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限界集落ロケ現場殺人事件

限界集落ロケ現場殺人事件

劇団M'sーG

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/06/09 (金) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

満足度★★★

殺陣の上手い劇団だが、今回は…
犯人当ても期待していたが😞
映像と演劇を融合させることも…
今までが良かっただけに、残念でした

橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

実際に起きた連続児童殺害事件を背景に描いた社会派劇。

ネタバレBOX

2006年に起きた秋田児童連続殺害事件を背景に、登場人物や社名等をフィクションに置き換えている。舞台を事件から20年が経った地元メディアに設定し、事件当時の回想や登場人物の過去を語ると同時にシーンとしても舞台上で見せていく。
リサリーサ演じる藤井あかりは、殺人事件の犯人とされる役の朴訥さと儚さを好演していた。舞台美術と照明も印象的で、出演者による場面転換のスムーズさとも合わさって、転換の多い本公演の各シーンを観客が理解する助けとなっていたように思う。美術・照明はこのテーマでいてリアリズムに依らず、幻想的な雰囲気を構築していたのも成功していたように思う。
脚本については疑問を感じた。物語の軸となる地方メディアや加害者については多面的に描いていた一方で、警察や裁判所など、特に警察については無能で高圧的で人間味のないキャラクターになってしまっていた。意図的にそう描いたのだろう。そこに作者の現場の警察制度や司法制度に対する主張が見て取れると解釈しても良いが、“体制側”もまた一人一人の総体である以上、踏み込んで描いて欲しかった。もう一点、加害者の精神疾患の描き方について。加害者が家族や社会に抑圧され、精神的に追い詰められていく様子は丁寧に描かれており、同情する観客も多いであろう。しかし、こと殺人事件においてはその精神疾患がかなり大きな要因として描かれているように感じた。その点を強調する必要があったのかは今でも疑問に思っている。精神疾患と重大犯罪を結びつけて論じるのは、実際の事件を元にしていたとしても、むしろ実際の事件を題材としていたからこそ、より慎重に扱うべきであったのではないかと今でも考えている。
「その先の闇と光」

「その先の闇と光」

ISAWO BOOKSTORE

雑遊(東京都)

2023/06/03 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

A,Bを観劇。Aは加害者と被害者家族の話、Bは加害者家族の話でノンフィクションではないかと思うほどリアルだった。
両劇とも死刑制度について考えさせられる凄くいい舞台でした。

ネタバレBOX

前の席の人が話をしながら見ているのが凄く気になってしまった。途中から一人が寝いていたが見る気がないなら前のほうの席には座らずに後ろの端に座ってもらいたい。
ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

REST Ver.初日を初夜割引で拝見。2本目終了後に休憩が入るが、5分しかないので、トイレは劇場に入る前や開演前に済ませておくのをお薦め。前半75分、後半80分。何れも濃厚で面白かったが、一番好きだったのは笠浦静花・作「よるをこめて」。後半は皆さんお尻が痛くなってきたのか、息を殺して観ているようなシーンに椅子をギシギシいわせる人が多発で、そこは少々残念だったものの四捨五入でこの☆を。STAY Ver.も楽しみ。

ネタバレBOX

上演は「シェヘラザード」「よるをこめて」「きゅうじっぷんさんまんえん」「クリーブランド」「獣、あるいは、近付くのが早過ぎる」の順。冒頭には恒例の寸劇仕立てによる諸注意も。
ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

【REST ver.】
どすけべ前説 「おし問答」 陽向さと子さん 渡邉晃氏
①シェヘラザード 環幸乃さん 今井未定さん 坂本七秋氏
②よるをこめて 陽向さと子さん 新井裕士氏 サラリーマン村松氏
〈5分休憩〉
③きゅうじっぷんさんまんえん 佐神寿歩(ひさほ)さん 木山りおさん
④クリーブランド 寺園七海さん 渡邉晃氏
⑤獣、あるいは、近付くのが早過ぎる 冨岡英香さん 後関貴大氏

シチュエーションがラブホ縛りの短編集。
③佐神寿歩さんと木山りおさんに尽きる。これだけで観る価値は充分ある。若き松坂慶子を思わせる佐神寿歩さんと自己肯定感ゼロのコミュ障・木山りおさんの対決は名勝負。どちらも光り輝きつつ、相手の存在を更に魅力的に高める理想的なプロレス。

寺園七海さんと岡村梨加さんの写真集2000円、ルームキーホルダー1200円、絶賛発売中。

寺園七海さんのTwitterからチケットを予約すると直筆のお手紙が頂けるのでお薦め。

ネタバレBOX

設定がラブホだからといって無理に下ネタを入れている感じ、イマイチ笑えないのが残念。逆に下ネタをタブーにする方がセンス。

摺りガラス状のバスルームから透けて見えるシルエット。

①代議士一族のお嬢様(環幸乃さん)が心を許せる女友達(今井未定さん)に昨夜の出来事を語る。
環幸乃さんのベッドシーンは衝撃的。見所は今井未定さんの様々な表情。座っているだけで存在感が凄い。

②インポの主任(サラリーマン村松氏)と女係長(陽向さと子さん)はラブホに部下(新井裕士氏)を呼びつけて相談する。
かなり下ネタで攻めた内容。新井裕士氏はラバーガールの大水洋介っぽいキャラ。陽向さと子さんは振り切っている。胸のしこりのくだりがよく聴き取れなかった。

③レズビアンの派遣型風俗嬢と客の遣り取り。
これは面白い。

④寺園七海さんが昔から好きだった男(渡邉晃氏)とラブホで過ごす最後の思い出。
映画『メジャーリーグ』の舞台でもあるクリーブランド。吉本ばななっぽい。

⑤巨大怪獣が東京を踏み荒らす夜、ずっと好きだった先輩(冨岡英香さん)を何とかラブホに連れ込んだ男(後関貴大氏)。
これは全く楽しめなかった。

男女の好きだとか好きじゃないとかだけでなく、ラブホで天下国家を論じるような狂った作家はいないのか?
我愛你

我愛你

劇団往来

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/06/07 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

満足度★★★★

再演
過去の作品も拝見しているが、現代の出来事を交えながら演じるので、再演とは思えないでき
観客もNMB目当てが多いのか、往来の客層とは異なるような…
しかし、しっかりとした作品に仕上がっていた
戦争は必用なのか…😞資本主義の中ではそうなるのかな

ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

REST Ver.を観劇
歌舞伎町の立地をそのまま活用したラブホテルの一室
作家が異なる5作品だけあって切り口も様々、歌舞伎町ならではの作品群
しかもどの作品もそれぞれに面白いので見応えのある事といったらもう 充実の2時間40分
座席から最も近い場所にダブルベットが鎮座、予想以上に艶っぽい作品が多くて、なるほどのR―15指定

ラブホテルという密室では普段他人には見せない姿が赤裸々になって、どうしようもなく笑ってしまうけれど、都会の孤独が突き刺さる部分もあって中々に深い
どんなにカッコいい男女でも性欲がらみになると滑稽になってしまう“悲喜こもごも”な部分を巧く突いています

ホテル・ミラクルThe Final
フライヤーに小さく書かれた「ずっと、つづくとおもっていた。」のキャッチコピーが切ない
シアター・ミラクル ホントずっとつづくと思っていました
しかーし、もうひとつのSTAY Ver.も後日観劇予定
祭りはまだ終わっていないのでした、楽しみ!

「その先の闇と光」

「その先の闇と光」

ISAWO BOOKSTORE

雑遊(東京都)

2023/06/03 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

舞台「HELI-X ~スパイラル・ラビリンス~」【大阪公演中止】

舞台「HELI-X ~スパイラル・ラビリンス~」【大阪公演中止】

High-position

サンシャイン劇場(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

zerotがいなくなって(ちょっと寂しい!)、物語は第二章へ。相変わらず観る側を飽きさせない作品。オシリス、サッドネス、メイン二人の作り込みが凄い!またこの舞台の特徴的な照明使いが、ストーリーを引き立てているのが魅力的!
幸せな世界が早く来ますように・・・と思いつつ、終わらない作品であってほしい。

新ハムレット

新ハムレット

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2023/06/06 (火) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

太宰治はせりふがうまいなぁとつくづく思う。テキストは大幅(といっても半分くらいになっている感じだが)にカットされているが、台詞もスジも原作通りである。
演出の五戸真理枝は新人ながら昨年大活躍で、「貴婦人の来訪」も「毛皮のヴィーナス」も面白く見たので大いに期待して観にいった。
舞台は上手から下手にかけて、灰色の長い廊下、下手に行くほど広がっている六体画風。上手中央に玉座が二つ。王(平田満)と王妃(松下由樹)の座である。ハムレットは木村達成、オフィーリア(島崎由香)彼女の父ボローニアス(池田成志)、兄ホレーショー(加藤諒)。原作に起きる事件では、叔父の父親殺しをハムレットが解く、くだり、ハムレットとオフィーリアの恋愛沙汰(遂にオフィーリアは妊娠してしまう)、王権の中の忠誠争い、先王の幽霊の出現の噂(だけで現実には出てこない)、芝居による真相究明など、見ていればどの場のパロディだかはよくわかるが、物語はまったく原作と違う変な方向に進んでいく。
太宰は、ハムレットを素材にその頃の時代風俗で、ないかと建前にこだわる西欧名作をからかってみたかったのだろうが、寝転んで原作を読む限りはなかなか面白い。太宰の各人物に対する突っ込みもさすが言葉がうまいのでで、大笑い。かつて、白石加代子の百物語で「かちかち山」を見て爆笑したことがあったが、声に出して面白い言葉(台詞)なのである。ところが、せっかく戯曲体で書いてあり、五戸の上演用のカットも的確なのだが、いざ、舞台で見るとわざわざ木村の資質を生かそうとラップまで入っているが弾まない。むしろ深刻な家族葛藤劇。見る前は爆笑喜劇になるに違いないと観にいったのに当て外れ、パンフレットを買って読んでみると、皆さんずいぶん真面目にこの作品に取り組んでいらっしゃる。期待の新人演出家も、この作品から人生の教訓を受け取ろうと、下北半島を三里も歩いたと? それはちょっと、と半分しか入って居ない観客席の一人は思った。


「その先の闇と光」

「その先の闇と光」

ISAWO BOOKSTORE

雑遊(東京都)

2023/06/03 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

A・Bの回を観劇しました。
両作品とも興味深い内容で、とても良かったです。
事件の加害者、被害者、それぞれの家族や関係者、それぞれの思いや辛さを感じ、胸が苦しくなりました。
視点を変えると、事件に対する印象も変わってくるような気がしましたが、自分が被害者の家族だったら、やはり同情の余地はないかなと思いました。
登場人物の言葉や思いに共感したり、共感できなかったり、様々な考えが頭をグルグルし、観劇後は、すごく疲労しました(勿論、良い意味です)
役者さん達の迫真の演技も、素晴らしかったです。
考えさせられる良い舞台でした!        

ラフカット2023

ラフカット2023

プラチナ・ペーパーズ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/06/07 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

熱い舞台でした
お薦め

「その先の闇と光」

「その先の闇と光」

ISAWO BOOKSTORE

雑遊(東京都)

2023/06/03 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

とても良かったです。
特に二本目に見た和歌山カレー事件を元にした劇が良かった。
二本立てじゃなくて、一本もので公演うてるんじゃないかと思うくらい。
と思ったら、すでにこれ一本で公演していたんですね。納得。

熱海五郎一座 幕末ドラゴン【6月1日~6日公演中止】

熱海五郎一座 幕末ドラゴン【6月1日~6日公演中止】

松竹

新橋演舞場(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/07 (水) 13:30

座席1階

初日を開けただけで、その後昨日まで「出演者体調不良のため」公演中止となった。松竹のリリースを見ると、誰がどんな体調不良なのかは「プライバシーに関わる」としてけんもほろろの発表だ。チケット代を返してくれるとは言っても、ここまでお客をばかにした対応はないだろう。安くないチケットを買ってもらったお客に対して説明責任がある。歌舞伎界の不祥事も、松竹のこんな隠蔽体質が関係しているのではないかと思われてしまうと言っておきたい。
 
新橋演舞場で9回目という三宅裕司率いるおなじみ熱海五郎一座の公演は、そういうわけで今日が実質2日目。「制作の人にカーテンコールは1回にしてと言われてまして」と述べた三宅の言葉からも、恐らくコロナ感染なのだろう。客席の方は、マスク姿は高齢者が中心。前説で深沢邦之が「ほほ笑むのではなく声を出して思い切り笑って」と言ってはいたが、まだそんな気分にはならない人も多かったのではないか。
ただ、舞台は面白かった。2023年の劇団で新選組をやっていて、これがなぜか本物の近江屋事件の現場にタイムスリップしてしまうという設定だ。お約束のボケとツッコミは少し切れ味が悪かった感じもするが、随所に時事ネタによる笑いもあってよかった。高齢者劇団だという自虐的ギャグも多く、一幕と二幕の間の30分の休憩は殺陣が始まったところで幕が下り、「高齢の出演者を休ませるため」というアナウンスは笑った(本当はあまり笑えない)
意外だが熱海五郎一座では初めての時代劇とか。着物姿もあでやかな檀れいはともかく、ももクロの玉井詩織を持ってきたのは思い切ったゲストだと思った。三宅の説明では「歌って踊れる」が前提でということだったので、正直言えばしおりんの歌と踊りをもっと見たかった。しおりんに殺陣などはちょっと似合わないし、難しかったと思う。だが、若大将と言われるももクロらしさは十分に発揮している。この舞台を見て、15周年記念ツアーに行きたいと思った(ほかに、そんなもののふは新橋演舞場きてないかも)

冒頭のギャグは春風亭昇太がせりふをかむというところだが、これが本当にかんでいるのか、台本通りなのかが微妙なところで、自分としては昇太のギャグが一番面白かった。開幕30分前までラジオ番組に出ていたという人気者。千秋楽までフルパワーで頑張ってほしい。

人魂を届けに

人魂を届けに

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2023/05/16 (火) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

メモ

『カミの森』『<花鳥風月>短編戯曲セレクション1・2』

『カミの森』『<花鳥風月>短編戯曲セレクション1・2』

ティーファクトリー

座・高円寺1(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

抽象的な世界を芝居にする面白さにかけては、この作家はなかなかうまい。アングラ時代からこの一派は腕を挙げてきて、北村想などから出発して次世代の岩松了、前川知大、新しいところでは、加藤拓也や岡田利規にまで一つの大きな流れを作っている。素材の劇的要素を考えて構成しているので破綻しにくい。
このドラマの主人公は森の中に出家してグループの指導者になっている兄(今井朋彦、ぴったし)と、そこでゾンビ映画の撮影にやってきた弟(配役表がないので不詳・これが兄と対照的でうまい)が、現代の「神」(生きていく指針)を探すという枠取りで、話の展開では映画の中の主人公の父母(この二人もうまいが不詳)のゾンビが出てきたり、殺人事件が起きたり、する。
美術が洒落ているのはいつものことだが、天井から細い電線が伸びている森の木の切り株を散らした裸舞台を森を思わせるカーテンが囲っている。
二時間ちょっとだが、冒頭の抽象論が少しダレる。もっと入っても良いと思うが、硬派に舞台が進んでいくところが若い人を遠ざけているのかも知れない。大人の客が多い。

『カミの森』『<花鳥風月>短編戯曲セレクション1・2』

『カミの森』『<花鳥風月>短編戯曲セレクション1・2』

ティーファクトリー

座・高円寺1(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

一度に3つの舞台が交互上演されているが、今回は2時間を超す長編『カミの森』を観た。あとの2つは短編集。

滅茶苦茶簡単に言うと「兄(今井朋彦)は新興宗教の教祖、弟(加藤虎ノ介)はゾンビ映画の監督。そういう兄弟の20年前に失われた関係の再生の物語」ということになるのだろう。「崩壊した別の家族の修復」も外せないか。

それを様々な演出技法で展開し拡大して行くのだがこちらの頭が回らない。笑いを取りに来る場面があっても一般観客はとまどうばかりでプロらしき一角で反応があるのみ。

今井さんと加藤さんの持ち味は楽しめた。

ネタバレBOX

あらすじ
舞台中央の一段高い台の上で新興宗教の教祖(今井朋彦)が拠点である森の素晴らしさを語っている。

会社を首になった中年男が家族には会社に行くと言って動物園に来ている。それにまとわりつく教団の勧誘の女性。中年男は見学に行くことになる。

森ではゾンビ映画のロケが行われている。実は監督(加藤虎ノ介)は教祖の弟で20年来音信不通であった兄をニュースで見て会いに来たのだった。

ぎこちない再会を果たした兄弟だが、なんとか信徒がエキストラとして出演する折り合いをつける。撮影が順調に進んでいたある日、若い役者が信徒の一人とトラブルになり殺してしまう。この若者、実は入信してその場にいた件の男の子供であった。男が身代わりになることで隠蔽の合意ができる。

事件後、教団は森を追われ、撮影は中止となる。やがて刑期を終えて出所する男の前には迎える家族の姿があった。教団は森から街へ活動拠点を変え、インチキ臭さを倍増してたくましく生き延びる。母の死に際して兄弟の関係が修復される。
本人たち

本人たち

小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク

STスポット(神奈川県)

2023/03/24 (金) ~ 2023/03/31 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度

「演劇」や「上演」、およびそれらに対する観客の一般認識を覆す(あるいは少なくとも問題化する)であろうことが期待された本作だが、残念ながら独りよがりの印象が強い作品だったと言わざるを得ない。

ネタバレBOX

本作は二部構成だったが、そのいずれもが筆者には響かなかった。というのも、ほとんど行っていることの違いがわからなかったからである。第一部「共有するビヘイビア」では俳優・古賀友樹が客席に向かって一人語りを行い、第二部「また会いましょう」では渚まな美と西井裕美がそれぞれ話しているのだが、それが会話に聞こえたり聞こえなかったりする。発話のアドレスが客席かそうでないかという違いはあるものの、どちらも観客がいなくてもあまり変わりがなさそうであるという点において演劇的な面白みを欠いていた。
いずれも、演劇的発話の特異性を炙り出せそうな可能性は感じられた。例えば、会話になりそうでならない渚と西井のやりとりは観客の想像力を刺激し、両者が街中で出会っていたりそうでなかったりする情景を想像の中で遊ぶことはできるかもしれない。しかし、そこまでの想像意欲が掻き立てられなかった。

演劇や俳優の存在、舞台上での発話行為、現代におけるリアリズムなどを遊戯している(と類推される)という点において本企画は挑戦的であり特異だと言える。その着想は評価に値するものの、その先の議論へ展開されないことにフラストレーションを感じる。演劇に対してメタシアトリカルあるいはパラフィクション的な試みは時折刺激的だが、その試みの本質すなわち問題の核が見えないことには始まらない。残念ながら筆者にはそれが伝わってこなかった。
令和5年の廃刀令

令和5年の廃刀令

Aga-risk Entertainment

としま区民センター・小ホール(東京都)

2023/05/01 (月) ~ 2023/05/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

テーマ設定、問題提起の手法、劇場(会場)設定および運営、劇作術等において総合的にエンタメとして高く評価できる作品である。

ネタバレBOX

討論劇は演劇史上最も古い形式の一つと言え、したがってその内容と展開には目新しさが要求される。本作は「令和の時代に帯刀があったら」というIF設定がユーモラスであり、同時にそれが現代社会を鋭く反映、批評するものであったという点において、発想力と洞察力の高さが伺える。

制作・運営の手捌きは流石と唸るものがあった。世界観を崩さないよう設定に忠実であったスタッフの存在感、滞りなく投票システムが稼働するように動いていたのも見事だった。この投票システムはやはりエンタメとして面白かったし、演劇作品および政治活動への「参加」の重要性・責任を感じさせるものとなっていたが、それによって変化を付けた結末に大きく差がないのがやや気になった(もちろん劇作上やむを得ないことではあるのでないものねだりに近いとは自覚しているが)。

また、登壇者とそれを演じる俳優のバリエーションも楽しかった。恐らく実際にこのような場になったら呼ばれるだろうと思われるような人物(例えば元議員・上林美貴や「るろうに先生」と名乗る元刀剣傷害事件の加害者・吉光裕之など)から、恐らく行政はこのような人物を呼ばないのではと思われる人物(鎖鎌を推奨するYouTuber・高橋俊輔など)まで幅広い。彼らの主張は当然予想されるものから、鋭いもの、さらには突拍子もないものまで多様であり、それらが並置されているという意味で昨今のSNSやメディア上での議論を連想させた。俳優たちの演技は、その立場の「代表」という意味でも「再現」という意味でもrepresentationとして優れており、ややステレオタイプ的ではあるものの好感を持てる人物が多かった。

他方で、社会問題を取り上げるものとしてはより掘り下げるべきだった点がいくつかあったのはもったいなかった。例えば、必然的に観客の多くはアメリカにおける銃の所持についての議論を連想すると推測されるが、そこで展開されているような議論(例えば犯罪率の高さや自衛の権利、企業と行政の癒着、自由についての議論など)はあまり出ていない。
もちろん、社会問題に対する議論への鋭い指摘も散見される。例えば、司会であるはずの宮入智子が自らの立場を捨て、当事者として被害を訴えた際に、小説家・広木由一が「当事者の言葉が非当事者よりも優位にあるわけではない」という指摘は、昨今白熱しがちなメディアでの議論に必要な冷や水であろう。ただ、エンタメ性に全体が従事しているために、もう少し踏み込むべきだった点もあっただろうと思われる。

総括すると、ユーモアとシリアスが織り込まれた優れたエンタメ作品であり高い満足度を得ることができたと言える。社会派エンタメとしては、より現実社会を反映させるスリリングさが求められるだろう。
あたらしい朝

あたらしい朝

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/05/03 (水) ~ 2023/05/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

演劇的仕掛けとユーモアがふんだんに織り込まれた愛すべき作品である。劇作家、演出、俳優、美術等において総合的にその技術が高く評価できる。

ネタバレBOX

元ネタとなっているのは上方落語『地獄八景亡者戯』である。その残された妻の側を中心とし、彼女の複数の旅が重なって描かれている。俳優の演技力が高く、情景描写に長けているために観客も共に彼女の記憶/体験の旅に出ることができる。本作はコロナ禍に描かれたということもあり、好感が持てた。

何より本作で優れていたのは、戯曲における記憶/体験/想像のレイヤーの織り重ね方である。いないはずの夫・龍之介とユリのドライブからヒッチハイカー・山本ユカリをピックアップしてそのまま行ってしまう旅行、龍之介とユリの新婚旅行、ユリと母親の旅行が複層的・連続的に描かれると同時に、そこに龍之介の死者の旅路や彼の葬儀のシーン、死んだ母親との会話などが挟まれる。それらは想像/現実の区別が明瞭に付けられないまま、他の次元に緩やかに干渉しており、付かず離れずの距離感が心地よい。

死を描く際の軽やかさに対しても好感を持った。バランスよく散らばったコミカルなシーンのせいもあり、全体を通じてノリの軽さが特徴となっているが、それとの対比により、既に死んでいる母親と夫に対するユリの寂寞とした思いが伝わってくる。重苦しくならないからこそ、それが一層切なくもあった。

シンプルだが具体的な舞台美術・小道具と演技によって、描かれる旅は観客の想像力をともなったリアルなものとして劇場に立ち上がっていた。他のメディアではできない、演劇ならではの魅力が発揮されていたと言えるだろう。

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