ドミノノノノノノノハラノ
オレンヂスタ
千種文化小劇場(愛知県)
2018/10/06 (土) ~ 2018/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
まさしく人海戦術でしか成し得ない自然の猛威の表現… 重力に抗うダイナミックさが伝える心理表現、アンサンブルによる凝った演出の数々で…それでこそ伝わる様々なモノがとっても新鮮でした。
おそらくは異界と言っても良いほどに… 様変わりしたであろう 名古屋の風景が、ありありと眼前に見えてくるの不思議。
勿論、小学生たちを中心に周りの大人たちと繰り広げられるドラマや人の振る舞いにも見ものが多くて、大集団座組ならではの醍醐味をたっぷり味わいました。子供組も大人組も人ならぬモノ組もとても素敵。
サマータイムマシン・ワンスモア
ヨーロッパ企画
ウインクあいち(愛知県産業労働センター)(愛知県)
2018/10/04 (木) ~ 2018/10/04 (木)公演終了
満足度★★★★
うっひょ〜、何たるドライブ感。皆が事情を知っているところから始まるから、助走不要、常に全力疾走の展開。時空を駆け巡り…交差する…皆の思惑とタイムトラベルの嵐。些細なものから深い想いまで、行為の全てが繋がる大連鎖活劇でした。
7人の部長
信州大学劇団山脈
池上邸蔵(長野県)
2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★
狭い空間に入り乱れるドタバタ、全般として小気味よいテンポで可笑しみの深いやりとりを楽しませてくれました。
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ネタバレBOX
【続き】
高校演劇の名作として名高いらしいのだが、実は高校生が演るのを観たことなくて(笑)、名古屋でも大学生キャストで観た。…そして、戯曲に潜んでいるテーマ…というか、風刺?として… およそ予算折衝とは言い難い"体たらく"をコミカルに描きながら、その状況が「真に意味すること」を最後にシニカルに明かす展開が印象的… 何となく、まるで冷や水を浴びせかける様なオチだ。
その印象は前に観た時と変わらず切ない。そして… 無力感の中に、ちょっと…ほんのちょっとだけ一歩を踏み出した後味を残してくれる。
さて、では 山脈(松本)と くじら座なごや(名古屋)と差を挙げるとすると… 生徒会長の印象の違いが一番かな。
名古屋での会長は男性でした。
何となく頼りなげな印象もあって、最後のオチに繋がる憂鬱さが潜んでいたのが後からじわっと分かる感じ。
松本での会長は女性でした。
この役者には快活さと力強さが感じられて、キャラクターとしてはより魅力的でした。業務上は礼節を保つのに身内(文芸部部長)に対する扱いの荒さ(ノートで裏拳パンチ!)とか、活き活きしてた。
…そこが返って…オチに対してはギャップになってしまう気もするが、…カラ元気だったって受け取れば良いのかな。あるいは本来は強烈な個性のある子でも…受け入れざるを得ない現実の厳しさ…と感じ取るべきか。
同じ戯曲から生み出される表現は様々ですねぇ。
君ができないことはほかの誰にもできない
演劇工作室キルト
上土劇場(旧ピカデリーホール)(長野県)
2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★
何やら他の団体とはちょっと異質な…メンバーの混在感と手作り感が漂っていたのですが、どうも地元の演劇教室が母体らしく…なるほどな、と思う。
幅広い年齢層の役者陣…という小劇場演劇ではなかなか得られない特色を持ちながらも、なぜか登場人物の設定年齢がみんな高校生という矛盾に面白味あり(笑)
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ネタバレBOX
【続き】
冒頭のお茶会の謎めいた雰囲気や、SNS四天王のぶっとび感、VRの活用を逆手にとった滑稽味溢れる描写とか、そこかしこのアイディアはとても面白かった。本来は、能力ごとの個人別指導とかは教育の一種の理想なんだけど、傍から見せられるとなんとも笑える絵面だった。
キャラクターも中々にイロモノ的な面白さがあって、特にペッパー君は激推しの面白さでしたが、…いっぺん笑ってもらったら使い捨て…ではなく、終始出番があるばかりか、キーパーソンにもなっていく使い方をしているのには感心しました。
ここからちょっとビックリな巨大大道具に繋げていく発想も面白かったです。アレはかなり意表を突かれましたよ(^。^)
あの日から、明日へ「イーハトーヴの雪」「前夜」
Gin’s Bar+アクターズ仙台
上土劇場(旧ピカデリーホール)(長野県)
2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
短編2作「イーハトーヴの雪」「前夜」による構成。
ただ、それのみならず…幕前、幕間に演奏されるオカリナが、ホールの音響効果も相俟って大変叙情的に響く… まさしくホール内に響き渡り、2作を1つに結び付けた。以下、作品毎の感想をネタバレBOXへ
ネタバレBOX
「イーハトーヴの雪」
本作を観るのは大阪、名古屋に続き3度目。
津波に呑まれた妹の亡骸を探して遺体安置所を廻る男が、この日も…結局、妹ではなかった亡骸に語り掛ける。
内容を知っていてなお…切実に…ひそやかに沁み入ってくる空気。音と光と…そして線香の香りからも浸透してくる切なさ。亡骸に対して男が掛ける言葉も、同じ土地で苦難を共にした者への礼節と慈愛に満ちて、方言故か…より人懐っこく響く。
なんでなんだろう…ほぼ全編にわたって非常に落ち着いた、穏やかなテンションだからかな。…既に涙は枯れ切って感覚も麻痺している… それでも…いや、それ故に…心の中に留まった大事な想いが伝わってくる感じ。彼にとって、この行為はしっかり根付いた生活の一部であり、亡骸に振る舞うお裾分けから…何となく生命の力強さを感じることもできる。
…その穏やかなペースの中で、たった一度だけ大きく響かせた「景色そのものの喪失」に対する言葉が… 眼前に広がる空虚の響きを再現していて、穏やかさの裏にある激情を…一瞬だけ垣間見せました。
そして、忘れないための努力… 背景は異なれど共感あり。
「前夜」
結婚前夜と思しき男女。しかし何故か女性は相手を兄と呼び…微妙な関係性を窺わせる。幸せが控えているのに…和やかな会話を交わしているのに…漂う微かな緊張感とミステリー感に惹き込まれる。 そして、徐々にその背景が明かされていく。…物語には…二重の仕掛けも隠されていて…終盤の「数」の不一致による予兆から徐々に膨らむ盛り上がりがとても利いていました。明かされた事実は… とても切ないけど、2人はそれを呑み込んで、そこからまた一歩を踏み出す。じんわり心地良く涙できる後味でした。
今日も、バスが来ない!
劇団 蒼天の猫標識
上土ふれあいホール(長野県)
2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
「バスが来ない」「バスは来ない」に続く…再演に非ず…リメイクというべきブラッシュアップ。結構、後味も変わった。
夢を叶えるため東京行のバスを待ち続ける少女・ひじき。バス亭にたむろする…夢追いの先輩たち(海藻女子)。そして意味ありげにバス亭に座する謎の男。
楽しく夢を語り続ける先にあるものは… 果たしてバスは来るのか…そもそもバスとは何なのか。短編アレンジとなり、長編での味でもあった不穏さとミステリー感を思い切って削ぎ落した代わりに…核心に よりストレートにリーチ。
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ネタバレBOX
【続き】
今回は「本当の夢を取り戻す人」のみにフォーカスされたけど、実は前作には「夢を諦める人(周りに流された人)」がW主人公的に存在していて、そこら辺への慈愛に満ちた描き方が味わいにもなっていたのです… いや、前作でのインパクトはむしろそちらの方にあった。
しかし、今回は前者に絞り、展開を1本に集約することで、初めての土地でも観客への訴求力が増していたと思う。
それを後押しする意味で、エンタロウ(前作のアカシア ポジション)も より存在感を増した。
終始その場に存在し、興味なさげに振る舞いながら、ポツリポツリと投げかける言葉が、ことごとく複線であり、核心にそっと触れては消えていく。
終盤では、蒼天作品には珍しいテンションの高いセリフ(「あなたのことですよ!」… から、「そんなところは無い!」のくだり)がとても印象的でした。観察者の筈だったのに… つい踏み込んでしまった気持ちの変化に、彼がこれまで観察者として積み重ねてきた無念の想いがうっすら見えました。
それ自体が…自称「夢を追う人」達への揶揄にも思える。
あと、前作との印象の違いで言うと、海藻女子たちの志望ジャンルが分散することで、オタトークが薄まって内容が一般化されたな。なんせ前作は主人公以外もみんな声優志望だったので、会話の濃さが半端なかった。その濃さと…海藻女子たちののめり込む感覚が、異様な世界をカモフラージュする味だし、楽しみでもあったのだが、同じクラスタでない人には… 濃すぎだったのかもしれない。それゆえの方針転換なのだろうか。
ひじきのバイト先のメンバーが伝聞ではなく…実際に出てきたのも、夢を追うことへの外圧を生々しく感じさせてくれて良かった。
彼らのとんでもなく違和感を放つ衣装は、逆を言えば、一般の人たち…あるいは夢を諦めて現実に呑まれた人たちにとっての…「夢を追い続ける人」に感じる異質を示すものでもあったと思う。
思えば…「バス停」が無くなってしまった世界…というのも、夢を追えなくなってしまった社会を暗喩しているのだろうねぇ。
演出面で最も目を…耳を惹くのは、東京生活を礼賛する「SNSでの投稿やリアクション」が多重的に膨張していくシーン。(座組での通称は「東京賛歌」だそうな。)
前作からあったシーンなのだが、無機質で感情を込めないセリフに… 照明による多色多重のキャストの影、…シーン終盤から輪唱の様に付加される声が折り重なって、重層的に夢追い人を呑み込んでいく空虚感が強まった。
この感覚の強度は座った場所によってだいぶん違った様で、2度目に最前列桟敷で観た時は、上から降ってきて包み込んでくる音響効果が…もうホント凄くて、なんか吸い込まれていきそうだった。
いばさんの作風が変わりつつある今、過去作での謎めく感じに、今の「身近な心情の彫り込み」が加わる…過渡期ならではの作品でした。
新キャストも美味しすぎ。蒼天は推しの巣窟なのに、客演まで悉く推しばっかりで、ホント夢の国!
ブラック・ボックス・デストロイ
れんげでごはん
上土ふれあいホール(長野県)
2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★
構造的には「カメラを止めるな!」の逆パターン? 自主制作映画のゲリラ撮影にまつわるドタバタ・コメディ。その騒動における登場人物の振る舞いに、その人の半生がしっかり窺える「性格と口癖の作り込み」が面白い。
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ネタバレBOX
【続き】
それを背景に、ポロっと出てくるセリフがまた絶妙で、辻の「お母さんに聞いてもいいですか?」は最高でしたよ(笑)
華の美術品を愛でる時の微笑みも何とも言えず味わい深い表情で良い。それがあるとコロッと意見を翻すキャッシュな性格もまた良し です。
ラストの映画は、芝居の端々で出てきたセリフを反映した小ネタが入っていて楽しかった。
ただ、最後は主人公(?)辻の選択が明かされる仕掛けになっていたけど、アレって結局二択のうちの一方を選んだだけに過ぎないように思えて、ちょっと物足りなかったのが本音。
芝居のラストシーンを飾るには やや尺の長い映画を流したのだから、二択からはみ出した第三の決断を見せて欲しかった。…私が誤読してなければ…だけどね。
なお、妙に凝ってパンフで紹介されている この美術間の展示美術品の数々… いやぁ、全部見たかったわ!
H.I.D:E-ハイド-
彗星マジック
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2018/09/07 (金) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
暗転後すでにテンション上がった♬
そしてオープニングのかっこよさはほんとバツグンです
ヒーローお決まりのパターンもしっかり活かしつつ長編ならではのストーリー展開が凄い
この舞台前半と後半のリズム感の違いがめっちゃ心地いいんですよね
たぶん最初のあたりは裏は凄いことになってるのではないかな
そんな感じを一切感じさせないままストーリーは進む
魅了されたままの何分間?
完全に時間を忘れる素敵な舞台
照明もめっちゃ大好きだなこの作品♬
オープニングほんとかっこ良かったんですよ
2ndの舞台とはいえこの人数で繰り広げられるダンスは圧巻
曲も素敵で照明もかなり素敵な舞台
終わっちゃいましたね
やはり悪とか善とかって自分のポジショニングによって変わってしまうんだよな、ってのを再確認させられる感じ
そして楽しい記憶や嬉しいことは忘れないし、苦難を乗り越える糧にできるってのを思わせるストーリーなんですかね
勝山さんがほんとに伝えたかったのが何かはわかりませんが
X(キー)
パッチワークス
深志神社天神会館(長野県)
2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★
そのタイトルから既に思考性を窺う謎めく作品。
当事者として眼前に拡がる災害、芝居に対する強い拘り、伝わらない想い、伝えられないもどかしさ、不甲斐ない自分、体の内に生じた病巣、実感する被差別、増殖する流言飛語、隔絶する実社会… 様々な生々しい想いと感情が降り注ぎ、ヒリヒリした口論があてどもなく舞台上を彷徨う。
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ネタバレBOX
【続き】
その場ではうまく言い返せなくて、後で一人でグチグチもやもやと中空に反論する主宰の姿に何となくシンパシー。苛烈な正論の機銃掃射を放つ女優の圧力が… 対照として効果的でした。
伝えたいこと…伝えられることのアンバランス、分かっていて欲しいこと…考えて欲しいこと…集団で生みだしたいモノの産みの苦しみと、それを誘えない力不足へのやり場のなさ。本当に生々しい。
何も物語はなく、幾度も繰り返された「演劇は社会を写す鏡」という言葉のごとく、ただひたすら現代日本に対する現実の危機感が… 投影され重ね合わされる映像とともに透けて見える作品でした。
セリフに現わされる日付と場所にドキュメンタリー感満載…というか、根底はそうなのだろう。まさしく私小説的な思考の吐露。
白塗りの舞踏は…主人公の悩み苦しむ魂を示すモノだろうか… その蠢くような動きが映像と重なり合う様は、不思議な美しさを生んでいた。舞うは世界劇団 三重公演で拝見したばかりのzooさん。何やら縁ですねぇ。
彼岸花、咲くころ
幻想劇場◎経帷子
深志神社天神会館(長野県)
2018/09/28 (金) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★
赤い絨毯の舞台…それを取り巻く彼岸花。そこに四方から登場するアングラ白塗りの装いの人々…その色彩のコントラストはとても鮮やかでした。
まさしく異界感… この世のモノではない空気が漂う光景でしたね。
…かといって 訳が分からない世界ではなくて、…→耳慣れぬ「ムカサリ絵馬」を軸に、民俗的な空気を添えて、地に足が付いた感じもあります。
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ネタバレBOX
【続き】
結局、ムカサリ絵馬に纏わる禁忌が核だったようで、改めて調べると、なるほどなと思います。
生と死の狭間を想起させる空間に…乳母車を押して彷徨う女、母を探して放浪する少年。序盤は他にも有象無象がいて、繋がりがよく見えていませんでしたが、終盤にこの2本の線が1本に交わった時の切なさが何とも言えない。
ともすれば禍々しくも映る結末でしたが、…明らかに…この母子への救いはそこにしか無かったと思える。
ラストで幕が落ちて、ムカサリ絵馬が現実になっていく様はとても鮮烈。
禍々しさが逆に白無垢の美しさを際立たせ、禁忌よりも大切な繋がりが確かにそこに存在しているのを感じました。
シチュエーションや空気は全く違うものの、夏に観た水素74%の「ロマン」における母子の繋がりを思い出し… 当人たちが大事にするものが何よりも尊い… そんな後味が残りましたね。
本作も異彩を放って、まつもと演劇祭のラインナップの豊かさを感じました。
カゲムシャ
劇団モカイコZ
まつもと市民芸術館 小ホール(長野県)
2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★
ちょっと変わった演出をみせてくれた…ライト戦国モノ(Wミーニング?)
HOME劇団の中では最も目を惹きましたね… エンタメ系の派手さということよりも、演出の創意工夫という意味が強いです。
1人多役の芝居は数多くあれど、それを多人数で…しかも同時に切り替えというのは中々観れない。僅かな見立てを効果的に使って、シームレスに…しかもハッキリと役が切り替わっていく巧みさが目を惹く。それが芝居の進行のダイナミックさにも繋がる。
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ネタバレBOX
【続き】
ハンドライトを刀剣に見立て、暗闇に軌跡が光るライトセイバーばりの演武の見映えは素晴らしかったし、それがふと…照明にも使われたりもするのが小粋です。
いや、それどころか…大道具(サンダーバード)にまで成っちゃったね。…お話としてはストレートに情に訴えてくる感じの王道でした。欲を言えば、もうちょっと驚きの要素が欲しいけど。
役者は、早渡知利さんの奇怪な演技力が好みで、役の切替りで笑わせてくるところや形態模写的なところ好きですね。やはり、赤ん坊と痩せた牛(笑)
笑う茶化師と事情女子
匿名劇壇
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2018/08/24 (金) ~ 2018/08/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
役者さん自身は色々な舞台で観させていただいてたんですが劇団さんとしては初めて観させていただきました
過去作品は観させていただいたことはあるんですが今回雰囲気違うなって印象
素敵な舞台でした
この舞台はメインのところもかなり素敵にストーリーが進んでいくのですが、後ろの感じとかがめっちゃいいんですよね
転換のところとかも素敵な演出
転換後も計算し尽くされた構図やなって印象
個人的にはこの人の素敵な演技に釘付けなのは芝原里佳さんなんですよね
舞台の上ではかなり自分の信念を持った自分の価値観の揺らがない女性を素敵に演じられてるんですよね
舞台を降りるとやはり自分の価値観が揺らがない?(笑
ソワレのお写真がないのは…
デザインセンスも素敵です♬
大泥棒 –O dorobow
劇団「劇団」
HEP HALL(大阪府)
2018/08/02 (木) ~ 2018/08/06 (月)公演終了
満足度★★★
暗転から始まった瞬間から、お〜っと思わせる演出
あのアニメがチラつくなって思って観てるといいように騙される感じかもしれませんね
たぶんまんまと思惑にハマったかもしれません俺
素敵なエンタメを堪能させていただきました♬
一輪の華に幸あれ
近大ドラコミ
池上邸蔵(長野県)
2018/09/28 (金) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★
17世紀フランスの戯曲 モリエール作「人間嫌い」を現代劇に翻案ということらしい。こういう作品がしっかり入っているところが、この演劇祭の優れたバランス感覚。本質部分のアレンジの程はオリジナルを知らないので何とも言えないが、かなり突飛な個性を持つ登場人物が居並び、それだけでもかなり楽しめた。
以降、ネタバレBOXへ
ネタバレBOX
【続き】
嘘やお世辞が言えない… 自分の心に思うがままの自由人 美術学生・一華が、その性格ゆえに巻き起こす騒動の数々。周囲の人々は割とステレオタイプに描写してシニカルに笑いに繋げていく感じだが…それでも 飛び級の小学生れもんちゃんには意外性とインパクトあった。あと講師 大山の人となりは好きだね。
絵のダメ出しを貰いながらも、一華の辛辣さを好んでいる れもんの描写が結構好き。心折れ、心ならずも れもんの絵を褒めようとする一華に眉をひそめ、…結局いつも通りにダメ出しを始める一華に微笑む れもんちゃんの表情の変化はとても印象に残った。
一華の振る舞いは大きくバランスを欠いてはいるが、全ての人が個々にバランスを取る必然も無いし、取れるわけもない。こういう人が居ても良い。それを好む人もいる。…一方、オチはかなりシニカルな方向に流れるが、若干取ってつけた感もあった。この千鶴の暗躍が、彼女のそこまでの振る舞い(演技)に符合していたのかは、察し損ねました、残念。
ただ、いずれにしても、千鶴と れもんの対比は活きたかも。
捨てる神あれば拾う神あり。
代役
中野劇団
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2018/07/14 (土) ~ 2018/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
5年ぶりの新作長篇と聞いてたので楽しみにしてたんですが…
これは凄い破壊力ですね
予想してたより何倍凄いんだって感じ
爆笑に続く爆笑って感じで時間忘れて観てました
座組も間違いなくいいんですが、本の素晴らしさや演出の良さも光る作品でした♬
最初から伏線張りまくり、後半どんだけ丁寧に直感で笑える感じに回収していくんだって印象
若手もベテランも上手く回ってるなって印象
派手なアクションがあるわけでもないが完成度のそうとう高い作品だなって印象
コメディ好きなら間違いなくオススメ
おかわりってやはりいいのはメインやないところが観られるんですよね♬
かなり細かい演技されてるのがわかる素敵な時間でした♬
おんなじところで笑えるのってどんだけおもしろいんですか
次回公演は10分間〜タイムリープが止まらない〜楽しみ♬
mini capsule「試験管ベビーの勧進帳と身替座禅」
試験管ベビー
まつもと市民芸術館 小ホール(長野県)
2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★
松本に来て、一番最初に観たのが 名古屋でお馴染みの試験管ベビーというご縁。しかも一番好きな「勧進帳と身替座禅」です。色んな意味で意欲作の歌舞伎オマージュ。初演は名古屋歌舞伎の聖地 御園座至近の小劇場でやってたんですよ。
勧進帳は、古典と現代の率直なギャップを…特に若者感覚で描き出す笑いの数々。良い意味で痛快な悪ふざけ感が楽しい。
そして劇団の特色でもある「お客様参加システム」!
それを体験してもらうのに「大向こうの掛け声」は最適だったのでは?
跡形もなく粉々になっていく屋号!、最高ですよね?
松本の人達もきっと楽しめたはず。
身替座禅は… かこさん… 松本初御目見得がこれで大丈夫だったんですかね(笑)
アノ姿で松本民の脳裏に鮮烈に摺り込まれましたね。
名古屋民向け情報。千枝&小枝コンビが新キャストで、演じるは…既に試験管ベビー お馴染みの顔となりつつある山岡黛佳さんと… 水本いくみさん! 彼女は何とコレが初舞台!
しょうもない右京に何故か尽くしちゃう…元気でお茶目な…ちょっと毒舌の侍女sを好演でした。
ところで、演劇祭を巡って客席にいると、お世辞じゃない生の評判を耳にすることもあるわけで…
上演したその場ではない別の会場で、試験管ベビーを観た人が その友人に「試験管ベビーは観た? あれはとても良かったよ。」と褒めているのを2度聞きましたよ!
上首尾!
笑う茶化師と事情女子
匿名劇壇
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2018/08/24 (金) ~ 2018/08/27 (月)公演終了
満足度★★★★
相変わらずキレキレの理屈っぽい口論とコミカルでシニカルな物言いが好き。見た目に反して"茶化し"とは対照的な福谷さんが描く今回の世界は意外に論点がちゃんと収束していく気がしました。いつもなら最後に観客は突き放されるんだけどね笑…
ミキサーで一緒くたに掻き混ぜられていくが如きトラブルの数々は、各々がまるでコントの様に面白かったです。何か個人差というよりは、男女差に根ざす感覚の違いとして描かれる部分が多かった様な気がしましたね。
あと、今回は場転の演出がとても好きでした。
ビシバシと 叩いて渡る イシバシ君
劇団ジャブジャブサーキット
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2018/09/27 (木) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★
すっごくハセさんらしさ満載の構成。ほんのりホラーでミステリー、ちょっと自虐的な一言も(笑
様々な喪失感と…ひっそりとそれに抗う人々。危機の中で魅せるのんびり日常感までもが暗喩となり、もやもやと頭の中に拡がる… 現代社会における人々の心理への不安感。
多様な問題を予兆させながら、混沌としたまま…拡がった不安に安易な解決を見せないのが味だね。バトンは観客に委ねられた。
恭子と小木曽の微妙なコミュニケーション、夏奈の不思議なボケ味が好きでした。
星をみた少年
パズル星団
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2018/09/21 (金) ~ 2018/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
パズル星団は「冥王 Ver. 1.02」と「パパ・ユートピア」しか観ていませんでしたが、本作でごっそりイメージが置き換わりました。今まで、どこか垢抜けない印象があったのが、一挙に洗練度が増したように思えました。主宰・高倉麻耶さんの貪欲さが実を結んだ… 怯まず大胆に様々な要素を取り込んでいかれた結果でしょうか。観た直後は…今までに無いものを観れた…という感激でいっぱいでした。(勿論、更に劇団内での試行錯誤の賜物であることも後で伺いました。)
最も印象深かったのは、ダンスと芝居との調和。特に芝居の「核心」を具体的に表現してみせたコンタクト・インプロヴィゼーションの効果です。「他者に接触することで在り様を変えていくコンタクトインプロ」と「人生における他者との関わり合い」は、本質的に近いのものと感じられました。
以降、ネタバレBOXへ
ネタバレBOX
【続き】
割と安易な行動で夢に向かうサンチャゴが、案の定 様々な苦難に見舞われながらも、その誠実な振る舞いのせいなのか、周りに救いの手を差し伸べられながら歩を進めていく。
コンタクトインプロのパートで、サンチャゴを周りの人々が取り囲み、彼の四肢に触れる度に、彼は向きを…動きを変えていく。周りの人に促され、影響され、それでも ただ流されるでなく自分のものとしながら、自らの軌道を変えていく姿は、彼の人生そのものを表現している様に思えました。周りから何もかも吸い込んだサンチャゴ。ついにはハッサンが捨てた夢まで取り込んで、本当のゴール・いちじくの木に辿り着くという因縁めいた予兆で終わる幕切れはとても印象的でした。
一方で、当初、疑問に思えたのがハッサンの扱い。素性の知れない曖昧なお告げに過ぎない「夢」を諦めただけのことで、こんなにも酷い扱いを受けねばならぬのか?というのが、直後の率直な印象でした。唯一神に根差す宗教観を背景にしている感じが、馴染めない感触もあるのだけど、それを払拭した上で考察。
サンチャゴとハッサンの対比には「自分の希望を他人に依存するな」という教訓が込められている… と解釈しました。
他人の為に自分を…自分の夢を犠牲にする…という思考からは、目的が成就されなかった時に…後悔や憎しみの負の感情が生まれがちです。結果的に同じ行為でも、あくまで自分の為と考えるメンタリティは大事。他者に寄り掛かって生きようとしたハッサンと、自己の執着に迷いながらも…他者と関わり…その力を取り込みはしても…決して依存はしなかったサンチャゴ… この違いが2人の結末の差かな。
また… もしハッサンの夢が本当に彼にとって大事であったのなら、破談した時点で彼は海を渡っても良かったはずだ。もしかしたら、ハッサンにとって…本当にミリアムの方が「夢」だったのかもしれない。
彼女と結婚するタイミングの「前兆」を掴みそこねた…彼にとっては、それこそが本当の失策だったのかも。
もう一つ、本作では無生物の表現が巧みでした。
その最たるものが「風」と「心」。
本来、形無きものをどう表現するか。
自由を象徴するかの様な「風」との交歓を、ダンスで表現するセンスはさすが。サンチャゴが風になるシーンの高揚感は素晴らしかった。
一方の「心」の役。
とかく、分かっている様で分からないのが自分の気持ち。
自らの心に耳をそばだてる…心の声との会話。
ナレーションや映像での表現ではなく、心を「別の役者」で表現したのは、自分の心を客観視し、距離感を作る上で非常に効果的と思えました。
さて、本来は最大の核心であるはずの「アルケミストとは何なのか」という点。正直、「錬金術師」という訳語からは即物的なイメージ(ぶっちゃけハガレン…)しか湧かないのだが、ここではむしろ「人生の生き様に長けた者」という精神的な扱いに思える。実際、アルケミストは物質に寄与する術を超えた…もっと広義の意味で扱われているのだそうで、プレ企画に参加して既成概念から脱することが出来ていたのは観劇の備えとして幸運でした。芝居上の見た目はスピリチュアルだけど、「前兆を読み取る」=「物事の因果を理解し、今の状況から先を読む」という感じで、スピリチュアルよりも…それこそ現代的な「優れた経営感覚」、「危機管理能力」を想起させるモノとして私は受け取りました。
…ま…実のところは、芝居を観ただけの段階では、まだ呑み込めずにいた部分は多くて、推カケ☆批評塾の「語る会」で原作を読まれている方の話も聞けたのは為になった。
もちろん、それでも観た人が心に留めている解釈は様々で…印象に残ったキーワードだけ書き残すと…、
「結果よりプロセスこそが宝物」、
「日頃の行為が夢の実現を引き寄せる(ご縁?)」、
「人生はタイミングが要?」…かな。
演出面だと「世界を可視化している」って評は、さもありなんと思いました。
以上
てふの島唄
演劇集団「こちら側」
ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)
2018/09/14 (金) ~ 2018/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★
まず何においても「作り込みの拘り」…というところには称賛の言葉しか浮かばない。「ブラックメリーポピンズ」でも、衣装と小道具だけで時代の空気を作るディテールと質感の拘りは目を惹いたけど、本作では…1500円しかとらない公演でコレ作っちゃうかよ…という住めそうな家屋の作り込み、相当に考証を突き詰めたと思われる生活感のある小道具の数々にはやはり唸る。
はっきり言って、観客はそんなところまで目が届かないよ…ってところの拘りを、終演後に主宰がtwitter上でじわじわ明かしていっており、圧巻ですわ。
いやぁもうこれは、誰よりも自分達が喜ぶためにやってるよね、これを手にして演じることで、役者達がこの時代にトリップする為にやってるね…って気がします。
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ネタバレBOX
【続き】
勢いで先に音照に触れとくと…、人の心情に寄り添った曲を作る常滑さんの曲は…2組の絆にフォーカスされる話にベストフィット。ユースクエア公演だと物販が無いのが惜しいよね。
照明は…観劇直後に言ったけど、揺れる水面の演出が…人の心理や運命の移ろいまで予兆させる深みを作り出していて、演出要素の中では最高に好きでした。
さて、お話のこと。過酷な環境ですら逃げ場所になる様な…重いものを背負った人間達の描写と…2組のカップルの極限下での結び付きが核心として描かれると思う…思うんだけど、演劇集団こちら側は何故「エロ・グロ・バイオレンスをテーマしている」と標榜するのか…というのは今もって疑問なのね。
様々な制約が厳しいのは理解しつつも、それ自体がテーマだと言われると…その割りにマイルドだった…との印象は否めない。どちらかというと…描き出そうとする人の心情の背景にリアリティを持たせるために…言葉だけで済ましてしまうと記号的になってしまう「安易な逆境描写」から脱するために…「エロ・グロ・バイオレンスを隠さずに描写することを辞さない」という姿勢を表しているんかな…と解釈してます。
観劇直後に呟いた…「終盤の様々に複雑な心情をリアルに浮き立たせるために…偽りないシビアな世界描写が必要だった…その為のエロ・グロ・バイオレンスなんだな」という感想には、そういう思考過程があった。
この背景描写が一番効果的だったのは、美社(ミシロ)かなぁ。
…愛を独り占めするために罪を犯した…と本人が言う割りに、彼の周りにあるのは「暴力」ばかりだった。人気があったにせよ、愛されていたとはとても思えない。「どんなプレイでもやってくれる」という評判が如実に一般客からの扱いを物語っていて、それでも彼がすがれるのはソレだけだった…と思わせる過酷な背景描写。愛してくれる人は樹生(タツキ)に限らずいたと思えるのに…自虐的にそれを拒み…他者のネガティブな迷いや負の感情にだけは鋭敏に反応する… 一種の被害妄想といっても良いけど、…いずれも育った過程での徹底的なトラウマ、自己肯定感の欠如、故だよなぁ。猜疑心の塊と化し、罪を犯した後も復讐と神罰を怖れて負のスパイラルに沈んでいく彼の描写は、人間的な弱さの余りにも極端な具現。
観た直後よりも、作品を咀嚼していく過程で…どんどん存在感が増して感じられたのが彼でした。客出しで結城さんが開口一番「しんどかったです」って語ったのはさもありなん。カーテンコールでも役から降りずに美社を貫いたのは良かったね。
なお、美社の心理描写にはアンサンブル(むしろコロス?)を抜きに語れない。こういうの好きだし、時代背景にギャップのある衣装との掛け合わせは一興だったけど、出番が少ないのが勿体なかった気も。いっそ舞台で背景美術と化して、ボソボソと深層心理を呟き続けてくれても面白かったんじゃ…って思ったぐらい。
ところで、復讐の連鎖を断ち切った樹生の決断もちょっと興味深かった。理性としてはもちろん納得できるんだけど、あのタイミングで首領を押し留めてまで追及を阻んだのは ある種の驚きだった。ただ、社会正義とか復讐の復讐を怖れるチキンさとかよりは、むしろ「美社が背負い続けた負の業」を、美社の為にここで終わらせてやりたかった…って感じかなぁとボンヤリ思います。
もう一人印象深かったのは、直後にも呟いた一智(イチ)ですね。
柔らかな物腰、慈愛溢れる印象が特徴的で…しかもあの仕事で…貞操を貫いても周りが許してくれる… 不可侵の天使って感じですね。
余りにも美社と対照的で…むしろ美社が可哀想になるぐらいの圧倒的な癒し感。それでいながら、自死…いやこれは自殺というのが相応しい苛烈な最期。この落差は凄かった。凶器を抜いてもらう時に全身でジタバタした迫真の演技から…また圧倒的なリアリティが伝わってきて、バイオレンスさではあのシーンが飛び抜けて迫力があった。
ほとんど文句なしの彼について、唯一 疑問が残るのが、紀葉(クレハ)が実は血を分けた兄弟だった…という設定下で…母の遺した書類を見ての…一智の悲観しているかの様な反応。非情な物言いの様で恐縮だけど、元々が無法の世界に生きていて、しかも生殖を伴わない関係なら、実の兄弟であろうと関係ないのでは…って思ってしまう。むしろ紀葉の語る…「契 以前に…既に家族であったという運命的な受け取り方」の方がすんなり納得できたんだけどなぁ。
ただ、そういう運命的な繋がりを再認識したが故に、確実に予感できる自分の死の方に苛まれた…とも解釈できるか。紀葉の復讐劇は、実現性こそ ご都合的な無理やり感があったけど、「船による轢死」という…およそ想像し難いスペクタルを描いたのには驚いた。
あと存在感あったのはムキムキのゴリラ夫婦かねぇ…良い味出てた。スピンオフバイオレンス芝居を予感させる笑
他にも語るべきところは多々あったけど、発散気味なので、ここらで仕舞い。
私が生まれた時代の芝居が、意外なところから生み出されてきて、稀有な出会いでしたよ。チケット代の遥か上をいったのは間違いなく、また次の"あちら側"を期待したいところです。