判はかなり良いようなので、多分自分に合わなかった、という事なのかなあ( ´ー`)

ネタバレBOX

冒頭、都心の喧騒を交差点の人波や携帯をいじる若者とその足並み、
しゃべりの早さなどで表現したと思ったら、
それから急転し川を隔てた所にいる3組の人々、
それぞれ、エレベータに乗って気づいたらここにいた。。。
そして、1組は2人で「自治体」活動を始めたり、と
「これからどう展開するんだろう?」というワクワク感が
最初はあったのですが・・・


・ 椅子を組み合わせて色々なものに見立てる表現方法
・ 劇場が板の間なのを有効活用し、足自体で「ダンッ!」と踏みつけたり、
  椅子を叩き置いたりと「音」を活用
  (アフリカ、サバンナ、象の足音的なものをイメージしたのかな?と)
・ 1舞台上にそれぞれのシーンを演じる人が全員いながら、
  スポットライトその他でシーンを切り替えるなど小スペースの平舞台を有効活用
・ 川下りを台車(のちにテーブル)で表現する
などのおもしろい演出も多々あり、
また演技する人たちについてもかなりの練習量をうかがわせる迫真の演技、
そこにちょいちょいと込められる笑いのネタなど、
いい面は沢山あったのですが・・・


食物連鎖している動物達とその枠からはずれ
・ 生きていく為には食べ物として平気で動物を殺す
・ ペットその他については「かわいそう」という
そんな人間達の身勝手さ、
それがある日
・ 隕石が落下するという情報が世界中を駆け巡る
・ 運で助ける人を選別する為のエレベーター(型ロケット)
・ それにより選ばれ助かりサバンナへ放置された、たった数名の人たち
・ 隕石落下後、宇宙人(来訪者)が来る事が分かっている
という設定まではよかったのですが、
そこから結局どこに話を持って行きたかったのかがよく分かりません。


人の傲慢さ、理不尽さを語りたかったのでしょうか?
人間達が自然の最上位から降ろされた事などを利用して
何かのテーマを語りたかったのでしょうか?
いろいろと伏線は増えていく中、話がどの方向に向かっているのかが
最後までよく分かりませんでした。


以下、設定・伏線として回収された、と思えない部分
・ 隕石が落ちてみんな死んだはずなのに野生の動物はなんで生きていた?
・ いつの間にかフェンスで囲われている、という事になっていたけど、
  それはいつ分かった?
・ 宇宙飛行士(姉)の元になんで保険屋(来訪者)が来た?
・ 保険屋(来訪者)から依頼された元コックの無職の存在の意味は?
  (何か意味ありげな発言を繰り返したあげく、特になんの意味もない存在?)
⇒まあ、こういう所は強引に押し切っても済む部分ではありますが・・・


・ 鳥を食べる為に撃った、撃った後でそれが絶滅危惧種のトキだと分かった、
  それについて「(絶滅危惧種に対して)間違った事をした」
  「(絶滅危惧種だろうとなんだろうと)食べる為なのだから正しい」
  と演者の間で判断が分かれ、
  更に会長が動物に食べられてしまったのと自分達が撃ったトキをかけて
  肉が「食べられない」といった受験生(弟)、
  結局その心情はどう収束した?

  その後いきなり他の仲間まで殺されたのに、受験生(弟)が
  「もう慣れました」と言っていたり(どこでどう慣れた(??)
  これって俗にいうゲーム脳か?)

・ 会長が実は「副会長に殺されたのだ!」と言い出した部分は結局どうなったの?

・ 宇宙飛行士(姉)と受験生(弟)の関係について、
  メインストーリーの半分使って弟を助けようとする話を描いておきながら
  最後の最後で 姉「弟が嫌いなんです」
  といった理由は?

・ 受験生(弟)がいきなり、
  「昔、姉ばかり持てはやされ、自分が生徒会長になった、
  と報告しようとした時も両親と姉がかってきた猫にばかり
  愛情を向けるので、頭にきて猫をペンチで殺してベランダから投げ捨てた」
  これに対するオチは?
  (特にその先で姉が昔受験生(弟)に
  「捨て猫を助けてやれないかわりに、いつか猫を飼おうね」
  という過去ネタにつなげた事の意図は?)

  確かにこういう中高生などの残忍なニュースが最近よく流れてますが、
  この舞台上でこのままじゃ単なる猟奇思考者ですよ、受験生(弟)。

  ※ この辺から完全に自分はドン引きで
    「受験生(弟)の心情なんてどうてもいいから
    とにかくどんなオチがつくのかだけを観よう」、
    とこの舞台自体に気持ちを込めるのを諦めました。

・ 神様を名乗る女の子と、棺の中の宇宙飛行士(姉)、神様に届く手紙に対する説明は?

・ 訪問者に対する担当者(?なんでしたっけ、名前忘れた)を買ってでた
  女が実は英語もよくわかっていなかった事、
  また担当者を買ってでた理由に対して含みを持たせた発言を
  受験生(弟)に対してした、その真意は?
  (申し訳ない話、女性演者のおなかが序盤より膨らんで見えたので、
  「例えば自分の子供を守る為?」とか勘ぐってみましたが結局不明のままでした)

・ 結局、この弟はここまでの話の流れから何を得て来訪者に対して
  「I'm happy」って言ったんでしょう?
⇒と、盛り沢山の設定・伏線、メインストーリーまでに対して、
全然オチがついていないと思います。

「オチに対して考える為のネタはちゃんと出しました、
あとはこの劇を見たみなさんで考えて下さい」
とかって落とし方もありますが、
この劇はちょっと投げっぱなしすぎると思います・・・

1つ1つの細かい所からメインストーリーまで
「筋がまったく通ってない感がある」と思いました。

そういった粗があまりに目立ったせいもあり
・ がんばって演じれば演じるほど、よく分からない話を必至で演じる
  演者の方々に対しての滑稽さ
・ 板の間表現についても、最初の惹きつけとしては十分だったのですが、
  その後もよく分からないタイミングで何度も出てくると
  だんだん「うるさい」という印象が・・・


うわー、いい演出、演技、ダンス、と頑張っている劇団だと思うんですけどね・・・
私のダーリン

私のダーリン

東宝

シアタークリエ(東京都)

2013/03/26 (火) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

ハートフルコメディ♪
玉野和紀さんの舞台、『DOWNTOWN FOLLIES』シリーズが大好きでしたし、NHKの舞台のようなドラマ、『ママさんバレーでつかまえて』の黒木瞳さんのコメディエンヌぶりも好きでしたので観劇に♪ あと、便利屋の若手さんたちも観たかったし♪

時間が行き来しますが、ストーリー自体は入れ子式の複雑な構造とかではないので、難しく考えずに素直に観ると楽しめるかと。歌あり、踊りあり、タップあり、笑いあり、最後にほろっとする文字どおりのハートフルコメディです。
観終わってから、玉野さんはとてもロマンチストな方なんだろうなぁ。。と思いました。黒木さんの弁ではないですが、一家に一人は欲しくなりますね「虎ちゃん」は♪ こんなに優しくて誠実で、寛容な自分だけをず~っと愛し続けてくれる男性はそうそういないでしょうけどね。

カーテンコールは2回。1回目は三方礼、2回目は全員で手をつないで。

ネタバレBOX

ストーリーはフライヤーの写真も伏線となっており、最後まで観ると、あぁそうだったのか。。という展開になっております。

客入れは静かなピアノ曲。
舞台美術はいたってシンプル。上手奥にクラシカルな街灯。中央奥に大きな噴水(実際に水が張ってある)。下手奥に生バンド(ここで生で演奏されます)。暗転後、これらの前方に、天井高ほどの窓や二階の寝室、キッチンが現れます。

冒頭から黒木さん演じる夢子と玉野さん演じる純一郎の出会いのシーンで、2人で噴水に落ちて全身ずぶ濡れに。この後も同様のシーンがあります。
実際に噴水の中に水を溜めてずぶ濡れになるとは。。黒木さんのアイデアだそうですがびっくりです! 
直後に出てくる錦鯉ダンサーズには、客席は笑っていいのかどうなのか戸惑い気味の様子でしたね。おもしろかったんですけどね~ちょっとびっくりしたのかも、元タカラジェンヌ娘役トップ 愛原実花さんまでが満面の笑みで麗しく踊っておられたので。
ほかにも、便利屋3人組に玉野さんが「テニスのサークルやってたんだって?」から始まるテニミュねたやら、日替わりらしい玉野さんの無茶ぶりコーナーやら、元タカラジェンヌ男役 愛音羽麗さんの便利屋3人組にレクチャーするホストの振る舞い方やら、そこから発展して元タカラジェンヌ娘役トップ 黒木瞳さんとの『ベルサイユのばら』やら、小ネタが満載です。ちなみに、この日の玉野さんからの便利屋3人組に対するお題は、「しゃくとり虫とだんご虫の戦いゲーム」でした。大河さんが審判役、だんご虫役が村井さん、しゃくとり虫役が古川さん、リアクション大のいい戦いっぷりでした。古川さんがしゃくとり虫の意味を間違えておられたようですけど(笑
ファーストバージン

ファーストバージン

Peachboys

シアター711(東京都)

2013/04/11 (木) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

第2弾
やっぱ、童貞芝居は最高だね!
秋澤さんは相変わらずエロいすなぁ。

DOLLY ~Faure:Dolly,op.56~

DOLLY ~Faure:Dolly,op.56~

年年有魚

RAFT(東京都)

2013/04/12 (金) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★

作り手の仕掛けが生きる
最初舞台の風景を追うだけですが、
次第にその仕掛けが観る側に伝わってきて。

観終わって、女性たちの時間の内側が
普遍と共に鮮やかに伝わってくることに瞠目しました。

作り手の意図があからさまに示されて。
こんなにもしなやかに機能する・・・。

ほんと面白かったです。

ネタバレBOX

最初はピアノの演奏に続くシーンを追っていくだけ。
ありふれた女性たちの集いの風景が、
さりげなく描かれていく。
10人の女優たちそれぞれに個性があって、
それぞれのロールがしっかりと印象に残って。
そのなかに、男がちょっと入り込みにくい
女性たちの時間が組みあがっていく。

そして、物語は始点に戻り、
同じシークエンスが、
ロールを変えて繰り返される。
役者と役名はそのままに、
一方で個々がそのシークエンスで担う役割のみ入れ違って
同じトーンで舞台上に組がっていきます。

さらには、3度目、ロールの変化に加えて
舞台上のトーンまでが塗り替えられて・・・。
そのきゃぴきゃぴしたデフォルメが、
演じる役者たちに合っているかといわれると
少々シュールな部分がないわけではないのだけれど、
だからこそ、舞台に組みあがるものの
ありようや普遍性はより鮮やかに伝わってくる。

4度目には、もはや、
色調や其々のロールが担うものすら削ぎ落され
演じられる4度目のシークエンスに、息を呑む。
最初は女性たちのありふれた時間の風景が、
モノトーンの中に、骨組みを露わにし、
観る側の眼前に揺らぐことなく存在して・・。

そこには描かれた時間の本質を切り出す
作り手の慧眼があり、
それらを与えられた条件の中にぶれることなく
その肌触りを紡ぎあげ、描き出す、
役者たちの演ずる力のしなやかさを深く強く
感じることができて。

5回目に演じられるシークエンスは
最初と同じに演じられて・・・。
でも、そこから受ける印象は
もはや冒頭とは同じではない・・・。
男に少々理解しえない
女性たちの時間のベースや
距離感やロールのやり取りや、収まりのつかなさの感覚までが、
裏付けとともに
細微に、しなやかに伝わってきて。

観劇は初日でしたが、
作り手が当パンに書いているように、
それぞれに描かれるものの精度は
役者たちによってさらに研がれていく予感もあり、
単なるワンアイデアの提示のツールにとどまらない、
名付けられた10のキャラクターの個性にも
この役者たちが演じ込むことで
さらに広がるであろう魅力もあって。

観終わって、作り手の企みにガッツリ嵌ったことを悟り、
ちょっと悔しくさえ思えて(超褒め言葉)。
また、この仕組みの中で、役者達それぞれから、
あざとさを持たずにしっかりと伝わってくる演じる力を改めて実感し、
強く惹かれたことでした。
INDEPENDENT:通天閣

INDEPENDENT:通天閣

満月動物園

STUDIO 210 (通天閣地下ホール)(大阪府)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/11 (木)公演終了

満足度★★★

ディープでブラックな不思議な世界観!
時間の予定が合って見れたのは2作品
[伍]「庭園の花は、密」河上由佳
脚本:イトウワカナ×演出:戒田竜治

[四]「わたしの未来」西原希蓉美
脚本&演出:戒田竜治

その他の作品も観たかったんですけど…時間が合わずに断念…
またどこかで公演して欲しい


[伍]「庭園の花は、密」
家のオモチャを買って貰った少女が自分の世界を作り上げていく…
河上さんが家族を何役も演じて見えない少女の姿を浮き上がらせて行く
家の周りにはどんどんと庭が広がり妄想が広がる…
終わりは何ともブラックな話
クールな河上さんの演技が不思議な世界を創ってました!

[四]「わたしの未来」西原希蓉美
女は恋人の犯した罪について法廷で証言している
その証言によって哀しい真実が見えてくる…
西原さんの鬼気迫る迫真の演技が悲壮感を高めます
歌を盛り込んだ作品なので西原さんのパワフルな歌声も印象的♪

どちらも満月らしいディープでブラックな不思議な世界観のある作品!

大きなトランクの中の箱

大きなトランクの中の箱

庭劇団ペニノ

森下スタジオBスタジオ(東京都)

2013/04/12 (金) ~ 2013/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

無題663(13-088)
19:30の回(曇)。18:53受付(整理番号付)、「記録用の撮影」ありとの掲示、19:22開場(予定では19:10、5人ずつ番号順に)。入ってみると狭い...昨年12月に「片腕」をみたときは結構広かったのに..と思いながら座席につきます(当パンは終演後配られます)。目の前には特大の額縁のようなセットが客席に迫っていますが、光沢のあるカーテンが引かれていて何も見えません。19:25前説...ここから少々長く無言の時間が続き緊張感が緩み始める、遅れてきた方が席に着き電車の音が聞こえ19:36開演~21:09終演。初日だったからか、開場、開演ともかなり遅れました...み終わって「そりぁ、これだけやるんだからたいへんだろうな」と思うほどの内容でした(もし、ちゃんと時間通りに始まっていたら大絶賛)。こちら初めて、こんな展開も初めて。初めてだったら何も知らないほうが衝撃度UP(好き嫌いあるかも)。

当パンで役者さんのお名前をみて調べる…と…、島田さんは「夢の星」「撫で撫で(こちらは飯田さんも)」でみていましたが、あまりの役柄だったのでワカランでした。

ネタバレBOX

初めの受験生の部屋...いろんな辞書、参考書、偉人の肖像、小さな勉強机と本棚、心理学モノの全集..上手は押入れ、どうみても何十回も受験に失敗したような男...突然現れる大きな男、よくわからないうちに暗転...ここでも少し時間がかかっていて、なんでかな...と思っていて...明けてみてビックリ、まったくちがう部屋、いつの間に仕込ンダノダ...。なぜか上半分しかみえないし、出てくるのは「ぶた」と「ひつじ」で木の幹が2本、天井と床をぶち抜いていて、この二人は白い液体(樹液)を主食としているようです(実際はヨーグルトかな?)。ところがここはまだまだ序盤で、実は舞台は4面(縦長の部屋と上下2段の部屋)あって、それ自体が回転、2回目の場転からは明るいまま動かしていました。

父と受験生(父とムスコ)、その受験生が自身(ムスコ)を探す旅。

各部屋、これまた凝っていて、出てくる食事が硬くなったパン、一抱えもあるゴキブリ、アルマジロ...。ピアノの演奏、リコーダの演奏(曲はカノン)。家具はアレだし、各部屋はドアで行き来できる仕掛け。

猛烈に癖のあるお芝居でしたが、ハマりました。
左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

INUTOKUSHI

シアター風姿花伝(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネタばれ
ネタばれ読んでも問題なし

ネタバレBOX

劇団・犬と串 【左の頬】を観劇。

早稲田演劇研究会に所属していた劇団で、前作の公演からフリーの劇団として活躍している。今作で既に4本目の観劇だが、新作は毎回観てしまうというお気に入りの劇団のひとつだ。

仲の悪いクラスメートの幸というふたりの女性を巡って、イケメン軍団が二人の仲を取り持つという話。その浅はかな話から世界救済?という荒唐無稽な話へと展開していくのだが、戯曲の捻りや展開の面白さで見せていくのではなく、役者の身体の熱量、馬鹿馬鹿しいギャクで観客の笑いと取り、物語の全てを納得させてしまう演出術には毎度の事ながら感服してしまう。あまりにも面白すぎて、考える余地がなく、ひたすら笑いっぱなしなので、展開などはどうでも良くなってしまうのである。ある種、唐十郎のアングラ芝居を観劇している時と同じ感覚に近いかもしれない。唐十郎も物語の狙いなどを置き去りにしていく代わりに、その世界観へ没入させるという交換トレードを観客に迫ってくるのだが、それと同じ様な事を行っているような気がする。ジャンルが違えども、似たような感覚を味わう事が出来る劇団だ。

ヒロインの鈴木アメリは相変わらず抜群だ。これだけの圧倒的存在感を持っている女優は、演劇界ではなかなか見かける事は出来ない。早く野田秀樹に見染められて欲しい。そして男優人の身体の熱量は、つかこうへいの俳優陣を彷彿させる物がある。もしかしらた超えているかもしれない?それから解散した【バナナ学園純情乙女組】の演出家・二階堂瞳子が出演していたのには驚いたが、彼女は俳優は止めたほうがいいね。

今作は今までで一番の傑作だろう。そしてお勧めである。
左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

INUTOKUSHI

シアター風姿花伝(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★

ナンセンスで笑えるエンターテイメント
まあ、深い意味はないかもしれない!でも純粋に楽しいネタの応酬と、
目にとまる役者さんたち。犬と串らしい。
確かに宣伝どおり、「爽やか」かも。

たぶん初見の人も、役者さんをすぐに覚えられるのではないか。
それぐらい個性的かつ、印象に残る。
そういう意味でも開場早々からいたほうがよかったかも。

気に入ったネタは、ネタバレに。

ただ、一色さんから藤尾さんに流れるあのネタは、内輪ネタっぽいのだが、
なんともいえないインモラルさを感じる。


(与太)
ところで、「インモラル」は標榜から取ったのだろうか?
ホームページでは消えている気がする。Ustreamには残っているけど。

ネタバレBOX

気に入ったネタ

アメリさんの変顔、ワカメ、パレード、イ“エム”様、なるほ度、星のだじゃれ。

その他いっぱい。

偽典・地獄変

偽典・地獄変

鳥の血に悲しめど、魚の血に悲しまず

pit北/区域(東京都)

2013/04/12 (金) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

難しくて、僕には評価できません
芥川龍之介の『地獄変』では、絵師の娘が牛車のなかで焼け死ぬのを眼の前にしながら、絵を描き続け、最後には死んでいったわけですが。

『偽典・地獄変』では、別の地獄が表現されていたようです。

ネタバレBOX

実はよくわからなかったんだ。
なに喋ってるか聞こえないし。

でも斬られても斬られても何度も生き返ってくる怖い兵隊さんがいたり、きぐるみの妖怪がいたり、呪文で人を生き返らせる白衣の科学者みたいな人がいたり。色っぽいけど馬鹿っぽくもある看護婦がいたり。その他、よくわからない人たち。

上演前に。
「赤いものが飛び散ったりしますから、気をつけて。半数以上は死んでしまいますから」

なんか飛んでくるの? いやだなあ、勘弁してほしい。
でもそんなことはなかった。じゃあ、殺陣のときの日本刀の先っぽが観客にあたったりするの?
とおもいきや、そんなこともなかった。
きわめて安全でした。
ただ音響のボリュームが大きすぎて。鼓膜破れるかと思いました。
SPY~Reservoir Dogs~

SPY~Reservoir Dogs~

劇団Spookies

新宿シアターモリエール(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★

ネタは面白い
タイトルやあらすじなどを見るに、新撰組から攘夷派に、攘夷派から新撰組にそれぞれ送られたスパイが主題のお話。
観劇前は、そのネタがとても面白いと思った。

蓋を開けると、あらすじ以上の事にはなってなかった。
良い素材を生かせていない印象。残念。

ネタバレBOX

スパイである以上、表面上は信念と逆の事をしなくてはならず、そこには様々な葛藤や迷いが生じるはずなのだが。
しかもそれが二人。

なのに一人は何も感じておらず、もう一人も単純にこんな事したくないと思っているだけ。
特に新撰組に潜入したスパイは「竜馬が竜馬が」というだけで、何のためにいたのかも良く分からない。

さらに理解できないのは中岡慎太郎がスパイの正体にも気付いているのに、理由も無く放置。スパイの方も気付かれているのにその場に留まるという、訳のわからない現象が。

面白そうなテーマだったのに、完全にもてあましていた。
僕のおじさん

僕のおじさん

ふくふくや

駅前劇場(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/17 (水)公演終了

満足度★★★

役者陣が好演!
なかなか面白い。後半、一気に惹き込まれた!
上演時間約2時間。

ネタバレBOX

(現在)おい(父親・おじさんの死後) →(過去)父親・おじさんの若い頃→(現在)おい の構成で物語が展開。

閉山直近のとある炭鉱町が舞台。
貧乏だったけど輝いていたに違いない、おじさんの人柄に触れた物語。
 
役者陣が皆さん、上手い!
贅沢な時間を過ごせた。

ただ、芝居の展開として、前半が長く感じた。やや冗長か。
炭鉱町の人たちのキャラクターが濃すぎ、ちょっとついていけないところも。。

後半の展開が面白く、一気に物語の中へ惹き込まれた。
金儲けのために仲間を裏切る兄(父親)に対して、弟(おじさん)が
とった行動が見どころ。
おいの出生までの下り(父親と母親馴れ初め?)も楽しめた。

劇団初見であったが、好印象な劇団であった。
とにかく役者陣の力量が素晴らしかった!
最後の挨拶では役者陣全員が頭を深々と下げていた。
その姿勢は素晴らしいと思った。
Angel Dust

Angel Dust

演劇集団ザ・ブロードキャストショウ(SABカンパニー)

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2013/04/11 (木) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

舞台狭しと
セットは階段状になったものだけでしたが、袖やら客席の階段やらうまく使って迫力のある展開でした。★ネタバレ★前作のパラダイスロストも見てみたくなりました。

ネタバレBOX

★芸術、家族、出産などが失われてしまった近未来を描くことで現在の絆や命の尊さを訴える良いお芝居でした。★
無限大∞パイプオルガンの宇宙―バロックから現代を超えて

無限大∞パイプオルガンの宇宙―バロックから現代を超えて

東京芸術劇場

東京芸術劇場 コンサートホール(東京都)

2013/04/12 (金) ~ 2013/04/12 (金)公演終了

満足度★★★★

空気を変容させる音と身体
3月にリニューアルし終わったばかりのパイプオルガンの生演奏に乗せて踊る公演で、具体的な物語はないものの、とてもドラマティックな印象が残りました。

音というより空気の振動のような超低音と舞台上を線状に照らす照明で始まり、盛り上がったところで2人のタップダンスとなり、淡々とタップが続く中を静かにオルガンが回転し、明るくなるとバロックオルガンに入れ替わっていて、バッハの荘厳な音楽に合わせて、緩急自在に変化する流動的で且つ鋭いダンスが踊られました。
平均律とは異なる調律の古風な響きやメシアン作品の独特なハーモニーと、床を滑るように移動し、動きで空気の密度を変えて行くような振付がマッチしていて、時代を超越した不思議な感覚がありました。
バロックオルガンからモダンオルガンに戻る時は敢えてダンサー達は踊らず、あたかもオルガンがゆっくりと踊っているかのようで印象的でした。

勅使川原三郎さんと佐東利穂子さん以外はほとんど動かずに立っているだけでしたが、聖像や宗教画のトリプティークみたいで、厳かな雰囲気がありました。特に、3人がそれぞれ舞台上に設けられた小さなステージの角に客席を背にして対角方向を向いて立っている光景が衝撃的に美しかったです。
明暗と立ち位置で巧みに視線を誘導し、気付かない内に異なる場所にダンサーが現れている演出がパフォーマンス全体としての連続性を生み出していました。
コンサートホールでの上演だったためか、照明がいつもの鋭さに比べて少しぼやけている感じがありました。

コンテンポラリーダンスに馴染みがない人にも強く訴えるものがある公演だと思ったのですが、途中で帰ってしまった人が多くいて、想像以上に受け入れられないものなのだと残念に思いました。

ブラック・サバンナ

ブラック・サバンナ

世田谷シルク

アトリエ春風舎(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

独自のスタイル
この劇団の特徴である演技とダンスの中間的な集団群舞がさらに洗練されていた。照明がとても綺麗だったのも印象的だった。

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