ロマンサー-夜明峠編- 公演情報 モダンスイマーズ「ロマンサー-夜明峠編-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    くろちゃん
    初モダンスイマーズ。引き込まれた。

    役者は、オド役の千葉哲也、清治役の粟野史浩、ヒサノ役の石田えりが良い。

    ネタバレBOX

    舞台は一家4人が暮らす峠の家。麓の里に熊が出て何人も殺されたので、ここをねじろに退治をすると、マタギ3人と里の人間2人がやってくる。そこで織りなす人の愛憎と業の話。
    峠の人間と里の人間(山側と海側とあるけど)の関係をバックに、ヒサノ・コロク・シンタ・タケ・オド・イヌイ・サンザらの過去が物語に深みを与え、生死とか自然という大きなもので人間を包み込む構成。クロちゃんと呼ばれる熊が直接描かれることはないけど、見えない大きな「脅威」に人間が右往左往し悲しみ怯え、あっけなく生命を奪われる。ラスト、降りしきる雪の中、何も見えないと悲痛な声をあげるコロク(古山憲太郎)に海の里の彼女・ツグミ(佐藤めぐみ)がこっちだ、と叫び、それに応えるコロク。熊の咆哮が鳴り響き、舞台が赤く染まっていく一種絶望なところに、ヒトの希望はヒトなのかと思わせる。

    ヒサノ(石田えり)とオド(千葉哲也)の過去の事件とコロクの人格形成と、ツグミとの交際とか、人間を絡める上手さがある。私の生きがいなの、とコロクを縛るヒサノやヒサノの金を奪うオド、オドを殺すコロク、峠の人間を虐げる里の者、その仕返しに威圧的になるシンタ(宮崎敏行)、妻を突き飛ばした三座(西條義将)など、人間の暗部が舞台のカラーを薄暗くさせる。その中で、オドの浮気症を受け入れるスズ(松永玲子)の度量が気持ち良いし、峠から出たがっているタケ(斉藤ナツ子)と三座の惹かれあう姿がちょっと眩しい。

    ちなみに、ラストの雪のシーンは、雪を全面でなく一列で降らせる手法が、キレイだった。

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    2012/02/28 15:42

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