unicornの観てきた!クチコミ一覧

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ガラパコスパコス 広島Ver. 東京公演

ガラパコスパコス 広島Ver. 東京公演

公益財団法人広島市文化財団 アステールプラザ

アトリエヘリコプター(東京都)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

人類と日常の話
はえぎわ未見。面白かった。

ネタバレBOX

内向的な木村太郎(村田遼太郎)と老人ホームから抜け出たボケ老女・まっちゃん(恋塚祐子)の奇妙な同棲とそれを取り囲む人たちを描く。
壁面や床に文字やイラストを描く手法が良く計算されてて面白い。

老人ホーム従業員の明日(恵南牧)と明後日(石橋未央)は脱走の件で首になり、まっちゃんの娘・晶子(三浦雨々)と孫・先子(井上文華)は悲しんだり怒ったり、太郎の上司・花丸(高松呼志響)は同僚の渡(石田芽)に懸想し、渡もまた太郎に懸想し、太郎の兄・晴郎(富川一人)は妻・静香(山田明奈)と離婚し、明奈は酒に溺れ、明奈を暴行未遂した耕介(吉森雄作)は明日明後日を殺してしまうし、柱谷先生(坂田光平)は無精子症でその妻・緑(堀田夏美)は想像妊娠(妊娠虚偽?)だし、アメリカンな隣人(関友里恵)は感電死しちゃうし、古山はバスに乗れないし…ちょっと変だけどやっぱり普通な人々を凝縮した舞台だった。この中にあって、屈折しているようなまっすぐなような太郎とまっちゃんの二人が綺麗に感じられた。
最後、まっちゃんがホームに戻り、スーツに着替える太郎と、それを取り囲む面々が踊るボレロ…繰り返される日常と人類の歩みに彼も組み込まれたということか。サブタイトルの「進歩してんのかしてないのか」ってのはヒトに対しての面白い問いだ。

村田も恋塚も演技も声も良かった。高松、石田、富川、山田、吉森とかも良かった。「天辺塔」の役者が多かったみたい。ちょっと観てみたくなった。
「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演

「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2012/03/02 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★

赤い傘とロザリオ
作品的に「寿歌」の方が面白かった。

ネタバレBOX

「ザ・シェルター」
家庭用核シェルターの実験中に原因不明の停電で脱出不可能に。そこでなされる会話劇。
ちょっと掴めなかった。仲良き家族の思い出話にほっこりという感じ。赤い傘と風呂敷が印象的。
おじいちゃん・センジューロー役の加藤健一もリーマン役の小松和重もその妻のサトコ役の日下由美も演技うまかった。娘のカノ役の占部房子はちょっと控えめな感じがした。

「寿歌」
核戦争後、旅芸人をしているゲサク(加藤健一)とキョウコ(占部房子)のコンビと、物を増やすことができるヤスオ(小松和重)の短い道中を描く。
デタラメを地でいくふたりと、キリストの生まれ変わりのようなヤスオの会話が面白い。ロケットが飛び交う荒れ果てた世界のなかにあって、終始明るく前向きなふたりに降り積もる雪が美しい、奇跡の話だった。淫語を連発する占部が変な魅力に溢れる。

どちらもエンターテイメントな雰囲気で楽しめる舞台だった。二つの舞台で登場した女(日下)の意味はわからんかった。
テトラポット

テトラポット

北九州芸術劇場

あうるすぽっと(東京都)

2012/03/02 (金) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

海の底で
北九州のオリジナルプロデュース公演とのことだけど、北九州のアピールになったのかしら。

舞台は集中してみていられた。幻想的でちょっと神秘的な印象。演技も良かった。

ネタバレBOX

震災の津波により亡くなった人々と生きている人との海に沈んだ記憶のような舞台。海坂家の四人兄弟を中心にそれを取り巻く女たちとの漂うような会話が魅力。

嫁の妹であり教え子でもある葦香(折元沙亜耶)に手を出す(最終的に結婚?)長男・一郎太(谷村純一)、養育費の支払いが滞る次男・圭二郎(寺田剛史)、(多分)生き残った三男・三太(大石将弘)、高校生の彼女を孕ませてしまった四男・四郎(藤井俊輔)。
死んだ人の記憶の中に迷い込んだ(実際には海に落ちた?)三太が、時間や空間が入り混じった世界で人と会い、陸に帰る。

46億年という長い時間続いてきたあたりとか、陸に帰れとか、パンフの主宰挨拶でちょっと理解できた気がする。
終盤の「ボレロ」。単純なリピートでないが、繰り返し繰り返しの世界で三太はどこに向かうのかしら。人はどこに向かうのかしらと思った。

海の中みたいな照明が控えめで良かった。舞台もしっかり作られていた。
序盤のノイズ(波の音?)と短い暗転の演出は好み。ベジャールの「ボレロ」の挨拶時みたいだなと。
まあまあだったね。

まあまあだったね。

あひるなんちゃら

OFF OFFシアター(東京都)

2012/03/02 (金) ~ 2012/03/06 (火)公演終了

満足度★★★★

惑う人々
チラシやパンフ、アンケートからも滲み出すまったり感が舞台でも味わえる。笑えるし、チケット代安いし、時間も70分と短めだし、嬉しい限り。

ネタバレBOX

ネジ製造会社の元喫煙所が舞台。平凡な毎日に刺激を求めているようで安定を好むハシモト(根津)、元会社バイトで宇宙飛行士のサカタ(佐藤達)、小太りのハマグチ(堀靖)、チンピラ風味のツカハラ(江崎)、腹黒風なキシモト(三枝)、経理部長コイズミ(永山)、営業のミヤカワ(澤)、部下に燃やされたマツザワ(三瓶大介)、マツザワに付き添う看護師ヤマシタ(関村)、禁煙中の社長キリシマ(渡辺)らが、どこに行き着くでもない会話をショートストーリーっぽくテンポよく展開する。

宇宙の感想を「まぁまあだったね」と評するサカタ。ガッカリするハシモトやハマグチ。チンピラなツカハラが悟ったようにそんなもんだとなだめる。宇宙の96%は分かってないんだ、と壮大なような、けど昼休み時間をさまよう駄弁でもあるし、面白い空気感。よくわからないものに期待してしまう人間の性癖にたいなものか。ちなみに、サカタのしゃべりが宇宙めいてて好き。

ハシモトの安定と刺激を求める人間的な非合理な嗜好に共感できる。てか、リアルにコーヒー飲んでるのか。

ハリケーンディスコの江崎は、見た目がチンピラでノリが良くて良いキャラ。ジャージ姿の社長とのやりとりは素直に笑える。三枝も、あのスマイルの裏側を上手く笑いにもっていってた。
「間~あわい~」全日程終了しました。ありがとうございました。

「間~あわい~」全日程終了しました。ありがとうございました。

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2012/02/22 (水) ~ 2012/03/06 (火)公演終了

満足度★★★

ねぇ、マスター
流しが効いてた。ホロニガ系。人に会いたくなる公演。

ネタバレBOX

バーが舞台の3編オムニバス。

■タダシ(山本)とツバサ(金川)の友情を描く。マブの別れをビターなテイストでかっこよく仕上げてた。熱い。ただ、最初の導入がやや長い。ツバサの話にあった、(タダシに)いつか飽きられるんじゃないか、という思考は解る。

■ダメンズ好きなミサキ(川西)の失恋を描く。金持ちで余裕のある性質の彼氏と思ってたシンゴ(高倉)が実は結婚間近で、実はぶっ飛んでるキャラという救われなさ。イチャつきからの落差がいい感じ。流しのリリコ(丘咲アンナ)の伴奏でミサキが歌う「失恋レストラン」。髪を振り乱しながらの姿がかっこよくも悲しげ。

■バー店主・リュウノスケ(宮本行)の家庭の話。亡き父が残したバーを受け継いだようなリュウノスケの元に妹のサキエ(工藤理穂)が訪れ、父の命日を悼む。父が死ぬ(自殺?)前に、母の浮気があったことで、リュウノスケは母に抵抗感を抱いているも、サキエから母が末期ガンであると告げられる…。末期ガンってのはフィクションならベタだけど、リアルで当事者になると確かに笑えない。
さらば演劇界

さらば演劇界

GORE GORE GIRLS

王子小劇場(東京都)

2012/03/01 (木) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

カニ缶
どこか安っぽいけどけっこう笑えたので印象は悪くないです。

ネタバレBOX

モテないことを嘆き、現実から逃避しようとする劇団員らの元にキヨト(久保)が彼女を連れて帰ってくる。次回公演に熱を上げる面々に、キヨトは演劇をやめると言い出す…。

演劇に対する自虐がくどいくらいにネタになっていて、一種の愛情表現みたいなものかと。演劇は麻薬、とか賛美の言葉にも聞こえる。実際、演劇やっているとモテないのかしら。
笑えるところも結構あって、特に何も考えず楽しめたのはうれしい。時たま入る照明効果とか、ギャグなのかシリアスなのかわからなかったけど。演技も演出も、てか舞台上のすべてが安っぽい印象なんだけど、楽しめたってことは良い舞台だったんだろうなと思う。

キヨトの彼女・まゆたん(川崎)が演劇病による幻覚だった→ノリユキ(平山)の夢オチのラストは、ちょっと残念。夢オチでも構わないんだけど、イマイチな感じ。
Turning Point 【分岐点】

Turning Point 【分岐点】

KAKUTA

ザ・スズナリ(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

Anniversary
チケットプレゼントにて鑑賞。初KAKUTA。いいもの観れた。

ネタバレBOX

貴和子(木下智恵)と十川絵里(大枝佳織)の15年の軌跡を描く。
1997・出発…売春相手を眠剤で昏睡させ金を奪う。満たされない21歳の女ふたり。
1999・決別…大学の美術サークルアトリエ。先生と呼ばれる水本(佐賀野雅和)を絵里から奪った貴和子。ふたりの間に溝がはっきりと見える。水本は麻薬の密売に手を染めるダメっぷりがちょうどよいが、そんなのと付き合う貴和子も、元カノの絵里も相変わらず。
2006・迷路…アトリエのあった部屋が、無農薬野菜を販売する会の事務所に。ちょっと怪しげな会の従業員となる絵里。悟ったような雰囲気が胡散臭い農作人・新納(成清正紀)と不倫して妊娠もしちゃう絵里。トルクメニスタン人?の従業員・キローラン(高山奈央子)と元Gカップのヨガ講師・海老原あずみ(桑原裕子)には笑った。特に桑原のリズムや発声のセンスが良い。うまい。
2011・対峙…会社社長になった貴和子が弟・達貴(馬場恒行)を連れて元アトリエを訪ねるも、ホームレスの陸奥(若狭勝也)や陳小剛(長尾長幸)らが住んでいて、絵里は陳の子を身ごもっていた。ふたりの想いと感情が一気に吹き出す終盤は特に見ごたえあった。
2012・覚悟…吹っ切れたようなふたりの大人な雰囲気の会話が清々しい。特に大枝。

あなたは私から全部奪っていく、と叫ぶ絵里に、妊娠偽装を明かす貴和子。不法滞在者の妻となり子をもうける絵里と、社長になり小奇麗なカッコをするも、旦那(元絵里の彼氏)からは注目されずみじめだと言い返す。二人の辿った道はとびとびではあるが、その空白の時間をイメージできる楽しみと、女ふたりの友情というか愛情というか、哀しさというか劣等感みたいなものがぼんやり浮かぶ力強い舞台だった。

主演ふたりの実年齢を知らないけど、木下智恵はその性格的なものか、大人びてみえた。木下も大枝もENDINGの晴れ晴れとした表情が美しかった。
レイプの夜

レイプの夜

コマツ企画

小劇場 楽園(東京都)

2012/02/22 (水) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★

U-14
初コマツ企画。けっこう楽しめた。

パンフにある「狙い」はわからなかった。深谷の高めの声が魅力的だなと。あと吉川の演技も。
舞台美術と衣装、メイクも良かった。女性のね。話にマッチしてた


ネタバレBOX

地味というか冴えない女性らと自称元警察関係者の男が、死体を前に繰り広げるゆるめで笑えるサスペンス?。

冒頭、ノリコ(深谷由梨香)がアキラ(西本泰輔)にレイプされそうになる描写。ノリコとその姉ヨウコ(小松ミムル)、アキラが働くバー(ホストクラブ?)のお客でアキラのストーカー・通称ミズコ(吉川順子)と、階下に住むというイイジマ(木田毅祐)4人が、アキラの死体を囲ってウダウダしゃべる。アキラは幽霊的な存在で4人を見守る。4人の話は前に進んでいるようで進んでいないような感じ。そもそもイイジマの目的は、ノリコの部屋に兄が設置した隠しカメラを回収することだし(客席に向く映像が盗撮映像とは思わなかった)、ノリコもヨウコもどこまでアキラの死を真剣に考えているかわからない。ミズコも、あっさりイイジマに色目を使い出すしね。
最後、アキラ死亡のシーンが再現される。バーの店長だとかの翔との関係に悩むノリコが嘘のレイプの撮影をアキラにお願いしていて、その流れでアイロンによる撲殺エンド。この時、演出と役者のやりとりみたいなの出てくるけど、あんな感じで稽古してるのかと関心だった。あと、深谷由梨香がグラマラスだったのが驚いた。

楽しかったのだけど、終わってみればなんだったのかと。バー店員に入れ込む冴えない女の冴えない話ということか。ノリコとユウコの間にそんな女同士の黒いのが見え隠れしててその点良かった。または、被害者を装った加害者という話か。死人に口無しな。てか、アキラが不憫すぎる。変な女にしか好かれず、変な色恋沙汰に巻き込まれ、撲殺され、レイプ犯に仕立てられる…。そう怖い話だ。
ロマンサー-夜明峠編-

ロマンサー-夜明峠編-

モダンスイマーズ

シアタートラム(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

くろちゃん
初モダンスイマーズ。引き込まれた。

役者は、オド役の千葉哲也、清治役の粟野史浩、ヒサノ役の石田えりが良い。

ネタバレBOX

舞台は一家4人が暮らす峠の家。麓の里に熊が出て何人も殺されたので、ここをねじろに退治をすると、マタギ3人と里の人間2人がやってくる。そこで織りなす人の愛憎と業の話。
峠の人間と里の人間(山側と海側とあるけど)の関係をバックに、ヒサノ・コロク・シンタ・タケ・オド・イヌイ・サンザらの過去が物語に深みを与え、生死とか自然という大きなもので人間を包み込む構成。クロちゃんと呼ばれる熊が直接描かれることはないけど、見えない大きな「脅威」に人間が右往左往し悲しみ怯え、あっけなく生命を奪われる。ラスト、降りしきる雪の中、何も見えないと悲痛な声をあげるコロク(古山憲太郎)に海の里の彼女・ツグミ(佐藤めぐみ)がこっちだ、と叫び、それに応えるコロク。熊の咆哮が鳴り響き、舞台が赤く染まっていく一種絶望なところに、ヒトの希望はヒトなのかと思わせる。

ヒサノ(石田えり)とオド(千葉哲也)の過去の事件とコロクの人格形成と、ツグミとの交際とか、人間を絡める上手さがある。私の生きがいなの、とコロクを縛るヒサノやヒサノの金を奪うオド、オドを殺すコロク、峠の人間を虐げる里の者、その仕返しに威圧的になるシンタ(宮崎敏行)、妻を突き飛ばした三座(西條義将)など、人間の暗部が舞台のカラーを薄暗くさせる。その中で、オドの浮気症を受け入れるスズ(松永玲子)の度量が気持ち良いし、峠から出たがっているタケ(斉藤ナツ子)と三座の惹かれあう姿がちょっと眩しい。

ちなみに、ラストの雪のシーンは、雪を全面でなく一列で降らせる手法が、キレイだった。
JTAN FESTIVAL 2012

JTAN FESTIVAL 2012

JTAN(ジャパン・シアターアーツ・ネットワーク)

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2012/02/27 (月) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★

表現
チケットプレゼントにて鑑賞。前衛的(というほどでもないか)というか観劇慣れしていためか、集中力が続かなかった。公演時間は各20~30分位が妥当な気もする。表現の広さを認識はした。

静かな舞台が多かったのに、途中入場とか表周りの雑音が聞こえてくるのは改善したほうが良いのでは。

ネタバレBOX

机上の空論プロジェクト『机上の空論プロジェクト』
レジメというか舞台構成表付。観劇後見るとちょっと面白さが増した。ディジュリドゥの音楽というか音が途中から心地よくなる。DBのフリーザ様を久々に見た。

NUDA『日曜日』
人物説明、あらすじ、劇構成のパンフ付。パンフ込で楽しめた。無かったらどう受け止めていたかしら。作演が舞台の下手でカンペとか手で合図しているのが面白い。さながらコンダクターのよう。それともそういう構成なのか。なんかかっこいい。20分と短めなのも嬉しい。

カササギとコマドリと…『彼女が窓を叩く音がする』
窓枠を象徴的に使用した舞踊劇か。終盤のダンスが良かった。舞台の意味はわからない。美しさは感じた。

武藤組『Sooner or Later』
二時間近く抽象的な舞台を観てさらにこういう舞台だと慣れていない身としてはツライだけだった。最初のまんじりともしないダンスから力いっぱいのダンスまでダンサー?は凄いなとは思ったけど、それもどうでも良くなるくらい。
百年の雪

百年の雪

十七戦地

王子小劇場(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/02/27 (月)公演終了

満足度★★

反重力
人間相関図見ながら観たほうがよかったか。

ネタバレBOX

100年の流れの中、航空科学な話を絡めた人間関係を描く…。

相関図を見てないせいか、人間関係がよくわからんかった。栗本寛治(柳澤)が、光村がすべて奪っていくみたいなことを言っていたが、「栗本」と「光村」の関係性が際立っているように見えない。寛治はUFOの研究の場を奪われ、大正4年の栗本孝造(吉田)も反重力装置を光村翁次郎(北川)に隠されるので、そう見えるけどいまいち、家の間の軋轢みたいのが伝わらない。その光村も、大正4年では、宇一(宮本)と翁次郎の確執は、昭和40年の章太郎(松下)と輝夫(小林)の間にはとくにみられなく、つながっている感はない。同じく寛治と光村美和子(植木)の不倫的な意味も、平成15年には特に続いているような感じでない様子。100年という数字にどんな意味があったのだろうか。

こんなリアルっぽい状況に、「反重力装置」とかのSFな要素が入ってくるので、人物らが何に情熱を燃やしているの掴めず、舞台への興味が薄れてしまった。
また、人物の特徴が薄い気がする。大人数の舞台なので、もうちょっと強調してくれると助かる。神井睦月(鵜沼)のように、大正期の女性開放思想の女史みたいな。
熱愛報道【ご来場ありがとうございました】

熱愛報道【ご来場ありがとうございました】

ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ

アトリエフォンテーヌ(東京都)

2012/02/24 (金) ~ 2012/02/28 (火)公演終了

満足度★★★

エンターテイメント
チケットプレゼントにて鑑賞。どちらかというと面白いが、ハマってたかどうか。初日だからかもしれないけど。

村上誠基は安定してた。村上とタッグを組んだ田中愛実も良かった。新良エツ子もミュージカルやってるだけあってか生き生きとした演技と歌唱。大西健次も良い雰囲気を作ってた。

イッツフォーリーズ公演は観たことなく、ミュージカルもあんま観ない。

ネタバレBOX

血眼ヒカル(大浴ちひろ)と三白眼カスミ(七味まゆ味)の流し目ガールズはデビュー5年目鳴かず飛ばずの落ち目アイドル。オリコン的なので1位をとらないと引退という危機にある。一方、人気俳優・神ヶ織テル(大西健次)は、マネージャー・蓮池キララ(新良エツ子)と隠れた結婚生活を送っている。注目を浴びたい流し目サイドと新しいステージへ登りたいテルのマネージャーの利害が一致し、テルとカスミの熱愛をでっち上げることになる…。
嘘の熱愛をする中で、本当の恋に気づいたテルとカスミは結婚し、流し目ガールズの熱愛していないほうのヒカルは単独デビューするという話。

なるほど、芸能界自体がエンタメで、舞台上のドタバタそれ自体が人生ドラマの一部なのか。現実を生きる当の本人はなかなかそんなことに気づかないけど。「人生=エンタメ」に気づけるかどうかが生きるコツなのか。
ちなみに、伊武士ギンダイという三流役者(吉田雄)と交際するヒカルが、彼に言い放つ「自分が好き」というのも、エンターテイメントに必要な要素なんだろうなと。
ギンダイのロケ弁ネタは好き。その後ろの二人(宮川和巳と田中愛実)も好き。
トロールとラッカセイ

トロールとラッカセイ

COoMOoNO

池袋 Gallery K(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★

ムーミントロール
なんか気軽に見られる感じと、センス良さげなチラシが気に入って観劇。

ギャラリーに喫茶店がつくられて、飲みながら鑑賞できる。暖かな日差しがリラックスした時間を演出する。ドリンク100円。

ネタバレBOX

喫茶店にゴスロリ的な二人組が来店する会話劇で50分。ルーシーとサリーというコードネーム?で呼び合う。
なんらかの目的があって来店した二人は、それを悟られないよう他愛もない話(モンハンとか)をする。ちょっと良くわからなかったのだけど、この店で殺人が行われていて、二人は自殺をしにきた、という話か?

セリフが若干出にくいような感じをうけた。また、会話劇としての面白さが伝わってこないもどかしさがある。ムーミンを知らないせいだろうか。また、なぜにゴスロリ風なのかとか。
けど、不思議と観ていられた。
イデ版 裏蒲田行進曲』 ありがとうございました!無事全公演終えることができました。怪我人多数ですが生きて終えることが出来たことを感謝いたします。

イデ版 裏蒲田行進曲』 ありがとうございました!無事全公演終えることができました。怪我人多数ですが生きて終えることが出来たことを感謝いたします。

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

俺の映画ver
終盤の二人芝居はとても良かった。

ネタバレBOX

元の蒲田行進曲の細かいとこまで覚えてないけど、それを脚色した作品。つかこうへい劇団のものを観た際はピンとこなかったが、本作品は演出家のフィルターを通しての舞台だからか、伝わりやすくなってた気がする。
好きなシーンは、アズミ(麻生真桜)と銀四郎(五十嵐康陽)の回想シーン。銀四郎のスター論・役者論と、アズミの女優への傾倒にが妙に説得力がある。
階段落ち前の、小夏(那須野恵)と安次(小林大介)の芝居。20分くらいの二人芝居に見入ってしまった。特に小林が良い。銀ちゃんへの愛情と小夏への愛情の不安定さとか。見た目の雰囲気も相まって素晴らしい存在感だった。那須野恵は、弱気な演技より勝気な演技が板についてるなと思った。凶暴な演技のほうが魅力的にみえる不思議。

ダンスとか歌は控えめな印象をうけた。ラストの殺陣シーンは、迫力満点で満足の仕上がり。階段落ちのシーンの照明効果が美しい。
贋作 春琴抄2012

贋作 春琴抄2012

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2012/02/14 (火) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★

鵙屋琴
歌ありダンスありで飽きない舞台。セクシーな女優さんも見所のひとつ。ただ、話はゴチャゴチャした印象。休憩10分の150分。

ネタバレBOX

春琴抄と谷崎・佐藤の細君譲渡事件の3者を下敷きに創作されたストーリー。ラストの、春琴を美しいまま佐助の目を潰すという春琴抄の解釈シーンは面白く感じた。
上海でのサーカス団を舞台にした意味は、秘密結社のためか、踊り子を登場させるためか。ここらへんの意味が掬い取れず戸惑った。とはいえ、休憩後のダンスはどれも良かったし、滝男(浦川奈津子)と樺島芳子(黒沢美香)の歌唱も聴かせてくれた。二人とも演技に不思議な魅力があったし。
また、細君譲渡事件にからめ、谷崎(奈良坂篤)と妻・千代子(戸田佳世子)と高夏(安達俊信)の心を、大杉(末原拓馬)という存在で際立たせたのも面白い。
ただ、もう少しシンプルな筋のほうが観やすいとも思う。谷崎ら3人に焦点をあてるような。

浅草の酔っ払いがうろつくような場所に立つ東洋館にマッチした劇団だった。あと、春琴の衣装が可愛くてエロい。
【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】

【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】

タカハ劇団

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/02/21 (火) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしれー
チケットプレゼントにて鑑賞。とても面白かった。

ネタバレBOX

とある廃墟の雀荘に6人のブスが隠れている。ヒロシ?というチンピラに入れ込んだ朱音(異儀田)、稔梨(高野)、美子(青木)、結梨(内山)、華音(二宮)の5人は、ヒロシの差し金で警備会社?の金を盗み、警備員を殺してしまう。金をヒロシに渡し、今はヒロシの訪問を待っているところ。そんな中、買出しや料理を担当している紀歌(高羽)が、携帯を隠し持っていることが発覚して、紀歌を殺してしまう5人。加えて謎の携帯も見つかり、5人の中にヒロシに愛されている女が一人だけいることが判明し、疑心が渦巻き、醜い争いがさらなる死人を生み出す…。
序盤の何気ない会話のクスっとするところから、紀歌殺害の急展開、そこから携帯の持ち主探しで笑わせて、結梨の華音殺害シーンへと、笑いとサスペンスフルな展開にドンドン引っ張られる。狂った結梨を3人で殺し、美子が毒殺されるところで、朱音が「携帯の女」で、その朱音に恋する稔梨が美子を毒殺したことがわかる。朱音のことを見抜いていて朱音を部屋から出そうとする稔梨を疑う朱音が、死んだ4人がメイド服で踊る中、稔梨を絞殺するラストもなかなか見ごたえあるが、もうちょっと毒の利いた感じがあっても良かったかな。朱音が、(殺害の)状況に一番恐怖していて、ヒロシに会えるか不安だとしょぼくれていてからの絞殺って展開も面白いけどね。

龍宮華音役の二宮の「舌先ファンタジスタ」には笑ったし、キャラも良い。皆が容姿や性格を褒め合うというかけなし合うシーンは率直に面白い。ブスをネタに面白いセリフの応酬に満足。二宮の右にしか歩けない演技も良かった。また、発狂しだした結梨は怖いくらいで、演じた内山奈々に拍手。てか、皆うまかった。

舞台には出てこないヒロシというクズに溺れる(溺れてた)ブスたちの劣等感の充満する舞台に、笑いと滑稽さと哀れさが同居する面白さを堪能できた。ブスという素材を脚本・演出・演技でうまく料理した良作品だった。
昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

王子小劇場(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

角田ルミ面白いかも
元ネタの事件はろくに知らずに鑑賞。面白かった。

前回の「雑種愛」と同様、舞台が4、5箇所くらいに分かれている気合の入ったセットでスピーディに観せる演出が素敵。
ATで作演の角田ルミを初めてみたが、(凄惨な舞台に対して)終始ニコニコ笑顔で癒されてしまった。

ネタバレBOX

2002年の「北九州監禁殺人事件」を元に金井家の崩壊を描く。主犯の吉田(犬塚威)が三女・まどか(村田)の殺人をネタに金井家をゆするところから不穏な空気が漂いはじめ、次第に濃くなっていき舞台を包み込む。

吉田役の犬塚が、この異常な事件の中心にいるのだが、その演技がヤバイくらいにハマっている。加えて、周りの(一応)被害者らの演技も手伝ってその一体感が恐ろしくて素晴らしい。とはいえ、須藤奈々子(塚田まい子)や次女・あかり(島崎裕気)やまどかの、吉田への忠誠というか屈服による加害者への転向など黒く染まっていく様はうまいと思う。特にまどかとか、完全にいってるなと。その中で、終盤まで常識人であった次女の夫・修一(青柳尊哉)の存在が一種の光のようでもあったが、結局彼もまた吉田の元に屈服することになる。おまけに長女の佐和子(正木佐和)と吉田の色恋沙汰も加わり、全員が歪む。終始不安な気持ちになる、良い舞台だった。

本作品では、「カマキリ」というエッセンスが添加されていて、その異常で残忍そうなイメージが確かにマッチしてたと思う。以前に鵺的「昆虫系」という埼玉保険金殺人事件を元にした舞台を見たが、ヒトから見ると、昆虫は残忍で冷酷なイメージがあるなのだろうか。ただ、事実その犯人等は昆虫ではなく、紛れもない人間だったことが一番の恐怖ということか。

あと、椿かおりはスタイルが抜群すぎる。
不機嫌な子猫ちゃん

不機嫌な子猫ちゃん

水素74%

アトリエ春風舎(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★

碁盤に猫
初演時?と比べていろいろと変わってるとこもあったが、相変わらず歪んだ人間たちの描写がうまい。それでいて、客との距離感を保ちつつ笑いも誘う手腕がすごい。

ネタバレBOX

母・愛子(兵藤)の娘への依存と子・市子(村井)の母への依存。中島(折原)の味方への欲求と隆史(善積)の家族への欲求と道子の母への欲求。
以前観た際は、愛子と市子と道子の混ざり合うような関係性が際立っていたように思うけど、今回は、皆の歪み具合がバランスよく描かれていたように感じた。
特に、市子と出会い系サイトで知り合った中島。パンフの主宰挨拶にある、「気づいてたまるか。神経を遮断しろ。耳を閉ざせ。目を閉じろ。なにも感じるな。恐ろしい事実から目を背け、願望を抱き続けるんだ」を地でいく振る舞いが笑えもするし笑えなくもなる。
また、母を演じた兵藤公美がうますぎる気がする。あそこまで自分を中心に据えられえる人間ってなかなかいない。まあその血を受け継いでいる市子もなかなかなんだけど。

5匹の子猫らの演技に100分魅了された。
こうして二人は幸せになりました、とさ

こうして二人は幸せになりました、とさ

MacGuffins

上野ストアハウス(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★

幸せに
チケットプレゼントにて鑑賞。

なぜか話に入っていけなかった。山場とかしっかりあって話自体悪くはないと思うけど。

ネタバレBOX

国本サチ(金魚)と難波一平(横田純)のハートウォーミングな話。
サチ25歳のイヴに難病を抱える一平と人生を歩む選択をするも、一平は死に、人生のどん底の中30歳で事故死するサチ。心肺停止状態の精神世界で一平と会い、人生を振り返るサチ。生きるか死ぬかの選択時、一緒にいたいと泣くサチに、俺が死んでサチは独りになったんじゃない、二人で一人だった内の半分が死んだのだ、サチの半分は俺だ、俺の分も生きてくれと、告げる…。
終盤の紙芝居のくだりとかいい話なんだけど、なんでかグッとこなかった。サチと一平の間の愛情を掬い取れなかったせいか、愛する人が死ぬ悲しみというもを理解できていないのかもしれない。とはいえ、最終盤の金魚の「別れたくないよぉ」はいい感じに心をくすぐられた。横田も死の恐怖に押しつぶされそうなところを堪え、サチと最期の紙芝居に懸ける姿がよい。

前回同様、軽快なテンポで話が展開していきストレスレスな舞台。複数キャラを演じるスタイルも特徴があって分別しやすい。
ただ、温子役の村野のしゃべりは聞き取りにくい。また、ボケに対して1~10まで舞台上でツッコミするのはクドく感じることもあるので、ボケだけで笑えるような箇所はそれで十分ではと思った。
君を好きにできない

君を好きにできない

コーヒーカップオーケストラ

遊空間がざびぃ(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★

来来
低料金なのがうれしい。もう少しスカッと笑える箇所があると良かった。

ネタバレBOX

学力優秀で恋愛に不器用で一風変わったビルゲイツ高校の生徒たちの下宿が舞台の、神様が登場する若干ファンタジーなコメディ。
好きな人が傍にいる幸せ…ってな話で、笑い重視な感じなのだけど、前に観た本公演のような突き抜け感がないのが寂しかったかな。くじら(小野寺ずる)とか高良(田中慎一郎)とか蛾野(萩野肇)とか、キャラそれだけで笑えるのもよいけど、作品として笑えたのかどうか。

女子高生3人の愛に対する意識の違い軸に楽しい舞台であったが、ちょっとこじんまりとした舞台になってしまった感がある。
ダブってるだけあって、男が好き!人生楽しんだもん勝ち!と言い切る凛子(小岩崎小恵)が、かっこよかった。メイク濃いけど。

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