インコは黒猫を探す 公演情報 快快「インコは黒猫を探す」の観てきた!クチコミとコメント

  • リニューアル
    初演の王子小劇場と今回のシアタートラムでは舞台の広さが違うので、内容的にもかなり変わるのではないかと思っていたのだが、プログラムに載っていた演出・振付の野上絹代の挨拶文を読むと、今回は完全リニューアルだという。

    私自身はどうしても初演版との比較で見てしまうので、今回はそれほどヘンテコさを感じなかったが、これを初めて見る人はどんな感想を持つのだろうか。そっちのほうがむしろ気になる。

    ネタバレBOX

    漂流舞台と呼びたくなるような、移動式の舞台が使われていた。この移動式舞台の大きさが、初演時の王子小劇場の舞台サイズだと思っていいのではないだろうか。初演では、戸外やダンスの場面も同一の舞台で展開したが、今回はスペースに余裕があるので、移動式舞台はインコを飼っている青年の部屋という設定に限定して、戸外やダンスの場面では、いったん移動式舞台を後方へ移してから、舞台前面の空いたスペースを使っている。
    この移動式舞台の扱いが初日のせいかけっこう面倒そうで、段取り的にもたつくところがあった。

    プログラムの挨拶文によると、演出・振付の野上は今年の3月に出産を控えているという。初演では顔を黄緑色に塗った彼女が主役級の活躍をしたのだが、今回は残念ながら出演していない。彼女が演じたパートは、今回初めて見る黒木絵美花という人が担当している。野上同様になかなかダンスがうまい。とても魅力的だということは、本人が劇中で熱心にアピールしているから、たぶん間違いないだろう(笑)。

    快快の肉体派といえばまっさきに思い浮かぶのが山崎皓司。そして今回はもう一人、板橋駿谷という役者も出演している。肉体派は同時に「汚れ役」でもあるようだ。

    テキスト担当は篠田千明。快快の作品にはチェルフィッチュの影響を感じることがままあるのだが、今回も客席に向かって語りかけるところなどは特にそう思う。青年の部屋に仲間が集まって、酒盛りをしたり、シフォンケーキを作ったり、ゴキブリを退治したりという話の大筋は初演と同じ。ただ、終盤のまとめ方がすっかり変わっている。記憶がだいぶ曖昧になってしまったが、初演ではたしか、原子力発電所の事故によって放射能汚染が起きるという展開だったはず。今回のはそういう破滅的なシナリオではない。2006年の初演時にはたぶんまだ世の中になかっただろうツィッターの話題なども取り込まれている。

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    2010/01/20 23:40

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