私が踊るとき
珍しいキノコ舞踊団
世田谷パブリックシアター(東京都)
2010/01/22 (金) ~ 2010/01/25 (月)公演終了
満足度★★★
時の流れといつものキノコ
出演は女性ダンサー6人。伊藤千枝と山田郷美が古顔で、新人だと思っていた篠崎芽美がいつのまにか中堅というか主力的な存在に。茶木真由美は少し前から出演していて、中川麻央と梶原未由は今回初めて認識した。なんだか時の流れを感じる公演だった。
ドン・キホーテ
谷桃子バレエ団
東京文化会館 大ホール(東京都)
2010/01/23 (土) ~ 2010/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★
4回目のドンキ
「ドン・キホーテ」もバレエの人気演目の一つだが、私自身はあまり見ていない。3年前に3つの舞台を見たっきり。グルジア国立バレエでは主演がニーナ・アナニアシヴィリ、新国立劇場バレエではスヴェトラーナ・ザハロワ、東京バレエ団では小出領子。いずれもメインのダンサーを目当てに見て、その点では文句もなかったのだが、作品的にはあまり面白いと感じなかった。
ところが今回は、これが主役デビューだという林麻衣子や、相手役の齊藤拓の踊りも悪くはないのだが、なんといっても出演者たち全員のマイムを中心にした演技がすばらしくて、芝居でヘタな演技を見るときのようなストレスがまったくないのがよかった。バレエ公演を見て私(演劇ファン)なんかが感じる不満というのは、踊りの技術面とかちょっとしたミスよりも、芝居の下手さというのがけっこう大きいのだ。
コルテオ
CIRQUE DU SOLEIL
原宿・新ビッグトップ(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/05/05 (火)公演終了
満足度★★★★
満喫
「劇団どくんご」という、テント芝居で全国を巡る劇団を去年初めて見て、珍しい上演形態だと思ったんだけど、考えてみたらテント小屋での上演というのは演劇よりもむしろサーカスのほうが本家かもしれない。
原宿の特設会場で上演されるシルク・ドゥ・ソレイユの公演も、テントとは思えない立派なつくりではあるが、公演が終わると跡形もなく消えてしまうという意味ではサーカスの伝統?を守っている。
過去に「キダム」「アレグリア2」「ドラリオン」と見てきてこれが4度目。座席はなるべく前で見るようにしている。ピエロは出ないが、それに近いコミカルなキャラターは毎回いて、彼らにいじられる危険があるのが難点といえないこともないが、やはり超人的なパフォーマンスを味わうにはなるべく距離は近いほうがいい。
アンチクロックワイズ・ワンダーランド
阿佐ヶ谷スパイダース
本多劇場(東京都)
2010/01/21 (木) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
難解
プレビュー初日とはいえ、役者陣の演技は安定していて、すでに芝居は出来上がっている感じ。
しかし、なかなか難解な内容なので、これからご覧になる方は、体調を万全にととのえてのぞんだほうがいいと思う。
疲れ気味の私は途中でちょっと集中力がぐらついてしまった。
インコは黒猫を探す
快快
シアタートラム(東京都)
2010/01/20 (水) ~ 2010/01/22 (金)公演終了
リニューアル
初演の王子小劇場と今回のシアタートラムでは舞台の広さが違うので、内容的にもかなり変わるのではないかと思っていたのだが、プログラムに載っていた演出・振付の野上絹代の挨拶文を読むと、今回は完全リニューアルだという。
私自身はどうしても初演版との比較で見てしまうので、今回はそれほどヘンテコさを感じなかったが、これを初めて見る人はどんな感想を持つのだろうか。そっちのほうがむしろ気になる。
EKKKYO-!(公演終了!次回3月[家族の証明∴]は1/30より発売)
冨士山アネット
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2010/01/14 (木) ~ 2010/01/17 (日)公演終了
理屈ぬき
ライン京急、ままごと、CASTAYA Projectまではその先鋭的というか、とんがった表現を面白がることができたのだが、後半のモモンガ・コンプレックス、岡崎藝術座、冨士山アネットでは、最後まで目を開けているのがつらくなった。疲れ気味の体は正直だ。
S高原から
三条会
ザ・スズナリ(東京都)
2010/01/15 (金) ~ 2010/01/18 (月)公演終了
満足度★★★★
奔放なビジュアル
やっぱり5年前の上演作品とはまったく違う演出だった。あのときは4つの劇団が同じ脚本を別演出でやるという企画だったから、舞台装置はほぼ共通ということであまり好き勝手ができなかったのだ。今回は単独だからそれこそやりたい放題にやっている。
脚本というのは目で読むだけでも内容が理解できるし、朗読されたものを聞くだけでも意味は伝わってくる。
そう考えると、舞台に装置を作ってそこで役者が登場人物を演じるという視覚的な側面は、あくまでも脚本の内容を理解するうえでは、補助的な役割しかはたしていないのかもしれない。
そんな理屈を考えてしまうのは、要するに、三条会の芝居では目に飛び込んでくる事柄と、耳に入ってくる内容が大きくずれているってことだ。
足りてる男
ピンズ・ログ
ザ・ポケット(東京都)
2010/01/12 (火) ~ 2010/01/17 (日)公演終了
満足度★★★★
群像劇の傑作
この劇団を見るのは4度目。初めて見た「ル坂の三兄弟」がものすごくよかったので、そのあとの2本はイマイチだったけれど見続けていたら、今回は「ル坂~」を上回る内容だった。
ウェルメイドな群像劇という点では、去年活動休止したグリングに似たタイプの作品。大勢の人間が出入りする一つの場所を舞台にして、そこでの人間模様を丁寧に描いている。場所の設定がいろんなタレントを抱える芸能事務所だというのが珍しい。芸能界の内幕を描いているところが興味深いし、バックステージものとはちがうけれど、裏側をのぞく面白さではなんとなく共通している。
出演者は13名。一人のはずれもなく、全員が好演している芝居というのは見ていてほんとに気持ちがいい。ナイロン100℃の皆戸麻衣も出ている。
『洪水 - massive water 』
指輪ホテル(YUBIWA Hotel)
イワト劇場(東京都)
2010/01/08 (金) ~ 2010/01/11 (月)公演終了
寅年に羊が兎になる
動物尽くしの寓話的なパフォーマンスだった。
ソロ作品とはいうものの、実は音楽担当のスカンクも重要なパフォーマーの一員だし、ほかにも扮装した3名の裏方さんが登場する。
罠にかかって命を落とし、体が腐敗しかけたウサギの死体に扮するのが羊屋白玉。片脚にスケート靴。野菜などを乗せたカートを押しながら現われる。「羊屋ここに眠る」と英語で書かれた白い墓石も積んでいる。それがまな板に早代わりすると、もう一つのスケート靴のエッジが包丁になって野菜を刻む。出来上がったサラダは最前列の観客にふるまわれた。「食べて」といわれるだけならまだしも、「全部」となるとさすがにあの量では無理だろう(笑)。植物の蔓で編んだ輪がウサギを捕らえた罠ということになっていて、これもカートのサイドにいくつか吊るしてある。舞台下手の天井付近から木の枝が伸びていて、そこへ輪投げの要領で輪っかを何度も投げ上げる。ナレーションがときおり効果的に響く。「生きているときの意味なんて、死んでからでなければわかりゃしない」というのは私の勝手な意訳だが、そんなふうな意味のことをしゃべっていたような気がする。
プログラムの解説によると、序盤のこの場面だけが最初に作られたそうで、残りの部分はあとから追加されたらしい。序盤に限っていえばたしかにソロ作品だといえるし、面白かったのも実はこの序盤だけだったかもしれない。
後半では蚊帳のような薄い幕が舞台奥に広がって、そこに映像が写し出される。蜘蛛が巣を張り、それに蝶が捕まり、それが蛙に食べられ、今度は蛇がそれを飲み込み・・・という食物連鎖を描いた映像が面白かった。これも動物づくし。この映像がなければ作品的にはかなり凡庸なものになっていたかもしれない。
段取りの悪さは承知の上、ゆるいパフォーマンスも確信犯という感じだった。
キミ☆コレ~ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート~
シベリア少女鉄道
タイニイアリス(東京都)
2010/01/06 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了
同時代の楽しみ
2002年に王子小劇場で上演された「耳をすませば」でシベリアデビューして以来、これが16本目の観劇。正直なところ、最初の衝撃を上回る作品には未だに出会っていないというのが実情だが、それでも新作が発表されるたびに劇場に足を運んでしまうというのは、やはり私がシベリア少女鉄道の魔力(というか呪い)の虜になっているからかもしれない。
基礎知識というか、元ネタがわかっていないと楽しめない内容だった。作者の土屋亮一は私よりもずっと若く、作品によっては世代的なズレを感じることもあるのだが、今回はどうにかついていくことができた。私がシベ少を見なくなる日がくるとすれば、それはたぶん作品の劣化ではなく、ジェネレーション・ギャップが致命的になったときだろうと思う(不慮の事故とかは別にして)。
不躾なQ友
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/12/26 (土) ~ 2010/01/03 (日)公演終了
満足度★★★★
サイコロジカル・コミカル・サスペンス
板倉チヒロと木村美月が欠席で、客演の男優が6人。知っているのは中川智明だけ。独特の間で演技をする人なので、クロムモリブデンの芝居に合うのか心配だったが、うまく持ち味が生かされていた。ほかの5人(花戸佑介、鶴田祐也、武子太郎、小林義典、北川大輔)は初めて見る顔でまったくの未知数。しかしクロムの芝居にすっかり溶け込んでいて、次回もよろしく的な即戦力の雰囲気。もともと役者の個性の強い劇団だが、作・演出の青木秀樹のすぐれた人選能力というものを今回はっきりと認識した。
スポーツ演劇「すこやか息子」
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2009/12/25 (金) ~ 2009/12/27 (日)公演終了
配置と森
神村恵カンパニー
SuperDeluxe(東京都)
2009/12/22 (火) ~ 2009/12/23 (水)公演終了
木と林と森
公演を見たあとでチラシを改めて眺めていたら、今回のタイトルが「配置と森」ではないことに気づいた。ふつう「森」という漢字には「木」が3つ入っているが、実は今回のタイトルでは、「森」の部分が6つの「木」からなっている。
去年の初演も見た。会場でもらったプログラムに載っている作者の挨拶文を読むと、今回は初演とだいぶちがっているらしい。しかし前回の内容をかなり忘れているところへもってきてさらに内容を改訂されたら、初演との比較などできるはずがないし、かといって新作として眺めるには妙な既視感もつきまとう。そんなわけで、作品の接し方にちょっととまどいを覚える今回の上演だった。
会場がSTスポットからsuper deluxeに変わったというのもかなり大きい。前者では舞台の三方に壁があったが、後者では三方を客席が囲んでいる。
20センチくらいの立方体のオブジェか何個か、小道具として使われるのは初演と同じ。たぶんタイトルにある「配置」というのはこのオブジェのことで、「森」というのがダンサーを指しているのだろう。
STスポットでやったときには三方に壁があるせいで、舞台自体も立方体の空間という感じがして、「CUBE」という映画なんかを連想した。しかし今回のsuper deluxeはオープンなスペースなので、そういう密室感は消えていた。
冒頭の首回しの場面は初演にもあった。最初、一人だったのが暗転のあと二人になる。まるで人間が二つに分裂したような印象を与えるあの場面が面白い。そのあとの展開は記憶があいまいになるが、初演よりもコンタクトが増えていたような気がする。二人の関係に何らかの取り決めがあって、その範囲内で自由に動いているという印象なのだが、こればかりは実際に稽古場をのぞいてみないとよくわからない。今回の再演も、最後まで飽きることなく眺めることはできたのだが、動きそのものというよりも、動きの作り方が妙に気になる作品だった。
天国篇 (神曲3部作)
フェスティバル/トーキョー実行委員会
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2009/12/17 (木) ~ 2009/12/21 (月)公演終了
聖地巡礼の気分
神曲3部作の最後。3作とも美術作品という要素が色濃い。「地獄編」「煉獄編」はそれでも演劇作品という体裁を保っていたが、この「天国編」になるともはや演劇的な要素はほとんど感じられない。それでもインスタレーション・パフォーマンスという案内表示が示すように、パフォーマーは登場した。
入場者はあらかじめ5名に限定されていて、鑑賞時間も5分と表示されている。
点と線
カンパニーデラシネラ
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2009/12/17 (木) ~ 2009/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★
マイム+台詞≠演劇
通常は声を出さないマイム作品で、どうやって松本清張の小説を舞台化するのかと思ったら、今回はなんと、台詞をしゃべった。プログラムにはテキスト協力:小里清とクレジットされている。しかし台詞があるからといって、普通の演劇作品ではない。やはりマイムの要素が濃厚に入っている。
事件を調べる主人公の刑事を森川弘和が単独で演じるほかは、残りの五人(佐藤亮介、鈴木美奈子、関寛之、藤田桃子、小野寺修二)が複数の登場人物(プログラムに記されているのを数えると全部で26役)を演じている。
ストーリーはほぼ原作通りだが、あらかじめ内容を知っていたほうが楽しみやすいだろう。小説の内容をまったく知らずに見た場合、はたして時刻表のトリックを充分に理解できたかどうか、あまり自信がない。
マイムのパフォーマンス自体はこれまで小野寺がやってきたものとそれほど変わらないと思うが、今回は台詞が加わって演劇に近づいているぶん、逆に演劇との違いがよくわかった。
冒頭の場面では男女の死体が客席に足の裏を見せるかたちで横たわっていて、それを二人の男が見下ろしている。どうやら青酸カリをあおっての心中らしい、と男の一人がいう。この第一声でオヤッと思い、今回は台詞がつくのだなと頭の準備態勢を切り替えた。ここまでは普通の演劇の流れだが、次に男女の死体がむっくりと起き上がってはまた横になるという動作が始まると、ここからはシュールな雰囲気を持つ従来のマイム作品の色合いになる。二人組の男のほうも、死体の動きに反応したり、あるいはそれをまったく無視して台詞をしゃべり続けたりする。
そのあともこんな調子で台詞劇とマイムの要素が入り乱れながら話が展開する。マイムでは動きがスローモーションになったり、反復したりするし、台詞のほうでも反復や大幅な省略がある。
一人が普通の芝居をしているのに、相手のほうだけがマイム的な動きをする場面を見ていると、なんだか舞台上の時空間が歪んでいるというか、物語の流れそのものが速度変化を起こしているような印象を受ける。
詳しいことは知らないのであれだけど、クラブのDJがレコード盤の回転を手で操作して不思議な効果を出すという音楽がある。あれを聴覚的なデフォルメだと考えれば、こちらの舞台作品では同様の効果を視覚面で作り出しているように思えるのだ。
具体的な内容を言葉でうまく伝えられないのが残念だが、マイムと台詞が融合することで、なんだかものすごくユニークな、従来の演劇では見たことのないものが生まれた気がする。
煉獄篇 (神曲3部作)
フェスティバル/トーキョー実行委員会
世田谷パブリックシアター(東京都)
2009/12/19 (土) ~ 2009/12/21 (月)公演終了
丸の向こう側
神曲3部作のうちの「煉獄編」。今回は見づらい座席ではなかった。
中盤まではふつうの演劇っぽい展開を見せるが、終盤ではヴィジュアル系というか、美術作品の色合いが濃くなり、やはり作り手がいちばん見せたかったのもこの終盤だろうと思う。
それにしても、中盤までの展開が退屈だったこと。まるで体調の悪いときに見るアンドレイ・タルコフスキー監督の映画のような。
台詞は英語で、字幕がつく。
シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー「聖なる怪物たち」
公益財団法人日本舞台芸術振興会
東京文化会館 大ホール(東京都)
2009/12/18 (金) ~ 2009/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★
意外とエンタメ
タイプの違うダンサー二人の組合せ。アクラム・カーンは民族舞踊から出発している人みたいだし、かたやシルヴィ・ギエムはバレエのダンサー。
変に芸術志向というか、テーマを掲げたような作品だったらイヤだなと思っていたが、ソロとデュオからなる6本ほどのダンスの間に、軽いユーモアを交えたトークが入るという構成で、たとえば大物歌手の共演する「ふたりのビッグショー」みたいな親しみやすさがあった。
ダンサーは二人とも身体能力が非常に高く、筋力、瞬発力を感じさせるシャープな動きが目立った。いちばん最後のデュオではユニゾンで動くところがあり、そこでは特にストリートダンスに近い感じがした。
身長はギエムのほうが少し上回る。腕の長さ、細さにもだいぶ差がある。バレエを踊るならギエムのほうが圧倒的に優位だろうが、しかし小刻みにしかも素早く手足を動かすとなると身長や腕の長さが逆にハンデになる。アクラム・カーンが踊りのベースにしている「カタカリ」というインドの舞踊には、たしか武術的な要素が入っていると聞いた。
ダンスの出自だけでなく、体つき自体も大きく異なる二人だが、とはいっても決して異種格闘技の雰囲気ではない。互いの違いや特徴を残しつつ、ちゃんと一つのダンス作品の中で踊っている。競演ではなく共演している、とでもいうか。
生演奏をする演奏家と歌手が舞台の両端に陣取っていた。どこの国の音楽かは知らないが、民族音楽っぽい。基本的にはその演奏に乗って踊っていて、ドラマ性は感じなかった。舞台装置は白いゴツゴツした感じの壁が石灰岩の岩肌を連想させた。チラシに載っている過去の作品評では「氷山のような」と形容されていたが、私はそれほど寒々とした印象は受けず、むしろ白く乾燥した土地に思えた。
シルヴィ・ギエムというダンサーを知ったのは最近のことで(そもそもバレエを見始めてからまだ日が浅い)、そのときには彼女はすでにクラシックバレエをほとんど踊らなくなり、コンテンポラリー作品のほうへ重点を移していた。
なんとなくその理由を体力的なものだろうと思っていたのだが、この日の彼女の動きを見ていると、それは決して体力的なものではなく、むしろクラシックバレエの動きだけでは彼女が飽き足りなくなってきた、体が満足しなくなってきた、からではないか、と思ったりした。
jam 【活動休止公演】
グリング
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/12/09 (水) ~ 2009/12/23 (水)公演終了
満足度★★★
いつかまた
初演の会場はザ・スズナリで、座席はごく普通の形だったが、今回はベニサンピットとかでよくやっていた「客席・舞台・客席」のサンドイッチ形式。その最前列に座ったものだから、身近すぎる役者の緊張ぶりが、芝居内容を上回る感じで伝わってきた。できればもっと後ろの席で見たかった。
くるみ割り人形
井上バレエ団
文京シビックホール(東京都)
2009/12/12 (土) ~ 2009/12/13 (日)公演終了
too many children
先月に続いて2度目のくるみ割り。全3公演のうち、ダンスの主役である「金平糖の精」を島田衣子が踊る13日の回を見る。振付はこのバレエ団の芸術監督だという関直人。11月に東京バレエ団がやったワイノーネン版とはちがい、少女クララは物語の主人公ではあるが、ダンスのメインではない。
クリスマスパーティーの場面を描いた前半では、子供連れの家族が大勢登場する。東京バレエ団のときは、子供役も大人のダンサーが演じていたので踊りの面でもしっかりとしていたが、今回は子供役をそのまま子供が演じているので、彼らの群舞が展開するところでは、まるで子供バレエ教室の発表会に来ているような気分になった。実際、客席の雰囲気もバレエ絡みの知り合いが多数詰めかけている感じ。一般客にはこういうのはちょっと興ざめ。
目当ての島田は後半に登場。相手役の王子は石井竜一。チケット代7000円のほとんどはこの二人の踊りに支払ったといってもいいくらい。ロイヤルメトロポリタン管弦楽団の演奏もいまいちだった。各国の踊りの最後に来る「花のワルツ」はふつうは群舞だと思うのだが、ここでは男女デュオによるパ・ド・ドゥが加わっていた。あとに来る「金平糖の精」の踊りでちゃんとしたパ・ド・ドゥが見られるのだから、その直前のやつは不必要だと思う。
渋々
親族代表
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/12/12 (土) ~ 2009/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★
充実のコント
コンビ結成10周年にふさわしい、面白い内容のコント集だった。上演時間は90分。
開演前に寸劇をやって、携帯電話の電源オフを促すのはここ何作かのお約束。それだけのためにずいぶん凝った道具を作っているのは、たぶん演出家福原のこだわりだろう。
5人の作家が提供した8本のコント。上演中は作者名を伏せて、終演後に受付でチラシを配って種明かしをしてくれる。今回は作家当てがかなりむずかしかった。