jam 【活動休止公演】 公演情報 グリング「jam 【活動休止公演】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    いつかまた
    初演の会場はザ・スズナリで、座席はごく普通の形だったが、今回はベニサンピットとかでよくやっていた「客席・舞台・客席」のサンドイッチ形式。その最前列に座ったものだから、身近すぎる役者の緊張ぶりが、芝居内容を上回る感じで伝わってきた。できればもっと後ろの席で見たかった。

    ネタバレBOX

    初演は6年前。案の定、内容はかなりの部分を忘れていた。覚えていたのは、舞台がペンションだということ、歳の離れたカップルの存在、あとはとりあえず良い芝居だったという全体的な印象。
    夫婦で経営していたペンション。妻の妹も手伝っていたらしい。妻は何年か前に事故で亡くなっている。その後、夫と妹で経営を続けてきた。夫が婿養子だということを姉が問題視する。もし彼が再婚すればペンションの経営が妻の血縁者の手からまったく離れてしまうというのだが、それってそれほど重要なことだろうか。そもそもペンションの所有は誰の名義になっているのだろう。
    夫と妹が結婚すればうまく収まりそうな気もするが、人の気持ちはそう簡単には片付かない。好きな人には思いを伝えられず、好きな相手は別の誰かに気があって。
    混線気味の恋愛模様を描いた群像劇ってところか。地元の音楽グループにベートーヴェンの第九を指導する音楽家がいて、彼の送別会が開かれようとしている。永滝元太郎が演じるその音楽家先生の胡散臭さは、テレビ版「のだめカンタービレ」で竹中直人が演じた音楽家と対決させてみたくなる。彼が絡む場面は恋愛劇の中でもラブコメのパートといっていい。
    合唱の伴奏係を務めるピアノ弾きの女性は、育ちのよさと、異性関係にルーズな雰囲気が同居していて、配役的に松本紀保は合っている気がする。
    夫と妹を演じるのはグリングのメンバーである中野英樹と萩原利映。妹が思いを寄せる近所の男を演じる小松和重は初演からの続投。あくまでも脇の人物で、大麻や眠剤を持ち歩くちょっとやばそうな青年役は遠藤隆太。本来はグリングのメンバーである杉山文雄が演じるはずだったが、病気による降板で急遽の代役。風貌はたしかに誰かが指摘していたようにナイロン100℃の大倉孝ニに似ている。一方、台詞をしゃべるその口調は杉山にかなり似ていた。今回でグリングは活動休止ということなので、せっかくだからほかの配役も書いておく。姉役の佐藤直子も初演からの続投。歳の離れたカップルは澁谷佳世と廣川三憲。初演では山脇唯と鈴木歩己が演じていたが、それに比べると今回のほうがありえなさ加減がアップしている。

    これまでに見たグリング作品9本の中では、「海賊」がベストだと思う。

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    2009/12/16 21:03

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