リーディング・フェスタ2010 戯曲に乾杯!
日本劇作家協会
座・高円寺2(東京都)
2010/12/11 (土) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
愉快で迫真の審査会でした
今日は、新人戯曲賞の公開審査会で、その前に、初の試みとして、最終候補作品のプレビュー・リーディングがありました。
どの作品も、全部を朗読する時間はないので、冒頭から15分だけのリーディング。そのため、スタンバっていた役者さんが、一言も発せないまま退場される場合もあり、何ともお気の毒でしたが、候補作品の雰囲気が掴めて、後の審査会の説明と繋ぎ合わせると、作品のイメージがしやすくて、助かりました。
リーディングで、その先が気になり、休憩時間に最後まで読んだ戯曲2作が、史上初めての2作同時受賞作に決まり、観客としても、まるで、審査に加わったかのような喜びを感じました。
今回は、候補作品も、レベルの高いものが多く、また、審査員も、それぞれ、作風や演劇への取り組み方は様々ながら、どなたも本当に真摯に演劇に情熱を燃やしている劇作家ばかりでしたから、審査員のキャラクターにも、審査過程にも、なまじの芝居以上のエンタメ性があり、本当に、気持ちがワクワクする、審査会となりました。
情実で決まる賞も数多い中、この劇作家協会の審査会は、いつも公開で、公明正大で、私のような真に演劇を愛してやまない人間には、何よりのありがたいイベントの一つです。
リーディング・フェスタ2010 戯曲に乾杯!
日本劇作家協会
座・高円寺2(東京都)
2010/12/11 (土) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
オリザさんの旅芸人に笑った
リレー戯曲「嵐が丘」と、月1リーディングで、見事ブラッシュアップされた「海待ちノ月」を観て来ました。
「嵐が丘」は、高橋長英さんと渡辺美佐子さんの主役コンビがやはり素晴らしいお陰で、予想より悠に楽しめました。
2回目にして、既に、企画者の渡辺えりさんの思惑と大きく外れた、旅芸人を登場させ、後の劇作家を困惑させることになったオリザさんの所業に対しての、各劇作家のコメントが大変愉快でした。
私がかつて働いていた放送作家組合も、いろいろなタイプの作家が集まっていましたが、作家達が集合して何かやるというようなイベントはなかったので、劇作家協会のこうしたイベントは、種々雑多なタイプの劇作家が、主義主張も異なる中で、よくこんなに一つのイベントを成功させることができるものだといつも感心します。
そして、本流とは別の面白い出来事が多々あるので、暇つぶしにはもってこいのイベントだと思います。
6月の月1リーディングで取り上げられ、ブラッシュアップされた「海待ちの月」は、別役さん御指摘の、なくなって残念な部分も確かにありましたが、前回より、とても構成がスムーズになり、各登場人物の内面描写も深まり、大変興味深い作品に仕上がっていました。
この出来栄えなら、本当に、上演が待ち望まれるレベルになったと感じます。
燐光群主体のキャストのレベルも高く、これが500円で観劇できるなんて、とても得した気分になりました。
百枚めの写真
トム・プロジェクト
紀伊國屋ホール(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★
役者さんには文句なし!
だけど、劇作、演出が、残念ながら、とてもプロの仕事とは言い難いものがありました。
まるで、小学校低学年の子の書く遠足の作文みたい。
幾ら原作があるからと言って、その何に比重を置き、何をクローズアップし、何を削るか、原作のいいとこ取りをして、どう自分の戯曲として昇華させるかが、プロの劇作家の腕の見せ所だと思うのですが…。
挿入音楽も、馬鹿の一つ覚えの、叙情的楽曲の安直リフレインで、観客の涙腺を緩ませようという魂胆が見え見えな感じを受け、途中から辟易しました。
でも、大西多摩恵さんを始めとする、役者さん達の演技はどなたも素晴らしく、こんないじけた根性の観客でさえ、ちょっとほろっとさせられてしまいました。
星は、全て、役者さんへの賛辞です。
くにこ
文学座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2010/11/26 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
文学座は演出家次第と、知る
いいだろうなという予想を悠に超えて、とても楽しい芝居でした。
何だか、こまつ座の井上芝居(あくまでも鵜山演出に限る)を彷彿としてしまいました。
向田さんの半生が実に生き生きと活写されていました。
3姉妹の様子も、観ていて、ずっと微笑ましくて、ずっとほっぺたが緩みっぱなしでした。
久しぶりに、文学座に素敵な芝居を見せて頂き、大満足!!
男の一生
三田村組
ザ・ポケット(東京都)
2010/11/26 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
チラシの意味が後で、わかる
三田村組、拝見するのは、これで3度目。もっと早くに出会っていたかったと後悔しきりです。
蓬莱作品は、何故か、外部への提供作品は、どれも好みで、今回も、例に漏れず。
田村作品同様、終盤、意外な展開を見せますが、こちらは、人物の心情に納得が行くので、観客としての不快感は一切なく、まったくお見事な作劇と感服しました。
役者さん達も、皆さん、とてもいい!
ラストまで、観て、三田村さん全裸のチラシの表す意味が飲み込めて、ちょっと、感無量となりました。
ただ、帰路、後ろから「役者っていっぱいいるのねえ。」「そうそう、成功してるヒトは、ホンの一握りなのねえ」とため息を漏らすおばさんの声が…。
その方達にとっては、テレビで顔を知っている斉藤さんお一人が、「成功している役者さん」と認識されていたようで、生まれながらの舞台演劇ファンの私には、とても悲しい反応でした。
私にしてみれば、これだけ、役者が揃った舞台はそうそう、ないのにね。
この雨ふりやむとき
TPT
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2010/11/08 (月) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★
題名の違和感が全てに繋がる
「この雨降り止まぬ時」ならすんなりと胸に伝わるのですが、「この雨ふりやむとき」という題名のしっくり来なさが、作品の本質にも繋がっている気がします。「この雨がやむ時」なら、どうだったか?などと、余計な邪念が湧いてしまいました。
傑作戯曲だとは思うものの、キリスト教に対する浅薄な知識しかない、この作品の重要な骨格となる問題について、どうしても、自らに引き寄せて、共感し辛い部分がある、私には、やや疲れることの多い芝居でした。
ミスキャストと思われる方もお二人いて、もっと違うキャストで、もう一度観てみたい作品ではありました。
ただし、須賀さんは、とても良い役者さんだなあと、再認識。田畑さんとの若い二人のシーンには、常に心が奪われました。
月いちリーディング/10年11月
日本劇作家協会
座・高円寺稽古場(B3F)(東京都)
2010/11/27 (土) ~ 2010/11/27 (土)公演終了
満足度★★★★
好きな女優さんがみつかりました
月1リーディングも会を重ね、流れもスムーズになり、和気藹々と意見が言いやすい雰囲気が生まれ、ブラッシュアップの目的にも適うデイスカッションに定着しつつあるように思います。
そんな中、戯曲に関して討論する以外にも、いろいろ新たな発見があり、参加する楽しみもまた倍増しています。
今日の収穫は、青年劇場の女優さん、伊藤めぐみさんを存じ上げられたこと。とても雰囲気のある素敵な女優さんで、一目でファンになりました。
テレビドラマでも大活躍されている円城寺あやさんも、フランクな方で、益々ファンになりました。
有名劇作家や、有名女優さんと、円陣になって、フランクに語れる場は、大変貴重に思います。
基本的には、月末の最終土曜日に、座・高円寺の地下3階の稽古場で開かれるこの会、参加は、一般の方でも大丈夫です。
是非、演劇ファンの方は、お気軽に参加されてみては如何でしょう!
黄昏
劇団青年座
紀伊國屋ホール(東京都)
2010/11/20 (土) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
名優は何があっても名優だと実感
この作品は、私は映画での出会いの方が先でした。
そのためか、山村想さんと確か八千草薫さんが演じた舞台を観た時は、これは絶対映画に軍配が上がると感じたものです。
でも、私も、そろそろアラ還世代となり、身近に親子仲のギクシャクしている親戚等を見ていると、今回の舞台は、自分でも予期しない場面で涙腺が緩み、やはり、この作品は、珠玉の戯曲だなあと、改めて実感しました。
たかしまちせこさんの翻訳台本も、最近の若者言葉をうまく取り入れ、古さを感じさせず、秀逸でした。
ただ、残念なのは、背景のセットが、ゴールデンポンドの広大な大自然の広がりを微塵も感じさせず、いつもの青年座の書き下ろし芝居風のセットだった点。このセットの雰囲気だけは、昔見た日生劇場の「黄昏」の方が空気感を感じました。
ノーマンが、娘の恋人ビルに嫌味を言う肝心な場面で、津賀山さんが台詞を忘れ、久しぶりに、客席にはっきり聞こえるプロンプターの声に、一瞬こちらも冷や汗でしたが、舞台上の津賀山さんと横堀さんは、全く動じる様子がなく、目も泳いだりすることもないので、やはり名優の舞台は違うと、逆に感じ入ってしまいました。
津賀山さんは、「オリバー」で拝見した時から、大ファンです。どうか、いつまでも、舞台上で輝く役者さんでいらしてほしいと心から念じてしまいました。
やけたトタン屋根の上の猫
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2010/11/09 (火) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
映画を観ていないからか
私は結構楽しめた舞台でした。
何故か、新聞評でも、ここでも、あまり評判の良くない、しのぶさんの1人まくし立てシーンも、もう1人の名女優のしのぶさんの演技よりは、うるさくないし、アメリカ的ではありながらも、万国共通の女性心理にも共感を覚えたりして、長い観劇時間でしたが、厭きることなく観られました。
個人的には、銀粉蝶さんの演じた老妻の夫に対する思いに一番共感してしまいましたが…。
カーディガン
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2010/11/01 (月) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★
キャスト陣には文句なし
パルコと中井貴一さんはとても相性がいいようで、パルコの中井主演作はどれも、今まで好感触。今回も例に漏れず、とても好演されていました。
大好きなキムラ緑子さんとの、夫婦役も息がピッタリ。戸田恵子さんとの組み合わせより、相性がいい気がしました。
市原さんも、舞台俳優としても、文句ない好演!!芸達者なんだんだなあと感服。
ずっと、人情コメディを観ている感覚で、心地良く笑っていたのは、これが、あの田村脚本だということを忘れていたから…。
やっぱり、田村さんの作劇には、最後で、小骨がささったような、若干の不快感はつき物なんですね。
RENT
東宝
シアタークリエ(東京都)
2010/10/07 (木) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★
ソニン1人が圧倒的に素晴らしい!
東宝版RENT、初演、再演と観て、思うのは、制作側に、深みのある舞台作りの意欲が欠けているのでは…ということ。
こういう芝居は、1ヶ月、同じキャストメンバーで、関係性を深め、それを舞台に投影してこその作品だと思うのですが、元々、役者力はあまりないように感じるキャストが多いところへ、同一メンバーでの舞台が続かないせいか、皆さん、ミュージカルというより、コンサートで、歌っているような風情でした。
以前の、日本「RENT]初演、再演版に比べると、どうしても、演出力、役者力の差を感じてしまいます。
訳詞も、圧倒的に、松田さんの方がしっくり来ます。
その中で、期待通り、ソニンさんのミミは、群を抜いて、素晴らしい役作りをされていて、ソニンさん目当てで行った身には、まあ、目的は達成できて、満足ではありましたが、+αがあれば、尚良かったのにと、とても残念な気がしています。
りんごりらっぱんつ
劇団競泳水着
サンモールスタジオ(東京都)
2010/11/12 (金) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★★
完成度の高い群像劇、お見事です
上野作品、4作、拝見して思うのは、本当に、群像劇の名手だなあという点。
あrだけの、登場人物が舞台上に生き生きと、その人生をそれぞれ、魅力的に映し出して下さる、脚本、演出、役者さん達…。ただただ感嘆します。
安心して、このストーリーの中に浸透しつつ、あっという間に、2時間10分が過ぎていました。
皆、舞台上の佇まいがすごく魅力的で、だれもを愛おしく感じて、56歳のおばさんなのに、涙腺緩みっぱなしでした。
競泳水着の女優さんは、皆さん、魅力的な役者さんばかりですが、中でも、主役の冬美を演じた細野今日子さんは、とてつもなく素敵でした。
この作品、舞台もいいけれど、映像バージョンも無性に観たくなりました。
最後が意外な展開なのも、洒落ていました。
いつも思うのですが、楽曲のセンスも抜群です。
説明過多でない、塩梅の良い脚本、本当に秀逸で、切なくなりました。
出来の良い、トレンディードラマを堪能したような気分でした。
蛇と天秤
パラドックス定数
ギャラリーSite(東京都)
2010/11/09 (火) ~ 2010/11/15 (月)公演終了
満足度★★★★★
社会派エンターティンメント芝居にドキドキ
もう!!野木さんのセンスには、今回も脱帽!!
戯曲を書く段階から、きっと会場選びも、視野に入れているのでしょうね。
話だけ追えば、かなり心痛になりそうな内容にも関わらず、遊び心が随所にあって、深刻な中にも、どこかワクワクする感情が芽生えてしまいます。
「東京裁判」や「棄憶」同様、言わばドキュメンタリータッチの筋立てでありながら、登場人物一人一人の深層心理まで焙り出して行くような、野木さんの筆致には、ただただ感嘆するばかり。
そして、それを、まるで、やはりドキュメンタリーのように、芝居とは思えない所作や表情、言い回しで、リアルな人間像を見せて下さる、役者さん達の力量が、これまた、尋常ならざる表現力で、圧倒されるばかりでした。
野木さんが、当パンで書いていらっしゃる通り、今まで拝見した作品よりは、数等ライトな印象でした。
こんな、社会派の深刻な題材を、こんなにライトな感覚で、照射できる劇作家兼演出家は、きっとなかなか見当たらないと思います。
パラドックス定数の舞台は、今後も、万難を排して観に行きたいと、強く思わせられる、刺激的な作品でした。
タンゴ-TANGO-
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2010/11/05 (金) ~ 2010/11/24 (水)公演終了
満足度★★★
不思議な魅力のある芝居
考えてみると、相当、粒揃いのキャストで、贅沢な舞台でした。
森山未来さん、初舞台から拝見していますが、いつの間にか凄い俳優さんになったなあと感慨深いものがありました。
今の若者のしたり顔の幼児性も仄見え、大変興味深い作品でした。
一幕は圧倒的に面白く、ニ幕は、一般的不条理劇風になり、途中眠くなったりしました。
一幕は、☆4、ニ幕は、☆2で、トータル3ぐらいでしょうか?
乱歩の恋文
てがみ座
王子小劇場(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/10 (水)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしすぎて声も出ない!!
何でしょう!!長田育恵さんて!!才気に溢れすぎています。
とにかく、旗揚げから拝見していますが、観る芝居、観る芝居、作風が全く違い、一体この作家はどれだけの味付けの戯曲を物すことができるのか!!
と、まずそのことに驚愕します。
ベタな部分もたくさんあるのに、そのベタさが特化していて、全然嫌な気がせず、逆に、観てて気持ちが良いくらい。
リアル以上にリアル。乱歩とその妻は、本当に、真実、こういうヒトだったに違いないと、思えて来る。
井上ひさしが、「人間合格」で、新たな太宰像を鮮烈に描いたように、長田さんは、独自の視点と切り口で、見事に、新たな乱歩像を、舞台上に生き生きと投射して見せて下さいました。
脚本、演出、キャスト、スタッフの仕事ぶり、全てが一級品の舞台。
素晴らしい!!私的には、今年観たどの作品より、演劇賞に一番相応しい作品だと思いました。
演劇を本当に愛する方には、必見の舞台だと、自信を持って断言できます。
図書館的人生 vol.3 食べもの連鎖
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2010/10/29 (金) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
イキウメ熟成期ですね
今まで拝見した短編集の中では傑出した作品だと思いました。
イキウメの劇団自体が、熟成中の感あり。
前川さんの作劇は益々磨きが掛かり、演出はスタイリッシュ。「ハーバーリーガン」の長塚さんにも感じたのですが、やはり海外で修行された後の演出は小粋な感じがしますね。
どうなるか予測のつかない展開に、終始目が離せないまま、2時間15分、息をつくのも忘れ、舞台を見守ってしまいました。
役者力も、全員が急激にアップ。
つい最近までは、まだ新人らしさの抜けなかった若い役者さんの力量アップに驚異的嬉しさを感じました。
脚本も演出も、役者力もグングンと成長し、益々目の離せない劇団になりそうです。
イキウメほど、実際に舞台を観ていない人に、この魅力と面白さをうまく伝えにくい劇団はないかもしれません。本当に類稀な傑出した劇団だと痛感しました。
俺の屍を越えていけ【無事に終了しました】
七里ガ浜オールスターズ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2010/11/01 (月) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★
身につまされつつ、笑った
何しろ、自分の以前の職場が舞台。そして、我が家の長い間の生計を支えた業界が舞台なので、何となく、似たような、状況設定や、人間描写に思い当たること、盛りだくさんで、ずっと、当事者気分で、成り行きを注視してしまいました。
脚本のレベルが高く、説明台詞や、回りくどい表現がないのが、とても心地良い観劇体制を整えてくれます。
瀧川さんは、ご自身も重要な役を演じながら、よくあれだけ、ナチュラルに役になり、尚且つ演出も冴え渡り、かなりの才人だとただただ感心!!
知り合いの誰かにいそうな各キャラクターを、各キャストが、皆さん、実にそつなく演じられて、大変クオリティの高い舞台でした。
家族の写真
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2010/10/28 (木) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★★★
鵜山さん心酔度がまた高まりました
題名から、もっと深刻な家族劇か、お涙頂戴ものを想像していましたが、さにあらず。
大変愉快な心温まる、ライトタッチな、大人向けハートフルヒューマンコメディでした。
脚本・演出・スタッフワーク・出演者…、全てが粒揃い。
ここでの評価に惑わされ、とんでもない駄作に出会ったことも多々あった反省を踏まえ、やはり自分の直感で、観に行く芝居を選ぶ、以前の方式に戻してからは、素敵な舞台に出会えるチャンスが増えて、最近幸せに思います。
月いちリーディング/10年10月
日本劇作家協会
座・高円寺稽古場(B3F)(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/10/30 (土)公演終了
満足度★★★★
だんだんと実のある会になりつつある
前回オヤスミして久々の復帰参加でした。
会の進行がスムーズになり、フランクに戯曲について論考できる場ができていました。
最初の頃、ゲスト劇作家の存在が重視されすぎ、会の目的と相反する危惧を感じましたが、円になって、誰でも口を開きやすい環境が整い、これなら、新人劇作家の戯曲のブラッシュ・アップの目的が少しは果たせる雰囲気が生まれて来たのではと嬉しくなりました。
プライドが高すぎる自己主張のあまり強いゲスト劇作家の存在は、むしろ弊害があると感じた会もありましたが、今回のゲスト劇作家は、この会の主旨もよく理解されている、常識ある方で、何よりでした。
一度取り上げた戯曲を作者が推敲した後、またリーディングで取り上げるという試みもあってもいいのではと感じました。
動かない生き物
らくだ工務店
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/10/23 (土) ~ 2010/10/28 (木)公演終了
満足度★★★★★
観られて幸せでした
そうなんです。こういう芝居が観たくて、私はいつも劇場通いをしているんだと、つくづく実感させられる、素敵な作品でした。
変にストーリーを作りこむことをせず、登場人物全員の佇まいや舞台上での居ずまいが自然で、まるで、日常の一こまを切り取ったスケッチ画のような芝居。
それでいて、全然厭きることはないのです。
脚本、演出、キャスト・スタッフの仕事ぶり、全てが、大変好ましく、自分好みのテイストで、久しぶりに、心底、舞台世界で、心地良くひと時を過ごすことができました。
この機会を与えて下さった間瀬さんに感謝!!