最新の観てきた!クチコミ一覧

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伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

あなたに逢えてよかった。
不老不死。大昔から語られてきた永遠のテーマ。誰もが一度は想像をめぐらせたことがあるけど、誰も経験したことはない境地。
ずっと死なない伯爵のことばは、流されてきた後悔に苛まれてか少し陰をおびているけど、天然入ったとぼけっぷりは、やっぱりクスリと笑わされます。
暗転で細かく切り替わる場面も、伯爵のボケをとても引き立ててくれたと思います。

人との優しいつながりを手にしても、誰も伯爵のように永くは生きられず、気がつけば56億年。でも、そのあいだ「伯爵」はずっと「伯爵」で、「先生」や「アニキ」や「宇宙人」になったりはしませんでした。もっと愛してくれた人も、もっと永い時間を一緒に過ごしてくれた人もいたかもしれないけど、ブルボンと過ごした時間は特別だったんだね。

そして最後の呑み会。
そこでは、創り手の方々の、観ているぼくたちの「そうあって欲しい」という望みが結実していました。きっとみんな後悔なくお別れすることの難しさを知っているから。あのラストシーンでは、自分のこれまでの不実までも赦されたような、そんな救われた気持ちになれました。
すべての出会いに「ごめんね」よりも「ありがとう」が交わされてたら嬉しいな。

公演パンフで中嶋さんは「きっともうこんな楽しさと苦しさがパンパンに詰まったお話は書かないと思います」と書いていましたが、また書いてください。
『伯爵のおるすばん』を、ぼくは涙よりも笑顔でうけとることができました。どんな寂しさもユーモアと優しさで包んでぼくたちに届けてくれる、そんな作品を待っています。

イーハトーボの劇列車

イーハトーボの劇列車

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2013/10/06 (日) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★

フラっと当日券で良席
前方席で俳優の顔、動きを堪能できた。井上ひさしさんから引き継いだものを全身全霊で目の前の観客に伝えようとする、作り手の皆さんの言葉を聴く時間だった。「これからのブンとフン」もそうだったけど、井上さんが居なくなったから感じることなんだと、しみじみ。

ネタバレBOX

宮沢賢治さんの「デクノボー」の意味がすこしわかって、共感できた。井上芳雄さんはやっぱり魅力的。ちょっと狂ったような人が似合いますね。
トキグルマ

トキグルマ

ThreeQuarter

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/10/12 (土) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★

観させていただきました。
観させていただきました。
ありがとうございました。

申し訳ありませんが、可もなく不可もなし。と云った感じでしょうか。

三揃いの剣~宮本武蔵と佐々木小次郎~

三揃いの剣~宮本武蔵と佐々木小次郎~

劇団 歴史新大陸

笹塚ファクトリー(東京都)

2013/10/16 (水) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

素敵な作品でした。
素晴らしい作品でした!
ストーリーも面白い仕上がりではないでしょうか\(^o^)/
楽しませていただきました。
ありがとうございました。

ネタバレBOX

オープニングのあの映像とのコラボ。
あれはない!
早乙女太一のパクリでしかもクオリティーが低い。殺陣のきれもゆるいし観ていて辛くなりました。構成的には素晴らしい作品なだけにあの殺陣は残念でならない。ちゃんとした殺陣師に指導していただいた方がよいかと思います。余計なお世話だったら申し訳ありません。
あと、あの前説は如何なものかと。今日のお客様は温かい目で観てくれていたようですが、あれも残念。。。
初っ端にあんな漫才もどきの前説やられても、しらけるだけですね。
セツナイカラダ'91

セツナイカラダ'91

Tricobo×ハイブリットハイジ座

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2013/10/15 (火) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

無題858(13-297)
19:00の回(曇)。18:20会場着、受付(18:15開始、整理番号札あり)、18:31(5分おしの連絡)、18:33開場。全面青い布、舞台の様子はわかりません。此処は「ウズキちゃん(2011/12)」以来。18:57前説(会沢さん、10分休憩、135分、会場内の温度が上がる)。「ブスの背中」19:04開演~19:57、休憩、「秋の泡」20:10~21:21終演、かかっているのは「Help!」。どちらの劇団も初めて。アムリタ(2013/8「廻天遊漁」)の藤原さんがでていらっしゃるのでみにきたのですが何が驚いたか..全然印象が違っていました、スピードが。同じく南さんも(「新体操、さゆり」と比べて)300倍は早くてブッ飛んでいました。

ネタバレBOX

雑記
「ブスの背中」。
長い間、4人の関係がわからなかった、結局、なぜここにいるのかは最後までわからなかった(家賃がどうの…とあったけど)、古典的な「驚かせポイント」はよかった、といっても死んでここに「出てくる」理由が弱い、取っ組み合いはなかなかのものでした、キッチンなどの備品は凝っていたけど生活感は薄い、普通、ドアチェーンくらいついていると思う、冷蔵庫はあったのかな…正面からは見えなかった、コップ類はあるものの調理はしないようだ、2階、窓外の壁などよく描かれていた(次でも使っていた)、最後の食事シーンはやはり?

「秋の泡」。
正面のBAR「泡」のことかな、こちらもお話の内容はわからなかった、でも動きまくっているので飽きない。
ラフレシア

ラフレシア

白昼夢

明石スタジオ(東京都)

2013/10/16 (水) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

遠い未来のメイド喫茶。
とある理由(ネタバレ欄にて)でアングラ特有の無機質さが薄まり、かといって人間とはちょっと違う異質な生命体が演技をしているようで、いつもとちょっとだけ違う白昼夢が楽しめました。ストーリーの細かい部分までは理解できていないものの、沢山の花の名前が飛び交う舞台は見た目以上に鮮やかな色合いで記憶に残っていて、ラフレシアの花言葉通り、終始「夢現(ゆめうつつ)」の気分。四戸くんのダンスが相変わらず神がかり的にカッコよく、白塗りなのにセクシー。もっと彼のダンスを観たいなーといつも思わされます。 ※3チュームたまったので次回も楽しみにしています♪

ネタバレBOX

今回は白塗りではなく、ボディペインティングの延長のようなメイク。おかげで表情が分かりやすく、アングラの香りは少し軽減していたように思います。しかし最後の松任谷由美の熱唱に象徴される、漲る生命力と存在の主張は健在。役者さん達はきっと、楽しさとともに「生きている」という実感で幸せなんだろうなと羨ましくなります。

それにしても、四戸くんがカッコいい・・・。ドレスを翻しながら踊る姿はマザーと呼ぶに相応しい神々しさ。大樹からデンドロビウムへとその呼び名が変わったときはなんだか背中がゾクゾクしました。あとなんでしょうね、上半身が美しい 笑
熱帯男子 2

熱帯男子 2

オデッセー

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2013/10/12 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

トロピカルな感触を持ち帰ろう



『2』にして、「おなじみ」の安定感…。


異例の『2』が 始まっただけある。
観客も 一緒に盛り上がれる決定版ミュージカルだ。


東京から1200キロメートル離れた南洋に浮かぶ池棉島(いけめんじま)の島民が、一人ひとり「漁師」や「旅館経営者」「住職」といった仕事と結びついているため、簡潔なキャラクター設定である。
1988年のバブル経済を時代背景とし、池綿島の空港建設計画ーリゾート化計画をめぐる島民(イケメン)同士の「反対派」「建設派」の争いまで描いた点は、前作まではありえなかった「社会派」だろう。

主演の井上正大がアフタートークで「最初のシーンが一番、重要だと思うので」と語ったとおり、後の池綿島での“南国ミュージカル”の鮮やかを際立たせる対比として、序幕の“東京”に求められるポイントは多い。


※ネタバレ







半裸のイケメンが踊る!歌う!、その魅力はミュージカルすら超えかねない。
女性向きのミュージカルではなく、老若男女を問わず盛り上がれる内容だから、『3』の公演が決まっても こうした幅の広さは維持すべきである。


前回はシャ乱Qの はたけ氏が久兵衛役で 登場した。
かつて「島を捨てた人間」という。
今回は若かりし頃の不良公務員•久兵衛(役 細川 洪)がメイン•キャストの一人だった。
公務員を辞める展開がない…すなわち、これは『3』を書くことを宣言しているような脚本だろう。

ネタバレBOX




それが『1』では 都会のディスコを さまよう OLだった。
今回の『2』では、都会の会議室でプレゼン中のイケメン•ビジネスマンということになる。
短編30分×3

短編30分×3

小松台東

APOCシアター(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

2/3+α楽しめました
「大空」はプシコっぽい話で、頭の中が混乱。面白さのツボが自分にはわかりませんでした。「町でいちばんの」はさすが上野氏の作品。ラブコメにちょっとの闇社会のスパイスが効いている。宮崎弁はやっぱりイイ。自分は忘れかけているけど。 「ノリオの病室」は寝たきりの男をめぐる家族と愛人と友人の話。シニカルに笑えて、ちょっと物悲しい。リアルに感じましたね。オマケの「10年ぶりの出待ち」もしつこくて楽しめる短編でした。

2番目の女たち。

2番目の女たち。

崖っぷちウォリアーズ

劇場HOPE(東京都)

2013/10/08 (火) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
キレイどころキレるってだけじゃなく、結構凝ったサイコサスペンスだったのね。キレイなお姉さんが沢山出てくるのはよかったけど、ポタポタな血糊はちょっと苦手。痛そう~。

賞味期限の切れた毒薬

賞味期限の切れた毒薬

マグネシウムリボン

d-倉庫(東京都)

2013/10/16 (水) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

後半は良かった
前半は状況説明などのシーンばかりで少々退屈したが、後半になってストーリーが展開し始めると面白くなった。
ただ、どうも「行き当たりばったり」の印象がある。話の内容は面白いので、ストーリーの組み立て方が改善されるともっと良い作品になったと思う。
演技に関しては上手い役者さんが多いが、全体的に役作りが守りに入っていた。もっと柔軟な役作りが出来れば、もっと印象に残る演技になったはず。また、「記号的な演技」(パターン化された演技、「老人は腰を曲げて杖をついている」みたいな演技)も少なからずあった。役者さんの技量の問題なのか演出の指示なのかは不明だが、この作品にこの役作りは判断ミスだと思う。

セツナイカラダ'91

セツナイカラダ'91

Tricobo×ハイブリットハイジ座

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2013/10/15 (火) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

決意
Toricobo/ 成長著しく、非常に驚く。端正にして、濃密。
ハイジ座/ 独自のスタイルは出来上がっているので、今後どう展開させていくかが課題か。

卒業を控えた両劇団の主宰の決意がうかがえた。

卒業後も演劇を続けるのであれば間違いなくイバラの道なので、軽々しく無責任に「これからも演劇を続けてください。期待しています」とは言えないが、言わせてください。
今後も期待してますよ!

セツナイカラダ'91

セツナイカラダ'91

Tricobo×ハイブリットハイジ座

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2013/10/15 (火) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

盛り沢山でお得
「ブスの背中」は、とてもきめ細かく作られている。キャラもそれぞれ明確で、分かりやすい。見せ場も随所に散りばめられていた。残念な点は、スピーカーが高い位置で客席近くだったため、セリフと音が被って聴き取り難い箇所があった。全体としては面白かったです。
「秋の泡」は、滑り出しは好調で客席の心を掴んでいたが、やや尺が長いと感じてしまった。女優陣が個性的で素敵なのだが、キャラが不明確で、立ち位置が掴みにくい。テンポはいいし、踊りも見応えあるので、もう少し簡潔かつ分かり易いストーリーにすれば、完璧だと思います。
こちらも全体としては、面白かったです。

ネタバレBOX

「ブス」のセイコ登場シーンは、背筋が凍る。
My Journey to the West

My Journey to the West

一徳会/鎌ヶ谷アルトギルド

アトリエ春風舎(東京都)

2013/10/15 (火) ~ 2013/10/21 (月)公演終了

満足度★★★★

問答する空間
冒頭からズドンとやられる思考への誘い。頭の中をぐるぐる回す問答に、正直全然ついていけないんだけれど、目の前で繰り広げられてる事がすご過ぎて、目が離せない。一見なんでもないように見える空間が、次々と驚きを産む。光と影と音が、自己と世界をグニャグニャと歪めていく。実在と思考が舞台上で交錯してる感じ。スゴイもの見たなぁ。

あんかけフラミンゴ11【ご来場ありがとうございました】

あんかけフラミンゴ11【ご来場ありがとうございました】

あんかけフラミンゴ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/15 (火)公演終了

満足度★★★★

無理解
 何とも辛い作品だが、実りの無い純愛の一つの形であろう。DNA変異の可能性など、産む性として生まれた形態を持ちながら、アイデンティティーが、本能や社会的常識とは相反する条件・優生保護法が当たり前とされる生活圏に暮らす人々と反対に産む性としての機能は完全乍ら、恋人が、特殊な傾向を持ち、通常の交わりができない関係の地獄を描いているからである。(追記2013.10.29)

ネタバレBOX

 妹の難産がもとで母は死亡。重い障害を負った妹は、兄に言わせれば「生まれて来なければ良かった、肉の塊」である。妹の所為で母が亡くなったと思い込んでいる兄は、優生保護法的発想に縛られ、笑うことができない。おまけに極度のロリータコンプレックスを持つ為、小さな女の子を見ると襲い掛かって悪戯をしたりする。妹に対しても性的悪戯をしている節がある。
 一方「恋人、あかり」は、愛の証として彼の子を欲しセックスをしたがるのだが、彼の方では子を望まない。子供が女の子だったら、彼は娘を追い回して悪戯しかねないとの強迫観念からである。2人の関係は、互いに強く惹かれ合い乍ら性を仲立ちにできないことで崩壊する。あかりは寂しさから、仕事先のヌードカメラマンと付き合うようになるが、カメラマンはレスビアンである。カメラマンの仕事場に不妊で悩む女達のグループにライン参加している女がモデルとして入って来たり、あかりがラインに参加したりということが描かれるので産めない女達の問題も提起される。偶々、グループメンバーから人工授精の話を聞いたあかりは、久しぶりに逢った彼から採取したスペルマを用いて妊娠することに成功。然し、「堕ろせ」と言われて中絶、女の子だったが、この事件を契機に精神に失調をきたす。壊れた精神が妹の障害と交響し挙句妹はあかりの首を絞め、妹の首を兄が締め、終に殺してしまったようだ。然し、事実そうだったのかどうかは定かでない。というのも、これは兄に対して問診をしている精神科医との話の中で語られることだからである。あかりが、実際に子を産んだのか堕胎したのかについても、兄の錯乱を描くことが主眼ということになれば、判然としない作りになっている。兄の不幸は、出産事故を妹の悪胤問題にすり替えてしまうコンプレックスと幾重にも屈折して入れ子構造化してしまった狭く深く苦い、彼の精神世界の手応えの無さに対する底なしの不安。これらが、彼の精神世界を四六時中脅かす要素である。為に彼は笑えない。「好きな人に暴力を振るわれると、口角が吊りあがって笑っているように見えるが泣いているんです」とくどい程繰り返されるフレーズが、その精神の危機を表す。と共に、くどさは、粘着質を表してもいよう。だが、この笑いに関する描き方はロートレアモンを彷彿とさせる。更に、この物語全体から立ち上るアトモスフィアは、「ドグラマグラ」をも想起させた。
 何れにせよ妹を殺害したと見える場面で、堕胎させたあかりと共に在る彼が笑っているように見えるのを「泣いているの?」と問われ「馬鹿、笑っているんだよ!」と答える科白にこの作品の地獄が、客体化された瞬間が表現されていると見て良かろう。
トキグルマ

トキグルマ

ThreeQuarter

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/10/12 (土) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

生き様
 取り壊しが決まった藤田演芸場、最終公演は、この劇場に嘗て出演していた芸人を呼んでのお笑いライブ・“お笑いリレー”。5年ぶりに一堂に会した面々だったが、オープニングを担当した後、メインのお笑いコンビ「みぶるい」の相方が突然消えてしまった。楽屋、裏回り、倉庫等々八方手を尽くして探したが見つからない。

ネタバレBOX

 丁度、その頃、京都。時は慶応二年。新撰組の山南 敬助は、局長、土方らと意見が合わず、隊を抜けたことを咎められ切腹。彼には想う女、明里があったが、彼女を残して逝った。明里は、かつて新撰組が壬生組と呼ばれていた頃から馴染みの旅籠、里屋に、新撰組の斉藤 一の計らいで匿われる。そこへ降って湧いたようにみぶるいの失踪した相方、毛利が出現した。毛利は切腹した山南と瓜二つ。明里や、土方すら見間違えるほどであった。
 一方幕府は、欧米の力を見せつけられ、それまでの方針を転換してゆく。だが、薩長を中心とする攘夷派は、なおもこれに抵抗。国論は真っ二つに割れ、新撰組内にも分裂の危機が訪れる。この中で、参謀格の伊藤が尊王攘夷本来の思想に殉ずべきことを解いて、隊内に同士を募ったことから、土方らに暗殺される。この後も隊内の急進派に対する襲撃は続き、隊内は幕府に就く者だけが残るようになっていった。
 ところで、江戸時代末期に来てしまった毛利は、里屋の番頭をしていた七三郎と共に新撰組に参加することとなるが、幕府の大政奉還で鎌倉以来続いて来た武士の世が公式には終わりを遂げたことで、それ迄幕府を支えてきた中心藩の一つであった会津藩は朝敵とされ、官軍となった薩長軍に逆賊として攻められることになった。会津城は落ちる。その後、戦の場所を函館、五稜郭に移し土方、七三郎、斉藤、毛利らは次々に討ち死に。毛利からは、藤田演芸場にいる彼女、明実へ死を覚悟したメールが届く。
 以上のように歴史が動く中で、藤田演芸場の最終公演、「お笑いリレー」がパラレルに進行している。この進行に小道具として使われているのが、糸車。単に糸を紡ぐという機能のみならず、時を紡ぎ以て空間を紡いで、時空の自在な転移を頗る自然な形でイメージさせており、効果抜群。見事な使い方の一例であろう。無論、実際に物語の中で、布を紡ぎ出す為の諸道具の象徴としても用いられており、具体・抽象の転移にも不足は無い。何より、この小道具の使い方が、舞台に安定感を齎していることに注意すべきであろう。
 「お笑いリレー」では“みぶるい”の穴埋めの為“さつまご飯”が持ちネタを総て出し切って演じたが、売れ始めてTV出演も果たしたとはいえ、未だ経験は浅い。自分達だけで、総てのコマを埋め尽くせるわけではない。そこで、制作やプロデューサー、アシスタントら総出で穴埋めしてゆくことになる。(因みに時間の推移は、現代の1分が江戸時代の何ヶ月にも当たるので、歴史的事象の展開と現在、観客の目の前で行われているタイムトラベルの物語が、観客にとって不自然とは感じられない仕組みになっている。また、これを読む諸子は、“みぶるい”は新撰組結成当時の名、壬生組を表しており、“さつまご飯”は敵対し勝者となった薩長を意味している洒落であることは、当然気付いているだろう。)
 これら2つの時代、2つの場所を繋ぐもう1つのアイテムが、モバイル通信機器である。まあ、本当に通信可能か? などと野暮なことは、問わないで欲しい。兎に角、スマホが時空を超えて機能することで、互いの時代の雰囲気が共有される。
 シリアスな幕末の酷い歴史の中で必死に生き死んでゆく者たちのドラマとアタフタと最終公演に取り組む面々の相似(毛利と山南、明実と明里、緒方と土方など)と史的状況の異相(血に塗れた激動の時代と平和呆けの時代)が糸車の助けを借りて自在に想像力の翼を広げさせるとすれば、スマホは、ドライで表層的で平和で非人間的な世界へ、血塗られ、人間的で宿命的な生き様を伝えて不思議な融合を果たしている。
 普段、社会人をしている人たちの劇団のようだが、生き様に共鳴する力があるのだろう。リーフレットの上演履歴では、つか こうへい作品が多い。なるほど、と思う。演ずるという行為より、寧ろ生き様を叩きつけるように舞台上で表現したのが、つか演劇の本質であり、特徴だと思うからである。その意味で、どの役を演じたどの役者もその生き方、生き様をぶつけているようで、とても好感した。
エニシング・ゴーズ

エニシング・ゴーズ

東宝

帝国劇場(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/28 (月)公演終了

満足度★★★★

壮大!
全員でのタップダンスは惚れ惚れ♪心からのりのりになって、自分も踊っている気分になった♪オーケストラが船上にいるっていうのも面白かったです。

チムニースイープ・ラララ

チムニースイープ・ラララ

彗星マジック

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

私の中ではダブルコールが鳴り響いてました!
Twitterでも呟きましたが素晴らしい作品!

心が痛くなるほどの悲しさや悔しさ表現した作品

観劇後、言葉でできないほど心に届きました!


「差別」という言葉がなくならない限り差別はなくならない

そんな熱い想いのメッセージが込められながら

音楽やライティング、衣装など彗星マジックの

ファンタジー溢れる世界観が散りばめられて表現されています!


何と言っても役者さんの演技が力強い!

一人芝居で印象的だった主役の米山真理さん!

いつも声が突き抜けている立花祐介さん!

いつもと違った一面での熱演の西川さやかさん(月曜劇団)

渋い演技の近藤ヒデシさん(COMPLETE爆弾)

その他の皆さんも含めて熱い演技が伝わってきて

私の中にグングンと入り込んできて最後まで惹きつけられました!

3回ぐらい込み上げるシーンが…(;_;)


今回は分かりやすいのもあったのでモヤモヤした気持ちにはならずに観劇できました♪

今までの彗星マジックの作品の中では私は一番好きですね!


初めて見た彗星マジックの「定点風景」を観た後の感想に

「演劇の目を肥やしてから、またじっくり観たい作品」

あれから2年経ってようやく感動を味わうことができました!

私の目は肥えたのでしょうか(^^)⁈


私の中ではダブルコールが鳴り響いてました!

アザゼルの山羊

アザゼルの山羊

チャリカルキ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/10/09 (水) ~ 2013/10/15 (火)公演終了

満足度★★★★

中国人らしく、韓国人らしく
日本語学校の雰囲気が出ていました。

ネタバレBOX

今は日本語学校の先生をしている元小学校教諭の女性が、13年前に児童を体罰で死なせたとされる事件の真相やその背景が明らかになる話。

日本語学校でお世話になった先生のために蒸し返された事件の真相を探ろうとしたチャンですが、子供が生まれるのを前にして、彼自身の育った家庭環境から父子関係に自信の持てないこともあって調査を通じて親子関係について学んでいく話でもありました。

10月に水泳の練習を強要して死なせたと裁判では認定されましたが、新たに調査していくと、少年が自ら要望書を書いて練習したんだとか、その書面は他の先生による捏造だったとか紆余曲折があって、最終的には少年がいじめ側にいじめの辛さを味合わせるために生贄と呼ばれるいじめの対象を交代させる制度を作って運営していたものの破綻し、最後の生贄として先生を選んだ上で母親の狭心症の薬を大量摂取して自殺したことが明らかになりました。

当時もマスコミで取り上げられていた事件という割にはおざなりな裁判でした。

仲間外れを作り手を差し伸べる人たらし方式で自分が常に優位に立つ制度は一巡するとダメになってしまうものなのか、少し不思議でした。

そもそも13年前の事件をほじくり返したのが上級クラスに昇級できなかった韓国人女性の逆恨みによるものだったことも明らかになりましたが、バイトに明け暮れていた本人のせいであったとしても本人にとっては切実な問題で、そんな他人から見ると何でもないようなことが引鉄になるという意外性には衝撃を受けました。

ただ、少年が実は元教諭が産んだ子供だったという事実には、衝撃を通り越して何でもありかと思ってしまいました。
熱帯男子 2

熱帯男子 2

オデッセー

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2013/10/12 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

前作を観ていただけに
後味の清々しさは相変わらずですが、このスケールダウンは1の素晴らしい完成度と比べるとなんとも残念。

「2LDK」-2013-

「2LDK」-2013-

ネルケプランニング

俳優座劇場(東京都)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

2LDKは女の戦場か。。
流血もいとわぬ凄まじいバトルの行き着く果ては。。。。
冷蔵庫を開ける場面が最高!!

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