トロピカルな感触を持ち帰ろう
『2』にして、「おなじみ」の安定感…。
異例の『2』が 始まっただけある。
観客も 一緒に盛り上がれる決定版ミュージカルだ。
東京から1200キロメートル離れた南洋に浮かぶ池棉島(いけめんじま)の島民が、一人ひとり「漁師」や「旅館経営者」「住職」といった仕事と結びついているため、簡潔なキャラクター設定である。
1988年のバブル経済を時代背景とし、池綿島の空港建設計画ーリゾート化計画をめぐる島民(イケメン)同士の「反対派」「建設派」の争いまで描いた点は、前作まではありえなかった「社会派」だろう。
主演の井上正大がアフタートークで「最初のシーンが一番、重要だと思うので」と語ったとおり、後の池綿島での“南国ミュージカル”の鮮やかを際立たせる対比として、序幕の“東京”に求められるポイントは多い。
※ネタバレ
半裸のイケメンが踊る!歌う!、その魅力はミュージカルすら超えかねない。
女性向きのミュージカルではなく、老若男女を問わず盛り上がれる内容だから、『3』の公演が決まっても こうした幅の広さは維持すべきである。
前回はシャ乱Qの はたけ氏が久兵衛役で 登場した。
かつて「島を捨てた人間」という。
今回は若かりし頃の不良公務員•久兵衛(役 細川 洪)がメイン•キャストの一人だった。
公務員を辞める展開がない…すなわち、これは『3』を書くことを宣言しているような脚本だろう。